嘘つきは恋愛の始まり あとがきまだ見ぬ世界へ 32

2018年03月12日

まだ見ぬ世界へ 31


それから、月日は流れて
裕也は3歳、智美は授乳も終わり、
満1歳の誕生日を過ぎた。
仕事と育児の両立は、俺が想像してた以上に
大変だったけど、周りの協力もあったし
自分達もこの生活に、そこそこ慣れてはきてた。


裕「おとうちゃん、次のおやしゅみは、
 僕とあしょんでくれるの?」

智「おうっ、遊んでやるぞっ。」

裕「ホントにぃ?」

智「男と男の約束だっ」

裕「わーい。カズ、聞いて。おとうちゃんが
 僕とあしょんでくれるんだって。」

和「裕ちゃん、カズじゃないでしょ?
 お母さんだって何回言ったら分かるの?」

裕「だってぇ、おとうちゃんはカズって
 いってるよ?」

和「おとうちゃんの真似はしなくていいの。」

智「いいじゃん(笑)
  カズは男だから母ちゃんでもないだろ。
  カズはカズだよなぁ…」

和「そんなのおかしいよ。どうしてそれなら
 あなたばっかりお父さんなんだよ?
 ちょっと、そんなことより 
 ちゃんと約束守ってやらないと
 子供だからって適当なこと言ってたら駄目だからね。
 分かってるの?」

智「分かってるって。」

和「俺、連ドラの仕事入ってるから
 暫くまともな休み入ってないんだから、
 しっかり面倒みてくれないと困るんだからね。」

智「よしっ、裕也、次の休みはおいらが
  釣りに連れてってやるよ。」

和「ちょっ、やめてよね。
  裕ちゃんも、俺みたいに船酔いするかも
  知れないんだよ?」

智「だから行くんだよ。小さい頃から
  慣れさせておけば、大丈夫だって。
  それに、裕也がカズみたいにさ、
  ゲームオタクにでもなったら大変じゃん。」

和「失礼だな。俺、ゲーム好きだからって
  べつに大変な事なんて何もないですよ。」

智「何言ってんだ。男は潮風浴びて
 逞しくなるものなんだ。」

和「は?訳わかんない。」

最近じゃ、ちょっとだけ俺は裕也に
ジェラシーを感じてる。
我が子だっていうのに
リーダーを独占されてる気がして仕方ない。
俺の方はどちらかというと、
智美がまだ手が掛かるので
智美につきっきりになってる。
だから、裕也は俺よりも
リーダーに甘えるしかない。
俺もここ暫くリーダーに甘えてない。
多分、それが原因でここんところ
かなり苛々が募ってる。


和「裕ちゃん、たまにはママとお風呂入ろうよ?」

裕「やだっ。ぼく、とうちゃんと入るっ。」

智「じゃ、おいらがカズと入ろうかなぁ。」

裕「じゃ、ぼくもっ」

和「リーダーはともみんと入ってよ。」

智「そりゃ、構わないけどさ…
  裕也が、おいらと入りたがってるのに?」

和「いいから、あなたはともみんと入って!
  裕ちゃん、いいからおいでっ。」

俺は嫌がる裕也の手を引いて風呂場に向かう。

裕「うわぁぁぁん。とうちゃんがいいよぉ。」

和「はぁっ…裕ちゃん?いい加減にしなさい。」
  
智「ちょっと、カズ、そんなに怒んないの。
  風呂くらい皆で入れば良いじゃん。」

和「狭いですよっ」

智「いいの、いいの。狭くたって、
  入れない事ないんだから。」

仕方なく狭い浴槽に4人で入った。
育児疲れを感じてるわけじゃない。
子供は何よりも大事な宝物だって思ってる。
だけど、どうしても子供に辛く当たってしまう
自分がいて、それが情けなくて、許せなくて。

智「ほら、智美もおいらが洗ってやるぞ。」

和「いいよ。ともみんは俺が洗いますから。」

智「いいから、カズはゆっくり浸かってろ。」

ちょっとふて腐れ気味に
バスタブの縁に顎を乗せて
智美を洗ってくれてるリーダーの様子を伺った。

智「よしっ、智美も綺麗になったぞ。
  次はカズだ。こっち来な。」

和「は…?」

智「早く来いよ。洗ってやるから。」

和「な、何言ってるの?」

智「ついでだから、おまえも洗ってやるよ。」

和「こ、子供扱いすんの止めろっ。」

智「んふふ…子供より扱い難いじゃん。
  いいから、来いって。」

俺は口を尖らせながら
子供みたいに拗ねてみせたけど
結局は、湯船から上がって
リーダーの目の前に置かれた椅子に
背を向けて腰を降ろしたら、
ボディーソープを含ませた
スポンジタオルが俺の背中を
ゴシゴシと洗い始め

智「はいっ、背中はもういいから、こっち向いて。」

和「いいって、あとは自分でやりますから…」

って振り返ったら、
リーダーは泡だらけの手で
俺の頬を包み込んで、そのままブチュッと口づけた。

裕「わぁ、ぼくもチューしゅるっ」

それを目の前で見ていた子供達も
俺達がおふざけしてるみたいにしか見えないんだろう、
自分たちもって、まるでひよこみたいに
俺に向かって唇を尖らせてキスを迫る。
結局、俺は3人からキス攻めに遭って
さっきまでの苛々が嘘みたいに
溶けて無くなっていった。

和「もぉ、何なのよ(笑)
  子供達が風邪引くといけないから
  さっさと温もって先に上がってろよ。」

智「おっ、確かに…
  なんだ、せっかく久々洗ってやろうと思ったのに。
  んじゃ、続きは後でな(笑)」

和「後でって、何だよ///」


凄く馬鹿みたいな話なんだけど
リーダーが言ってたみたいに
俺ってヤツが子供より扱いが面倒で
単純だってだけの事なんだよな。
だけど、それも全てリーダーは
理解してくれてるって思うだけで
俺は嬉しくなって、またその瞬間から子供達にも
優しくなれるんだから、不思議なんだ。

風呂から上がると、
リーダーが裕也に絵本を開いて
読み聞かせしてたんだろうけど
完全に自分の方が先に眠ってしまってる
その有様を見て、俺は思わずリーダーらしいやって
笑いながらそっと布団を掛けてあげた。









つづく









ご無沙汰しております
管理人ティンクル、今月に入ってから
とうとうインフルエンザB型に掛かってしまいました
予防接種も受けていなかったので
偉い目に遭いまして

まだ完全復活という訳じゃないですが
お休みする前に少し描き貯めていたお話を
本日は更新させて頂きました。
お待たせして本当に申し訳ありません。



季節の変わり目、皆様も
お身体にはご自愛下さいませ。



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chobisuke777 at 16:30│Comments(0)まだ見ぬ世界へ 

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