2018年01月23日

嘘つきは恋愛の始まり 25


N「俺も飲もっかなぁ…」

言おうか…言いまいか…
さっきの居酒屋ではさほどまで
飲んでもいなかったのに、
随分とご機嫌な二宮を見て
俺は別居の話を切り出すのを
若干躊躇ってしまった。

N「はい。お待たせしました。
 それじゃ、先ずはかんぱーい。」

O「あ、乾杯…」

N「何だか昨日と今日と忙しかったけど
 楽しかったですね。」

O「そ、そうか?」

N「俺は楽しかったですよ。」

O「そ、そうだ。ニノの話って何だったの?」

N「えっ?あなたの話から聞きますよ。」

O「いや、ニノから話してよ。」

N「ええっ~俺からですかぁ?」

O「なんだ?言いにくいことなの?」

N「そんなんじゃないですけど…」

O「だったら、話してよ。」

N「うん…あのさぁ…今朝のね、
 あれ…なんですけど…
 俺のことを本当に好きになったって
 言ってたけど、それホントなの?」

ほら、やっぱりそうだよ。
俺が思ってた通りだ。
やっぱ、断られるんだよ。
きっとそうだ。

O「そんなの、冗談で言えるわけないじゃん。」

N「そっか…」

O「…うん。」

N「あのね?大野さん、怒らないで聞いてね。」

やっぱりな…

N「岡田先輩の結婚式を覚えてますよね?
 俺達が始めて言葉を交わした時のこと。」

O「え…うん、そりゃ勿論…」

N「あの時、松本さんが俺のところに
 秘書課の堺さんを連れて来たでしょ。
 俺の事を紹介してって…」

O「うん、覚えてるよ。」

N「あれね、実は、全部俺が最初から
 仕組んでた事なの」

O「え?」

N「松本さんがその翌日、会社に噂を広めたのも
 俺が松本さんにお願いしたことなんだ。」

O「なっ、何で?」

N「何でだと思います?」

O「わ、分かんないけど…」

N「俺、大野さんのこと、噂を聞くまでは
 その存在すら知らなかったんですよ。
 だって、お互い部署も違ったし
 接点が何処にも無かったですもんね。
 だけど、大野さんの噂を聞いたときに
 どんな人だろうって、興味が湧いて
 ある日、制作部に観に行ったんですよ。
 あなたのこと…
 その時なんです。俺があなたにひと目惚れ
 しちゃったの…。」

O「ええっ…な、何で教えてくんないの?」

N「勿論、何度も打ち明けようかとも
 思いましたよ。俺だって…
 でも、もしも嫌われちゃったらって
 考えたら、どうしても言えなかったの。
 このまま偽装を振舞っていても、
 あなたと結婚して、こうやって
 一緒に暮らせたら、それでいいかって
 思ったの…」

O「ってことは…ニノもおいらのこと…」

N「うん///大好きですよ。」

O「うわっ///マジで?」

これは、思ってもみなかった展開が訪れた。

O「なんだよぉ。もう~おいら、
 てっきり振られるかと思ったよぉ。」

N「ゴメンね。だけど、あなたから
 告白された時も、まだ自分でも
 信じられなかったんだ。
 俺は、なるべくあなたに嫌われないように
 って、思ってたから…
 確信持てるまでは、この話は内緒に
 しておくつもりだったんだ。」

O「ん?ということは、松本君もグルだったの?」

N「うん、最初に俺が松本さんに
 あなたのことを色々相談してさ、
 協力するって言ってくれたんだ。」

だから、今朝帰る時に頑張れよ、なんて
言ってたんだな。

O「あ、それじゃマルも?」

N「いや…あの人はガチです(笑)」

O「マジか…」

N「だけど、こんなに早い段階で
 あなたに告白されるなんて…
 本当にビックリしちゃった。
 下手すりゃ、一生偽装のままかなって
 思ってましたから…」

遠慮して損したな…
こんな事なら、今日一緒に風呂に入れば良かったな。

O「あのさ…まだおいら信じられないんだけど。」

N「ウフフフッ…分かりますよ。
 だって俺もだったから」

O「今朝の続き…してもいい?」

N「ええっ?///」

O「おいら、もう我慢出来ねえっ…」

俺は二宮の腕を引き寄せて
その細い体をギューッと抱き締めた。

N「待ってよ…」

O「え?何で?」

N「あなたの話ってのは?
  まだ、聞いてませんけど…」

O「んふふっ…そんなのもう忘れた…」

二宮の話を先に聞いて正解だった。
俺はゆっくりとニノの体を
フロアに押し倒すと、
夢中でキスを交わした。





つづく





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