2007年07月27日

池波正太郎ファンには有名な割烹料理店の名物は“海老しんじょう”@花ぶさ3

入り口@花ぶさほうづき

あの池波正太郎が愛した料理店として有名な割烹花ぶさに行ってきました。

場所は駅でいうと、銀座線の末広町。御徒町駅からも近いですね。ちょっと先はもう秋葉原。

中央通りから1本入ったところにひっそりとあります。

入り口に立つと、鬼灯が向かえてくれます。色合いがなんとも夏らしいですね。風鈴もついていて、涼しげな音を出していました。

看板板場

こちらの名物は下町の割烹料理。その中でも特に人気で昔から有名なのは、生芝海老を使った“海老しんじょう”なんだそうです。

この日は個室。個室料はランチだとサービス料10%だけで利用することができます。

さて、お店に入ると威勢の良い板前さんたちが一斉に挨拶をしてくれます。すぐに2階に案内されました。

う〜ん、でも1階の白木のカウンターも磨き込まれていて、とても清潔感があっていいですね。こういう白木のカウンターって本当に良いなー。気持ちがシャッキリしてきます。板前さんたちの動きも見ることできて、こちらも楽しそうです。

階段湯のみ

かなり使い込まれたピカピカの階段を上って2階へ。

するとお部屋がいくつかあり、一番小さいような感じの、階段上がってすぐ右手の部屋へ入りました。

狭いのですが、こざっぱりしていて、気持ちが良いお部屋です。冷房が効いている畳のお部屋ってなんか好きですね。

テーブルには朝顔の絵が描かれた紙が敷かれていて、こちらも季節感があります。

テーブル楊枝入れ

そういえば、「花ぶさ」の自体や壁の絵の一部は池波正太郎が手がけたものだそうです。

席に着くと、扇型の塗り物の板が3枚。そこにそれぞれのコースメニューの値段と内容が書かれていました。

壁の絵

今回はいつもお世話になっている、池波正太郎ファンの方にご馳走する為にやってきました。あまりに気合が入りすぎて早く到着してしまい、お店の前でちょっと待ちました。

今回は千代田膳@5,250を頂きました。この他、ランチでは定食¥1500〜や花ぶさ膳¥3500、この千代田膳の上(名前失念)¥7350位も頂くことができます。



先付け糸瓜

●お通し:金糸瓜と蟹肉の土佐酢合え。なんともこざっぱりとした可愛い器に盛られてきました。一瞬、何かのおひたしかな?と思いましたが、食べてみると、ショリとした食感の細かい瓜と少量の蟹肉が夏らしい味わい。そしてとても薫り高い土佐酢。かなりスモーキィな鰹節を使っているようで、鼻腔にその燻し香が残っていました。残った土佐酢も全部飲んでしまいました。

お造り

お造りのアップ

●お造り:鮪とかんぱちと雲丹、もう一つは忘れてしまいましたが、白身だっと思います。エッジがしっかり立っていて、小ぶりですが、とてもよい素材感。つまも新鮮でどれも全部食べてしまいました。やっぱりこういうところで食べるお刺身って一味違います。紫はやや濃いめで、刺身の素材がどれもちょっと濃いめのもにはよく合います。

鮪のアップ

鮪はトロと中トロの間くらいの味わいで、適度にサシが入っていました。鮪の脂って美味しいなとつくづく思うと共に、白いご飯を欲してしまいます。雲丹はオレンジ色に近い山吹色で、形が残っているにもかかわらず口の中に入れるとシュワっと甘く溶けていきます。また、添えられている山葵が美味しいこと。結構繊維質がしっかりしたもので、風味も強く、雲丹との相性は最高で、雲丹の香りと甘味が引き立てられていました。この山葵だけお代わりしてご飯につけて食べたいくらいでした。

お椀鱧のお吸い物

●お椀:瓜とじゅんさい、鱧のお吸い物。こちらはスモーキィさが控えめな鰹節を使っています。サラっとしてて、ダシの醍醐味を味わえました。鱧は片栗粉で旨みを閉じ込めてあり、ホロっとていました。じゅんさいは大きめでトゥルっと爽やか。瓜に鱧もじゅんさいと夏らしい取り合わせのお椀。

千代田膳揚げ茄子の蟹肉入りあんかけ

●主菜の膳:焼き物、ぬた、煮物、揚げ物がご膳に入ってきました。ちょっとカジュアルな印象ですが、どれもいい香りを出しています。

まずは揚げ茄子の蟹肉あんかけから頂きます。茄子は薄く包丁をいれてあり、食べやすくなっていました。蟹肉入りあんかけはダシが効いていて、ちょっと塩味が濃いめで生姜が効いていてさっぱりとしています。

名物の海老しんじょ鮪のぬた

こちらが名物の“生芝海老しんじょう”。本当は普通の揚げ物(天ぷらなど)が付いてきますが、お願いすると生芝海老しんじょうにしてもらうこともできますが、ちょっと量は少なめです。添えられているのはレモンと揚げた唐辛子。

ちょっとネバっとした食感が気になりましたが、昔ながらの海老しんじょうという味わいでした。塩がしっかり効いているのでレモンで食べると爽やかになります。中心部までサっと火が通った感じで、揚げ加減はなかなかです。もうちょっと生芝海老がたっぷり入っていた方が好みですが、なかなかこういうオーソドックスなものを出すところが少なくなってきたので、あると嬉しいですね。

海老しんじょうは小さい頃から大好きなお料理の一つで、甲殻類アレルギーになってしまった現在では食べることを控えておりますが、とても懐かしい味です。良い芝海老を築地で見つけたときには時々自分でも作ったりしています。

こちらはびんちょう鮪のぬた。後ろ側に茹でたワケギがあり、赤味噌主体の酢味噌が添えられています。このぬた、生々しくていいですね(笑)。ねっとりとしたびんちょう鮪と赤味噌を一緒に頂くと生臭さを赤味噌がカヴァーして良い感じです。ワケギもヌルっとしつつ、シャッとした食感で細めのものでした。

ノドグロの塩焼き

焼き物は喉黒を干したものだと思います。添えられているのは甘酢に付けた茗荷とすだち、きゃらぶきの佃煮。

喉黒はかなりジューシィ。全体的に身が飴色になっていて、凝縮し旨み。脂もたっぷりですね。ちょっと脂で口の中が混沌としたときに甘酢付けの茗荷を食べるとさっぱりとします。きゃらぶきはご飯のお供にとっておきました。

だし巻き卵

卵焼きのアップ

●卵焼き:こちらも生芝海老しんじょうと並ぶ名物である卵焼き。こちらもジューシィな仕上がり。下には笹の葉が敷かれています。

だし巻き卵なのではありますが、なんか一味違います。キメ細かく形がしっかり残りやや堅め。だしは効いているんですけど、塩味がしっかりしていて、結構塩っぱい。ご飯のお供にも良いのですが、甘さが無いので日本酒とか白ワインでもよさそうです。技ありの個性派な卵焼きです。

鯛めし鯛めしのアップ

●ご飯:生姜をきかせた鯛めしです。上に刻んだ白葱をたっぷりと。お代わりもできます。

ご飯にたっぷりと染みた鯛のだしがとても印象的で香ばしいご飯。鯛の身も結構入っていて、食べ応え満点。ご飯茶碗も大きめです。これにダシかけて食べたいなと思いました。

香の物

●香の物:糠漬けの胡瓜と赤かぶ、昆布、そして大根のべったら漬け。少量なのですが、どれも味が全然違い、パンチがあります。大根が甘くて柔らかく、真っ白で、ほの甘い味わい。胡瓜は季節なので水分たっぷり&パリっとした歯ごたえ。

 

小豆白玉氷

粒アン

●水菓子:こちらは白玉善哉が名物。夏場はこういう形で出てくるんですね。氷白玉小豆です。蜜とかシロップはかかっておらず、下に粒餡、上に氷、上には白玉というシンプルな一品。

氷がなんとも地下水みたいな味わいがして懐かしいです。下の粒餡は甘さ控えめですが、香りはしっかり。和菓子屋さんのとまでは行きませんが、ねっとりとしてて良い味です。氷と混ぜるとちょっと薄まってしまいますが、食後口の中がさっぱりとしてこれからの時期には良さそうですね。白玉はちゃんと作りたてでした。

1階のカウンター席もとても雰囲気が良かったです。本来ならば、お酒を飲みつつ1階カウンターでちょこちょこっとつまむのが江戸っ子なのかもしれません。でもやっぱりかなりちゃんとした板前さん達がいらっしゃるのでお料理は全部楽しみたいですね。全体的に甘辛い醤油主体の江戸風ではなくお酒飲みを意識した塩がしっかりした味付け。これは好みの分かれるところです。生芝海老しんじょうは名物だけありますが、過剰な期待は無用。昔ながらの江戸っぽい雰囲気と池波正太郎さんの思い出を味わう料理店としては利用価値が高いと思います。

私みたいな割烹料理育ちの者には、とても懐かしい味が楽しめるお店です。

ぶさ ←(詳細レヴューはこちら)
最寄駅:上野御徒町 / 末広町 / 御徒町 / 上野広小路 / 仲御徒町
料理:割烹
採点:★★★☆☆
一人当たりの支払額(税込み):5,000円〜10,000円
用途:昼食



chiyogoro at 11:58│TrackBack(0)この記事をクリップ!和食全般 

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