side nino




和 「お久し振り」

潤 「久し振りじゃねえよ。まあ、いいから座れっ」

和 「う、うん・・・」

そりゃ、松本さんが怒るのも分かるけど・・・
これって説明したところで
納得してくれるのかな?

潤 「Aランチ二つね・・・」

「かしこまりました」







和 「あ、あのさ・・・」

潤 「結婚って何なの?何時から決まってた?」

和 「え・・・あ~きゅ、急にね・・・
   そういう事になったっていうか・・・」

潤 「嫁さん貰うのに、仕事辞めてどうすんの?
   生活出来ねえだろ?」

和 「嫁さんっていうか・・・その・・・」

潤 「あっ、もしかしてまた性懲りもなく男か?」

和 「性懲りもなくって・・・」

潤 「ニノって全然昔から変んないな。
   容姿だけの話じゃなくて、中身も全然
   大人になりきれてないっていうか・・・」

和 「もう、昔の話はいいよ・・・。」

潤 「あ、まさかあの時の・・・えっと・・・
   大野さんだっけ?」

和 「あ・・・うん///」

潤 「べつに反対はしないけどさ、あなた
   何の為に医者になったんだ?
   医療チームに入って難民キャンプで働くの
   自分が一番望んでた事じゃないの?」

和 「そ、そうだけど・・・でも今は、俺
   もっと守らなきゃなんないモノが出来たんだ」

潤 「ニノは女でもないのに、家庭に落ち着く気かよ?
   いいか?本当に好きなら、ちょっとくらい
   日本から離れても待っててくれるだろ。
   もう、この機会逃したら、二度と医療チームの
   話は来ないんだぞ」

和 「・・・」

潤 「俺は何が何でもニノを連れて行く。
   男と男の約束、忘れた訳じゃないよな?」

和 「ホント、ゴメン・・・無理だよ」

潤 「俺は諦めないからな。お前、本当にそれで良いのかよ?」

和 「松本さん・・・」


それからランチを食べて俺達は別れた。
松本さんが言うとおり、
まだ医学生だった頃、
難民の子供の病気を治したいって
言い出したのはこの俺・・・
一緒に行こうと頑張って勉強して
なんとかそれぞれで医師の資格取得して
ようやくその夢が叶う時が来たのに
俺は自分の都合でそれを辞退するとか言ってる。
松本さんが黙って納得出来ないのは
当たり前のこと・・・

そりゃ、俺だって長年の夢だから
喜んで辞退というわけじゃない。

大野さんと離れるの嫌だし・・・
たあくんをほっとけない。

やっぱり、松本さんには悪いけど無理だよ。

うちに戻って夕飯の準備を始めた俺は
はぁって深い溜息を零して
めちゃくちゃテンションが下がってた。

難民キャンプ医療チームの最終決断の返事は
あと1週間後に迫ってた。







つづく





  
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