2018年01月12日

嘘つきは恋愛の始まり 10


N「初めまして。二宮と言います。」

O母「は、初めまして…」

いよいよ俺の実家へ来ていた。
俺の電話を信じていなかった母親は
二宮を実際に連れてったことで
これは冗談ではないと悟ったようで
その焦りようと言ったらなかった。

O母「ゴメンなさいね。お父さん、
  急な仕事が入ってしまって、
  今日は不在なのよ。」

O「父ちゃんには母ちゃんから
 説明しておいてよ。
 電話で話した通り、俺達本当に
 結婚するんだ。  
 悪いけど、保証人のところに 
 母ちゃんでいいから名前書いてよ。」

O母「あ、あのねぇ…それならそうと
  もう少し早く言ってくれれば…
  それに、二宮君のご両親は
  この事、ご存知なの?」

N「はい。うちは喜んでます。」

O母「えええっ?」

O「この前、ちゃんと挨拶もしてきた。」

O母「どうしましょう。こんな大事な事
  母さん1人で決められないわよ。」

N「お気持ちは分かります。
 でも、僕達決心は変わらないんで。」

O「マイホーム購入もたった今
 二人で決めてきた。
 会社にも、もう報告済みなんだ。
 誰にも迷惑掛けないって約束する。
 だから、俺達の事認めてくんないかな?」

N「どうか、僕達の結婚、許して下さい。
 お願いします。」

O母「会社にも報告しちゃったなんて。
  元々智は一生結婚なんかしないって
  父さんにもいきまいてたくせに…」

O「や、やっぱり、将来の事を考えたら
 生涯1人で居るのも寂しいかなって。
 ニノとは気も合うし、一生仲良く
 暮らせるって、そう思ったんだよ。」

O母「これ、パートナーシップって
  事実上婚姻届と一緒なんでしょ?
  万が一、別れるってことになって
  お互いが再婚したいと思っても
  お相手の方に同性愛だったって
  分かってしまうのよ?
  それでもいいの?」

O「構わないよ。おいら、二度と
 結婚とかする気ないし…」

O母「あんたに聞いてるんじゃないの。
  ニ宮君の方よ。だって、こんなに
  可愛いんだもの。何も智でなくても
  女の子にだってモテモテでしょうに。」

N「ウフフッ…そんなことないですよ。
 それを言うなら大野さんも一緒ですよ。」

O母「あら、あんたもモテモテなの?」

O「んなわけないだろっ」

N「僕、女性と子供は苦手なんです。
 それは大野さんも同じだって聞いて
 いますし…僕は大野さん以外は
 ホント、考えられないんで…」

O母「そ、そう?」

O「ニノの実家は老舗の和食屋なんだよ。
 今度父ちゃんと母ちゃんも
 連れて来なさいって。」

O母「へえ。お店を経営なさってるの?」

N「はい。あの、良かったら何時でも
 食べに行って下さい。」


俺達はなんとか母ちゃんを説得して
遂に提出する書類にサインして貰った。

O母「二宮さん、智、こんなだけど
  お願いしますね…」

N「はい。こちらこそ、今後とも
 宜しくお願いします。おじさんには
 日を改めてご挨拶に伺います。」

一番難関だと思われた
うちの親の説得も無事にクリアして
これで偽装結婚は成立したも同然。

夕方の4時には実家を出て
引越しの段取りなんかを
打ち合わせる為に、再び俺は
二宮のアパートを訪れた。

N「フフフッ、なんか今日の大野さん
 必死だったね(笑)」

O「当たり前だよ。うちの親は絶対
 おいらの嘘を見抜くって思ってたからさ。
 会社にも報告して、家まで決めて…
 それで親が反対とかしたら
 どうにもなんないじゃん。」

N「でも、なんだかんだ言っても
 うちもそうですけど、自分の息子に
 一生独身を貫くとか言われるよりも
 まだ同性でも結婚するって言われる方が
 ホッとするんじゃないですか?」

O「そうかなぁ。」

N「そうですよ。あ、そうだ。
 契約書、一応説明しときましょうか?
 俺が1人で作ったから、異議があるかも
 しれないし…」

O「え?あ、そうだな…」

さっきうどん屋で貰ってた封筒を取り出し
中身をテーブルの上に置いて
ザッとそれに目を通した。

O「ね…これさぁ…」

N「ん?何か問題有ります?」

O「ここまで細かく決める必要有るの?」

N「そりゃ、そうですよ。
 だって、俺達は偽装結婚なわけだし。」

O「そりゃ、そうだろうけど…」


=契約書=

大野智、二宮和也の偽装結婚においての
約束事20か条。


1、いかなる理由でも結婚について
 互いの第三者に偽装である事実を
 話してはならない。

2、離別することを考えない事。
 万が一、それを口にした場合は
 罰金として住宅ローンの全てを
 受け持つ。

3、婚姻はあくまでも偽装であるから
 お互いのプライベートは干渉しない。

4、一切の家事はニ宮が受け持ち
 その労働時間における報酬は
 時間給として大野が二宮に支払うこと。

5、生活費は月末に出し合い
 プライベートの財布はお互いで
 管理すること。

6、互いの実家への個別での出入りは
 よほどの事がない限り禁止とする。

7、基本、恋愛は禁止。
 浮気とみなして、罰金を課する。

8、夫婦での出席が必要な冠婚葬祭以外の
 出席の可否については
 事前に相談して、時給制で出席する。

9、生活に関して共有する時間、物品については
 互いに相談し、協力的であること。

10、細かい気配りを忘れないようにする。
  相手の生活のリズムを壊さない。
  乱さない。出来るだけ気遣う。

他項目省略…~全20項目~

以上の取り決めに違反し、
相手に不利益な行動、
言動があったとみなした場合
速やかに相手に慰謝料を支払い
謝罪、反省することを誓います。


平成30年 月 日
氏名      印

氏名      印




な、なんなんだ?これ…





つづく


 
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chobisuke777 at 14:30│Comments(0)嘘つきは恋愛の始まり 

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