2008年11月14日
ステラ・マリスのスペシャリテも食べられる、歌舞伎座近くの新店@タテル・ヨシノ銀座
初めてタテル・ヨシノに行ってみました。パリのお店、ステラ・マリスにも行ったことないのですが、東京で初訪問となりました。
1952年生まれの吉野建シェフのお店です。もともとは小田原にあったステラ・マリス(1989年開店)を1997年にパリで開店。その後、2006年にミシュラン・ガイドで一つ星を獲得しました。芝と汐留も2008年のミシュラン・ガイド東京版でそれぞれ一つ星となりました。
東京のタテル・ヨシノはシェフが有名なのはさることながら、こちらの現・支配人である、若林英司さんの功績も大きく、ワインのセレクションや接客にも定評があります。その若林さんが銀座店にいらっしゃるということで、更にこちらにへの興味が高まりました。
お店は東銀座と銀座駅の間くらいにあり、歌舞伎座と三越の間で、晴海通沿いをちょこっとだけ入ったところにある新しいビルに入っています。他のテナントはまだ稼動していなくて、タテル・ヨシノ銀座だけが既に先乗りで営業中の様子。
店内にはフランスで撮影されたような草花やエスカルゴの写真が飾られていて、とてもモダンです。天井が非常に高く、ゆうに2.5階分くらいはありそうです。窓が縞々になっているのも面白いです。

ランチは4,725円と7,140円の2コースにサービス料10%が加算されます。夜は13,650円と21,000円があり、料理にあわせたグラス・ワインのセット15,000円もあります。
●グラスのシャンパーニュ@2,300:こちらのハウス・シャンパーニュはBollinger(ボランジェ)の一番スタンダードなスペシャル・キュヴェNM。
1829年に創業したネゴシアンのメゾンです。言うまでもなく、厳格で高い品質を誇る名門。CepageはPinot noir 60%, chardonnay 25%, Pinoy Meunier 15%となっています。
やっぱり、ボランジェはNMでも味に重厚さがあっていいですね。結構男性的な印象がありますが、しみじみと舌にしみてくるような旨みと重めの果実味がたまりません。色合いも濃い目でピノ・ノワールが多めであることが一目瞭然です。
こういうところで飲むと更に美味しさが倍増しますし、アミューズのグージェールやプチ・タルトレット・サレと合わせると最高でしした。

●ガス入りミネラルウオーター@840:バドワ(Badoit)があったので、オーダーしてみました。塩味と強いミネラル感がフランス料理とマッチします。
食前酒や飲み物には自家製のグージェールとプチ・タルト・サレがサーヴされました。プチ・タルト・サレは上に生の野菜がのっています。極薄い生地で食感がはかなく、野菜がしゃきしゃきとした歯応え。グージェールはチーズの風味が効いていて、香ばしく、プワっとしていて、シャンパーニュに合います。
●アミューズ・グール:山羊乳とライムのジュレ。冷たい状態でサーヴされました。
山羊乳をゼラチンで固めて、間に酸味があるライムと独特の食感のアロエが入っています。
かなり際立つ白さがなんとも上品で、ギリギリの柔らかさ。口に入れると体温で溶けていくようです。余計な泡なども入っておらず、爽やかなライムの香りと優しい山羊乳の味わいがストレートに表現されていました。後からしゃくしゃくっとしたアロエの食感も楽しいですね。
あそうそう、この縞々の窓。一見スタイリッシュで面白いのですが、季節によってはこの窓近くに座ると直射日光が直撃するので、かなりまぶしいし、暑いみたいです。この日も窓側に座っていたマダム達が席替えを所望していらっしゃいました。この造りだとカーテンもかけられないみたいだから、大変ですね。
<過去の飲歴>
シャンパーニュを楽しみ尽くすために全力を尽くす【3】@ノエル・ア・ラ・モード2007
[2006] Riesling Cuvee Particuliere - Gerard Schueller et Filsリースリング キュヴェ・パル...
リースリング キュヴェ・パルティキュリエール[2006] ジェラール・シュレール
輸入水バドワ 500ml 1本 (328円税込)【合計¥2400以上送料無料!】![]()
●パン:パンは何種類かあり、細長いプチバゲットのようなものからサーヴされます。ミネラリーな味わいで、かなりしっかりと塩味が効いています。この他にバターも無料で付きます。
もう一つはタイム風味のフォカッチャ。後は他にブリオッシュなどもありました。
●季節の野菜庭園風:色々な野菜が生の状態や火入れした状態・・・とそれぞれ様々なカットの仕方で一つのお皿にのっています。泡は手長海老のクルスティアン。
それぞれの野菜がまったく違う味わいで、なんだろうこれ?と食べているとあっという間になくなってしまいました。エグさとか甘さとか苦さ・・・などなど色合いや外観だけでは計り知れない味ばかりでした。全部の野菜の名前はわかりませんね。泡になっている手長海老のクルスティアンが軽い塩味と海老の風味で、野菜と優しく呼応していました。
●人参とフォワグラのテリーヌ:周りにやや小さめの人参が配してあり、間にフォワグラとトリュフがあるテリーヌです。ポルトを煮詰めたソースが添えられていました。
人参とフォワグラが合うのかな?と思いましたが、かなり良い感じで、甘さがフォワグラに加わってとても滋味深く親しみやすい味になっていました。かなり小さめですが、凝縮された一皿。しっかりに詰めてあるポルトが更に味に深みを与えていました。
●グラスの白ワイン@2,300:アルザスのジェラール・シュレール(Gerard Shueller)のリースリング100%のヴァン・ド・ターブル。キュヴェ名は“Stich L 1998”(スティッシュ エル 1998年)となっています。若林さんからオススメで頂きました。
なにやら、普通に醸造したら残糖が多く、アルコール度数も上がってしまったので、AOC認定されなかった為にヴァン・ド・ターブルでリリースしたもの。長年、ビオ(無農薬)で栽培してきた畑の葡萄を使用する醸造家です。
かなり黄色とオレンジがかった濃い目の色合いでトロ〜リとしています。味も少々甘みを感じ、辛味もあって、複雑性もあり、トロピカルフルーツとややコスメティックな風味。なんとも不思議なものですが、グイグイ引きこまれるように飲んでしまいました。こちらはメインの鶉のファルシにあわせるということで頂きました。フォワグラにも合うし、鶉にも合う、不思議なリーズリング。
●グラスの赤ワイン@2,300:Beau Paysage(ボー・ペイサージュ)の山梨県津金産、岡本英史さんが作ったメルロー100%のワイン。“Le Montagne 2005”(ル・モンターニュ 2005年)です。
以前に自然派ワイン会で飲んだことがあって、こんなワインが日本にあったなんてびっくりしたなと思ったいたところでした。若林さんのお気に入りのもので一押しとのことで、頂いてみました。それもメインのサーモン・ミーキュイに合わせてということで、二度驚き。なんか結構エキス分もありながらもサラリと飲めるし、カカオやプルーンのような甘やかでフルーティさもあって、とてもチャーミングなワインでした。メルローなのにあまり土っぽさがないのが不思議でした。また飲んでみたいワインです。
●軽くスモークしたサーモンのミーキュイ:ステラ・マリスのスペシャリテとしても有名な一品。
結構厚切りの軽くスモークしたサーモンに、グリーンの泡立てたソースとサワークリームとセルフイユと小さいパンケーキが3枚添えられています。
初めて食べたのですが、柔らかなサーモンは軽く焼かれていてほぼ生状態。ねっとりとした食感でこなれた旨みと全体に行き渡った塩味が心地よく感じられます。脂が少ないのもさっぱりと食べられる上に、燻香も控えめ。ありそうでない、味だなと思いました。
ちょっと醤油をたらしたら、ご飯にも合いそう・笑。
●うずらとフォワグラのファルシー、エピスの香り:かなり少量ですが、花のある盛り付け。鶉の首肉など、細かいう分をとって、パネにした焼いた円筒状のものもあり、繊細です。ころんとした、つくねみたいなものが、鶉のファルシーで中にフォワグラが入っています。白胡椒がかかった、周りの皮は極薄でパリっと焼かれていました。
添えられているのは甘酸っぱいグリオットの実とそのソース。エピスの香りとあるように、オレンジ色の人参のソースにちょっとオリエンタルな風味のスパイスが効いていました。
鶉の焼き具合が非常によく、細かい仕事ふりが伺えます。また、グリオットのプチっとした酸味が鶉のワイルドさと戦っています。さらにエピス風味が“Stich L 1998”(スティッシュ エル 1998年)と呼応して、白ワインながらも粘りのある味わいがよく合いました。
●チーズ盛り合わせ@2,100:ワインを飲んだら調子に乗って、チーズもオーダーしてしまいました。こうやって見せられてしまうと弱いですね…。
なんと、プラトー・オ・フロマージュはクリストフル製のものでなんとも豪華です。中にはロックフォール、エポワス、ミモレット、アボンダンス、セル・シュル・シェール、プーリニィ・サン・ピエールなどがありました。
オススメという、カチワリのミモレットとアボンダンス・ダルパージュを頂きました。添えてあるのは自家製の木苺とグリオットのソース。
オススメされたアボンダンス・ダルパージュはまずカットの時点でかなり疑問がわきました。中心部から外側に向かって一人前ずつはがすように切り分けていました。なので、これは後半食べる方にはかなり不利な切り方ですね。このプラトーに入れてある時間が長かったのか?せっかくのアルパージュなのに、結構香りが飛んで他のチーズの匂いが移っていました。
ミモレットも天辺から大胆にカットし、周りからパルメザン・ナイフでガリガリっとかち割状態にしてサーヴ。これも、中心部を食べた人と皮付近を食べた人でかなりの味の差が出てしまいます。どうやら、私は皮付近を食べたのであまり旨みもなく、ろうそくを食べているかのようでした。ちょっと残念です。この保存状態で2種類食べて2000円超えでは・・・チーズがちょっと可愛そうでした。
●トルテリーニをカネル風味の栗のスープに浮かべて:オパスタ状のものが、栗とシナモン風味の味が付いています。その上にシャンティイと栗の似たものとそのスープとグラス・ヴァニーユがかかっていました。
結構栗がエグい風味でなかなかパンチが効いています。シナモン風味とのバランスがよく、違った発想のモンブランのような味わいでした。
●マセドワヌ・レギューム フヌイユのクーリをアネットの香りで:透明なガラスの器に大胆に盛り付けられた、野菜を使ったデセール。
縁にはフヌイユのソルベが添えられています。
トマトや薄切りズッキーニ、枝豆、透明なジュレはアネットの青草のような香りがプチっとはじけます。上に泡泡と生クリーム、杏のコンフィのようなものがありました。とてもさっぱりとしていて、野菜がしっかりデセールになっていました。

●食後のハーブティー:ハイビスカス主体のブレンドしたハーブティーで酸味があり、口の中がさっぱりとします。
●食後の小菓子その1:なんとマカロンが3つも・・・。ショコラと木苺、レモンです。
どのマカロンも非常には儚いくらいの柔らかさで繊細なつくりをしています。構造としては、ギリギリの柔らかさのふんわりとした軽い生地の間にクレームオブールとジュレかガナッシュが挟まっていました。中身が2重構造になっているのは手が込んでいます。風味は強めなのですが、後味にキレがありました。木苺が一番美味でした。
●食後の小菓子その2:なんと黒い板状のお皿にボンボン・ショコラやピスターシュ、オランジェットなどが並んでいます。
白と緑色の砂糖菓子は中にカルヴァドスとオー・ド・ヴィが入っていました。どちらも良いお酒を使っています。ボンボン・ショコラも口溶けがよく、プラリネがたっぷりで香ばしさが炸裂していました。パティスリーも手抜きがありません。
●食後のカフェ:こんな面白いカップ&ソーサーでサーヴされます。濃い目でイタリアンローストに近いフレンチローストで非常に薫り高いカフェでした。細長くてこぼしてしまいそうで、ちょっと焦ってしまいました。
途中から若林さんが付いてくれたので、非常に心地よく食事をすることが出来ました。お料理をテーブル近くまで銀のお盆で運んでいたのは、白いコートを着たかなり茶髪の女性。その茶髪加減は飲食業としてはどうなんだろう?と思ってしまいました。その他は男性スタッフが多いのです。なんか男性スタッフは若林さん以外は、不思議なイントネーションで話しをする人や以前はどこで働いていたんだろう?と感じてしまうような人などが居ました。なんか、レストランの雰囲気とスタッフが噛み合っていないのではないかなと感じました。気遣いがイマイチ行き届かないので、水を飲み干しても注ぎにきてもらえず・・・ということもあり、若林さんが指示を出していることもしばしば。
お料理は量少なめですが、王道な味わいで、フランスのスペシャリテも食べられますし、味付けもしっかりしていて、火入れの具合も良かったと思います。びっくりしたのが、デセール。手の込んだマカロンとちょっと変わったアシエット・デセールでどんな人が作っているのかな?と思っていたら、ピエール・エルメ出身の金髪で背が高い日本人でした。お料理は丁度、吉野シェフのいらしていたので、気合が入ったいたのでしょうか。
若林さんが居なかったらちょっと微妙なサービスだったと思いますし、この方がこのレストランの屋台骨をほとんど支えているのではないかと感じました。
休日なのに個室が全部開いていたのは、まだこのレストランが開店したことがまだ知られていないからなのか・・・。ビルもまだ完成していない様子だし、場所も晴海通りからちょっと奥に入ったところで地味だから分かりずらいのか・・・。それに、このご時世だから集客は結構厳しいのかもしれません。
| 採点:★★★★ |














































