2008年07月

2008年07月29日

円地文子が対談で語った森茉莉の発言

河盛好蔵編『作家の素顔』(昭和47年10月駸々堂出版)で、
円地文子が、森茉莉が母親について語ったことを喋っている。
この本は「小説現代」の昭和40年1月号から2ヵ年にわたって連載
されていたものを収録している。

河盛 鴎外の奥さんは、非常にきれいな方だったそうですね。
円地 あんなきれいな人はないとお姑さんからも言われたという
だけに、とおかく顔のことばっかりで、ご自分の子供でも、顔が
気にくわないんですって。森茉莉さんも言ってられました。母は
顔がきれいだから。妹の顔も気に入らないし、私の顔も気に入ら
ないんですって。


森茉莉と円地文子は二人で会うほど親しくはないように
見えるんだけど、どこでこの話を聞いたのだろうか。
『輝ク』の座談会で一緒になったり、長谷川時雨を交えて
食事したり戦前に面識はあったと思う。戦後は女流作家の
集まる場所へ森茉莉が出向いたかもしれない。

更に、小島政二郎との対談では鴎外の妻について。

河盛 奥様はきれいな方だそうですね。
小島 粋な方でほんとうにきれいな方だったな。
ずいぶん悩まされたらしいですけどね。
河盛 そのようですね、あの奥さんには。
小島 先生ほどの偉い人が、伴侶の選択を間違えるということは…
河盛 面喰いなんじゃないでしょうか、鴎外先生。(中略)
小島 おかしいですね。一番人間を見抜かねばならない作家が
自分のこととなるとどうもうまくいかない。偉い文学者で
奥さんに恵まれなかった人が多いですね。


森茉莉が好きだからそう思うのだろうけど、
明治生まれ基準では悪妻だったのかもしれないけど、
↓これはひどい。茉莉始め三人の子が見る可能性もあるのに。
伴侶の選択を間違える
伴侶の選択を間違える
伴侶の選択を間違える


森茉莉が母親を擁護する内容の文章をあちこちで書いて
いるのは、昭和40年になっても「悪妻扱い」されていた
からなのかもなあ。

対談の順番は小島のほうが先なので、小島に聞いて円地に
「きれいな方だったそうですね」と話をふったものと思われます。

他の対談者の名前は下記の通り。

谷崎潤一郎 獅子文六 川口松太郎 丹羽文雄 石川達三
吉屋信子 舟橋聖一 石坂洋次郎 井伏鱒二 井上靖 
中山義秀 小島政二郎 武者小路実篤 永井龍男 山本周五郎
円地文子 尾崎一雄 今東光 志賀直哉 伊藤整 平林たい子
子母澤寛 広津和郎 川端康成

森茉莉の話題ではないけど、永井龍男との対談で永井が
日経新聞に連載した庄野潤三の『夕べの雲』を褒めていた。

chiwami403 at 21:24|PermalinkComments(0) 森茉莉 

2008年07月27日

金井美恵子『昔のミセス』に森茉莉の話

幻戯書房NEWS : 金井美恵子『昔のミセス』刊行!  &刊行記念・金井美恵子さんトークセッション開催!

によると、金井美恵子『昔のミセス』に森茉莉の話が出てくるようだ。

2006年10月20日「ミセス」に金井美恵子が森茉莉の話
で紹介した連載が単行本になったものと思われます。

それから小川洋子の出演するラジオ番組で森茉莉の
『父の帽子』が紹介され、その際には直筆原稿が登場したらしい。
森茉莉 『父の帽子』- Panasonic Melodious Library パナソニック メロディアス ライブラリー





chiwami403 at 21:14|PermalinkComments(0) 森茉莉 

2008年07月08日

『三田文学名作選』に森茉莉「独逸の本屋」

黒猫ジュリエットへの手紙 -雑誌 新聞記事-
で紹介されているのですが、

名作選(三田文学公式ホームページ)
に森茉莉の文章(全集未収録?)が掲載されていると
知って、県立図書館で見てきました。

雑誌「三田文学」に掲載されたのは昭和8年9月号。
元の雑誌を閲覧するのは大変だけど、このような名作選
はありがたい。冒頭を引用。

そこは、伯林だつた。黒ずんだ、紅い、桜の実の成つてゐる
風の荒い、若い娘が赤い体に白いきものを着て、金色の髪の
毛をそよがせてゐる伯林だつた。


ヨーロッパ滞在中に鴎外の訃報を聞いて伯林を訪れ、
夫と共に入った本屋で父鴎外や父がいた生家の書庫を思い出す、
という内容。後年の作品でもどこかで同じような内容のがあった
気がするけど、『父の帽子』掲載の「夢」みたいな文体だな……
と私は思いました。

この文章を書いた昭和8年は、年譜を見ると
・『マドゥモアゼル・ルゥルゥ』を出版
・雑誌「冬柏」や「演芸画報」に演劇評などを発表
と作家になるために文章を発表し始めています。



chiwami403 at 19:38|PermalinkComments(0) 森茉莉 

2008年07月06日

ネット上で見られる長谷川春子の絵

いのは画廊サイトの長谷川春子「母子」

もう売却済だけどネットで画像が見られてありがたや。

九州史を彩った女性たち第二回 玉鬘(「源氏物語」)

財界九州という雑誌のサイトに掲載されたらしい源氏物語の解説。
「玉鬘に求婚する肥後の豪族・大夫の監=長谷川春子画(筥崎八幡宮蔵)」
画像のサイズが小さいけど長谷川春子の絵が出てます。
ちなみにドメス出版『長谷川時雨 人と生涯』の表紙も、
同じく長谷川春子の描いた源氏物語の絵。



chiwami403 at 21:23|PermalinkComments(0) 長谷川時雨