2010年01月23日

主婦の友1963年6月号「紅茶と薔薇の日々」

「随想さろん」というコーナーに1ページ分のエッセイで、
タイトルは「酒と薔薇の日々」をもじったもの。

家族と一緒に住んでいた頃には、とくに自分の湯のみ茶碗に凝る
というようなこともなかったが、アパートに一人だけの部屋を持つ
ようになった頃からは、部屋全体に、自己主張のようなものが出来て
きて、自分のすきなものだけを置くようになった。ふだんお茶を
飲む茶碗も、それで一つ一つ覚えている。


以上最初の文章。浅草のアパートで使っていたのは

渋い薄茶に、赤い椿(葉は黒)の模様の、形もちょっと、お茶の湯の茶碗のようなの

濃い藍色に、何かわからない花のある、この方はどこかハイカラな感じ


の二種類。その後現在のアパートでのいわゆる「贅沢貧乏」な部屋のことにふれ
後半は「ボッチチェリの薔薇の茶碗」で紅茶を飲むことについて書いている。

薄紅色の花に、青みがかった薄緑の葉の薔薇を散らした紅茶茶碗で、
その花が、昔イタリアの美術館で見たボッチチェリの「ヴィナスの誕生」
の、空や海の上に散っていた薔薇によく似ていることと、その葉の色が、
やっぱりその空や海の色の薄青であることから、名をつけた茶碗である。



chiwami403 at 16:13│Comments(0) 森茉莉全集未収録? 

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