2011年07月

2011年07月24日

森於菟『耄碌寸前』

やっと図書館の本の順番がまわってきて読んだ『耄碌寸前』。

書名にもなった冒頭の「耄碌寸前」。
森茉莉は「夢を見ることが私の人生」「夢こそこの世の真性の現実。そして宝石」
と言っていますが一方兄は

ただ人生を茫漠たる一場の夢と観じて死にたいのだ。そして人生を模糊たる霞の中にぼかし去るには耄碌状態が一番よい。

以前紹介した卵についての文章も掲載されている。
(ご参考)森茉莉街道をゆく:森於莵も卵が好き - livedoor Blog(ブログ)

他で面白かったのは「放心教授」。

私の周囲には私に比肩得る放心家はない。
そこで一家の伝を以て満足をせざるを得ないのである。
蝙蝠傘を一月に一本、万年筆を二月に一本の割で紛失するなぞは取るに足らない。


と以下いかに自分がぼんやりさんかというエピソード羅列で、今こういう
エッセイを誰か書いてもきっと面白くもなんともないんだろうけど、森兄弟の中では
一番しっかりした人だと思っていた兄さんはドジっ子なので、あった。
森茉莉もぼんやりさん自慢なエッセイが確かあったけど、鴎外遺伝なのか?

徴兵猶予願いを出すのを忘れて検査を受けることになった、というのと
結婚式の日は教室で実験していて時間を忘れたというのがすごい。

あと、「蛙の臍」という文章でに出ていた『解剖台に凭りて』の表紙が黒猫、
見返しに大きな蛙が腹を上にしてひっくり返っている、という図があるらしいんだけど
実物を見てみたいものだ。黒岩比佐子さんのブログに出ている本画像は別の版みたい。

古書の森日記 by Hisako:森於菟『解剖台に凭りて』(昭和9年) - livedoor Blog(ブログ)
(その2)

あと森於菟の文章を読むと森茉莉たちの母しげの発言がすごくて
こりゃ悪妻と言われてもしょうがないよね、と印象が変わりました。
森茉莉は素直で悪気がなくてと言っているけど、だからってなあ。

chiwami403 at 21:07|PermalinkComments(2)

2011年07月01日

萩原朔美『劇的な人生こそ真実』

河出書房新社から出たムックと、ユリイカの特集の両方で
萩原朔美は森茉莉のことを書いているので、今回の本も同じ話かと
思って読まずにいました。で、やっと図書館で借りてきました。

プロローグで美輪明宏が出てきて枯葉の寝床の舞台のときに
楽屋で森茉莉が怒った話。
本文の森茉莉の話は読んだエピソードも多いけど、より詳しく書いて
あります。あと萩原葉子の手術に森茉莉も付き添った話は初出?

萩原葉子が亡くなる前のことを描いた本も気になってきた。

劇的な人生こそ真実―私が逢った昭和の異才たち
劇的な人生こそ真実―私が逢った昭和の異才たち




死んだら何を書いてもいいわ―母・萩原葉子との百八十六日
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chiwami403 at 21:12|PermalinkComments(0)