この前、久しぶりに何とも言えない達成感を味わいました。というのは、長男ゆうきのмедицинская карта(医療カルテ)をやっとゲットできたからです。


 どうも、ロシアのルールでは、病院で保管されるカルテとは別に、保育園や小学校に預ける専用のカルテがあるらしいです。そのカルテをパラパラ見たのですが、今までの病気や受けてきた予防接種など日本の母子手帳に載っているような情報を、病院のカルテから先生が手書きで写しているようです。このカルテは保育園に入る時点で作ることになっています。そして、保育園で受けた健康診断や予防接種に関する情報はその都度カルテに追加されていき、小学校に入ることになったらこのカルテはそのまま小学校の保健室に預け直すことになります。


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(カルテ)

 ところが、ゆうきはロシアの保育園に行っていないので、今回カルテはゼロから作成することになりました。そのために回らないといけない専門医が多くて、大変でした。小児科をはじめ心臓外科眼科耳鼻科神経科内分泌科(???ロシア語でэндокринолог)などを回ったし、知的な発達を確認する先生のところにも行ったし、ツベルクリン検査血液などの検査も受けました。このような健康診断はたまには必要かもしれません。しかし、専門医によって診察する曜日と時間帯がバラバラなので、病院に何回も足を運ばなければならなくて大変です。


 実は、まじめなタチアナがゆうきを連れて専門医を回り始めたのは入学の半年ぐらい前からです。しかし、後ひと息というところで挫折しました。行った病院は国立なのですが、病院だろうが役所だろうがロシアの国家機関との付き合いはかなりの覚悟が必要です。一応そのつもりでいたのですが、か弱い(?)タチアナは途中で「登校拒否」を起こし、「カルテ作成」を中断してしまいました。しかし、カルテがないと小学校に入れてもらえないから、8月に入ってからいやいやながら病院通いを再開しました。


 さて、ロシアの国立病院で一体何がストレスになるのだろうか?


「どうってことないようなことでも、ロシアではあっという間に問題化してしまう」


と日本人の上司がたまに嘆いたりしますが、まさにその通りだと思います。例えば、今回カルテを作ってもらうには、ある用紙に記入する必要がありました。しかし、所定の用紙はない。先生は一生懸命自分の部屋を探しても出てこない。先生は部屋を飛び出してどこかへ走っていく。やっと戻ってきたかと思ったら、用紙は見つからないままだから「婦長を待つしかない」と言われる。


 婦長の勤務時間は9時からだから後20分で来るはずでしたが、20分遅れの出勤。「すごい渋滞だった~」と息を切らしながら走ってきた婦長にすでに患者さんがくっついているから、こちらはまたまた待たされる。一枚の記入用紙をもらうだけで先生が使った時間、私たちが廊下で待った時間・・・。なんだかもったいなくてしようがなかったです。


 そして、やっと手に入れた用紙を小児科医のところへ持っていくと、今度は 保険証のコピーが要ると言われ、先生は保険証を持ってまたどこかへ走っていく。そして、案の定(?)コピーとれずに戻ってくる。何もかもスムーズにいかないこの状況に笑おうか泣こうか、頭の中がますます混乱していくタチアナ。こんなところから早く離れたい一心で「外で簡単にコピーとれるので、今度来たときに持ってきます」と必死に申し出るのですが、負けず嫌いの(?)先生は「こちらだって簡単ですよ。部屋が開いてないだけなんです」となぜか譲りません。使いたいときに使えないんだったら「コピーは簡単」とは言わない・・・と思ったんですけど、力が尽きたタチアナはおとなしく黙っていました。


 こうして病院に行くたびにこのような、後出しじゃんけんの形で出される要求やどうでもいいトラブルの連続でした。しかし、頑張った甲斐あって何とか専門医を全部回り必要な書類を集めました。


「これを元にこれから長~い小説を書きます」と言う小児科医の先生は正直言ってかわいそうでした。この病院で私が見たパソコンはたったの一台で、それも受付でした。カルテの作成はすべて手書きなので、先生は大変なのです。


 そして、先生が「小説」を書いてから今度は病院の偉い人がその中身を確認して承認するという手続きになるのですが、一応「水曜日までにできる」と言われました。しかし、水曜日にはもちろん、木曜日にも次の月曜日にもカルテはなかなか承認されませんでした。

 これだけ書類があると何らかの不備があってもおかしくない、とタチアナは気が気でなくて、またあのわけわからない病院に振り回されなければならないのかと想像するだけでも憂鬱でした。しかし、先生に言われた日から一週間遅れて「できましたよ」と待ち望んでいた返事をもらいました。


 もらって当たり前の書類を受け取っただけでこれだけ喜ぶなんて、自分で自分がおかしかったのですが、ロシアで暮らしたことのある人なら私の気持ちをきっとわかってくれると思います。

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