2008年11月22日

Vino della Pace(西麻布) 蝦夷鹿の脛肉の煮込み 4

西麻布の「Vino della Pace(ヴィーノ デッラ パーチェ)」にお伺いしました。

西麻布交差点から1分の距離にあるオステリアで、外苑西通りから一本裏手に入った場所にあります。どこの駅からもやや遠いこちらは以前ご紹介した『えん遊』と同じ通り沿いです。



店頭の無骨なイメージとは対照的に店内は温かみある雰囲気で、店内は2人掛け4卓、4人掛け2卓、カウンター4席に加え、奥に5,6人掛けぐらいの半個室と適度な広さでした。客層は年齢層がやや高めで、リピーターが多いためか比較的落ち着いた雰囲気でした。



メニューには一応アラカルトメニューも用意されていますが、予約の時から基本的にコースを推奨しているということだったので、この日はコースでいただくことにしました(メニュー画像はクリックで拡大します)。コースは3種類で、年間通してスタンダードメニューな「レギュラー(5,775円)」、季節素材を使用した「スペシャル(7,875円)」、皿数の多い「デグスタツィオーネ(10,500円)」となっていたので、「スペシャル」をいただきました。コースはお客さんの苦手なものを確認した後に調理開始となります。



イタリアワインが豊富なこちらはオーダー時にボトルで注文をしなければ、お料理に合わせてグラスワインを出してくれるシステムとなっています。
やっぱり最初は泡ものからのスタートで「CAVALLERI Franciacorta Blanc de Blancs」をいただき乾杯です。イタリア北西部、ロンバルディア州のシャルドネ100%を使用したブリュットのスプマンテです。25ヵ月熟成させたブラン・ド・ブランのスプマンテは、DOCGの格付けだけあってキレイなシャンパンゴールドの外観に加えて、繊細な泡立ちのクリーミーな飲み口で、シャルドネらしいすっきりとしたエレガントな味わいが美味しいものでした。



アミューズは"ハムのペースト入りシュー"です。温かくサクサクしたシューの中にハムのペーストがたっぷりと入った一口サイズのもので、滑らかなハムの味わいが美味しかったです。



2種類のパンに加えて、かなり固い薄焼きの焼物が入っていました。これはオーストリア国境沿いにある南チロル地方の名産である"シュッテルブロット"というもので、クミンの入った香りが良いものでした。



次のワインは「Cantine Barbera Inzolia 2007」です。イタリア南部、地中海に浮かぶ島であるシチリア州のインゾリアという土着品種の葡萄を使った白ワインです。若いヴィンテージらしいかなり淡い色をした外観で、レモンやグレープフルーツなどの柑橘系やハチミツ、花、草のようなニュアンスを感じる香りはソーヴィニヨン・ブランを彷彿させます。アタックは弱めでボディは軽く、飲んだ後に花のような甘い香りとピール系のほろ苦さを感じる味わいで、余韻はあまりなく、魚介類と相性が良さそうな優しい飲み口のワインでした。



その白ワインに合わせる前菜は「松輪鯖のマリネ」です。名前の通り、三浦半島南部の松輪の鯖を使ったマリネで、巨峰・トマト・松の実・ディルが添えられ、オリーヴオイル・岩塩でシンプルに味付けされていました。



脂ノリが良くしっかりした風合いを感じる身に、やや塩味が強い味付けでしたが、葡萄やトマトのフレッシュ感のある甘味や酸味が良く合うもので、白ワインともキレイにマッチして、とても美味しかったです。



次のワインは「ROSATO POGGIO BARACCONE 2007」です。私にとってあまり馴染みのないイタリア北東部、リグーリア州のロゼワインです。透明感のある濃いオレンジがかった鮮やかなルビー色の外観で、07ヴィンテージにも関わらず、フルーツの香りがなく、腐葉土・キノコなどの熟成感がある香りがして、若いヴィンテージらしい酸味と果実味がしっかりある不思議なワインでした。時間が経ってくると、少し角が取れ、昆布のようなミネラル感に加え、イチゴを煮詰めたジャムのような甘味・柑橘系を感じる酸味のニュアンスも出て来ました。
正直、単体で飲むとそんなに好みなワインではありませんでした。



そんな不思議なロゼワインに合わせるのは「毛蟹のタリオリーニ」です。タリオリーニはフェットチーネより細い平打ちのパスタで、アルデンテの良い茹で具合でした。風味豊かな毛蟹と苦味が効いた赤紫色のキャベツであるラディッキオが活きるアーリオ・オーリオのような味付けで、一番の驚きはあのロゼワインにとても良く合っていたことです。



次のワインは「MARINA CVETIC Trebbiano 2005」です。イタリア中央部、アドリア海に面したアブルッツォ州のトレビアーノ(ユニブラン)を使用した白ワインです。しっかりしたレモンイエローの外観に、熟した桃や缶詰めの黄桃のような甘味を感じる香りがあり、しっかりした果実味は華やかながら清楚な花のような感じのあるワインでした。



そのワインに合わせるのは「アニョロッティ 豚、兎、鶏のバターとサルビア和え」です。ちなみにアニョロッティとはイタリア北西部、ピエモンテ州の詰め物入りパスタのことだそうです。
豚・兎・鶏といろいろなお肉を使っているだけあって、何回か口の中で味が変化し、しっかりとした旨味を感じるお肉自体の味が美味しいです。皮は薄めでモチッとした食感が中のお肉とも良く合い美味しかったです。パスタは2品でしたが、どちらも生地にしっかりとした旨味がある美味しいものでした。



メインのお肉料理の前にはグラニテが出て来ました。キリッと冷えた口溶けの良いグラニテで、グレープフルーツの爽やかな酸味と甘味がサッパリして美味しかったです。



次のワインは「BAROLO Torriglione 2004」です。BARBARESCOと並んで日本でメジャーなイタリアワインであるBAROLOは、イタリア北西部、ピエモンテ州のネッビオーロ100%を使用した赤ワインです。まだやや若いヴィンテージを感じる紫がかったルビー色の外観ですが、24ヵ月の樽熟成に加えて12ヵ月の瓶熟成をしているため腐葉土のような熟成感のある香りやタル香がして、しっかりした酸味に果実味もパワフルでタンニンが上品なとても美味しいワインです。華やかで円やかな味わいは何のひっかかるところのないキレイな余韻があり、幾らでも飲めそうな美味しさでした。



そのワインに合わせるメインのお肉料理は「蝦夷鹿の脛肉の煮込み」です。大雪山の蝦夷鹿を使った脛肉は煮込まれた感のあるほろっとした柔らかさながら、脚のお肉だけはあって筋肉繊維のしっかりとした肉質で、臭みは全くなく、玉葱が溶け込んだやや塩味が強めなソースにも良く合っていて、もちろんワインとの相性も抜群な味わい深いものでした。回りにはホースラディッシュが散りばめられ、濃いソースの中で僅かにその香りを感じることが出来ました。



食後には最後のワインとして「PLANETA MOSCATO DI NOTO 2005」をいただきました。「Cantine Barbera Inzolia」と同じイタリア南部、地中海に浮かぶ島であるシチリア州のモスカート・ビアンコという土着品種の葡萄を使ったデザートワインです。若いヴィンテージなためかフレッシュなマスカットを感じるしっかりした酸味と甘味があるもので、デザートワインとしては熟成感がないためかフレッシュ感が強く、あまり癖のない飲み易いものでした。



デザートは"生姜のクレームブリュレ"でした。ブリュレの上にはしっかりとバニラビーンの入った滑らかなバニラアイスが載せられ、その上には一見して畳鰯にも見えるキレイな格子状の飴細工が添えられていました。クレームブリュレは表面がパリッと焼かれ、中は滑らかなもので、味わい・余韻ともに生に近い強い生姜の風味がしっかり残り、甘味がありつつもサッパリ感のあるデザートです。私的には生姜の風味がかなり強く感じ丸ごと1コは食べられなかったので、同行者のデザートと途中でチェンジです。



同行者のデザートは"ピスタチオのクレームブリュレ"でした。生姜のものと異なり、ピスタチオを感じるやや緑がかった色合いのもので、ピスタチオらしい豆っぽさのある風味を感じ、生姜よりもクリーミーな味わいで私的にはこちらの方が好みでした。



飲み物は「エスプレッソ」をいただきました。しっかりとした苦味が食後には良いですね。



お茶菓子は"ピール"と"ビスコッティ"でした。ピールは2人とも柑橘系であることは分かったのですが、レモン・オレンジなど首を傾げて聞いてみたところ、何とグラニテで使ったグレープフルーツの皮ということで、美味しくエコなものでした。



ちなみにお水はガス入りとガス無しが選べ、ガス無しはスルジーヴァでした。スルジーヴァはイタリア北東部、オーストリア国境にあるトレンティーノ州で採水されているお水です。硬度がヨーロッパのお水としてはかなり低い軟水なので、食後にも飲み易くて良いかと思います。



ここまでの内容でお会計は1人あたり17,000円くらいでした。やや高めの価格に感じるかもしれませんが、ワインもそれなりの質のものを使用されており、今までほとんど知らなかったイタリアワインをお料理に合わせて出してくれたことで、とても美味しく、楽しいマリアージュを体験出来ました。この日、メインのソムリエさんがいなかったためか、接客が少しぎこちなく感じる部分はありましたが、決して嫌な印象ではなく、むしろ丁寧さを感じるサービスだったので十分楽しめ、イタリアワインの新しい認識を持つことが出来たのでとてもおススメです。


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採点:★★★★



cho_kandakko at 07:00│Comments(2)TrackBack(0)clip!六本木・西麻布 | イタリア料理

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この記事へのコメント

1. Posted by ぶんちょー   2008年11月22日 15:56
初コメントさせていただきます。
松輪の鯖に目が釘付けでした!塩の粒が見える画像にそそられますー。
たくさんのワインで合わせたコースなんて、うらやましいです☆
2. Posted by 超神田っ子   2008年11月24日 07:11
ぶんちょーさん>
初めまして。コメントいただきましてありがとうございます。

松輪の鯖は秋の旬な時期だけに旨味の凝縮感と
脂ノリが良いもので、とても美味しかったです。
ワインとの相性も良いのはもちろんですが、実の
葡萄とも相性良しなのはかなり驚きでした。

シノワのイタリア料理版といった感じでしょうか。
皿数などがシノワより多い分、お値段も高く見える
かもしれませんが、きちんとしたものを提供して
いただけるので満足度はあるかと思います。
機会があれば、是非行ってみてください。

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