ソ連は問題だらけの国でしたけれども、教育はそう悪くなかったと私は思います。


 まず、非常にいいことだったと思うのは、「選択肢」のテストが一切なかったことです。ちなみに、選択肢のテストに私が初めて出会ったのは、大学の日本語学科に入学したときでした。テストを作ったのは日本人の先生でした。


 ロシアの学校では(少なくとも私が教育を受けた頃)、例えば、算数・数学のときにどのように回答にたどり着いたのか、その過程をすべて書くことになっていました。先生はそれを見て、答えが間違っているとしても、それは単なる計算間ミスなのか、重要なポイントを理解していないことによる間違いなのかを見極める。点数も、間違いを招いた原因によって変わります。答えを導いた過程までしっかり見ているから、先生はどの学生がどの程度習った内容を理解しているかも把握できます。


 さらによかったのは、小学校から高校を卒業するまで、作文を書くことが多かったことです。文学の授業のとき、まず、ある作品を読んで、著者の経歴や当時の時代背景を習いました。その後、関連のある何らかの問題が出されて、それについて自分なりの考えを書いていました。高校のとき、毎月のようにこういう課題が出てたように記憶しています。


 一度だけ日本の学校の歴史のテストを見たことがあるんですけど、年号をひたすら覚えさせる意味をどうしても理解できませんでした。そんなの、インターネットを開けば一発でわかるはずです。(インターネットが普及しない時代だったら、図書館にさえ行けば・・・)。年号を覚えるよりも必要な情報を自力で探し出し、それを理解し分析する能力を養った方がよっぽど重要だと思います。


 ただ、さきほど書いた「ソ連式」数学のテストや作文は、先生への負担が非常に大きいと思います。私自身も、ロシアの大学で少しの間日本語を教えたことがあるんですけど、学生たちが書いた作文よりも、選択肢のテストのチェックがいかに簡単か、実感しています。

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