2010年03月04日

みどり1959年1月号「私の恋人森鴎外」

46〜50ページに「私の恋人森鴎外」が掲載されている。
最初のページはタイトルと森鴎外、森茉莉の写真で文章は4ページ分。

タイトルと森鴎外の写真の横に

鴎外は私の恋人――ゆたかな詩情と特異な感覚で作家生活の
スタートをきった筆者がつづる、文豪への愛


というキャッチコピー(?)がついている。
森茉莉の写真は淡い色のブラウスに、濃い色のカーディガンを着て
どこかの喫茶店で撮影したのか、コーヒーカップを持って微笑んで
いるもの。『森茉莉 贅沢貧乏暮らし』の表紙などに使われている
写真に比べると、カメラ目線でポーズ決めて笑顔を作ってるような印象。

文章の最後の著者紹介欄。

森茉莉氏は作家。鴎外の長女。さいきん仏文学者山田珠樹氏との
離婚の真相を素材にした小説「記憶の書物」(「靴の音」所収)
によって注目をあつめた。


本文は三部構成(?)になっていて、これは編集部でタイトルをつけた
ものかもしれないけど

「幼い恋」:幼い頃、鴎外に甘えた思い出
「薔薇の棘のいたみ」:十六歳で婚約後の鴎外の変化、渡欧時の別離
「私の恋人、父と息子」:息子と二十四年ぶりに再会、父と息子の微笑

「幼い恋」と「薔薇の棘のいたみ」に書かれてる内容は、森茉莉読者なら
読んだことあるエピソードばかり。全集未収録作品じゃないかも
しれない気がしてきた。

冒頭部分。

上野の森を見晴らす本郷台の崖の端に、大きな二階建ての家が、あった。
泰山木、百日紅なぞの枝で半ばは隠された二階の下には、二階を首にして
獣の体のように、長く東に延びた平家(ママ)があり、それを両側から
挟んでいる広々とした庭が、あった。


庭の花で森茉莉が最も親しんだのは「細かな提灯の花」だそうです。
提灯花=ホタルブクロなのですが、文章には提灯の花の下が安らぎの場所
であったと書いているので、ホタルブクロでなく森家の人々がそう
呼んでいた別の花なのか?

最後の「私の恋人、父と息子」は長男と再会して頻繁に会い、文学談義
などをする楽しさを、「薔薇色の時刻(とき)が、飛び去る」と表現している。

彼は父の周囲にあった、軽い、フワリとしたような雰囲気を、その体の
周囲(まわり)に漂わせて、いた。私は再び父を視た。私は再び父を
取り戻したので、あった。


森茉莉は再会した息子にかつての父親の姿を重ね合わせてるのだけど、
妹の小堀杏奴は、当時の森茉莉の長男を山田珠樹の若い頃にそっくりと
書いている。見た目は山田珠樹で雰囲気は鴎外なのか?

(ご参考)2006年02月07日 小堀杏奴『人生舞台』
の「夢と現実」のところ。


chiwami403 at 22:00│Comments(0)森茉莉全集未収録? 

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