今日からニジニ・ノヴゴロドはセントラル・ヒーティングが止められました。雪もほとんどとけたし、後は残り雪の下で待ち望んでいる草花が花開くのを待つだけです!


 さて、今日の話です。


 ロシア人は同じ名前の人が多い。例えば、私たちの事務所は女の子が6人いますが、そのうち3人は「タチアナ」と言います男性8人のうち「ドミトリー」は3人、「アレクサンドル」は2人、「アレクセイ」は2人と、同じ名前ばかり並びます。


 日本人たちは「不便」だと言って、新入社員が入るたびに「またドミトリーか?」と笑います。そして、「ね~、タチアナ」と隣のデスクに座っている子に向かって私が声をかけると、日本人たちは毎回笑います。


 「タチアナはタチアナを呼んでる。そういうのって、おかしくない?」


 日本人の上司が言うには、自分と同じ姓の「田中」という人がいれば、わざわざ下の名前で呼ぶそうです。そうでもしないと「自分で自分を呼んでいる」というヘンが感じがすると言います。


 しかし、ロシア人の私にはその感覚がわかりません。だって、「タチアナ」という名前は私だけのものではないんです。どちらかと言えば、「私」と「ロシア人という民族」とのつながりを作ってくれるものの一つだと思います。だから、同じ名前のロシア人がすぐそばにいても、「当たり前」だとしか思わないんです


 呼んだのと違うタチアナが振り向いたら、「あ、そうじゃなくて違うタチアナ」と言ってみたり苗字をつけたりして、周りにタチアナが何人かいたとしてもロシア人たちは別に困りません。


 基本的に、ロシア人は変わった名前が好きじゃないんです。だから、日本人のように子供の名前を自由自在に(?)作るということは、ロシアではあり得ません。(あ、でも、ロシアでも共産党の革命(
1917年)の後一時期だけですが、革命にちなんだ名前をわざわざ作る親がいました。しかし、そのとき作られた名前そのものも、名前を新しく作ることもロシアに根付くことはなかったです。)


 ロシア人から見れば、今まで存在しなかった名前をつけられたら、子供は「根無し草」のような存在になってしまうので、かなり不安だと思います。だから、ロシアで一番「普通」の名づけ方は、おじいちゃんなどの先祖の名前をとることです。


 例えば、私の親戚のところに後数ヶ月で男の赤ちゃんが生まれる予定ですが、名前の候補は二つで、「ミハイル」と「イワン」だそうです。ロシアのことを少しでも知っている人であれば、この名前は両方とも馴染みがあると思います。つまり、この赤ちゃんもごくありふれた名前をつけられるわけです。でも、その親にしてみれば、曾おじいちゃんたちにちなんだ名前なんだから、子供にとって一番いいんだそうです。


 ちなみに、先祖の名前をつけるといっても、「選ばれる」名前となかなか「選ばれない」名前があって、時代によって「流行り」があるようです。例えば、私が小さいころ、周りの子供の中に「イワン」という男の子もいなければ「アリーナ」という女の子も一人もいませんでした。もう昔話にしか出てこない名前かと思ったら、今ではすっかり人気になりました。特に「アリーナ」ちゃんが多くてびっくりします。


 あるアリーナちゃんのお母さんに聞いた話です。「ありふれた名前がイヤで、ロシア人の名前の中でもちょっと珍しい名前を選んでみた。しかし、いざ『公園デビュー』してみたら、アリーナちゃんだらけだった」と言っていました。


 ま、「先祖たちとのつながりを感じてほしい」という気持ちが優先であり続けている限り、これからもロシア人たちの名前にあまり「多様性」は望めないでしょう。


 でも、私はロシアのそういう習慣がきらいじゃないです。実際、自分の娘の名前を選ぶときも、当たり前のようにおばあちゃんの名前にしました。


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