2005年11月13日

日本の素材に合せたスペイン料理@ドスガトス4

あまり吉祥寺には出かけませんが美味しいパティスリーがあるのでたまに行きます。でもいつも甘いものばかりで塩っぱいものにたどり着けずに帰宅。たまには違う視点から吉祥寺の美味しいものを、ということで友人に紹介されたドスガトスへ。スペイン料理はしばらく頂いていないなぁ、そういえば。

1名¥5250の“メニュー シルエラ”を2名で頂きました。飲み物はスペインのシードル“シードラ”と炭酸水です。シードラはクリアな黄金色、かなりあっさりと上品な甘い香り。ほとんどジュースですね。フランスのシードルの方が田舎臭い味でした。

スペイン風じゃが芋オムレツ@ドスガトス前菜盛り合わせ@ドスガトス●アミューズ“スペイン風オムレツ”:薄切りジャガ芋がたっぷりのオムレツ。オムレツというよりもジャガ芋の重ね焼きじゃないの〜というくらいたっぷりのジャガ芋。美味しいです。塩加減がちょっと強めで、食前酒に合います。種無しオリーブも塩味がしっかりで、ジューシーでした。

●前菜盛り合わせ:手前から時計周りに。小たこ足のマリネ→ムール貝のファルシ→鶏肉のテリーヌ→鰯の酢漬け、野菜のマリネ添え。なんだか全部マリネっぽいですが、それぞれの味をしっかり引き出していて美味でした。特に鰯の酢漬けはガッチリ酢が滲みていて、酢好きさんにはたまらない脂と酢のコンビネーション。小さい鰯なのに脂がたっぷりのっています。ムール貝はふんわりジューシィ、たこ足はプリっとした食感。鶏肉は臭みがありそうな感じでしたが、あっさりとパンに合う味。魚が多い中で浮いてしまいそうでしたが、どれもバランスが良く下味がしっかりしています。

野菜と白いんげん豆のスープ@ドスガトス鮟鱇と帆立のムニエル、サラダ仕立て@ドスガトス●スープ“白いんげん豆と野菜のスープ”:少量ですが、具沢山なのでお腹一杯になり、温まります。フォンは生ハムの骨と余った身でとっているそうです。なので塩がかなりきいていて、ちょっとだけスモーキィな香りがします。お豆はぽくぽく、皮も柔らか。こういうスープが自宅で作れたらいいなぁ、冬に食べたなぁと思いました。

●本日のお魚料理“鮟鱇と帆立のポワレ、シェリーとピーマンのソース”:サラダ仕立てになっています。帆立にはシェリーを煮詰めたもの、鮟鱇にはピーマンのピュレのソースがかかっています。どちらも少量ですが、火入れ加減が丁度良く素材の味がよく生きています。鮟鱇の季節なんですね、もう冬も近いのかなと季節を感じる一皿。でもスペイン風(笑)。鮟鱇はポワレだとブリンとした食感で美味しいです。

茸と鶏肉のパエリア@ドスガトスブルーチーズと林檎のタルト@ドスガトス●パエリャ(茸とホロホロ鳥):何故か欧州でしか採れない茸が盛りだくさんなパエリア。森の香りが満載です。こんな豪華に茸が使われていていいのか!?大丈夫なの?と思ってしまいました。私の好きなトランペット・ノワールも入っている。ああ、嬉しい(笑)シャキシャキ、ヌルっ、とした色々な茸の食感と森の土と木の葉のような香りが鼻腔をかすめます。サフランがしっかり効いたちょい硬めのご飯、ホロホロ鳥はしっかり火が入っていて、パリっとした食感。サフランが効いていても、茸の風味が消えていません。秋っていいな〜と思える、茸のパエリアは初めてでした。この写真のもので2人前です。結構量あります。おコゲ最高。

クレマ・カタラン@ドスガトスエスプレッソ@ドスガトス●デセールその1“ブルーチーズと林檎のタルト”:本日のデセールでした。タルト生地は甘みほとんどないブリゼ、林檎のショリっとした食感と甘い香り、それにブルーチーズのカビ臭がすごいです。パンチ効いています。でもあまり濃くないのでサラリといただけます。これだけ販売しても売れそうな味です。

●デセールその2“クレマ・カタラナ”:いいキャラメリゼしています。バリバリです、厚いです。でもちょっと厚すぎかな(笑)中にはトロトロのシナモン風味のクレーム。上のキャラメリゼが厚く甘いので中は結構あっさりしています。クレームブリュレとはちょっと違う、あまり卵感を感じないクレームです。

●エスプレッソ:ひたすら苦くてスモーキィ。あまりにも強烈だったパエリアの茸臭を吹き飛ばしてくれました。エスプレッソもヨーロッパな味で細部にまでしっかりシェフのこだわりと個性が感じられます。最後までしっかり美味しいです。陶器が大倉でちょっと雰囲気が違うのでびっくりしました(笑)

どのお料理も上手く日本とスペイン&ヨーロッパのものを組み合わせてアレンジしてあります。日本だから美味しいスペイン料理になっていました。塩加減がちょっと強めなのでそのまま頂くというよりもワインを飲むことを意識して作られた料理でした。次回はおトクなランチに行って、もう一度この茸パエリアを頂きたいです。インパクト強い逸品です。帰りの中央線の中でもまだ、鼻腔の中では一人欧州の森の中に居るようでした。

ドス ガトス  ←(詳細はこちら、レビュー未投稿)
最寄駅:吉祥寺
料理:スペイン料理
採点:★★★★☆
一人当たりの支払額(税込み):5,000円〜10,000円
用途:夕食



スペインに初めて行ったのは確か中学2年か3年の夏だったと思います。イギリス〜フランス〜スペインと(ほとんど一人で)旅行しました。父がちょうどヴァカンスで父の同僚夫婦と一緒に行きました。フランスから飛行機でセビリアに渡り、バスで浜辺のトレモレノスへ行きました。最初に降り立ったセビリアの風景は忘れることができません。ちょっとカサついた山が一杯あり、気温は真夏だったので40℃を超えていました。「これがヨーロッパ??」とフランスとイギリスのイメージしかない私にはかなりの刺激でした。また父が薦めてくれたスペインの食べ物は「飲むサラダ、ガスパチョ」でした。これを初めてセビリアで頂いたときの思い出は今でも忘れることができません。酸っぱくてよく冷えたガスパチョに角切りの野菜を更に好みでトッピングして飲みました。あの酸味と濃厚な野菜の味、冷たさは今でも鮮明に思い出されます。

一緒に行った人がひったりくりにあって、真夜中のセビリアの街をパトカーで警察まで行き事情聴取されたり(苦笑)あのパトカーの硬いシートにびっくりしました。

その後行ったトレモレノスは観光地で、ジブラルタル海峡が望める素晴らしい風景の街でした。海岸の向こう側はもうアフリカ大陸。裏手の路地に行くとバールがあって、気軽に食事ができるし、お酒も飲めます。また表の海岸通りに行くとパエリアをスペシャリテにした観光レストランが沢山あって、その場で新鮮なシーフードを料理してくれます。

トレモレノスはとっても暑いところで、夏の昼間はセビリア同様40℃を軽く超えます。なので皆さんランチを食べるとシエスタ(昼寝)。私達も同じく昼寝。泊まったホテルは観光客向けの割と大型のホテルで結構快適でした。しっかり冷房設備もありますが、日本ほどパワフルではないので、暑がりの父は大理石になった床に寝ていました(笑)床が暖まるとまた場所を変えて寝て、を繰り返していました。

パエリアもその他の料理もどこで食べても同じ味で安定した美味しさなのですが、パエリアは特に、現地では半端じゃなく芯の残ったアルデンテ状態には参りました。やはりあのお米の芯が残ってしまうのは日本人には辛いものです。適度ならいいんですが、トレモレノスに限っては半端な硬さではありませんでした。なので父がいつも店員さんに「ムーチョムーチョね!!!」と手のジェスチャーで火をやって「よく火入れするように」と頼んでいました。店員さんは「分かった」というのですが、いつも激しく芯が残っているのです…苦悩の末にに私達が編み出した技は…パエリアがテーブルに到着したら熱々のうちにすぐに各自のお皿を乗せて蒸らすことでした。これはかなり効果的でした。それから滞在中の夕食では毎日それが儀式のように繰り返されました。

また思い出深いのは当時日本では一般的にはあまりオリーブオイルが浸透していなかったので、私はスペインで始めてオリーブオイルばかりの食事をして激しくお腹を壊してしまったのです。どこのお店に行っても食事にはオリーブオイルが大量に使われていました。毎日お腹の薬を飲んで食事をしていました(笑)

サラダをオーダーするとワインビネガー(赤が多い)とオリーブオイル、塩&胡椒がテーブルに運ばれてきて自分でドレッシングを調整して作ってかけて食べるのにはびっくりしました。でもこれがとっても面白くて、それ以来自分でドレッシングを作るのが楽しくなりました。

フランスに住んでいるときは父も私もスペイン料理が大好きで、よくPassyの自宅から歩いて15区のビルアーケム近くにあるスペイン料理屋さんに休日ランチセットをよく食べに行きました。店名は忘れてしまいましたが、とっても美味しかったのです。前菜、メインはまとめて作ったパエリアを分けたもの(でも大量)とデセール、カフェが付いてとってもおトク。まだあのお店あるのかな…。そこのクレマ・カタランがまた、とっても美味しかったのです(笑)

と、まあ、スペイン料理は私にとってあまり経験は多くありませんが、食体験の大きなウエイトを占めていて、食べるとグワ〜〜っとその時の思い出があふれてきます。



chiyogoro at 01:16│TrackBack(1)この記事をクリップ!洋食・その他各国料理 

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