メディアマーカー

2014年09月01日

2014年08月に読んだ本

期間 : 2014年08月
読了数 : 58 冊
代表以外: あるJリーガーの14年(上)
小齋秀樹 / EaPublishing (2014-07-03)
読了日:2014年8月31日
浦和、新潟と渡り歩いた元Jリーガー宮沢克行の軌跡。9割以上のJリーガーが、日本代表になれず、プロを去る。そんなプロの一ケースとして。といっても、Jに限らず、サラリーマンやってたってトップ集団にたどりつくのはひとにぎり。そんな観点からも興味深く。プロとしてやっていく厳しさ、人間としての優しさ、甘さ、いいヤツが必ずしも成功の鍵とはならず、時には足かせにもなるような。
喰う寝るふたり 住むふたり 4 (ゼノンコミックス)
日暮 キノコ / 徳間書店 (2014-08-20)
読了日:2014年8月31日
同棲十年のふたりがくりひろげる、今回は、一泊温泉旅行、風邪ひきと看病、そして同窓会。最後に担任の先生からの視点。普段制御に制御を重ねた感情が、野々山くんに、もっと周囲に自分の考えを伝えないと、という言葉に。それが野々山くんの背中を押していたことを知り、さらりと、うちらはうちらだから、と言えた成長を知り。そして、風邪ひき時のリッちゃんの言葉。私たちはふたり分の常識や癖を持ち寄って暮らしている。お互いの"当たり前"が混ざることでこのふたり暮らしの文化ができていくんだろうなあ、というのがじんときたり。
サラリーマン金太郎 (14) (集英社文庫)
本宮 ひろ志 / 集英社 (2005-06-17)
読了日:2014年8月31日
11-14巻読了
無双の花
葉室 麟 / 文藝春秋 (2012-01-27)
読了日:2014年8月31日
立花宗茂が主人公。西軍として敗北した関ヶ原の戦いから、大名としての復帰、旧領の回復からその死までが語られる。前半生については、回想という形で少し挟まれる程度。本多忠勝、東国無双、立花宗茂、西国無双と称されたことも。立花宗茂「立花の義は裏切らぬこと」、真田信繁「真田の義とは生き抜くこと」、家康「泰平の世を作るためには、手を汚すことを恐れぬが徳川の義ぞ」/宗茂「わしは高橋紹運の子」ぎん千代「わたしは鬼道雪の娘」、清正「天を支えるかのように動かぬ者がいなければ、天下は定まらぬであろう。ひとからは、、動けずに立ち尽くしているだけのように見えようがな」、本多忠勝「家臣は胸中に主人を格別のひとだという思いを抱けてこそ、仕え甲斐があると申すものでござる」、家康「さて、その立花の義とやらを、いつまで守り切れるかのう」宗茂「命の続く限りでござる」、家康「わしが誇れるような戦をして天下を取ったとすれば、跡を継ぐ者の心の内はいかが相成る」「また、戦をしとうなるに決まっておろう」、政宗「西国無双と言われた立花殿が徳川を守る番犬となり申したか」、宗茂「わしはこの二十年の間に、わが立花の義は天下泰平のためにこそあると知った」/一辺の武辺として清々しい生き方、しかしひっかかるところもある。盛親や政宗の面罵にも一理あるのでは。徳川に赦しを乞うて大名にとりたてられるのと、他大名家に取り立てられて家臣となることに違いがあるのだろうか。裏切らぬが義というが、誰かが上にいて、裏切る裏切らないの話しになっているように見受けられ、だとしたら、それは己が頭に立って何かを切り開いていくのとはまた別のことと思えたりもして。
宝石の国(3) (アフタヌーンKC)
市川 春子 / 講談社 (2014-08-22)
読了日:2014年8月31日
次々に月人に襲われる仲間、変性をとげていくフォス。戦闘集団の鉱物たちとそれを束ねる先生。いったいなんのメタファーなのだろうといつも思い巡らせながら読み進める。
足摺り水族館
panpanya / 1月と7月 (2013-08-30)
読了日:2014年8月31日
シュールなファンタジー、と書くとありきたりだけど、なんと言ったらいいのか、読めもしない不思議なものをお使いにいって迷い込んだなんでも売ってる市、ナゾの第二京都タワー、パリに引っ越した妹の手伝いのはずが、いつの間にか死者の町に紛れ込み四年、とか、なんでも最新式に変えてしまう施設とか、犬のレオナルドと水族館を作ろうと川を遡るけど、土石流に巻き込まれ…など。
耳は忘れない (ビームコミックス)
森泉岳土 / KADOKAWA/エンターブレイン (2014-07-25)
読了日:2014年8月31日
耳は忘れない、1994年のこと、シェリル•クロウ、ジャミロクワイ、マライア•キャリー、トニー•ブレクストンあたりは聴いたことあったけどそれ以外は。インドにバックパックで行って、帰ってきてからも何度もあった、お互いのことを話すのが苦手な関係、そして唐突にいなくなり。音楽と思い出は結びつく。よくわかる。時にはその土地も。違う土地と音楽、なら個人的には23の時の、クアラルンプールのドミトリーでなぜか流れてた、キンキキッズの硝子の少年を思い出す。/リトルウッズカフェってら小森さんだよね、小林さんじゃない?で、この人となら一生いっしょにいられるかも、と加奈子は思った「四季も日々も」。俺は変わっちまったのか? 同じでいつづけるなんて、無理な話だよ だっとら良いほうに変わりゃあいい 枝分かれしてもまたどこかで交差するさ、「森のマリー」。絵を描くことがすきで、勉強しなけりゃと塾にほうりこまれ、絵や映画や本のことを語り合える友ができ、ホルスト•ヤンセンの画集に刺激を受け、長い時間をかけて自分のやり方にたどり着いた「小夜子かけるかける」
きのう何食べた?(9) (モーニング KC)
よしなが ふみ / 講談社 (2014-08-22)
読了日:2014年8月31日
ラタトゥイユ、つくってみたくなった。この巻は、筧さんが、としをとったことを実感する話、まわりも含めて、ケンジとの関係性に思いを巡らせる話など。個人的には、小日向さんと佳代子さんがどこで知り合っていたのか思い出せず。
トラップホール 4 (Feelコミックス)
ねむようこ / 祥伝社 (2014-08-08)
読了日:2014年8月30日
完結。一度は手放したと思ったこと、伸ばした手で引っ張って、引き寄せたことのほうが大事と思い極めて。この夏ここにいることが正しかったんだよ、という言葉がどれだけ背中を押したか。家なし金なし仕事なしの状態からの、ジャンプアップが最後は眩しく。
大奥 11 (ジェッツコミックス)
よしながふみ / 白泉社 (2014-08-28)
読了日:2014年8月30日
世は、将軍家生母一橋治済の世。幼き頃より、ただ退屈だからと息を吸うように嘘をつき、姉を溺死させ、母を毒殺して藩主の地位につき、将軍家たる息子の子等を気まぐれに間引いていく。松平定信が、人は世に生まれたならば、必ず志しを持っていると思っていたが、あの女にあるのは肥大した権勢欲だけ、徳川を滅ぼすは同じ吉宗の孫のあの女、気づいた時にはすでに遅く、老中を罷免される。蘭学の再興、赤面疱瘡治療の復活を目論む将軍家はある夜お忍びで黒木のもとを訪れ、頼み込むが、と言ったところまで。
運命の女の子 (アフタヌーンKC)
ヤマシタ トモコ / 講談社 (2014-08-22)
読了日:2014年8月30日
確信犯的な16才少女の犯罪「無敵」、星は堕ちたときはじめて自分が星と知る「きみはスター」、自分以外皆に呪がかかっていて、自分にかからないのは何か重大な意味があるはずだ、大丈夫人生に意味なんてないから「不呪姫と檻の塔」。私たちから苦しみの意味を奪わないで、は皮肉のきいたセリフだなあと思いつつ。
山賊ダイアリー(5) (イブニングKC)
岡本 健太郎 / 講談社 (2014-08-22)
読了日:2014年8月30日
ザリガニとミドリガメとマムシの鍋、気になります。猟師になっても、やめたり、引っ越したり、また新たに入ってくる人もいて様々な人間模様。猟の最中に、目に笹が刺さったエピソードは読んでて痛かった。
覇道の槍
天野 純希 / 角川春樹事務所 (2014-04)
読了日:2014年8月29日
三好元長を主人公に。長慶の父。/四国、阿波にて、将軍家の血を引く足利義維、管領細川京兆家の御曹司細川六郎とともに、畿内平定、天下をつかむことを目論む三好元長。当初は、世のため、民のため、戦のない世にしたい、転じて、暗殺や民の犠牲もいとわず。堺公方府を打ち立て、天下に覇をとなえようとするも、内訌は止まず、また元長も内訌の一ファクターとなり、公方府をまとめられず。最後は、はたから見ても甘い、主は元長を討とうと決意しているのに、最後まで主を討つことなどかなわぬ、と信念を貫き通して敗死していった元長。単純にスッキリしない感は、「南海の翼 長宗我部元親正伝」にも通ずる。柳沢賢治、浦上村宗、木沢長政、朝倉宗滴など、ほかにも興味深く、調べてみたいひとびとも。のちの松永久秀も、久一郎という名で元長につかえる忍びだった、という設定も創作だけど興味深く。元長「汚れることを厭うていては、志を遂げることはできませぬ」/朝倉宗滴との二度の会談シーンもみもの。朝倉宗滴や久一郎からの、再三の六郎を見限っては、というすすめにも首を縦にふらず。甘さと厳しさのアンバランスが魅力だったのかもしれない。元長「皮肉なものよ」「我らは、民のために戦いのない世を築こうと、この堺公方府を作り上げた。だが、公方府を滅ぼすのは誰でもない、名もなき民たちであった」
いぶり暮らし 1 (ゼノンコミックス)
大島千春 / 徳間書店 (2014-08-20)
読了日:2014年8月26日
カフェ店長の女の子とフリーターの男の子の同棲物語。休みが週一しかあわないふたりの共通の好きなことは、燻製。いろいろなものを燻製しつつ、欄外で、水気は十分にとって、など燻製する際のポイントも。ふたりとも相手のことを思いやりつつ、のどにした違和感には、なんとか傷つけないように、自分も不満を残さないように伝えて、関係をすこしずつでもよくしていこうとバランスをとっていく様は、日暮キノコ「喰う寝るところ住むふたり」にも通ずるものが。
クラゲのふしぎ (知りたい★サイエンス)
jfish / 技術評論社 (2006-08-05)
読了日:2014年8月26日
興味のあった話題をいくつか。/際限なく分裂できる、不老不死のベニクラゲ。アカクラゲは、真田幸村が粉末を敵にかけてくしゃみをおこさせたことから、ハクションクラゲの別名があること。/死滅回避(無効分散):ある生物が本来生息しない場所へ海流で運ばれ、季節変化などによって生息条件が合わなくなり、そこで死んでしまう現象。日本では、夏場に、熱帯・亜熱帯から黒潮にのってギンカクラゲ、タコクラゲなどがいるが大部分は冬に死ぬ、一見無駄に見えるけど、このくりかえしで、一部が低体温に適応するなどしてゆっくりと分布を広げる "地球上の生物の分布は、死滅回避を繰り返しながら、長い年月を経て形成されたものなのです"/サカサクラゲなど、粘液で海水を浄化、粘液でからめられた塊のうち、大きなものはマリンスノーとなって沈んでいく。タコクラゲは褐虫藻と共生、光合成し、海水を浄化、海水に酸素を供給。
ワカコ酒 3 (ゼノンコミックス)
新久千映 / 徳間書店 (2014-08-20)
読了日:2014年8月24日
この巻は、季節の関係でか、日本酒の熱燗多め。あいかわらずの、ぶしゅーぶりに、おいしいおつまみをつまみながらお酒を飲みたくなってしまう。個人的には、この巻は、エイひれが一番そそられました。台湾にいったときのおまけまんがで、ふしゅーが、富愁と当て字されていて、ツボでした。
アド・アストラ 6 ─スキピオとハンニバル─ (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
カガノ ミハチ / 集英社 (2014-08-20)
読了日:2014年8月24日
カンナエの戦い、ローマ側は、執政官二人を戦死で失い、ハンニバルの完勝。ただし、部下の中には,捕虜の解放、一気に首都ローマへ進軍しないことの不満もあり、ほころびの兆し。一方ローマは、主戦派が完全に失脚し、守勢派のファビウスが復権。破れたスキピオは、南イタリアの猛将マルケルスの元へ配されるが…。といったところまで。
悪の出世学 ヒトラー・スターリン・毛沢東 (幻冬舎新書)
中川 右介 / 幻冬舎 (2014-03-28)
読了日:2014年8月24日
スターリン、ヒトラー、毛沢東。出世という観点からつづったヒストリー。スターリンの会議術にセコい!と唸り、ヒトラーのAll or nothingの交渉姿勢によく頂点までのしあがれたものだと思い、毛沢東の、大きな失敗は無視し、小さな成功のみを強調に、下のものはたまったものじゃない、と。そして、ボリシェビキもナチスも、当時の大衆は圧倒的に支持していたイメージがあったけど、仔細にながめてみるとそうとは言い切れないことも。スターリンについては、中公新書「スターリン」などにもあたってみたい。
タモリ学 タモリにとって「タモリ」とは何か?
戸部田誠 (てれびのスキマ) / イースト・プレス (2014-03-26)
読了日:2014年8月24日
これこれこういうのが読みたかったんだよ感でいっぱい。テレビ、ラジオ、書籍で、タモリ自身の、あるいはタモリを語った人の言葉から浮かび上がらせるタモリ像。樋口毅宏「タモリ論」の冗長で独りよがりな自分語りとは対極で、読み応えあった。「人間は、私に言わせれば『不自由になりたがっている』んですね」p.25/「お笑いでもジャズでも、人となにかやるからにはやっぱり自分も変わりたいし、相手も変わってほしいなと思っているんです。やっぱり、そこがいちばん、おもしろいところなんですよ。現場に立ち会っているという、生な感じが」p.46/「みんな俺の才能に勝手に魅かれて親切にしてるんだから、そんなヤツらにいちいち礼を言ってられるか!」p.54/「なるべく異常なことを普通のようにやりたい」p.83/「仕事って面白いもんで、自分が、『これくらいの力があって、もっと力を付けたいんだけども、この辺くらいに行ったときにちょうどこの仕事が来ると良いな』と思ってたら来ないんだよ。あれ、絶対(実力が備わる)前の段階で来るんだ。で、そこでひるんだらココまでまた行けないんだよね」p.184/「緊張できるような仕事ができてるっていうことを幸せに思うことですね」p.186/夢なんかにとらわれるから生き辛い、目標なんか立てるから達成できないとおちこむ、流れにまかせて行き当たりばったりでいいんだ、意味なんてなくていい、一貫してぶれずにそういうメッセージを、コトバだけでなく、身振りでも、どう芸能界ですごしてきたかでも示してくれる、希有な存在。
ワンス・ア・イヤー―私はいかに傷つき、いかに戦ったか (角川文庫)
林 真理子 / 角川書店 (1997-01)
読了日:2014年8月22日
はあちゅうさんの紹介をみて。ここまで自らの野心を、計算高さを、嫉妬をさらけだし、またパワーにして、自らの決めた、時には誰も通ったことのないステップをのぼっていく様はいっそ清々しい。他の自伝的小説も読んでみたくなった。講談社現代新書の「野心のすすめ」も読み返したくなった。「芸能人ではないからと自分を高みに置き、そのくせ芸能界のおいしいところだけ食べようとしている女。それほど若くもない、器量もよくない女。その女をいたぶることなど、彼にとってなんでもないことなのだ。」pp.142-143/「それから三つめはね」「僕に惚れないでくれ」「ギャハハ」p.151/なんとなく心にのこったシーン。
孤独のグルメ (扶桑社文庫)
久住 昌之 , 谷口 ジロー / 扶桑社 (2000-02)
読了日:2014年8月20日
再読。結局「モノを食べる時はね 誰にも邪魔されず 自由で なんというか 救われてなきゃあ ダメなんだ」「独りで静かで豊かで…」という台詞をみたくて、もう一度手に取ってしまったようなもの。あと、江ノ島と西荻窪は最近いったばかりだったので、しっくりきた。それとは別に気になったのは、朝9時半から飲める店。ひとりメシが決まらないときの頭のなかでブツブツいう感じはすごくよくわかる。
サラリーマン金太郎 (10) (ヤングジャンプ・コミックス)
本宮 ひろ志 / 集英社 (1997-01)
読了日:2014年8月19日
8-10巻読了。まさかのアフリカ、ナピリア編。砂漠に電話回線。異なる言語、自然環境、習慣に戸惑いつつ、切り抜け、なんとか形にしたところで内戦勃発で御破算、けど得たものも大きかった、と。
盤上のアルファ (講談社文庫)
塩田 武士 / 講談社 (2014-02-14)
読了日:2014年8月19日
ざっと店で眺めた時に、新聞記者のもとに、戦国武将がタイムスリップしてのりこんできて、なぜか将棋、みたいな突拍子もない話しかと思って、手に取る。単に、転がり込んで来た登場人物の名前が、真田信繁で、かの有名な真田幸村の本名だったからだけなんだけど。性格が悪くて嫌われてるからという理由で、文化部将棋担当へ左遷された事件記者秋葉。行きつけの女将に頼まれて、かつて奨励会を年齢制限で追い出され、新ルールのせまき門でプロを目指すアマ棋士真田信繁と共同生活することになり、そこへ女将も乗り込む、三人の奇妙な共同生活。それにしても…あとでわかってみても女将はひどい、気持ちを知っていてここまで残酷なことができるというのも。確かに、ふたりとの共同生活は秋葉に、今まで見落としていたものを感じさせたかもしれないけど、一面、利用するだけして捨て去ったともいえる、虚無感。将棋と囲碁の違いは、買った時に、片やゼロか百、片や60対40。囲碁は40とれたと負けたほうも一定の満足感があるが、将棋の敗者には何も残らない、というのには納得。
ディスカスの飼い方 (幻冬舎文庫)
大崎 善生 / 幻冬舎 (2011-04-12)
読了日:2014年8月17日
ひさびさに大崎作品を手にとる。「パイロットフィッシュ」で熱帯魚が効果的につかわれていて、それを主軸に据えたらどんなかんじなのだろうか、と。ただ、わりと世間とうまくいかない感じの、ひとつのことをつきつめてしまう青年が、死んでしまった恋人への思いを深める、という構図は、これまでにもありがちで、恋人が死なない長編、書かないのだろうかと思う次第。ディスカスとその飼育については、おなかいっぱい味わうことができる。「答えを求めるのではない。どんなものにも当てはめられる方程式を作ること。それこそがディスカス飼育を突き詰める意味なのです」(刈谷)
サラリーマン金太郎 (7) (ヤングジャンプ・コミックス)
本宮 ひろ志 / 集英社 (1996-06)
読了日:2014年8月16日
2-7巻読了
あさめしまえ(2) (KCデラックス BE LOVE)
北 駒生 / 講談社 (2014-08-12)
読了日:2014年8月16日
おぞうに、パンケーキ、フレンチトースト、フォー、干物、オムレツ。何気ないようでいて、心をこめて、ここぞというタイミングで、出されるとぐらっときてしまう。朝食は毎日続く。けと、だからこそ。そして、最後の二話は、元の駆け出し時代のストーリー。飛び出してきたみせのオーナーがまだ若く理想に燃えていたころの。
あさめしまえ(1) (KCデラックス BE LOVE)
北 駒生 / 講談社 (2014-02-13)
読了日:2014年8月16日
子供の時に通った定食屋さんを、ひきついであさごはんやさんにかえて再出発。最初は周囲の目も冷たかったけど、近所の八百屋さん、前の店主の娘さんの友達…と口コミで広がり、夫婦問題、大家族問題、新しい母の味と、悩みを朝ごはんで解決していき。卵黄の醤油漬け、試してみたい。
祈りと署名 (ビームコミックス)
森泉岳土 / エンターブレイン (2013-11-25)
読了日:2014年8月16日
版画のような水墨画のような独特の画風。城に囚われた娘とその交代、最後は、城を燃やしたどこへとも行方知れず、昔の民話に同じような題材があったような。主がいなくても、日常をまわすことができる、囚われていることに無自覚、いや囚われていると自覚しての敢てなのか。
河畔に標なく
船戸 与一 / 集英社 (2006-03)
読了日:2014年8月16日
舞台はミャンマー。山中に消えた200万ドルをめぐる追跡劇。着服してきた金で高級ホテル建設を目論む日本人。組織を裏切り麻薬取引資金を持ち逃げした中国人。脱獄した民主化運動家。拷問の露見と脱獄犯を出したことで追いつめられた刑務所副所長。カチン独立軍の勇士。妻と姦通者を殺して逃げるイスラム教徒中国人の家具職人。インドの強欲な商人の手下。ビルマ共産党の生き残り。ナガ独立運動の指揮官。さまざまな背景を持つものが、大金を狙い、山中をかけめぐる。最後の救いの無さは健在。毒蛇で、山刀で、墜落で、転落で、銃撃で、人々は無造作に死んで行く。絶望、締念、生きる希望の復活から再転落と忙しい。最後は日本人とイスラム教徒が生き残り。”人生最後は運とかツキだ、お前にはそれが残っているか?”という問いかけが河畔にこだまする。生きていればいいことあるさなんて、気休めを許さない厳しさ、ハードさ。参考文献にあげられた高野秀行「アヘン王国潜入記」「西南シルクロードは密林に消えた」読んだあとだと楽しみもひとしお。高野秀行らしきジャーナリストがちらっと挿話で出て来たり(p.234)、通訳ゾウ・リップ、ナガ独立運動の高官クガル,チャンドラというインド商人、が名前と若干の背景の類似を持たせつつ、登場人物としてでてきたりといったところも楽しめる。/「目的のために手段を選ばない。その目的に価値があるかどうかは疑いもしない」「この国は広い。精神的空間が。あまりに多くの民族が混在してる。たったひとつの価値観で全体を推し量ろうとするのは無理なんだ」
吹けよあれよ風よあらしよ―伊藤野枝選集
森 まゆみ / 學藝書林 (2001-10)
読了日:2014年8月16日
創作、書簡は割愛し、巻末の小伝、評論を何編か読了。ワタナベ・コウ「裁縫女子」で見かけて気になり手にとる。親の決めた結婚から飛び出し、当時教師だった辻潤のもとから飛び出し、無政府主義者大杉栄のもとへ、最後は二十八歳で大杉とともに官憲に虐殺される。/辻潤と別れる時に、人間の各自の差異が怖いほどわかり、ちょっとした気質の差異も、大きな破綻をもたらすか、と。またたとえ結婚した男女間でもお互いの生活に立ち入らないことが一番必要、深く理解しあうと同時に、その自由はあくまで尊重しなければならない、と。(『成長が生んだ私の恋愛破綻』)/すべてそういう調子で、頭を働かさないように、頭に骨の折れないようにというふうにばかり教えられ、教わろうとするのです。で、何もかも、すこしも本当の自分のものにはならないのです。(『婦人自らの頭脳を改造することに』)/いまとなっては婦人に限らずと思えど。
イスラム飲酒紀行 (講談社文庫)
高野 秀行 / 講談社 (2014-07-15)
読了日:2014年8月16日
「我が輩は酒飲みである。休肝日はまだない」が必ず一回は出て来る、イスラム諸国をまわって、お酒を買ったり、飲んだり、現地の人とわいわい酒を酌み交わしたい、という思いあふれるノンフィクション。カタール、パキスタン、チュニジア、イラン、マレーシア、イスタンブール、シリア、ソマリランド、バングラデシュ。敬虔でまったく売ってなさそうなところでも、なんとか探し出し、ないないない!と邪見に追い払ったかと思えば、ほんとにいる?みたいな感じで話しが出たり。チュニジアでであったイチジクで造る蒸留酒ブッハ、飲んでみたい。トルコのおじさんたちが教えてくれたラクの飲み方、つまみの選択が洗練されてて、ここにも酒文化が根付いている!と喜ぶ著者。セーシェル入国の際の制限に前日にきづいてあわてるも、カタールでの酒さがしに注力したりのドタバタとか。何度も、この情熱の何分の一かでも○○につぎこんでいれば、と。お酒を見付けて、飲めて、それが宴会だったりしたときの著者のうれしそうな表情、文章からもつたわってくる。
世界中で食べてみた危険な食事 ((幻冬舎文庫))
谷本真由美@may_roma / 幻冬舎 (2014-06-10)
読了日:2014年8月16日
台湾の肉アイス、甘いバニラアイスクリームに、炒めた挽き肉が混ざった特製アイス。ネパールのソンシャークという、小麦とスパイスを溶いたものをヤギのすい臓に詰めて、蒸して固めたもの。…は試してみたいと思った。サンクトペテルブルクはロシアの古都、地方の日本人が京都のお菓子を喜ぶようなもの?と託された腐ったケーキを差し出したときの、ロシアのケーキ懐かしいな。見るだけで十分。スパシーバ、というシーンがなんだか心に残る。/あと本場英国式紅茶極めに行って、お母さんインスタントコーヒー好き、お友達スタバ好き、お父さん紅茶飲まずにぶち当たったときの失望と。/ワンタンフォントには気をつけよう。
就活・転職でもやもやしたら読む本
はあちゅう / ゴマブックス株式会社 (2014-08-13)
読了日:2014年8月15日
アドタイの連載はぜんぶ読んでいたのでそれがまとまって読めるだけでもうれしい。就職活動も転職活動もしてないけど、ささるところあり。東浩紀「弱いつながり」と通ずるところも。/通過点の就活、転職と考えて、一度ノートに理想の生活を書き記してみたら?/今誰と一緒にいるかは定期的に見直し、ずっと同じなら新しい出会いを意識的にいれたほうがいい。/文句ばかりいってやめられない、できない、…思った通りの行動の連続が、思い通りの人生を作ります。/受かる企業もあれば、落ちる企業もあるし、すべてはご縁とタイミング!/仕事は人生になりうるけど、会社は人生ではない。/何かに挑戦する時は必ず、何か「厚かましい」ことが発生するんだと思う。/何か痛い目にあったときに「これよりはマシ」って思うために世界の拷問について詳しく知っている、、、。/巻末のしもやんさんとの対談も、本音炸裂でよみごたえあり。時間を使わせているということに意識的であるべき、と。あたりまえだけど、面接官におうじて、出す自分をかえていく戦略がすごくて、けどそれって自分のなかにたくさんの引き出しがないとできないことだよね、だから役に立つ引き出しはたくさん必要、と思った。
西南シルクロードは密林に消える (講談社文庫)
高野 秀行 / 講談社 (2009-11-13)
読了日:2014年8月15日
中国→ミャンマー→インド。謎の西南シルクロードを踏破するという目論見をもってのハードな旅。序章が中国の公安に連行されるところからでどうなることやらと思ったら、カチン州のゲリラの粘り腰といったら…それにアドリブで乗る著者とのやりとりも抱腹絶倒で。/ジャングルを徒歩で行軍、ゾウに乗り苦労、川に落ちかけ…/ミャンマーという国の成り立ち、構成、歴史、カチン州とそこに住む人々の認識、ミャンマー側とインド側のナガ人のこと。これまで知らなかったことが興味深く浮かび上がってくる。/静かな友情がめばえた内気な軍人、有能な通訳、実は他にも大きな目的をもっていたエピキュリアンな大尉、十数年ぶりの生き別れの親子の再会。/もう最後のほうは西南シルクロードとか後景にひいて、当地の事情、人とのつながりのほうが興味深くなり。けれど、結論としては、道などなかった、地域があっただけでは、人のつながりがあっただけではないのか、そして、それにのって著者が運ばれ、記憶を手渡していったのではないか、というものに。/懸棺とは?もう少し調べてみたくなった。
僕はコーヒーがのめない 1 (ビッグコミックス)
川島 良彰(コーヒーハンター) , 吉城 モカ / 小学館 (2014-07-30)
読了日:2014年8月14日
コーヒーが飲めない…はずの、花山くんが、実は、まずいコーヒーは飲めない花山くんだった、と。社内のビッグプロジェクトにまきこまれ、ひとに嫌われるのがこわくてウジウジした性格にくるしみつつ、豊富なコーヒーに関する知識で、力づよく頼り甲斐ある加賀谷センパイの力になっていく。なんだか、この関係、「おおきく振りかぶって」を思い出してしまった。
江の島ワイキキ食堂 (7) (ねこぱんちコミックス)
岡井ハルコ / 少年画報社 (2014-08-11)
読了日:2014年8月14日
化け猫オードリーいなくなる編、そして、江戸編へ。オードリー…確定申告もできるんだ、とへんなところが記憶に残り。記憶を取り戻したオードリーはどこへ向かうのだろうか。
夢の雫、黄金の鳥籠 5 (フラワーコミックスアルファ)
篠原 千絵 / 小学館 (2014-08-08)
読了日:2014年8月14日
スレイマン大帝のロードス島侵攻、そして、ヒュッレム懐妊により後宮での権力争いはさらに激しさを増す。母后ハフサ•ハトゥンは、クリミア•ハン国の皇女という矜恃から誰も厚遇も冷遇もせず。皇女ハディージェの問いにヒュッレムはどう答えるのか。
謎とき 東北の関ヶ原 上杉景勝と伊達政宗 (光文社新書)
渡邊 大門 / 光文社 (2014-08-07)
読了日:2014年8月14日
藤田信吉裏切りの項と、最終章の北の関ヶ原の章のみ読了。詳細に戦況がわかり興味深い。毛利の安国寺恵瓊、上杉の直江兼続と、後世まで家が残らなかったものが、本家の失政を棚にあげ、戦犯にまつりあげられたという面には、なるほど、と。
アヘン王国潜入記 (集英社文庫)
高野 秀行 / 集英社 (2007-03)
読了日:2014年8月14日
ミャンマーの少数民族が司るシャン州の、さらに独立的なワ州にて、種まきから収穫までアヘン栽培に携わりたい!という著者の願いはかなう。半年以上の村の生活。ミャンマーの歴史、アウン・サンのパンロン協約が現在のミャンマーの領域を定義づけ、ビルマ民族と他の少数民族が連邦を組んで独立したが、アウン・サンはその直前に暗殺、保証されていた権利も無視され、少数民族側は長い闘争に、中央からは軍事力での弾圧が繰り替えされてきた歴史。準原始共産制的社会から一足飛びに投機も含んだ先進的資本主義社会へと。強力な軍政、世界最大のアヘン生産、それを管理する高度な中国式官僚システムが、ワ州の強みに。そして村の暮しはいたってシンプル。娯楽も極小。ビルマする知らない、「外」の入ってこない閉鎖的な世界。けど、写真をとってあげることをきっかけに一気に村人にとけこみ、村独特の習慣やワ人の考え方もさぐることができ。一番面白かったのが、ケンカしたあとに「ア」「ア」といいあって酒を酌み交わして仲直りという習慣。酒以外でもよく、バトミントンのラケットを渡されて、さっきまで激しくケンカしてたのに、大の大人がふたりで仲良くバトミントンして仲直りみたいなシーンが印象に。あと、「あなたは村で何をしてるの」「村の人と一緒に生活したり、おしゃべりしたりする」すると彼女は目を輝かせて叫んだ。「ハウ・ロマンティック(なんて、ロマンチックなの)!」というシーンも。医学については大きなへだたり。「風邪もどき」と「死」のあいだに横たわるものの薄さ、厚さ。アヘンがあまりにも対症療法としては有効で、著者も一時期吸いつづけて、立派なアヘン中毒になった様などが描かれる。とらわれた自分をわらいのめすようなユーモアも忘れずに。
ポテサラ酒場
マッキー牧元 / 辰巳出版 (2014-04-17)
読了日:2014年8月12日
信愛書店でみかけ図書館で手に取る。ほぼ東京中心だったから、という言い訳で。けどポテサラがうまい店はほかもうまい!には同感。個人的には、札幌の「またたび餃子」のポテサラが一番好きです。これ札幌版も出ないかなぁ、と。最後の章には、地方にもある!と大阪、京都、福岡、名古屋の店が1、2店ずつ紹介されているけど。気になったのは、参宮橋「シャンクス」燻製ポテチやいぶりがっこの入ったの。ここの店はなんでも燻製するらしい。神田「ブラッスリーザン」のにんにくとアンチョビの効いた男前ポテトサラダ。田原町(西浅草)「アメッツ」の旭川からとりよせたエゾシカのレアステーキ(ポテサラじゃないけど)、銀座「ロックフィッシュ」のコンビーフでゆで卵をつつんだスコッチエッグ(ポテサラじゃないけど)。余談としては、西大島「平太」のとんかつが美味しそうで、奇遇にも、条丁目まで一緒のところに住んでたことがあったのに、気づかなかったことが悔やまれる。。。
水の箱庭 1 (芳文社コミックス)
安堂維子里 / 芳文社 (2014-07-08)
読了日:2014年8月11日
美しい熱帯魚の水槽の思い出だけ残して消えた兄。妹は七年後に、ペットショップにつとめ、水槽の管理、環境設定、魚の選定をするアクアリストに。さまざまな企画を考えたり、顧客に商品を提供したり、時にはいろんな問題を解決したり。水槽の美味しんぼ、とまで言ったらいいすぎかもしれないけど、こういうジャンル、好きです。もしかして兄のてがかりが?というところで次巻へ
ちゃんとキレイにヤセたくて。
細川 貂々 / 幻冬舎 (2012-06-27)
読了日:2014年8月11日
簡単なやり方などない、ただ、自分の身体の声に耳を傾け、バランスのよい食事、運動を無理のない範囲で心がけるだけ、と至極真っ当な結論。食事、運動のところは参考になるかも。
昭和元禄落語心中(6) (KCx(ITAN))
雲田 はるこ / 講談社 (2014-08-07)
読了日:2014年8月11日
決別じゃなくて抱えて生きろ 罪を忘れるな それが人間の業ってもんだ。八雲師匠から与太郎への言葉が染みいる。覚えるのが商売みたいなものですから、も。親分さんにふっかけて、最後は啖呵きりで、おさめてしまった与太郎に拍手。さて、自分の落語の行方は。
ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫)
高野 秀行 / 集英社 (2006-03-17)
読了日:2014年8月11日
読了0810 作家船戸与一のミャンマー取材旅行に、案内役として同行した時の旅行記。船戸さんの豪快で突拍子もないところが面白い。高野さんの振り回されっぷりとふたりの掛け合いも。/軍政も、スー・チーも、正統性を初代アウン・サンに求めることは変わらず、軍政は国家統一が最優先、スー・チーは何はともあれ民主主義、しかし独立をはかる少数民族に対しては独立を認めない点で一致するのではという見立て。/著者と船戸与一をぴったり監視していた情報機関の人々が、お祈りの場ではポーカーフェースをかなぐりすて素顔をさらしている瞬間に思わずシャッターを切る著者。/「船戸さんは誰にもまったく気をつかっていないが、どんな場でもビールは飲まずにいきなりウィスキーの水割りから入るという独自のスタイルで飲みまくっているため、やっぱり酔いは早い。」クンサーの家に行きたい、加藤元幹事長がきてるなら会いにいこうか、とか無造作に言うけど、ダメだとわかるとわかった次、次みたいなかんじだったり、いきなりスー・チー支持か?と直球で問いかけて本音をひきだしたり、豪放磊落。/ミャンマー人が、アジアのなかでも図抜けた国際性、社交性を持つのはなぜか?という自問に、ミャンマー国内の民族と宗教の多様性が原因ではないかという見立て。/そして、情報機関のドン、キン・ニュン首相が、著者の「アヘン王国潜入記」を参考文献にしていたという証言。/非常に動きにとみ、行き当たりばったりのようで、核心にせまり、ミャンマーにとけこみ、ミャンマーへの理解をふかめていく過程が興味深かった。あわせて、「アヘン王国潜入期」「西南シルクロードに…」も読みたいと思った。
天人唐草―自選作品集 (文春文庫―ビジュアル版)
山岸 凉子 / 文藝春秋 (1994-03)
読了日:2014年8月11日
金魚屋古書店16巻に触発されて。天人唐草は、戦前の価値観にそった父親に、気に入られようとして生きてきて、ゆっくりと心が壊れていく話。ハーピーは、最初から心が壊れていて、本人が気がついていなかった話。狐女は、肝智に長けた子供が転がり込んだ旧家で波紋を起こし、最後は居場所を失う話。籠の中の鳥は、一族で一人だけある特殊な能力がないことに悩んでいたのに、最後の最後で大事なひとを守るために発揮できた話。夏の寓話は、H市というのが、広島だとわかると納得のいく、戦争で亡くなった小さな娘の幻影をめぐる話。大半は読み終えて辛く、放り出された心持ちになる。そこにはまなざしがあるだけ、道しるべはない、それがいい、という、中島らもの解説が当を得ている。
事件屋稼業 2 (2) (アクションコミックス)
谷口 ジロー / 双葉社 (1996-07)
読了日:2014年8月10日
かつての親友に裏切られ殺されかけたり、しっかり者の娘の父親参観で、別の父兄に依頼をもちかけられ、刑事のひさびさの恋路に巻き込まれて救いの手を差し伸べたり。この巻もハードボイルド。
弱いつながり 検索ワードを探す旅
東 浩紀 / 幻冬舎 (2014-07-24)
読了日:2014年8月10日
刺激的な書。Twitterで感想がツイートされているのを見て興味を持った本。以下備忘録的に。/環境を意図的に変えること。環境を変え、考えること、思いつくこと、欲望することそのものが変わる可能性に賭けること。自分が置かれた環境を、自分の意志で壊し、変えていくこと。自分と環境の一致を自ら壊していくこと。グーグルが与えた検索ワードを意図的に裏切ること。環境が求める自分のすがたに、定期的にノイズを忍び込ませること。/観光客は無責任です。けれど、無責任だからこそできることがある。無責任を許容しないと拡がらない情報もある。/村人であることを忘れずに、自分の世界を拡げるノイズとして旅を利用すること。旅に過剰な期待をせず(自分探しはしない!)、自分の検索ワードを拡げる経験として、クールに付き合うこと。/どんなに客観的な情報を並べても、だれも見てくれないのであれば意味がない。情報の提示だけでなく感情の操作も必要だ、というのがチェルノブイリ博物館の思想なわけです。/身体を一定時間非日常のなかに「拘束」すること。そして新しい欲望が芽生えるのをゆっくりと待つこと。これこそが旅の目的であり、別に目的地にある「情報」はなんでもいい。/「国民としてわかりあえないこと」よりも「個人としてわかりあえること」を優先して、制度設計するほうが賢いと思うのです。/大事なのは、記憶の書き換えに抵抗する「モノ」を残すことです。/国民と国民は言葉を介してすれちがうことしかできないけれど、個人と個人は「憐れみ」で弱く繋がることができる。/この二世紀で世界の国々がいかに豊かに、そして健康になったのかを、わずか四分でグラフとともに描き出すすぐれた動画 「Hanas Rosling's 200 countries,200 Years,4 Minutes」/グローバル化の強みは、観光客として無責任に「弱い絆」をあちこちに張り巡らすことではじめて生きてくるのです。
裁縫女子 (サイホウジョシ)
ワタナベ・コウ / リトル・モア (2011-02-16)
読了日:2014年8月8日
裁縫の先生ですがマンガも描きます、って、同じ構成の話が何話か続くと、わざと?けど同じパターン!と思ってしまい苦笑。難しいとされている裁縫もこんな簡単なやり方がある、ということを広めたい、という、熱意には目をみはるものが。ただコミカルさにくるんでも、裁縫教室運営の大変さは伝わってきた。教室にきた女性のどうしようもないところを、伊藤野枝選集まで引用して嘆くところも。ただ、伊藤野枝選集は読みたくなった。
事件屋稼業 1 (1)
谷口 ジロー / 双葉社 (1996-07)
読了日:2014年8月6日
金魚屋古書店に触発されて手に取る。昭和の香り漂うハードボイルド。やせ我慢の美学。タフでクールなようでいて、娘と元妻には弱い一面も。フェイクエンディングは、どこにつながっていくのか、気になるところ。
辺境中毒! (集英社文庫)
高野 秀行 / 集英社 (2011-10-20)
読了日:2014年8月5日
ミャンマーのあたりの紀行が読み応えあった。バイクのうしろに乗っての移動手段であやうく大事故を、間一髪うしろに跳んでさけたはずが、臆病だからとびおりたみたいな話しにされてて憤慨したけど、のちに嫌疑が晴れたエピソードとか、アヘン王国からかえってきて、日本へ帰るまでに、一騒動あった顛末とか。船戸与一との対談はいいテンポで読んでてたのしい。井原美紀との対談で、犬を食った女とキスなんかできるかーとつきとばされた話しが恋愛エッセイに昇華って、ちょっと読んでみたい。外国の夜行に中島みゆきがしっくりとくるのはさもありなん。秘境駅へ行こう!の張碓駅が廃止になってたとはつゆ知らず。またブックガイドとしても秀逸。著者の他の本も読みたくなるが、加えて、ケリー・テイラー・ルイス「シャクルトンに消された男たち」、イザベラ・バードに信頼された日本人通訳の視点から語った中島京子「イトウの恋」、気の長い鰻調査のためにアフリカにわたった青山潤「アフリカにょろり旅」、徹底的に裸の自分をさらけだすことで相手の本音をひきだした石丸元章「KAMIKAZE神風」、いかがわしき奴らの天国の島、船戸与一「金門島流離譚」なども手にとってみたくなる。
鉱物見タテ図鑑 鉱物アソビの博物学 (P-Vine Books)
フジイキョウコ / スペースシャワーネットワーク (2011-10-07)
読了日:2014年8月3日
B&Bでみかけて気になり図書館で借りてみる。緑簾石を携帯苔庭にみたて。玉髄を、霜柱雲に見立て。黄鉄鉱を、幾何学的な立方体、直方体の組み合わせで見せ。蛍石を天空都市に見立て。石膏に紫外線をあてたものを、月下の滝に見立て。これらの見立ては見てたのしく、また美しかった。鉱物をあるシチュエーションに置いて愛でるたのしみ。
サラリーマン金太郎 (1) (ヤングジャンプ・コミックス)
本宮 ひろ志 / 集英社 (1994-12)
読了日:2014年8月3日
話しにはきいていたが、読んだのははじめて。こういう話しだったのか、と納得しつつ、つづきも気になる。元暴走族のヘッドで、引退して田舎で漁師をしていた金太郎が、命を助けたヤマト建設の会長に、お礼に何をと問われ、一度サラリーマンがやってみたかった、と入社。上京直後からヤクザとケンカ、専務と口論、クラブでヤクザにケンカを売られ、社長に啖呵きって、会長が収めたところまで。さてどうころがっていくのかこの話し。
東洋文庫 (2014-04-21)
読了日:2014年8月3日
東洋文庫トルコ展の図録。会場でも見られた図版の代表的なものがおさめられ、簡易にキャプションが付されている。個人的には、オスマン帝国の最大版図、イブラヒム・ミュテフェリカの活版印刷所で刷られたという日本地図からみるオスマン帝国下の日本認識、日本語で初のオスマン史を出版した人とその中でもスレイマン大帝が絶頂期で以降は衰退という認識がすでに示されていること、などが興味深かった。
夜よる傍に (ビームコミックス)
森泉岳土 / KADOKAWA/エンターブレイン (2014-06-25)
読了日:2014年8月3日
持ち回りだから。お願いは心を開く扉。崖から落ちたことがきっかけで、夜眠れなくなったカメラマンさとるさん。月あかりで絵本を読む少女。絵本を探す旅は、いつのまにか絵本の世界にとりこまれ、作中の人物と話すことで、自分のことをとりもどしていく、ゆるやかに。水で書いて墨を落とす独特の技法も、版画のよう印象に残る。
金魚屋古書店 16 (IKKI COMIX)
芳崎 せいむ / 小学館 (2014-07-30)
読了日:2014年8月3日
あゆの啖呵が効いている/いつの時も変わらないのは、無から有が生み出される、奇跡の瞬間に立ち会えるという真実じゃないんですか。/最後の最後に、読み手の前に残るのは ただ一本紙の上に引かれた線が持つ、その説得力だけなんだって。/狩撫麻礼•中村真理子のDays 時の満ちる の馬渡真助みたいな人、って、どんなひとだろ。ほかに、関川夏央 谷口ジロー 事件屋稼業。山岸涼子 天人唐草。小林旭「古城の月」、読みたくなる聞きたくなる。
Havana Style (Icons)
Christiane Reiter , Angelika Taschen / Taschen America Llc (2004-09)
読了日:2014年8月2日
Byrd Parkにて手にとる。キューバの首都ハバナ。建物もインテリアも色が濃い、むせかえるよな原色に触れ、魅了される。
クラゲガイドブック
並河 洋 , 楚山 勇 / 阪急コミュニケーションズ (2000-07)
読了日:2014年8月2日
美しい写真とコラム解説で楽しむクラゲガイド。色とりどりさ、豊富な種類を楽しめる
そして生活はつづく (文春文庫)
星野 源 / 文藝春秋 (2013-01-04)
読了日:2014年8月1日
本の雑誌で見かけて手に取る。傍目にはどうでもよさそうなことに、ぐじぐじこだわって、あたま抱えて先にすすめず、みたいなのを、ユーモアにくるんで読ませてくれかんじがゆるくていい。箸探しはつづく、が一番共感かも。安いだけの箸を買えばしっくり来ず、高級すぎるものも何か違う。毎日使うものだけに、小さな違和感が気になり、失ったものの大きさに気づき、今日もまた探し続ける、みたいな。


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2014年07月31日

2014年07月に読んだ本

期間 : 2014年07月
読了数 : 40 冊
クラゲ 海の神秘―倉沢栄一写真集
倉沢 栄一 / コアラブックス (2000-10)
読了日:2014年7月31日
美しい海月の写真と、ひとことふたこと、思い入れのある言葉。さらりと読めて、鮮やかな海月をたのしめて。
賢治と鉱物
加藤碵一 , 青木正博 / 工作舎 (2011-07-23)
読了日:2014年7月31日
B&Bでみかけて。/青緑黄赤白黒の6色の鉱物の写真、解説と、賢治の詩、短歌、小説から引用でつづる一冊。/あけがたの琥珀のそらは凍りしを大とかげらの雲はうかびて(「歌稿A」)/こんなすてきな瑪瑙の天蓋 その下ではぼろぼろの火雲が燃えて(『春と修羅』「樺太鉄道」)/かちこちに/削りのこりの岩頸は/松黒くこめ白雲に立つ。(「歌稿B」)/その青じろい光の渣の下底には 黒水晶が熱して砕けるときのやうな 風の刹那の眼のかがやきや(『東京』「光の渣」)
世界一周ひとりメシ in JAPAN (幻冬舎文庫)
イシコ / 幻冬舎 (2014-07-03)
読了日:2014年7月29日
世界一周ひとりメシを敢行した著者が、しばらくして、東京から岐阜に移り住み、地域に溶け込み、そんなに長くは家をあけられないなあ、そうだ!日本でも世界一周ひとりメシできるんじゃ、という思いつきからはじまった企画。北は札幌から南は佐賀まで、東京に限らず、日本各地あまねく各国料理屋さんは、あるんだなあ、と。京都にスロベニア料理店、札幌にドミニカ料理店、静岡にエジプト料理店。札幌のドミニカ料理と新宿のナイジェリア料理は食べにいったことある、うん、ここに余すところなく語られているとおりだと思った、よくいえばブレてない。与野のウイグル料理店主は、経済や経営のことになると話しがとまらなくなり、それもそのはず、日本語学校のあとに、経営学の大学院でまなんだんだとか。福岡のカレー屋をいとなむ、きまじめなバングラデシュ人店主は、きまじめがいきすぎて時にハラハラするけど、著者の目線に沿って、あたたかい気持ちになってくる。「知らない国の料理を食べるということは、人の足跡を辿ることに似ていると思うことがある。動物の心臓やフルーツを焼く、蚕や竹蟲を揚げる、蜂蜜や刺身を発酵させる……世界の誰かが最初に手を加え、口に入れ、足跡として後世に残していく。そうした世界中の足跡を日本で味わうことができるというのは、幸せなことである。」p.230-231
松浦進 / TOLOT (2013-04-20)
読了日:2014年7月27日
ギャラリー犬養での2014年7月の展示をみて、ガツンとやられ、図録を買い込んでしまう。旭川出身の版画家。パッと見、ぶきみな印象を与えるが、見続けているとひきこまれていく、心の奥底のくらいものを見透かされるような。そして、アクセントのように時々現れる、金色の髪の人物が印象に残る。
考えるマナー
赤瀬川 原平 , 佐藤 優 / 中央公論新社 (2014-07-24)
読了日:2014年7月27日
主に、三浦しをん、穂村弘分を読了。腕毛を剃る話し、歌舞伎をみにいってとなりのおばさんの足をふんでしまった話し、電車のなかで酔って自分の鞄にゲロを吐く人、などなど。劇団ひとりが、キャンピングカー買ったんだけど、撮影の現場に乗り付けていくかどうか悩むくだりがおかしかった。
世界一周ひとりメシ (幻冬舎文庫)
イシコ / 幻冬舎 (2012-07-06)
読了日:2014年7月27日
トップバッターがインドのマクドナルドというところが著者らしく。本人いわく、人見知り、場所見知り激しく、なかなかひとりでごはん屋さんに入れず、何いわれてるかわからなくても、知ってる単語がでてきたら、イエスと答えてしまい失敗すること多々。前半の世界一周編と、一度帰国した後、また東南アジアに行った編で構成されている。リトアニアのじゃがいもをすり下ろしたものとじゃがいもをいっしょに蒸した料理、ブルキナファソのフランスパンのサンドイッチが心ひかれる。もっともワガドゥグでは、最初に50で仕事やめて家族おいてJAICA入ってブルキナファソに来た父の様子をみにいってほしい、という知人からのエピソードがあったのに、その人と会った話しはなし、徹頭徹尾ひとりめしの話しにこだわる。ネパールでたべたモモの餃子は、うん、クセがあるけど食べれる、の感想が、夜には…毎日8時間の停電じゃ業務用冷蔵庫にまで手がまわらなかったのかもしれないけど...。アルゼンチンでは、どんな時でもワインとステーキの組み合わせははずせないこと。スペインの日本料理やではみんな寿司をおかずにごはんを食べてたこと。外で大っぴらに飲めないインドで、一度ルームサービスのビールを頼んだら、それはチップ込みのボーイたちの独自サービスだったようで、どのボーイからも目があうたびに、ビール?キングフィッシャー?と声をかけられるようになったり。いつまでも旅慣れず、小心で、味に鈍いので、とエクスキューズしつつ、なんとか現地に少しでも溶け込もうとする著者の姿勢が好もしく。「私は平和ボケしそうになるとベトナムに行くんです。彼らの狡猾さは、脳の刺激にはいいですよ。何といってもアメリカを相手にベトナム戦争をくぐり抜けた国なんですから」というタイの田舎町に住む初老の日本人の方の言葉をひきつつ。
満ちても欠けても(2)<完> (KCデラックス)
水谷 フーカ / 講談社 (2014-05-13)
読了日:2014年7月26日
ラジオ番組「ミッドナイトムーン」をめぐるスタッフやリスナーをめぐるストーリー。地味だけど、直接とどく、手近なメディアとしてのラジオ。熱意だけあって空回りだけど人柄はよくて、心配してくれている人もいるスタッフ、自分のしごとへの姿勢をかえりみるきっかけになった美容師見習い。最終回に電車が土砂崩れにあって車内から実況しつつ放送というハプニングなど。これで簡潔というのは惜しい。
氷菓 (7) (カドカワコミックス・エース)
タスクオーナ / KADOKAWA/角川書店 (2014-07-25)
読了日:2014年7月26日
カンヤ祭も佳境。古典部は部紙売上増のため、手を打つが…。そして、校内で発生する、ひとつひとつはちいさな窃盗事件。背後に潜む謎は、そして、ラストのほうたろうの叫びの意図は、といったところで次へ。
そこをなんとか 9 (花とゆめCOMICSスペシャル)
麻生みこと / 白泉社 (2014-07-18)
読了日:2014年7月26日
今回は、ブランドを立ち上げるもうまくいかず破産にいたった三人の女性、出版社編集の妻とダンサーの夫が、夫に恋人ができたから、という離婚問題、そしてオレオレ詐欺団と少年。最後の「僕を信じてくれた人が僕を助けてくれたから 今度は僕が世界は広いって信じてみようと思う」にぐっとくる。
ヤング田中K一 (ニチブンコミックス)
田中 圭一 / 日本文芸社 (2005-07-22)
読了日:2014年7月26日
何を見て読みたいと思ったのか忘れてしまったが、元玩具メーカー営業の著者の若い時代のストーリー。一番おかしかったのが、コワモテの問屋さんが「おそうじてつだってあげるね 20ダース!!」「でんわだったらごめんねって言えるかな? 14ダース!!」「おはなししながらいっしょにねようよ!!30ダース」と叫びながら発注してるのを承りつつ、思わず笑ってしまい、ふざけるなと激昂されたシーンかな。まあ、書ききれないようなシモネタ、ブラックネタにはおもわずそこまでやるかと苦笑してしまった。バブル期の残滓をかんじたり、売れといわれればどんなものでも売ってくる力強さも感じたり。
みかこさん(4) (モーニングKCDX)
今日 マチ子 / 講談社 (2011-10-21)
読了日:2014年7月22日
徐々にうごきだす、四人の関係。甘えるだけではひびかず、誰にも頼らねば孤立し、自分の気持ちに嘘をつけば望まぬ方向にながされ、一歩を踏み出せば道がひらけそうな。すこしずつ。
田中栞 / 紅梅堂 (2005-10-01)
読了日:2014年7月21日
書肆ユリイカの本について熱く語られる。読んだことないのに、書肆ユリイカのエッセイ依頼されるというのもすごいが、古本屋、編集者、知己総動員で資料をかきあつめてかきあげ、それがきっかけでハマっていくという道筋。
くらげる クラゲLOVE111
平山 ヒロフミ / 山と渓谷社 (2013-09-26)
読了日:2014年7月21日
新江ノ島水族館のクラゲ展示をみて、一気にくらげが気になり、購入してしまった一冊。脳も心臓もないという不可思議さ。条件が揃うと若返るというベニクラゲ。箱形の体の四カ所に15本ずつの触手があり、これが数メートルにも伸びるために遠くにいても刺される、24個の目を持ち、秒速1.5mで泳げるキロネックス、など多彩な個性をもったクラゲたち。お気に入りは、水族館で魅入られてしばらくその水槽の前から動けなかった水玉模様のタコクラゲ。実は、猛毒をもっているそうな。クラゲをあつかった本、映画、DVD、ドラマなどなどをあつかった章は愁眉。簡単にかえるクラゲのこともかいてあり、興味深かった。
APIED vol.12
アピエ社 / Ricochet (2008-03-03)
読了日:2014年7月21日
オスカー・ワイルド特集。日本のワイルド研究者たちの俗物性をばっさり切り捨てたエッセイ、「まじめが大事」にでてくるきゅうりのサンドイッチのきゅうりに着目したエッセイ、「サロメ」へのオマージュのような戯曲。「ドリアン・グレイの肖像」の新訳をめぐる随想。ワイルドの童話にひそむ一筋縄ではいかないもの。いままで読んでこなかったワイルドの童話も読みたくなってくる。また三島由紀夫の「ドリアングレイ論」も読み返したくなる。/「快楽のために生きてきたことをわたしはただの一瞬も悔やまない」とうそぶくワイルドは、しかし、耽美主義者としても、辛らつな批評家としても、そして、母の息子としても、あまりにまじめすぎた。私はそんな気がしてならない。p.22(小林真理子「アフタヌーンティーに誘われて」)
下町ロケット (小学館文庫)
池井戸 潤 / 小学館 (2013-12-21)
読了日:2014年7月21日
ロケット研究者としての挫折、親の後をついだ中小メーカー、大口取引先の突然の消失、言いがかりとしか思えない特許訴訟。その度に、元銀行員だからと頼りなく思っていた経理部長、元妻の紹介で知り合った知財関係に明るい敏腕弁護士。技術など評価できずひたすら担保とメインバンク右ならえの邦銀と違って、真摯に投資を検討してくれた投資ファンド。あきらめず、粘り強く、要所要所に人を得て、のりこえていく主人公の佃。訴訟の和解金をどう使うか、最大手からの特許買取、特許使用料の支払いを断り、部品納入にこだわる。目先のお金こそ重視すべきという多くの社員たちに対し、仕事とは二階建て、一階でお金をかせいで、二階で夢を語り実現するためにがんばる、と諭すも納得されず。最大手の厳しい試験をくぐりぬけて、最後の大団円は涙なしには読めない。結局、売りになるだけの高い技術があること、目先の利益のみに走らず長期的な視野で考え、突き進んだことが勝因だったのだろう。もちろん、危険な局面も多々あり、紙一重なことは否めないにしても。そして社員たちの言い分がわからないでもないところに、理想と現実、バランスと集中、ただ手放しで夢を追えばいいなんて、無責任さとは無縁なところに、読ませるところがあると思った。/「お前ら、夢あるか」「オレにはある。自分が作ったエンジンで、ロケットを飛ばすことだ」p.261/会社とはなにか。なんのために働いているのか。誰のために生きているのかーーー。佃がつきつけられているのは、会社経営における、まさに本質的な問題だ。p.291
Frederic Lebain / A HONG KONG PAR LEGEND PRINTING LTD (2004-11-01)
読了日:2014年7月19日
西荻窪の音羽館で偶然手に取り、一目惚れして購入。光の加減が独特で、鮮やかで。キャプションを見ると、トイカメラであちこちをまわったようだ。日光や伊勢志摩から、モロッコのエッサウィラ、リスボン、フランス、ニューヨークとさまざま。
本の雑誌374号
本の雑誌編集部 / 本の雑誌社 (2014-07-09)
読了日:2014年7月19日
ブックオフ特集が愁眉だった。フランチャイズと直営での違い。一律新しいものしか買い取らないのではなく、東中野店のようにミニコミなど非売のものも取り扱ったりとか。店舗の形で分類したりとか。本業古本屋で全国のブックオフ踏破を目指している人の話しとか。あとは、伊東潤さんの三万円(だっけか)本買い放題のが、買いたい本何冊かあって参考になった。
月は怒らない (集英社文庫)
垣根 涼介 / 集英社 (2014-05-20)
読了日:2014年7月19日
タイトルと帯だけをみて、月という名の女性がチンピラ、大学生、警察官を手玉にとり、怒らずいなして、物語がすすんでいく話しかと思ったが、予想はきれいに裏切られ。美しく凛としているが、強く迫られると、条件を出しつつも断りきれず、そして自分の線から内側には立ち入らせず。けど、内には悩みが秘められる。/「未熟じゃから、本当は怖いから、相手を不必要に怪我させてしまう」「みんな生きとる。みんな弱い。おまんは、それを知らんといかん」/後悔をしても納得できる生き方はある。ありとあらゆることを考え抜いて、ひとまずの決断をする。その先のことはその先考える。最終的に選ぶのはいつだって自分。この辺の考え方は,俺たちに明日はないシリーズ最終巻に通ずるものがあると感じた。/「自分の心までその約束事から発した倫理観で雁字搦めにする必要はない。むしろ決まり事として捉えていた方が気が楽です」/優しさを持つなら、棺桶まで持っていける優しさか、少なくともその覚悟はあるのか精査が必要。中途半端な優しさなど、いずれほころぶ/人を恨んじゃいかん、人のせいにしちゃいかん、人に起こることはいいことも悪いことも含めてみんなその当人のせい。自分の中で完結させい。そうすればおまんは、自分の一歩をようやく踏める。弘樹のじいちゃんの言葉は目にとまる。/「人生とは、つまるところ自分の理解者を得るための旅に過ぎない。あるいは何かの行為の中に、本当の自分を見出す」/人間は、未来に希望を失ったときに、人間ではなくなる。/最後のふたりの決断には胸にせまるものがあった。
黒田官兵衛 作られた軍師像 (講談社現代新書)
渡邊 大門 / 講談社 (2013-09-18)
読了日:2014年7月17日
黒田官兵衛を語る上で避けて通れない、正史とされる黒田家譜から、後世の忖度とされる部分をていねいにはがしていき、より実像に近づけるようつとめて描かれる。官兵衛伝説の流布は、長政以降の福岡藩の危機が背景にあったことが語られる章はこの書の愁眉かと思う。/播磨平定時代に、秀吉と官兵衛のむすびつきが香子になり、そのことを示す手紙ものこされていること。吉備津神社の禁制の取次に、赤松広英が登場したこと。など興味深く。坂口安吾「二流の人」、海音寺潮五郎「城井谷崩れ」なども読んでみたい。
蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)
芥川 龍之介 / 新潮社 (1968-11-19)
読了日:2014年7月15日
「杜子春」のみ読了。行き倒れそうなところ、仙人によって二度大金持ちにしてもらい、二度使い果たし、人の儚さに失望し、三度目をことわり、仙人として弟子入りしたいと願えば、留守番中、何があっても一言も発しなければ認めてやると言われ、どんな複雑怪奇な現象にも耐えるが、畜生に姿を変えた両親が撃たれ、それでも無言を貫くがいいという言葉に、おっかあ、と声を発してしまう。それでも声をださなければ、命を奪うつもりだったと仙人につげられ、これからは、人らしく生きていきたいと言った杜子春に、ささやかな畑と家を贈る仙人、といった話し。
ワケありな国境 (ちくま文庫)
武田 知弘 / 筑摩書房 (2011-08-09)
読了日:2014年7月14日
再読。今回は、岬の先っぽだけアメリカ領の、カナダのロバーツ岬。カナダにおけるケベック州の占める割合、重要さ。聖職者のみ国民、職の返上とともに国籍も返上というバチカン市国。チェチェンやナゴルノ・カラバフのこと。セウタとメリリャ、赤道ギニア、西サハラなどを興味深く読んだ。
ごはんの時間割(1) (KCx ITAN)
加藤 千恵 , オカヤ イヅミ / 講談社 (2014-07-07)
読了日:2014年7月14日
マンガと小説と短歌、もてなす側ともてなされる側の視点から描かれる高校を舞台にしたストーリー。教室の持つ同調圧力の息苦しさ、それをつきやぶる美味しい食べ物、かっこいい同級生。まじめは悪口ですよね、といった箴言から、流しそうめんを企画して、そうめんが好きなことも、バトミントンが好きなこともつらぬけるようになった女の子の話しまで。/つづきも楽しみ。/マンガ担当と、小説・短歌担当が、料理でもてなしつつの、キング・オブ・コメディと対談も抱腹。食べたほうが、美味しい!って言ってるのに、加藤さん、あ、大丈夫ですね、味見してなかったもので、って、自由すぎる。
武器としての交渉思考 (星海社新書)
瀧本 哲史 / 講談社 (2012-06-26)
読了日:2014年7月14日
備忘録的に。自分を束縛するルールは、他の人との合意に基づいて決めなければならない。自由主義と法治主義は表裏一体。/本当に世の中を動かそうと思ったら、いま財力や権力をもっている層の協力が必要。/ジョージ・ソロスが、祖国ハンガリーの民主化のためにした一番効果があったことは「コピー機を配ったこと」/今後、付加価値を持つビジネスは、すべて交渉をともなうものになる/お金が集まれば集まるほど社会に大きな価値をもたらす可能性が増える。集める能力の重要性。/どんなに素晴らしい夢や希望を語ったところで、相手に対して具体的なメリットを提示できなければ相手を動かすことは難しい。/「客が儲かれば、お金は後からついてくる」/「相手の立場を理解する」「自分が話すよりも、相手の言い分を聞く」「必ずしも、パイの奪い合いではない」「自分の取り分が多ければいいというものではない」ということが交渉の何よりの基本/バトナ=相手の提案に合意する以外の選択肢で最良のもの/アウトプット、ドレスコード、NGワード、複数で交渉に当たる際に、共有しておくもの。
官能教育 私たちは愛とセックスをいかに教えられてきたか (幻冬舎新書)
植島 啓司 / 幻冬舎 (2013-11-29)
読了日:2014年7月14日
過程をだいじに。名付け得ない、あいまいな、関係と関係のあいだのグラデーションこそが味わい深く醍醐味。即物的ではなく、恋も愛も、そこへ達するまでの親密さ、いちゃつきこそ、ものぐるおしけれ。/好きな人がいなければこの人生は生きるに値しない、とハッと気づく。どんな楽しいこともそれを喜べる相手がいなければ何の意味もない。東野圭吾「夜明けの街で」がひろく受け容れられたことにも通ずる、と。/吉田喜重監督の「エロス+虐殺」。大杉栄とふたりに女をめぐる/トム・ヨークの「Exit Music」/恋愛のなかに「恋愛」そのものを滅ぼし否定する要素が含まれているのだ。それが早く終わりにたどり着こうと二人を急かせるのである。p.164/
信長のシェフ 10 (芳文社コミックス)
梶川卓郎 , 西村ミツル / 芳文社 (2014-07-08)
読了日:2014年7月13日
足利義昭責めの契機づくり、その後の説得。山科言継への改元協力要請。人夫たちを鼓舞すること。浅井攻めにあたって阿閉氏を懐柔すること。すべてにケンの料理が大きな役割を果たしてきた、という設定。朝倉撤退の報をもたらそうとした楓は、本願寺の待ち伏せにあい、というところでこの巻は終わり。買収ではない、堺の豪商を呼びつける人脈、権威、豪奢な能舞台に料理をもてなせる財力、これらに異をとなえられるのか、と間接的に語るやり方に、のちのオスマン帝国との相似を感じたりしつつ。そして、ケンと千利休の邂逅。抹茶フロートの意外と、当時娯楽の最先端だった茶の道の懐の深さ。
鹿楓堂よついろ日和 1 (BUNCH COMICS)
清水 ユウ / 新潮社 (2014-07-09)
読了日:2014年7月12日
甘味男子四人がいとなむ甘味どころ鹿楓堂。キリキリ張り詰めたOLさんをほっとゆるませたり、日本茶LOVEの女子高生をほっこりさせたり、その祖父とお茶対決したり。四人の個性がうまく発揮されて居心地よさげな、楽しげな空間に。読むほうにも伝わってくるような。
プリニウス (1) (バンチコミックス45プレミアム)
ヤマザキマリ , とり・みき / 新潮社 (2014-07-09)
読了日:2014年7月12日
食いしん坊で好奇心旺盛、温泉をこよなく愛し、植物や自然現象、建築に多大な関心を寄せる古代ローマの博物学者プリニウス。ヴェスヴィオ火山の噴火のシーンから始まり、一点、シチリア時代に戻り、皇帝ネロの命令で、ローマに戻る旅をするところまでが一巻。皇帝に急ぎで呼ばれていようと、このマグロを食べるまではわしはここから一歩も動かん!とか、食いしん坊すぎる。そして、人間いつか死ぬのだから、今を味わい尽くせ、じたばたあくせくしても仕方ないという人生哲学の一端も。
匂いのエロティシズム (集英社新書)
鈴木 隆 / 集英社 (2002-02)
読了日:2014年7月12日
アンバーやムスクについての記述、またその腋臭との類似、過去には珍重されたのに、現代では忌避されていることとの隔絶などは興味深く読んだが、それ以外の部分はあまり興味引かれず。
たんぽるぽる (かばんBOOKS)
雪舟 えま / 短歌研究社 (2011-04)
読了日:2014年7月11日
最近、手紙魔まみのモデルと知った雪舟さんの、独特な世界観にひたってみる。気になった五種は以下。/目がさめるだけでうれしい 人間がつくったものでは空港が好き/逢えばくるうこころ逢わなければくるうこころ愛に友だちはいない/うれいなくたのしく生きよ娘たち熊銀行に鮭をあずけて/ふたりだと職務質問されないね危険なつがいかもしれないのに/カステラの一本ずつに雷をしずめて通りすぎるあまぐも
目覚めよと人魚は歌う (新潮文庫)
星野 智幸 / 新潮社 (2004-10-28)
読了日:2014年7月10日
川崎から静岡の丘の上へ。逃げてきたカップルと擬似家族を楽しむ関係。どろどろと熱帯の暑さと記憶の混淆、暴発寸前の感情と溶け合い、そして、サルサが聞きたくなる。
クロコーチ (5) (ニチブンコミックス)
リチャード・ウー / 日本文芸社 (2014-06-28)
読了日:2014年7月9日
三億円事件解決編…とあるが、今まで追ってた男が実は違って、そうじゃない人物が、というところで幕切れ。これは…受けての読みにかかっているのか。もう一度まとめて読み返したいところ。
おかしな間取り図鑑
おかしな間取り研究班 / 宝島社 (2014-06-13)
読了日:2014年7月9日
日本のみならず、世界各地のおかしな間取りを集めたもの。「間取りの手帖」のヒット以来数多出たフォロワーのうちの一冊かな。世界編が加わったこと、間取り図の住所があるものがある点が特色といえば特色か。トルコの、一階すべてにベッドが置かれてる「就寝への異常な愛情」と称されたり、場所不明の、木造のキューブが積み重なった部屋が面白かったり、オランダのまるみを帯びたマンション、上にいくほどひねりが入ったスウェーデンの住居用の塔、長野県の木の上でのワイルドに生活、炭を焼いたりして楽しんでいるってキャプションとか、三鷹市の「天命反転住宅」、生きる意味を知るための住宅で、フラットな場所がないことが特徴、とか、家の中に坂があるとか、全面ガラス張りの狭小住宅とか、興味が尽きない。
西洋骨董洋菓子店 (3) (ウィングス・コミックス)
よしなが ふみ / 新書館 (2001-12-25)
読了日:2014年7月7日
西洋骨董洋菓子店 (2) (ウィングス・コミックス)
よしなが ふみ / 新書館 (2001-05-25)
読了日:2014年7月6日
再読。いつ以来だろう。新書判を手放して、しばらくして、文庫本で買い直し。橘の最後の、忘れらんないし、それでも生きていくみたいな、独白とも宣言ともつかない台詞が心に残る。
あねおと 1 (アクションコミックス)
元町 夏央 / 双葉社 (2010-02-27)
読了日:2014年7月6日
萌子の兄が死んだ一年後に、萌子のもとへ引き取られてきた喜一。兄のことを忘れられない母と、忘れて前にすすもうとする父の対立、少しずつ、喜一のおかけで少しずつ笑顔が戻ってきた家族。学校でも紆余曲折ありつつ、馴染みつつのころに、波乱の火種、と言ったところでこの巻はおわり。
白い街の夜たち 1 (ビームコミックス)
市川ラク / KADOKAWA/エンターブレイン (2014-06-25)
読了日:2014年7月6日
ふとしたきっかけで、トルコ料理店でバイトすることになった服飾の専門学生、文子。しっかりもので厳しくて美しいダンサーの先輩ざくろ、tamam(大丈夫)が口ぐせだけど、大丈夫じゃないこと多々あるけど憎めないホジャさん。仲はいいんだけど、いつもマウンティングしかけてくる友人のリイサ、いつも気にかけてくれる松尾くん。新しい居場所ができて、笑顔も戻ってきた文子に突然の…というところで次巻に続く。ベリーダンスの歴史や流派について概観できたり、トルコ料理たくさんでてきて、トルコ好きとしてはたまらない。
書かずの753 1 (ビッグコミックス)
相場 英雄 / 小学館 (2014-04-30)
読了日:2014年7月6日
書いた記事が協会賞とった直後に、北海道の地方紙、それも一番手じゃなくて弱小の日刊紙へ異動になった文子。中央のやり方で突っ走るもうまくいかず、次第に、地方紙の在り方、求められ方もわかってきて。また編集部の面々も個性派ぞろい。元漁師の編集長、元中央紙のエース記者、そしてどうみても松山千春がモデルな歌手とか。特徴は、地域の人が必要な地域密着情報を手渡しで、そして、書かれる人に寄り添った記事を、と言ったところか。今のマスコミの在り方へのアンチテーゼとして。
中野 美代子 / 日本文芸社 (1990-05)
読了日:2014年7月6日
『鮫人』:提督夫人にむさぼられ、汚されたと感じた貴族の青年ケネスが、支那へ向かう艦隊に同行を志願し、許され、武力をもって交渉し、屈服させることを強く求め、宥和的、中華文明を尊重する層と対立する。香港島へ潜入する任務を与えられるが、美しい地元の少女と恋に落ち、彼女と同様、鮫人となることを願うが、その願いが叶えられたのは、山上にたどり着いた時で、もはや死ぬしかなかったという皮肉。妻の不貞の相手を部下として長駆、航海に連れ出せと告げられた提督の苦い思い。荒々しい、植民地主義の論理の傲岸さ。ケネスが鮫人となった少女の背景で流すよう指定される、J、S、バッハ「ヴァイオリン。オーボエ・弦と通奏低音のための協奏曲ニ短調」第二楽章ヘ長調アダージョ、も聞いてみたくなる。『耶律楚材』:実母には、契丹の王室再興をふりかざすが、臆病なだけで、契丹人ではなく、支那人だと喝破され、契丹人というならなぜ馬にまたがり弓矢を執って蒙古と戦わぬ、と難詰され。チンギス・ハーンに賭け、その先に広がる巨きな世界に私は賭けるとうそぶく。古くからの友人には、金朝を裏切ることを見抜かれ、口封じに殺害。実の子を産んだ妻を、ありもしない不貞をいいたてて追い出し、蘇東坡の血を引く妻を新たに迎える。金の旧臣だった蒲察元帥には、チンギス・ハーンに慈悲の心を以て政事を行うよう説きにきたというが、実際にそうなってはいないではないか、と言われ。契丹の再興など、蒙古があるかぎり、夢のまた夢で、自分がその力に圧倒されていることを自覚し。一時は、慈悲なくして長生できず、とチンギス・ハーンを説き伏せたものの、たちまち、反乱を起こしたトルコ兵の殲滅を命じる顛末。追いやった息子、鉉は、契丹の再興を言い立てつつ果て、寵愛した息子、鋳は、父と違う信仰に生きる故、父の著作の原本を焼き払い、写本を回収する。最後は、宋子貞が、もし、耶律楚材がいなければ、人類はどうなっていたであろうか、という碑文を、半ば実態を把握しつつも、残した、という設定で締めくくられる。当時の、美化に美化を重ねて評価されていた、耶律楚材像のアンチテーゼとして。そして、現在の研究では、耶律楚材が、モンゴル政権内で、大きな権力など握っていなかった、という説も提示されている。
恵谷 治 / 朝日イブニングニュース社 (1986-02)
読了日:2014年7月6日
第三章 砂塵の世界、第四章 共和国の現状、第五章 モロッコの現状、第六章 風に舞う西サハラを読了。第三章は、ポリサリオ戦線に実際従軍した記録。相手に存在を察知されないよう、少しでもものを光らせるのを避け、煙草も控え、星座や太陽などを使って方角を知るのはごくごく補助的で、五感をはりめぐらせて、轍を追い、目的地に達する。フランスの記者は、記事にならないから、強引に作戦を強要し、それに応じたように、作戦が実施される。/「サハラで客人を歓待するには、先ず、絨緞(フラシ)を敷き、クッション(ウーサダ)を出します。そして、ミルク(カール)を飲んでもらい、その後、香水(ミスク)を掌にかけ、顔や頭にかけるのです。お茶(テーイ)は最後に出てくるわけです」p.206/アルジェリアからの全面支援を理由に、モロッコがポリサリオ戦線を、”アルジェリアの傭兵”と宣伝することは自由だが、ポリサリオ戦線のゲリラたちは、独立ための解放戦士であることだけは疑いない事実なのである。p.281/終章は、西サハラ問題の解決の見通しが難しいことが語られる。これは30年たったあとも解決せず、図らずも見通しが正しかったことがうかがえる。そして今も解決の見通しは立っていないように見える。
げんしけん 二代目の七(16) (アフタヌーンKC)
木尾 士目 / 講談社 (2014-06-23)
読了日:2014年7月1日
班目ハーレム編、つづく。少しむりやり感がないわけでもないけど、さてさてどうなることやら、と。まあ、確かにいい人なんだけどね。


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2014年07月01日

2014年06月に読んだ本

期間 : 2014年06月
読了数 : 23 冊
えへん、龍之介。 (KCデラックス)
松田 奈緒子 / 講談社 (2011-06-13)
読了日:2014年6月28日
芥川龍之介の絶頂期から晩年を描いたマンガ。恵まれたいけ好かないヤツと思われがちだけど、近くに接すると実にいいヤツで、けど女にはだらしなく、褒められると「えへん」と咳払いし得意絶頂になり、自分の作品には厳しく、美しいものを生み出すために、阿片にまで手を出す。矛盾をはらみ魅力に富んだ芥川像を差し出してくれる。読み終わって、なぜか猛烈に「藪の中」を読みたくなってしまった。以下抜粋。/僕たちはただ 百年残る言葉を探しているのだ そのために今生きているのだ(萩原朔太郎)/素晴らしい!なにしろ素晴らしい!なんて美しい日本語だ/君と同じ時代に生きている事を誇りに思うよ(芥川龍之介)/誰かが犠牲になるのは本当の「家族」ではない この国はまだまだ良妻賢母幻想が強くて女ばかりがつらい思いをして…そうね私達夫婦のようには誰も…とにかく私は幸せだわ(平塚らいてう)/啓蒙運動なら専門書でやってくれ!実利一辺倒の先には崖しかないのがなぜわからんのだ(芥川龍之介)/書きとばせば金は入るが 下手なモノを書きたくない 批評家にコケにされても 僕は僕の信じるモノを書かなきゃならない 作品だけはゆずれない 僕の自由の王国なのだ(芥川龍之介)/気が遠くなるほどの彫琢を施す緻密さと 女の罠にコロリとはまる間抜けさと 一緒に抱える愛すべき男 我が友芥川龍之介(室生犀星)/君人生は薔薇の花びらを敷いた道さ 生意気にもそんな台詞を吐いて得意の絶頂 しかし現実は結婚一つ意志を通せず(芥川龍之介)/人生は進むしかない薔薇色の悪夢だぞ(芥川龍之介)/小説の価値は作品の中に埋まっている「詩的精神」それ一点につきるのだ わからなくていい美しければいい(芥川龍之介)
腰痛探検家 (集英社文庫)
高野 秀行 / 集英社 (2010-11-19)
読了日:2014年6月26日
腰が痛くてがまんできずに近所の治療院へ。そこの効果にあきたらず、西洋医学、東洋医学、カリスマ、医院、ブラックジャック、獣医が本業の鍼灸医、心因性をうたがって心療内科と経巡って、最後はヤケクソといわんばかりに、ガシガシと水泳にたどりつき、結局完治もしてないけれど、以前程は気にならない状態に。参考になるところもあれば、ならないところもありだけど、女が船で男が港理論、などなど、いろんな理論をもちこんで、著者自身の遍歴、迷い、葛藤、行動をエンターテイメントに語る様がいいなあ、と思ってしまう。以下備忘録的に。/腰が痛いのは、実は股関節が原因ということがすごく多い。/「グレートジャーニー」の探検家関野吉春さん、辺境で役に立ちたい、と医大に入り直して医師になってしまう。/ラーメンおやじの理論、「まずい」「うまくない」という客はだまって来なくなる、来るのは、そのラーメンが好きか、近くにあるか、ラーメンならなんでもいい客、おやじはいつまでも、うちのラーメンはみんながうまいと言っている、と状況に気づかない。/あらゆる腰の痛みは、温泉・腹巻と腹筋・背筋、つまり温めることと筋肉を鍛えるという二点に集約されていくのだろうか。/「あなたは腰痛そのものに執着しているの。心因性腰痛の人は腰痛のことばかり考えているの。それがいけないの」/腰痛は愛。なかなか私をとらえて離さない。/
世界堂書店 (文春文庫)
米澤 穂信 / 文藝春秋 (2014-05-09)
読了日:2014年6月26日
世界各地の短編集を米澤穂信さんのセレクトで。色とりどりでたのしめる。/ユルスナール「源氏の君の最後の恋」で語られる、身をいつわって、側につかえることができた喜びと、最後まで思い出してもらえなかった残酷さの対比。「破滅の種子」はそのメカニズムがのみこめず。ブロワ「ロンジュモーの囚人たち」のその土地にとどめようとするかの不可思議な力、張系国「シャングリラ」の麻雀牌!と報復絶倒、マクロイ「東洋趣味」のデカダンス、在りし日の北京の魔力、魅力をあますことなく描き。”ヴィクトル・ユゴーの詩じゃないが<サビーヌはすべて投げうった。無垢なその美しさと、その愛のすべてを……>といったところさ”。事件の発端からたどっていったら見える様相がどんどん錯綜していき最後には、と。ツヴァイク「昔の借りを返す話し」、かつての憧れの存在、落ちぶれたその姿に、新しい誇りを注入する話し、したたかに企みを練って、今後も生き易くなるようにと。エムシュウィラー「私はあなたと暮しているけれど、あなたはそれを知らない」は、読み解けず。クルーン「いっぷう変わった人々」は、浮いたり、影がなかったり、鏡にうつらなかったりという天与の能力を、ありのまま受け容れるためにオリジナル・クラブをつくり、語りあい。鏡に映る自分は年老いていくのに、本人は若いまま、って、なんとなくワイルド「ドリアン・グレイの肖像」を思い出した。ウォルポール「トーランド家の長老」の無意識な善意ほど質がわるいといわんばかりに、長老が追いつめられていくさまが、悲痛で滑稽。ヘクト「十五人の殺人者たち」は、どんでんがえし、というかむしろこういう使い方が正当なんでしょう、この会はと思える結末。カルネジス「石の葬式」は、この本随一の長さ。父と双子の娘のストーリーが交互して、最後は、完全な勧善懲悪になどしてなるかといわんばかりの皮肉さ。久生十蘭「黄泉から」は、亡くなった、慕ってくれたいとこが最後の様子をかたってほしいと頼んだ友人の口から語られる南方の風景が印象的。ジャングルに降る雪、しずかに響き渡る琴の音を想像して。
芥川龍之介全集〈4〉 (ちくま文庫)
芥川 龍之介 / 筑摩書房 (1987-01)
読了日:2014年6月22日
藪の中、のみ読了。青空文庫にて。真相は藪の中。多蘘丸、女、夫、食い違う証言。さて、実際は…。
豆腐百珍 百番勝負 (コミックエッセイの森)
花福こざる / イースト・プレス (2014-05-17)
読了日:2014年6月22日
即席高野豆腐、よく水切りして切って冷凍するだけ。やってみたい。玲瓏豆腐、崩した豆腐に寒天かけて冷やす。味がないから適当にポン酢とか。味がないから、ポン酢とか醤油とかかけて、みたいなのが、結構あった。あと、ウニ豆腐とか、それ豆腐なくてもいいんじゃない、みたいなのとか。まあ、作者が、江戸のみうらじゅんだ!といってたように、多分に遊び心ありなんだと思う。
探偵アプリ (ゼノンコミックス)
杉本ゆう / 徳間書店 (2014-03-20)
読了日:2014年6月22日
人助けが生きがいみたくなっている女子高生と、腕はいいがぶっきらぼうな探偵。探偵が、スマホに取り込まれ、事件を解決しないと外に出れないというぶっ飛んだ設定だけど、なかなか面白く。
かばんとりどり (ゼノンコミックス)
ウラモトユウコ / 徳間書店 (2014-05-20)
読了日:2014年6月22日
かばんのなかみにまつわるショートショート。用意万端策略練って臨んだお泊まりセット、なんでもでてくるかと思われたのに財布だけ入ってなかった女子高生など。巻末のおまけ、男子編、小説家が誰なのか気になったり。
図書館の主 8 (芳文社コミックス)
篠原 ウミハル / 芳文社 (2014-05-16)
読了日:2014年6月22日
クリスマス・キャロルとルナールのにんじん、再読したくなる。読む人によって、色彩を変える作品のふしぎ、家族との関係を浮き彫りにするような、そうは書いてあっても本当はどうだったのだろう、自分でもわかっていたのだろうか、と投げかけてくるような、そんな作品として取り上げられているように思った。
松本あやか / 札幌商工会議所 (2014-05-29)
読了日:2014年6月22日
シリーズ第二弾。まじめすぎて悩んでしまうOLさおりさん。新しい上司も厳しくて、へこたれそうになるけど、すすきののジンギスカン「山小屋」に誘われ、説教かとおびえるも、意外な評価にほろりと来て。鬼上司、ツンデレか!王道すぎる展開に次はいかに。そして108円なのはわかってるがボリューム薄っ。値段あげてもいいからもう少しボリューム欲しいところ。そして、しつこくなくあっさりたべやすい、たまねぎすりおろしの効いた「山小屋」のジンギスカン、食べてみたくなる。
手紙魔まみ、わたしたちの引越し
睦月 都 , 穂村 弘 / 密林社 (2014-06-14)
読了日:2014年6月22日
雪舟えまさんが、手紙魔まみのモデルだったとはつゆしらず。もちろん、本人が全くあのままということはなく、別の確固たる世界観を持った人で、以前に穂村さんが熱烈な手紙をもらったことにインスパイアされたのだとか。また、2011年の本人インタビューで、穂村さんがつづきはもう書けないよね、という旨のことをいいつつも、今回歌を寄せてくれているところに、心境の変化はあったのだろうか。そして、本人も、少女の視線を借りてというところに、気持ち悪いよね(笑)といいつつ、これまでの作品も正調を押さえた上で、破調、破調を楽しんで来て、表現の幅を広げたいという思いに後押しされてのことと読めた。/気になった歌は、/噛る、とか、鏤める、とかの持つ密度。密度とはかがやく余地のこと(佐伯紺)/ねえ、きっとなんでもするわおねがいよやさしさだけのバファリンで、して(藤本玲未)/洗濯機に集まってくるかたつむりに1から9まで書いてゆく夏(穂村弘)/磨かれた硝子の中の青空へ 脳震盪のセキセイインコ(穂村弘)の四首。笠木拓さんのつむぐ、先輩とちがう「まみ」の物語、紅茶葉が校舎の2階からさらさらとおちていくシーンの青春味あふれるところ。/井上法子さんのつむぐ、まみの独白。「でも、思い出す景色があるでしょう? 蘇る声色があるでしょう? 星のめぐりのそとがわで、離れがたい、わすれてはいけないような、それらの記憶をかかえて、だまって抱き寄せて、引き受けて、こころで回転させているところなんでしょう?」/そして、文月悠光さんの詩「つみほろぼし、罪をほろぼす星のこと。/どこがおとなになった?って/からだじゅうをノックしていくから/ねえ、さなぎの頃をおしえて。」という一節が気になる。
地図の中の札幌: 街の歴史を読み解く
堀 淳一 / 亜璃西社 (2012-11-21)
読了日:2014年6月22日
地図でめぐる札幌の歴史。個人的興味がある事項をいくつか拾う。/製麻工場、明治20年、北海道製麻株式会社に、23年本社工場が現在札幌中央郵便局のある、北6東1に竣工。繊維採取工場(製線工場)が北区麻生町6〜7丁目に設置。会社は明治40年日本製麻株式会社と合併して帝国製麻株式会社へ、昭和16年、太陽レーヨン株式会社と合併し帝国繊維株式会社へ。化学繊維台頭のため、札幌の会社、工場は昭和31年、38年に閉鎖、後者が「麻生」という町名、地下鉄駅名に辛うじて名をとどめる。テイセンボウルは帝国繊維が経営している。名前の由来/地下鉄をゴムタイヤにしたことでJRと乗り入れできないこと、定山渓鉄道跡を利用して、南区も延伸できたのでは、というIFをかかげる著者。しかし、今となれば、地下鉄が分離していることで、冬期にJRの運休の影響をまったく受けないというメリットもあり、どっちもどっちと言えそうに個人的には思う。/植物園西側、北四条通りの西11丁目〜西17丁目間。通称、ミニ大通。閑静な遊歩道で著者のおきにいりとか。ちょっと一度歩いてみたくなる。/著者主催のコンターサークルS、機関誌「等高線S」にもあたってみたくなる。著者の趣向として、あまり街歩きに興味がなく、閑静な場所を歩く事に指向が向いているようで、個人的には逆の指向なので、街歩き指向の人が同じ目でみたらどうなるのか、というのも読んでみたく思った。
俺物語!! 6 (マーガレットコミックス)
アルコ / 集英社 (2014-06-13)
読了日:2014年6月21日
今回もどストレート、お互いが大好きな猛男と大和。猛男、兄になる編、バレンタイン編、ホワイトデー編を経て、次は親友砂川の恋バナか?てところで、続く。早く続き読みたい。
エクスタシー (高山宏椀飯振舞 (1))
高山 宏 / 松柏社 (2002-06)
読了日:2014年6月19日
冒頭に、晩年のオスカー・ワイルドを描いた小説。あと、中野美代子「鮫人」の巻末に付された中野美代子×高山宏対談。中野美代子「鮫人」を再読したくなる。その後に中野美代子讃の「世紀末四通八達」。巻末には、カヒミ・カリィ讃。ウィスパー・ヴォイス歌姫の先駆としてのノエル・コルディエ「メランコリー」、聞いてみたくなる。
プログラムは技術だけでは動かない ~プログラミングで食べていくために知っておくべきこと
小俣 光之 / 技術評論社 (2014-06-05)
読了日:2014年6月15日
多くの場合は「きちんと要求を理解して」「凝りすぎず、融通が利く作りで」「早く、品質が高いもの」を作ることが大切p.31/仕事でのコミュニケーション 「相手をいらつかせないような指摘の仕方」「感情コントロールができるかどうか」がポイントp.91/「この指摘はあなたの人格を否定しているのではなく、業務として必要なことだから」p.91/「プログラマとして仕事をするうえで大事なことは?」(略)「自分のことを知ってもらうこと」つまり、「広報活動」がとても大事p.100/「プロトタイプはあくまでも確認用」という考えは、個人的には賛成できません。「プロトタイプとして割り切る部分」と「最初からきちんと作る部分」を明確にして、本番にそのまま発展できるようにするのがお勧めです。p.116/機能拡張を行う際に必ず配慮しなければならないことがあります。それは「互換性」です。p.131/自分の専門以外のことはどうやって学べばいいのでしょうか。(略)「相手に自分の専門性を必要とされる」p.156/なぜ給料の3倍の稼ぎが必要?自分に支給される金額、各種保険負担、福利厚生費、間接部門、オフィスの家賃、電気代、配当、未来に向けた投資。あわせてざっと3倍、と/オフショア、不況にも負けなかったのは、組み込み系、プログラミング以外の深い技術・知識が必要な分野、作りながら考えるタイプの開発/プログラマにとっての「得意分野」とは「得意なプログラム言語」のことではありません。「プログラミング技術により、何を解決・実現するのが得意か?」それを意識してください。p.235
ジョゼフ・フーシェ―ある政治的人間の肖像 (岩波文庫 赤 437-4)
シュテファン・ツワイク / 岩波書店 (1979-03-16)
読了日:2014年6月15日
1790年には僧院の教師、1792年にはすでに寺院の略奪者、1793年には共産主義者、1798年には数百万長者、1808年にはオトラント公爵に。/誰かが世界の檜舞台に乗り出そうとする時には縁の下の力持ちになってやるが、最後の決勝点にはいる瞬間に、かつての友を裏切って地上に引倒す/「当地では金持と見られることを恥しがる有様である」/彼は大多数の人間の臆病なことを知りぬいていて、猛烈な強硬なテロルの風を吹かすだけで、たいていの場合はテロルをやらないですむということを心得ていた。p.60/ジャコバン・クラブの総裁につき、のちには、警務大臣としてジャコバン・クラブを閉鎖する役割を演じる。/最初の二時間で配役はたちまちにきまった。主人公と召使、世界形成者と時代の為政者だ。p.150/ボナパルトがクーデタを起こす前後の行動を風刺して場末の芝居小屋に「サン=クルーの風見」という喜劇がかけられるも意に介さず。/「おれに服従しおれを恐れているかぎり、世間のやつがおれのことを笑ったっていいさ。」p.159/1804年、華やかな二年の隠棲生活ののちに、元老院議員フーシェ閣下は、皇帝陛下ナポレオンによってふたたび大臣に任ぜられたのである。ジョゼフ・フーシェは五回目の忠誠を誓った−第一回目は当時まだ王政下にあった政府に、第二回目は共和政府に、第三回目は総裁政府に、第四回目は統領政府に対してであった。p.184/タレーラン「ああいう偉大な人が、育ちが悪かったのはまことに残念なことだ」p.208/ナポレオンの留守中に、皇帝の判断を仰がず独断で兵を集め、布告を発し、イギリスを撃退、その後ナポレオンの意に反して講話交渉をはかり、そのために、大臣を罷免されるが、民衆の支持は一気にフーシェにあつまった。離任する際、重要書類をいっさいがっさい持ち出したが、臣下として仕える必要はないという厳しい譴責とともにナポレオンに奪われ、本当の隠棲生活に入る。そしてナポレオンの百日天下政府への出仕。/彼は困難なるがゆえに困難を愛するのであり、難局苦境をわざと錯雑紛糾せしめて、八面六臂の役を大車輪に果たすのであって、一度きりの裏切者ではなく、何回となく、あらゆる方面を相手に謀反する生まれつきの裏切者なのである。p.288/六月十七日から二十二日までの五日間、ジョゼフ・フーシェがその主権をわがものにしたのであり、とうとう今度こそは、もう臣下ではなく、はじめてフランスの絶対君主となったp.309/巧妙に滑脱に根気よく、彼は千段の階段を登ったのだが、ただ一度、必要もないのにへたにひざまずいたばかりに、九仞の功を一箕に欠いたのである。p.314/「今度こそ、とうとう彼の首をひねってやったよ」(タレーラン)p.337
いつかティファニーで朝食を  5 (BUNCH COMICS)
マキ ヒロチ / 新潮社 (2014-06-09)
読了日:2014年6月13日
最初の三話は、リサ、のりちゃん、麻里ちゃんが、それぞれ、家族を通して、まわりがなんと言おうと、自分は自分らしく生きていいんだ、と心強くするストーリー。最後の二話は、そんな三人が台湾旅行へ出かける珍道中。麻里ちゃんのなくしたiPhoneをいっしょに探してくれた好青年は、旅先では再会できなかったけど、実は...という実にマンガらしい展開。さてどうなることやら。魯肉飯は本当においしい!また食べたくなってきた。そして豆花も。台湾料理がどれもこれも本当においしそうで。
87CLOCKERS 5 (ヤングジャンプコミックス)
二ノ宮 知子 / 集英社 (2014-06-10)
読了日:2014年6月13日
ハナとの牧場暮らし、クロッカーとしての世界大会をめざすことに、ハナを追いかける幼なじみ、ひょんなことから出た世界記録、そしてふたたび消えるハナ。奏の次の行く先はさてどこに。それにしても、火切くんに対するハナの、ポイントポイントでの罵詈雑言の冷酷辛辣なことといったら...そしてその度にそれをバネに成長して行く火切くん...。
ナックルボールを風に (角川文庫)
山際 淳司 / 角川書店 (1988-07)
読了日:2014年6月11日
先発一本主義だった江夏に、「リリーフエースは野球を変えるんや。これは”革命”だよ」と言葉をかけて一気にその気にさせてしまった野村監督。そして82年10月。かつて、西本監督のスクイズ・バントに勝った江夏が広岡監督のバント攻撃に敗れたシーン。幕は必ず降りてくる、けど江夏は簡単にマウンドを降りないだろう、としめくくられる、まるで「江夏の21球」の後日談のような一編。スタンドからの敵意に「もっと騒げ!もっと騒げ!」と口の中でつぶやく足立光宏、むしろ冷静になれるしヤジも聞こえない相手バッターは萎縮する、ならもっと騒げ!と。タイガー・マスクのマスクマンとしての自負とやりきれなさを描いた一編。。敗戦投手加藤初を、その日のファッションまでオチにつかって短く冷たくドライに描いた一編。落合博満の、あまのじゃくで遠回りしながらも、すごい実績を残して来たことを描いた一編。など。
猛き箱舟〈下巻〉
船戸 与一 / 集英社 (1987-04)
読了日:2014年6月9日
高野秀行「世にも奇妙なマラソン大会」でとりあげられていたので手にとる。西サハラを舞台にした冒険小説。船戸与一作品は、「砂のクロニクル」「蝦夷地別件」「かくも短き眠り」を読んだ事があるのだけど、どれも重厚な歴史的背景をからませつつ、畏怖する対象へまっすぐな主人公が、手ひどく裏切られ、やっと手に入れた最愛の人も殺され、冷たい復讐に燃え、その過程で登場人物ほぼ皆殺し、というパターンが踏襲されているように思う。細かい点は多々あれ。それがわかっていても、長大な作品を読ませてしまう筆力が魅力といえば魅力。
迷子の王様: 君たちに明日はない5
垣根 涼介 / 新潮社 (2014-05-22)
読了日:2014年6月9日
今回の面接は、百貨店の美容部員、テレビのエンジニア、そして書店員。これまでの巻と変わらず、通奏低音として流れているのは、人が何と言おうとこんな人生があっていい、仕事は結局は本人の気持ち次第、ということ。言葉にしてみるとありきたりに思えても、それを説得力を持って差し出してくれるストーリーに。最終章は、まさかの社長による、われわれの会社は社会的な役割を終えたのでは、という提示。そのように幕引きを図れる会社がどれだけあるだろうか。そしてその後の真介のとった行動は...。決定の兆しは見せつつも、決まった形では提示せず。変化の激しいこの時代、ある程度まで悩んで、パッと行動に移して、後の事はまたその時点で考える、というのを体現するように。
猛き箱舟〈上巻〉
船戸 与一 / 集英社 (1987-04)
読了日:2014年6月8日
エイス(3)<完> (モーニングKC)
伊図 透 / 講談社 (2014-02-21)
読了日:2014年6月5日
盗聴が趣味で、子供にしか優しくできない、自他ともに認める卑怯者、シロアリ駆除業者の峠。ある日、自分が逆に盗撮され、追っているモノをつかまれた上でTGAという組織に引き込まれる。従来の教育機関に委ねず、才能を持った子供を直接スカウトするために。舞台は日本からベネズエラに。峠が幼い時に別れた唯一の友達リュウと思われるテロリストが、殺し屋として、ロドリゴ率いる真・ボリバル同盟に加わる。南米各地にできる光極という新エネルギー、泣ける建築。それらは各々の国に一見経済的繁栄をもたらすが、社会のあちこちにひずみを生んでいく。そして舞台はキリバス共和国、また日本へ。CIAやロシア対外情報庁もまじえて繰り広げられる駆け引き、追走劇。峠はついに自分にとって大切なものをつかむために、キリバスへ。その後どうなったかは多くは語られず。夢のエネルギーによる経済的繁栄、広範な疑似学校的結びつきによる理想的なイデオロギーの注入による世界の安定化、もしそのようなものが実現したら、どうなるのか、という思考実験でもあり、幼い日の失われたと思った友情が、発展的に未来へつながっていく物語でもある。俺を試す必要はない、俺は虹を喰った男だ、という峠のセリフが忘れられない。
田中角栄 - 戦後日本の悲しき自画像 (中公新書)
早野 透 / 中央公論新社 (2012-10-24)
読了日:2014年6月2日
新聞記者として間近から見た田中角栄。その肉声が多く取り上げられているところが本書の特徴か。対象へは愛憎半ば。人々の、生活を豊かにしたいという、時代の空気をつかみ、実利を与えて、繁栄をもたらした点は評価するが、金権主義的な面は批判。権力闘争の面からは、同輩たちに先んじる力強さ、的確な厳禁という実弾の投入でのしあがってきたが、いつまでも世代交代せず、下の者を押さえつけ続けたことは、ロッキード事件がなかったとしても、早晩、竹下登らの独立という事態に至ったのではないか、という印象を得た。また、新聞記者という稼業のどうしようもない側面も。対象に肉薄して、時にはとりこまれているような面も。取材対象者に、敷地に仮小屋まで設置してもらっておいて、田中のバカヤローなどと叫ぶ記者がいたという記述には、何をかいわんや。


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2014年06月02日

2014年05月に読んだ本

期間 : 2014年05月
読了数 : 28 冊
東京最後の異界 鶯谷
本橋 信宏 / 宝島社 (2013-12-13)
読了日:2014年5月31日
山手線鴬谷駅。北口はラブホテルが林立し風俗街への入口、南口は寛永寺、墓地が広がり文化的な施設への入口となっている。空襲で焼けたあとに簡易宿泊施設が立ち並び、ラブホテルになっていったという証言。鬼門封じに江戸時代に寛永寺が置かれたことなど歴史的経緯も述べつつも、大半は、鴬谷につどう男女。風俗嬢、店員、経営者からそこへ通う客へのインタビュー、自らの体験、風俗業界の変遷等について語られる。けっこう多くの人が、病気のことなんか考えない、もしなったらその時考える、みたいな姿勢なのは驚き。奔放に見えて、普遍なのか、不変なのか、最大公約数ではないにしろ、突飛な例でもないということなのだろうか。/ライターの伊藤裕作さんについてはもう少し調べたい。「私は寺山修司・考 桃色篇」など読んでみたい。/風俗のみならず、弁当、車、居酒屋みんなそう。十年間利幅下げて値段下げる競争ばっかり。繁盛しているようにみえて利益でてないところ多いんじゃないの、というつぶやき。
世界をひとりで歩いてみた――女30にして旅に目覚める
眞鍋かをり / 祥伝社 (2013-12-04)
読了日:2014年5月31日
トルコ、L.A.、パリ、ホーチミン、ギリシャ、アムステルダム編。ひとりで東京の地下鉄にも乗れなかったのに、iPhone片手に、海外を歩き回れるように。女子ゆえの危ない目にも遭いつつ、なんとかかいくぐり、こういうケースは気をつけようとスキルを身につけていき。かといって、過剰にかまえすぎず、現地の人のやさしさにふれたり。読んでて喜怒哀楽がビビッドに伝わってきてGood.
ナポリタン (小学館文庫)
上野 玲 / 小学館 (2006-04)
読了日:2014年5月28日
GHQがミートボールスパゲティに似た料理を持ち込んだのが、ナポリタンのルーツではという仮説。ホテルニューグランドの2代目総料理長入江茂忠氏がナポリタンの名付け親とのこと。トマトとスパゲティだからナポリを連想して。関東ではナポリタン、関西ではイタリアンという名前。鳥取の1キロもある超ヘビー級ナポリタン。名古屋名物の鉄板のせナポリタン。長崎名物トルコライスにそえられたナポリタン。ちなみに「トルコ」という店で出されていたからトルコライスとなった、という説が紹介され。そしてスウェーデンまで足をのばし、粘った末に、セブンイレブンのお惣菜コーナーにケチャップ炒めシェルパスタを見つける。ルーツ探しから、地理的な広がり、他の料理との組み合わせまで。美味しくてたのしい、ナポリタン読み物。
Real Clothes 1 (クイーンズコミックス)
槇村 さとる / 集英社 (2007-05-18)
読了日:2014年5月25日
ふとん売場から精鋭の揃う婦人服売場へ配属された主人公。カリスマバイヤーからの、人間見た目以上に大事なものがありますなんて言う奴に限って、内面もあやふや、見た目も含めて自分だという事を受け容れられない人間は未熟だという言葉に憤り、会社でイヤな事があった時の、一旦聞き流し、自分のために言ってくれてると思い込み、感情がおさまるまで一週間置いて、そのあと、何かいかせることはないかと考えるという彼氏の対処法になるほどと思ったり。そして、あたらしい仕事の醍醐味がわかってきたところで次巻へ。
四月は君の嘘(9) (月刊マガジンコミックス)
新川 直司 / 講談社 (2014-05-16)
読了日:2014年5月25日
生きる望みを失いかけた女の子に、言える言葉も見つからずもがく公生。自分のありったけをぶつけた連弾を聞かせることで、思いを届けようとする。演奏シーンは、聴こえてくるかのような圧巻の描写。チャイコフスキー「眠れる森の美女」より「ワルツ」「薔薇のアダージョ」は聴きたくなる。
高杉さん家のおべんとう 1
柳原 望 / メディアファクトリー (2010-01-23)
読了日:2014年5月25日
1−9巻まで読了。キャラのたった人間関係もさることながら、地理学とお勉強にも興味をそそられる。
倉本 聰 / 理論社 (1984-10)
読了日:2014年5月21日
渡辺一史「北の無人駅から」に触発されて。映画を見たあとに。細かいところはいくぶんちがう。映画は、増毛から出発した所で終るが、シナリオは、札幌までつき、すずこは札幌に降り立ち、英次はホームにおりて、別れた直子をじっと見るところまで、描かれる。職務のためには、逃亡犯を囲み、死刑が執行されるまで匿名で差し入れを続け、人質をとった立籠り犯を冷徹に射殺し、警察の人殺しという犯人の母の言葉が耳に残り、同僚警官に斬りつけた逃亡犯を射殺し、敬愛する先輩警官を殺した、増毛でいい仲になった女性の元恋人を射殺。一度は書いた退職願を駅のストーブにくべたのは、それらを抱えて、これからも警官として生きていくという決意の表れだったのだろうか。
天魔ゆく空
真保 裕一 / 講談社 (2011-04-15)
読了日:2014年5月20日
細川政元が主人公。父、細川勝元は、応仁の乱の東の頭目。政元はその跡を継いで、細川家の最盛期を現出させる。/幼くして家督をかっさらっていくところから、足利幕府の将軍を力ですげかえるところまでが、愁眉と思える。冷静、冷徹、緻密に計画をねり、政治力、軍事力で圧倒して行く。しかし、それ以降は崩壊の一途。なぜだろう。本人が語らず。父、姉、家臣、ライバル、将軍、御台所、と周囲の語り手に語られるばかりで、政元がどう考えていたかは想像するしかなく。
中沢 新一 / 青土社 (1995-05)
読了日:2014年5月18日
みかえりなく贈与しつづける人としての宮沢賢治像、「贈与する人」、高橋世織との対話「四次元の修羅」のみ読了。「四次元の修羅」は、刺激的な賢治論。”春の修羅”にエロスを見、アヴァンギャルド、ポルノグラフィーにまでつなげて語る試み。詩、童話などの枠にはめるから見えてこなくなるもの、それらを越境したものとしてとらえることで見えてくる可能性、空腹文学、未来派、四次元、存在論的なおそろしさなどのキーワードを手がかりに。宮沢賢治作品をいくつか読み返したくなる。中沢新一「森の思想」も読んでみたくなる。
恋愛炎上主義。 (一般書)
はあちゅう(伊藤 春香) / ポプラ社 (2014-05-15)
読了日:2014年5月18日
調整というのは人知れずやって、「来れるか来れないか自分の意志で返事しろ。誘った相手に気遣いさせるな」には納得。/異性のゲートが開かれているのは期間限定、にも。/賢者タイムにいかに真の賢者になれるか。それが男子が男子力を問われる正念場なのではないでしょうか。世の中の男子がみんな、アフターケアの賢者となることを祈りながら、愚者を静かにLINEでブロックする賢者タイム。(p.97)に背筋を凍らせ。/会ったこともない、世界の裏にいる人と私のまわりの人が、私を介して繋がっているということや、誰かの習慣や価値観がめぐりめぐって私という人間をつくっていることに、感謝。(p.59)を読んで、自分をふりかえり、いろいろな人によって形作られた自分の部分に思いを馳せ。/毎見開き左下の#めもも秀逸のなのが多くて○。
正しい恋愛のススメ (1) (集英社文庫―コミック版)
一条 ゆかり / 集英社 (2005-01)
読了日:2014年5月17日
1-3巻、再読。大学生の頃に、初めて読んで、それ以来定期的に何年かに一回再読。どのキャラも個性的で強烈で引きこまれる。いいことだけ信じて、悪いこと気にしないのが幸せ上手、はホントにそうだと思う。
失恋ショコラティエ 8 (フラワーコミックスアルファ)
水城 せとな / 小学館 (2014-05-09)
読了日:2014年5月17日
物語はクライマックスに向けて、アンチクライマックスに動き出す。すれ違い。タイミング。もし別の場所で、別の時間に、別のシチュエーションで会ってたら…けど、もしもに意味はない、きっと。積み重ねがあってなるべくしてなる地点にたどり着いたのだと思う。地味に、薫子さんとサエコさんのダイアローグがじわじわと効いてくる。確かに,自分から行かないとはじまらないことは多いよね、と。次巻でエンディングとのこと。さてどうなることやら。
いとへん (Feelコミックス)
宇仁田 ゆみ / 祥伝社 (2014-05-08)
読了日:2014年5月17日
町の商店街の仕立て屋さんの青年と、押しかけみたいな形で転がり込んだ見習い女子のストーリー。ぶっきらぼうだけど腕は確かで、きちんと教えてくれるヒラタさんと、基本楽天的で図太くストレートでどん欲に吸収していくななこのコンビが微笑ましい。仕立ての知識もわかりやすく解説されていて。続き、あればいいのに。
おひとり様物語(5) (ワイドKC キス)
谷川 史子 / 講談社 (2014-05-13)
読了日:2014年5月17日
捨てたハズの薔薇の花束が戻ってきたり、ライブでいまいちのれないと思ったらキレものの課長と目があってサシノミすることになり、セルフプロデュース間違ってると悟らされたり、夫の元カノが実は同僚と気づいてコンプレックスつのらせたけど結局はお互いが一番とわかったり、昔ペンフレンドだった子と再会して、忙しくて、かかなくなったけど、それだけの時間を分かちあったことを貴重と思えたり、な短編集。
本を読む人のための書体入門 (星海社新書)
正木 香子 / 講談社 (2013-12-26)
読了日:2014年5月17日
本を読むのが好きだ。すると意識せずとも様々な書体にふれることになる。けれど、印刷物にさまざまな書体が用いられるようになったのは、つい最近のことらしい。書体を愛で、書体からさまざまな印象を受け、感じ取り、情報を読み取る著者のエッセイ。書体を軸に眺めると、また違った世界が見えてくるのだと思わせる。水曜どうでしょうのあの印象的な書体についても一節がさかれていて、思わず手に取った次第。写研、モリサワといった書体を多数保有していたクライアントが、デジタル写植に対して、真逆の態度をとったことで、真逆の結末をたどったこと、もう少し調べてみたいと思った。以下、抜粋。/手でなぞる代わりに、目をつかってなぞっている。私たちは文字を読みながら、実は「書く」ことを仮想体験しているのです。/人間の目はカメラのレンズよりずっと複雑で、基本的に好きなものしか目に入らないようにできている(嫌いなもの、見たくないものは無意識のうちに「見ない」ことができる)、という話しを認知心理学の本で読んだことがありますが/文字は「記憶を読む装置」ではないかということ。書体を「見分ける」とは、文字の中に記憶を見いだす行為であるということ。/私は、贅をつくした文字を読みたい。プロの手業が詰まった余白に風を感じたい。小宇宙のような世界観をもった書物と出会いたい。次の世代にもその感動を味わってほしい。
クロコーチ(4) (ニチブンコミックス)
リチャード・ウー / 日本文芸社 (2014-04-09)
読了日:2014年5月17日
真相にせまるためには手段を選ばず、清廉で通して来た検事は最後まで己の信念をつらぬきとおし、はじめて見込みがはずれ、自分が殺してしまったと自責にとらわれるクロコーチ。さて事件の真相はいずこへ。
協議による西サハラ問題解決への新たな希望 西サハラをめぐる紛争と新たな文脈 (ITEAS-Tokyo Series on Conflict&Cris)
ITEAS「紛争と危機管理」研究班 / パレード (2008-05-20)
読了日:2014年5月16日
高野秀行『世にも奇妙なマラソン大会』に触発されて手に取るも、こちらは一貫して、西サハラはモロッコのもの、という認識が一方的に語られ、いささか鼻白む内容の論集。彼らによると、ポリサリオ戦線は、アルジェリアの後押しした、分離主義者で、彼らを承認したアフリカ連合からは脱退するのが当然という認識。史料、歴史的経緯、条文等が綴られ、生の声は知りようもない。
逃げろ、ボクサー (角川文庫)
山際 淳司 / 角川書店 (1990-05)
読了日:2014年5月15日
絶対にスクイズさせないと決め、甲子園でも勝ち上がった実績があるのに、ある年の地区予選で負けそうになりついスクイズさせ、次の試合でやぶれさった監督の、信念と苦さ、「スクイズ、フォーエバー」。まず人生設計ありき、スタミナは温存、ぶったおすんじゃなくて、ポイントをとって、ギリギリで逃げようと思っているボクサー、「逃げろ、ボクサー」。弟の登場する、あとがきとあわせて読むと、より味わい深い。その時点での首位打者長崎の意志と、ベンチの意志、消化試合での首位打者をとらせないためにすべて敬遠されることに抗議するかのようにわざと空振りした田尾の思いの交錯する「リーディング・ヒッター」。戦争によりアメリカと日本のあいだで苦悩した阪神のカイザー田中監督を軸に描かれる、「異邦人たちの天覧試合」。天皇陛下が、サヨナラの試合を目の当たりにし、まだアウトが三つとられていないが、といったエピソードはよくできた話しだなあと思いつつ。のちに巨人の先発ローテを支えた水野が、エースとして活躍した時代の池田高校、ひきいるのは名監督、嶌監督。水野のふてぶてしいまでのエースの自覚と冷静さが印象に残る「監督とエースの甲子園」。筋肉を専攻する大学院の研究者とボディービルダーというふたつの顔を持つ石井直方を描く「筋肉栽培法」。いつまで筋肉を鍛える事を繰り返すのか、むなしくならないのか?という問いには”そういうことは、考えないほうがいい”。「筋肉と対話するのに思想はいらない。それは薔薇を育てるのに思想がいらないのと同様だ。薔薇に一滴の水を。そして、筋肉にひとしずくの汗を---。」/たまたまな行きがかりでソフトボール全国大会を目の当たりにした「回れ、風車」。野球への愛憎なかばする思いをいだきつつ。「風車は回った。風もないのに、回りつづけた。どうやら、風というものは、自分の力で吹き起こすものらしい。ふとそんなふうに思ってみるのも悪くはない。そうすれば、自分も風になれるかもしれないから」。
超訳 ニーチェの言葉
白取 春彦 / ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010-01-12)
読了日:2014年5月14日
悪い考えが起こったら、それは疲れてるからだ、ゆっくり休んで、たっぷり眠って、疲れをとれ、ってあちこちに出て来る。まあ一理あるけど、そんなにあちこちで書くってことはよっぽど強く思っていたのかな。/あと、「漂泊者とその影」は読んでみたくなった。以下、抜粋/最初に自分を尊敬することから始めよう。まだ何もしていない自分を、まだ実績のない自分を、人間として尊敬するんだ。自分を尊敬すれば、悪いことなんてできなくなる。人間として軽蔑されるような行為をしなくなるものだ。/当時の自分の段階にあっては、それが真実であり信条だったのだ。人間は常に脱皮していく。常に新しくなっていく。いつも新しい生に向かっている。だから、かつては必要だったものだが、今は必要でなくなったにすぎないのだ。/これまで自分が真実に愛したものは何であったか?自分の魂を高みに上げたものが何であったか?何が自分の心を満たし喜ばせたか?これまでにどういうものに自分は夢中になったか?これらの問いに答えたとき、自分の本質が明らかになるだろう。それがあなた自身だ。/独創的な人間の特徴の一つは、すでにみんなの目の前にあるのにまだ気づかれておらず名前さえ持たないものを見る視力を持ち、さらにそれに名称を新しく与えることができる、ということだ。/愛するとは、自分とはまったく正反対に生きている者を、その状態のままに喜ぶことだ。自分とは逆の感性を持っている人をも、その感性のままに喜ぶことだ。/わたしたちが読むべき本とは、次のようなものだ。読む前と読んだあとでは世界がまったくちがって見えるような本。わたしたちをこの世の彼方へと連れさってくれる本。読んだことでわたしたちの心が洗われたことに気づかせるような本。新しい知恵と勇気を与えてくれる本。愛や美について新しい認識、新しい眼を与えてくれる本。
教科書では学べない 世界史のディープな人々
鶴岡 聡 / 中経出版 (2012-08-01)
読了日:2014年5月14日
エピソードでつづられる世界史。けど、言うほど、とりあげられてる人はマイナーてかんじもしないけど。ヘリオガバルスの狂乱、ボニファティウス8世の傲岸と絶頂と転落、サティの哀しい恋とユーモアと、ダヌンツィオの情熱と行軍と敗北、ジョージ四世の非道、サヴォナローラの狂信、あたりが印象に残った。
氷菓 6 (角川コミックス・エース 387-7)
米澤 穂信 / KADOKAWA (2014-04-26)
読了日:2014年5月11日
オリジナルのプール編一話を挟んで、クドリャフカの順番編はじまる。何やらたのしげな文化祭だけど、そこには誤発注された文集をさばくほかに、何やら不穏な雰囲気も漂い…次巻につづく
ティムール帝国 (講談社選書メチエ)
川口 琢司 / 講談社 (2014-03-11)
読了日:2014年5月11日
一読した感想は、後世からふりかえってみると、ティムールは、軍事、建築、政略は得意だったけど、人事は下手だったのではないかということ。チンギス裔のもののみが王になれるというチンギス統原理がそれだけ強かったのかもしれないが、三度も、自分の代理人としたチンギス裔のものに裏切られ、そのたびに懲罰遠征、また政権確立時にチャガタイ・アミールたちを厚遇せず反乱に遭い鎮圧、後継指名で孫を選んだら、息子に反乱を起こされ鎮圧、と。そのたびに膨大な国力と時間を浪費してしまったのではないだろうか、と思える。当時の状況からすると、反乱の発生込みで、最適の選択肢だったのだろうか、そこは後世からはうかがいしれない。
北の無人駅から
渡辺 一史 / 北海道新聞社 (2011-11)
読了日:2014年5月11日
小幌、芽沼、新十津川、北浜、増毛、雄冬、白滝。北海道の無人駅を取り上げ、圧巻の700頁超だった。北海道固有の問題にとどまらず、その射程は日本全国の地方にも通ずるものがあるのではないかと思った。
果てしなき渇き (宝島社文庫)
深町 秋生 / 宝島社 (2007-06)
読了日:2014年5月5日
八神瑛子シリーズの深町秋生のデビュー作。警察を追われ、妻娘と別れ、警備員としてすごす藤島が目にしたのは、むごたらしい殺害現場と娘が失踪したという知らせ。事件を追いつつ、娘を追いつつ見たものは、そして、交互に語られる三年前の高校生の独白の行き着く先は...。「アウトレイジ」じゃないけど、全員悪人、弱い者は殺され、虐げられる。胸が悪くなるほどに。よくもどの口で、お前のせいだ、なんて言えたなのオンパレード。自分が撒いた種であることを都合良くきれいに忘れて。けど、物語の疾走感は半端ない。進学校に通う優等生だと思っていた娘が、実はどのような人間だったのか、事件を追ううち、人に聞き込むうちに、次第にあきらかになっていく。ノワール。最後まで後口悪く、けど、それだけの爪痕を読む者に残す。/「弔意の表し方は、なにも涙を流すことだけじゃありませんよ……彼女は責めたのだと思います。自分を。誰よりも厳しく。徐々に悲しみから癒えようとしていた私たちとは逆に。日常へ戻ることさえも、よしとはせずに」p.440/彼女はぼくに教えてくれた。絶望の底から見える希望の光が、どれほどまぶしいものかを。p.456/夏公開の映画「渇き」がこの本を原作にしていると知り、また読みたくなった。なかなか印象的な予告編だったので。
有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか 絶望を笑いに変える芸人たちの生き方 (コア新書)
てれびのスキマ / コアマガジン (2014-04-03)
読了日:2014年5月5日
序章、終章の有吉論。埒外のものだから言うことを受けいれられる、親にこそ見て欲しくなかったけど、親はみていてくれたと語る、マツコ・デラックス。客に受けてこそと客に厳しいダウンタウン。ニヤニヤ横で笑ってることこそ最高のツッコミ、と喝破されるナイナイ矢部。もっと上へとあがく若林、どんなにしみったれた暮らしでも今が幸せな春日のコンビ、オードリーの苦悩と栄光、のみ読了。有吉論は、猿岩石の絶頂期、不遇時代、復活、現在にいたるまで概観してくれる。上島竜兵との距離感がなんともいえず心に残る。口では厳しい事いっても、おたがい心の中をあらいざらい話し合い、不遇な時に手を差し伸べてくれる、そして他の人がかろんずるようなことをやると食ってかかる、といったような。
オスカー・ワイルド / 新潮社 (1962)
読了日:2014年5月5日
福田恆存訳。個人的には高校の夏休みの英語の宿題で副読本渡されて以来の再会。比類無き美しさを持った青年ドリアン・グレイ、彼に見せられた画家バジル、影響を与えようとさまざまに語りかけるヘンリー卿。純真無垢に思われたドリアンは、芸術至上的な態度で婚約までした女優を自殺に追いやり、以降周囲のさまざまな人を直接に、間接に、不幸においやっていく。良心の呵責なく、いや呵責はなぜかバジルが書いたドリアンの肖像画が引き受け、本人は美貌のまま、肖像画のみ、醜く変化していく。最後は肖像画を葬れば自分の魂が解放されるとばかりにナイフをつきたてたら、発見時には本人の心臓にナイフがささっていたという幻想綺譚。/以下、主に皮肉と逆説たっぷりのヘンリー卿の言葉を。それ以外の引用もあり。/笑いによって交友がはじまるのは悪くない。そのうえ笑いによってそれが終るのは願ってもないことだ/誠実な人間は恋愛の些細な面しか知ることができない。きまぐれな浮気者だけが恋愛の悲劇を知ることができるのだ(ヘンリー卿)/他人に影響を及ぼすというのは、自分の魂をその人間に与えることにほかならないから。/ひとりの人間が紳士であるならば、かれの知識は十分なはずだし、紳士でないならば、かれが知っていることはすべてかれ自身のためにならないはずだ/現今では大部分の人間が卑屈な常識のとりことなっている、とりかえしがつかなくなった時はじめて、後悔の種にならないものはただひとつ、自分のあやまちだけであることに思い至るのです/感情生活における忠実さというものは、知性の生活における一貫性と同様に、失敗の告白にすぎないのだ。/神聖なるものこそ、触れるに値するただひとつだけのものだ、ドリアン/だれでも他人のことをよく思いたがるのは、じつは、自分のことが心配だからだ/女性は欠点ゆえに男を愛するのです。男に欠点が十分あれば、男のどんなことでも女は許すー男の知性さえ許してくれます。/人間というやつは、もっともひどい悪習を失った場合でも、後悔する。いや、もっともひどい悪習にたいしてこそ、もっとも烈しい後悔の念を禁じえないのかもしれない。それほどまでに悪習は人格の欠くべからざる一部となっているのだ
世にも奇妙なマラソン大会 (集英社文庫)
高野 秀行 / 集英社 (2014-04-18)
読了日:2014年5月3日
今まで最も長くて15キロしか走ったことないのに、思い立って、サハラ砂漠でのマラソンに出ようだなんて。サハラマラソンは市民運動でモロッコの非道を世界に訴えたいのだろうからすべて鵜呑みには出来ないが、過去の敬意はモロッコに非があるところ大に思える、と。外国人500人以上、サハラ人400人以上、アルジェリア人80人以上で過去最高、はっきりしないのは、この大会が適当だから、って...。35から40キロ地点で、足だけじゃなく呼吸も苦しくなって...ってそれまで呼吸苦しくなかったんだ!すごい体力。「西サハラ人を支援するためのマラソン大会は、西サハラ人のボランティアによって運営されている。世にも奇妙なマラソン大会である」。この思いついたあとの瞬発力、行動力、バイタリティには頭がさがる。あと、西サハラの本や、サン=テグジュペリ「人間の土地」、船戸与一「猛き箱舟」読みたくなった。/「ほうれんそう土」作戦。報告連絡相談土下座なんだそうな...。普通の会社でも仕えるかも、って相談までは普通ですから!。そして、パスポート申請時に、最近国外強制退去になった人がどうしても入国したくて名義変更するケースがあるんですよね、と言われる始末。最終的にはあえなく挫折。しかしあとがきを見るとまた別の手段がありそうなことも。(「名前変更物語」)/そしてアジア・アフリカ奇譚。英語で話しかけてきたイラン人。アメリカ人のはアメリカ方言、イギリス人のはイギリス方言だ。英語は世界言語なんだからわれわれ非ネイティブがしゃべっているのこそ誰でも理解できる世界標準の英語なのだ!て強烈な説をぶたれたり。戦争とは理不尽なのだ、意味や理屈はない、それをしみこませるために新兵を殴るんだ、と理解した、そして仇をとるために戦場に向かった、という白鳥サンの話しが心に残る。
ハジの多い人生
岡田 育 / 新書館 (2014-04-25)
読了日:2014年5月3日
cakesの「ハジの多い人生」で、キャンペーンで無料の時に、「さよなら武蔵小山」を読んで印象に残り、そのあと、別の連載「結婚するつもりじゃなかった」をその文章が読みますます好きになり、今に至る。というわけで初著書も買ってしまった。悩みはひとりひとりそれぞれで、そんなのこうでしょ!とばっさり切り捨てられても、納得も前進も解決もできない、確かにそう、通奏低音はそういうことかと思った。/高野寛再評価。「ベステン・ダンク」「虹の都」好きで中学生の時に聞いてたけど、他にもいい曲書いていたこと(「See you again」の歌詞!)、いまでも活躍されている事を知り、また聞いてみようかな、と。/ニューヨークでナンパしてきたオタク青年に「東京BABYRON」貸してあげたい、の一連の流れが好き/西村しのぶ「一緒に遭難したい人」も読んでみたい。/「情伝導率」が圧倒的に高いのは、寝るより遊ぶより、「食う」だよなぁと思う。恋人に限らず、友達や仕事の同僚でも、そうだ。美味い飯を食った幸福な体験に限らず、不味い飯を食ったひどい体験だってそうなのだ(「愛とご飯と集中治療室」)/生きてる者同士でごはんを食べよう。夢二見たような本物の死が、いつか我々を分かつまで(「愛とご飯と集中治療室」)/「ないものは、つくるしかない」


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2014年05月03日

2014年04月に読んだ本

期間 : 2014年04月
読了数 : 42 冊
Heat 17―灼熱 (ビッグコミックス)
武論尊 / 小学館 (2004-05-28)
読了日:2014年4月30日
10-17巻読了。最後に向けてめまぐるしく新キャラがでてきたり、途中、五年の間があいたりだったけど、最後は、生まれてくる子に何を伝える?おれのすべてを!と力強く語る唐沢の言葉で締められる。
本棚探偵最後の挨拶
喜国 雅彦 / 双葉社 (2014-04-16)
読了日:2014年4月30日
綾辻行人「暗黒館の殺人」の私家版を構想十年で(て、取りかからなかっただけだけど)凝りに凝った奴を、三章にわたって作ったのは圧巻。本の構造とかも詳しく知れて、作家への愛もかんじられて。次は七年後かも、だって。あと、台湾ミステリ界の大御所、中井英夫の最後の編集者、シャーロック・ホームズの生き字引が、それぞれ胸の所にハート形に手を組み、金髪の女子高生に命令されて「萌え萌えドリンク美味しくなあれー」と言わされている光景、のシーンには爆笑。老眼!を機に、新しい本=悪、古い本=良という二元論は捨て、新しい本=読むために良、古い本=飾るために良、という新しい定義に従うことになった、と。そして日下三蔵さんの強烈なキャラ。自宅のカオスを超えたカオスっぷり。同じ本を何冊も何冊も何冊も何冊も買ってしまう理由を聞かれ「売っていたからです」というシンプルなセリフ。力強すぎるw。そして、帯からして抱腹絶倒。「もう欲しい本はない!!すでに書庫もいっぱいだ!!そうか読めばいいんだ!!逆転の発想!その手があったか!?」て、今更何をもうwである。
アメリカのめっちゃスゴい女性たち
町山 智浩 / マガジンハウス (2014-03-31)
読了日:2014年4月29日
オプラ・ウィンフリー、ジョディ・フォスター、マリッサ・メイヤーなど有名どころから、まったく聞いたことのないコメディアンや運動家まで。ひとり3、4ページなのですべてを網羅することはできないが、興味を持ったらあとは自分で調べるだけ。そしてとりあげた人も必ずしも賞賛されるだけでなく、現状うまくいっていなかったり、ツッコミを入れられたりするケースもあり。エリザベス・ウォーレン:学費ローンの利率を3.4%から0.75%に落とす法案を提出、証券会社が自分勝手に作ったバブルが破綻して政府から借りる利率が0.75%だからです!と。社員19人のちっぽけな会社を、eBayと改名しまたたくまに大企業へ成長させたメグ・ホイットマン。Msという言葉を定着させた運動家のグロリア・ステイネム「私はホープホアリック(希望中毒)なのよ」。兄のえん罪をはらすために一念発起して弁護士になったベティ・アン・ウォーターズ…えん罪で苦しむ人々のために無償で強力し続けている。シリア内戦で砲撃を受けて志望したマリー・コルヴィン。「これから私がどんな戦場に取材に行こうと、そこで黙って耐え忍んでいる普通の住民以上に勇敢であるはずがありません」、彼女のルポ集「on the front line (最前線にて)」も手にとってみたい。バグという言葉を世界で最初にコンピュータのプルグラムミスに使ったグレース・ホッパー。スミソニアン博物館にはそのときの原因となった蛾が展示されているのだとか。
イエスのビデオ〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)
アンドレアス エシュバッハ / 早川書房 (2003-02)
読了日:2014年4月28日
イエスを映したビデオをめぐる、息もつかせぬ追跡劇。博物館、砂漠、修道院、地下洞窟と。それは誰の手にわたり、どのように処理するのか、何が映っていたのか。最後の100ページ,失われていたかに思えたものが現れ、暴かれた真実と思われるものにも、生きた反証が現れたり、最後までどんでんどんでんで楽しませてくれる。信じぬ者への信じることへの疑義や神学的な議題も含みながら。無性に聖書を読みたくなる読後感、自分なりに。/わが神聖なる伝統はまさにそれをやってるのよ。だれかが歴史の初めに何かをした、そのとき彼はまだ自由だった、ところが彼はあとにつづく子孫たちを、みんな自分の行為の奴隷にしてる p.168/ わかったぞ。だれかを崇拝するなら、死んだあとで崇拝するほうがはるかに容易なのだ。わかったぞ。だれかを生きているうちは見過ごして、見過ごしたことに気づいたときは、彼を崇拝するしかないのだ。p.354
今日のひぐらしさん
冬川 智子 / イースト・プレス (2014-04-17)
読了日:2014年4月27日
33才ひぐらしさんのふんわりな日常。ちゃ着眼点が独特で面白い。親友かなたんがいいひとすぎてかわいらしい。
イエスのビデオ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)
アンドレアス エシュバッハ / 早川書房 (2003-02)
読了日:2014年4月27日
イスラエルの考古学の発掘現場から見つかった二千年前の袋につつまれたビデオカメラの説明書。発見者の学生、スポンサーの大富豪、発掘を指揮する教授、コンサルタントとして呼ばれたSF作家、バチカンの使者、神父…。さまざまな思惑をかかえて奔走する冒険小説。
田中 康夫 / 新潮社 (1986-03)
読了日:2014年4月25日
ファッションモデルの目を通して語られる80年代東京、といったところか。洋服、音楽、育ち、ファッション業界、さまざまなものを時にさらりと時にマニアックに語り、時に鋭い見方を提示しつつ。「なんとなく、クリスタル」の脚注が地の文に織りこまれたかのように。さまざまな逡巡を経て、最後は、わたしたち今輝いてる、と締めくくられ。/でもね、そんなこと言ったら、今、私たちが取り入れていることなんて、みんな、安心するためのファッションになっちゃうじゃない p.22/背が百七十五センチもあって、それに肩も張っている人の着られる服が、女の服なの。非の打ちどころもないくらいに理想的な体型が、女の体だっていうの。そういう人だけの着られる服が、ファッションなの。わからないわ、そんな考え p.118/軍隊や国王が移動する時に、前もって宿舎を用意するために、一行より先に出発した先発者のことを指して、ハービンジャーと呼んだのだということを思い出した。たしかに、私たちは、単なる洋服を着たマネキンではなく、一番新しい時代の空気の先触れをするハービンジャーなのかもしれない。p.168
珈琲挽き (講談社文芸文庫)
小沼 丹 / 講談社 (2014-02-11)
読了日:2014年4月21日
鰻屋、冷房装置、レモンの木、珈琲挽き、古本市の本、日夏先生、読了。すずやかな味わいというか。
ノストラダムス・ラブ (IKKI COMIX)
冬川 智子 / 小学館 (2014-04-15)
読了日:2014年4月20日
1999年7月にどうせ死ぬんだから、と面倒なことはすべて避けて、何も考えないようにしようとしてきた桜。あと十日しか生きられないからと、告白してきた森くんと付き合うことにしたが…。設定は突飛だけど、いつか死ぬ、死ぬのが怖いとか、そういうのは普遍的な問なわけで。けど、きちんと相手の気持ちに寄り添い、生きてると実感できて、穏やかなエンディング。
coyote(淡田青 短編集) (ヒーローズコミックス)
淡田 青 / 小学館クリエイティブ (2014-03-05)
読了日:2014年4月20日
大事なことは自分で決める。ヒーロー一家の苦悩と復活。人間との溝に悩む、ワーカーと称される人造人間も。殺し屋に救い出される娼婦も。
孫子の兵法 (図解雑学)
水野 実 / ナツメ社 (2003-06-01)
読了日:2014年4月20日
Shi3zブログより。兵を用いうるの害を知り尽くさざる者は、則ち兵を用うるの利を知り尽くす能わざるなり。(戦争することの損害を十分知らなければ、戦争の有効性も十分知ることはできない。)/兵久しくして、而して国に利するものは、未だ之れあらざるなり。(戦争が長びいて国家に利益があった例はない)/一ページ説明、一ページ図解でわかりやすい。
青土社 (1990-05-01)
読了日:2014年4月20日
三島由紀夫「オスカア・ワイルド論」、ホフマンスタール「セバスティアン・メルマス」、富山太佳夫「ワイルドを読むために」、高山宏「男はみな愛する者を殺す」、「Oscar Wilde 栄光の絶頂から凋落の末路へ」、「オスカー・ワイルドの生涯 同時代人による回想」を読了。ワイルドを機智にとらわれた田舎者と喝破する三島。晩年の凋落の姿をえがくホフマンスタール。図版で幼少期から絶頂期、晩年までワイルドを見る事ができる栄光の絶頂から凋落の末路へ。そして高山宏による小説オスカー・ワイルド。人の魂を喰らう霧を主人公に、ワイルドの晩年を厳しく哀しいタッチで描いて味わい深い。
女のいない男たち
村上 春樹 / 文藝春秋 (2014-04-18)
読了日:2014年4月20日
本当に他人を見たいと望むのなら、自分自身を深くまっすぐ見つめるしかないんです。(p.55)(「ドライブ・マイ・カー」より)/僕は思うのですが、僕らが死んだ人に対してできることといえば、少しでも長くその人のことを記憶しておくくらいです。(p.163)(「独立器官」より)
山際 淳司 / 講談社 (1991-06)
読了日:2014年4月20日
ボクシング、バスケット、アーチェリー、トライアスロン、ゴルフ、ウィンドサーフィン、社交ダンス、マラソン。さまざまなスポーツを題材に、都会に生きる人々の行き交いを描く短編集。/「とにかく、勝ちましょう」「なにごとによらず、負けるというのはいやなことなんだから」(ランドーさん)(「シティ・サーモンズ」)/今それをやっておかないとダメだという瞬間がある。そのときにね、突っ込めるか、否か。不安を捨てきって前に行かれるか、否か。すべてはそれで決まる。勝つっていうのは、そういうことですよ」(ランドーさん)(「シティ・サーモンズ」)/風をつかまえて、マウイの海を走っているときだった。ふと彼は考えてしまったのだ。おれは一体、何をやっているのか、と。(「ゲルベゾルテ」)/音楽を聞くより、人間がしゃべっている声を聞き流すように耳に入れていたほうが、かえってラクだと、最近の隆一は思うようになっている。(「ラジオ」)。/独特の味わいだなあ。フィリピンからやってきたボクサーの屈折。都心のマンションにつどうバスケサークルのメンバーたちの距離感。ファッションマッサージ店長にして、トライアスロンに挑むというところにどこかバランスと可笑し味をかんじる男。甘えきった考えで実家の土地を売りたい男とアーチェリーと実家の事故と女。つねに片耳でラジオをききながら人と話す男。
みかこさん(3) (モーニングKCDX)
今日 マチ子 / 講談社 (2011-03-23)
読了日:2014年4月19日
少しづつみかこさんの領域に入ってくるカトーくん。乱暴じゃなく、さりげなく、けど、少しづつ気になるように。そして、天真爛漫なナオの緑川へのアプローチ。ぶっきらぼうで口が悪いけど、きっと愛情深いんだろうなあ、と思えるナオの継母ようこさんも印象的。巻末のようこさんマンガもクスりと。
給料が上がる人、上がらない人のたった一つの違い (メディアファクトリー新書)
高城 幸司 / KADOKAWA/メディアファクトリー (2014-02-27)
読了日:2014年4月17日
成果を上げると上司に期待させ、指導により知見を部下に伝え、二つ上の立場で考え、ネガティブでやる気のない態度を見せず、傍流においやられてもくさらず、よくなることを信じて前進すればよい、と。肝に銘じて。
利休百首ハンドブック
淡交社編集局 / 淡交社 (2013-05-08)
読了日:2014年4月15日
松村栄子「ひよっこ茶人、茶会へまいる」つながり。/茶の作法的なところは、今の所、使う予定もないのだけど、精神論的なところをすこし引用/その道に入らんと思ふ心こそ我身ながらの師匠なりけれ/ならひつつ見てこそ習へ習はずによしあしいふは愚かなりけり/何にても置き付けかへる手離れは恋しき人にわかるると知れ/時ならず客の来らば点前をば心は草にわざを慎め/茶の湯とはただ湯をわかし茶をたててのむばかりなる事と知るべし
スティーブ・ジョブズ(2) (KCデラックス)
ヤマザキ マリ / 講談社 (2014-04-11)
読了日:2014年4月14日
インドからの帰還。アップルコンピュータの開発。事業家としてのジョブス、エンジニアとしてのウォズ。共利共生の関係を保ちつつ。最後は、ウォズにHPを辞めて、フルタイムで働いてくれよとジョブズが懇願するところでこの巻はおわり。/アップルのロゴ。彼の心は不思議な思考の海を漂う…ただひとりで(ワーズワース)という言葉が枠には記されていた、と。
関川 夏央 , 住友 一俊 / 講談社 (1990-06)
読了日:2014年4月14日
モルジブ、スリランカ、ポルトガル、ブエノスアイレス、リオ、サンパウロ、延吉の章のみ読了。
鳥啼き魚の目は泪~おくのほそみち秘録~ 1 (プリンセスコミックス)
吉川 うたた / 秋田書店 (2014-03-14)
読了日:2014年4月13日
破天荒な松尾芭蕉としっかり者の曾良の、おくの細道珍道中。旅程と俳句を楽しめて、今年、初めて、芭蕉のおくの細道を読んだ身には興味深かった。密偵と勘繰られ、妨害されたり、この世ならざるものに導かれて助けられたり。この先どうなるやら。
叫びと祈り (創元推理文庫)
梓崎 優 / 東京創元社 (2013-11-28)
読了日:2014年4月13日
ティンブクトゥから砂漠をラクダに乗り、塩の交易を行うものの論理。ロシアの修道院で、列聖をめざす修道女の論理。アマゾンの少数部族の、閉ざされたごく狭いその民族の世界のみが世界、という論理。物語を解きあかす鍵は、異なる世界観に端を発するといったニュアンスのストーリー。最終話では、語り手斉木についての、こんがらかった話が語られる。物語内物語のような、入れ子。最後まで、話者が誰なのか、あたりをつけさせつつも、振り回す。そして、スペインへの男三人の旅行が、最後の話に関わりをもってくるとは。できればシリーズ化して欲しい。/「砂漠を歩む者は、誇りと引き換えに、寿命の半分を引き渡す、という言い伝えがある」(「砂漠を走る船の道」)/「聖人とは、霧の中の蝋燭なのです」「不透明な視界の先に、淡い光を放つ一本の蝋燭。それがあるから、霧の中でも人は目的地に辿り着ける」「人とは迷いやすいもの。だから蝋燭の明かりの力を借りて、どうにか神の国に辿り着こうと祈るのです」(「凍れるルーシー」)
ウィリアム・ブレイクのバット
平出 隆 / 幻戯書房 (2004-06)
読了日:2014年4月13日
ドナルド・エヴァンスをめぐる旅を始めとして、アイオワでの運転免許取得から、野球をめぐるさまざまな話題まで、軽妙にすくいあげてくれる。それにしても詩人で文学者な著者が、どうしてそこまで野球にのめりこんでいったのか、興味深いところ。以下、備忘録的に。/正岡子規「恋知らぬ猫のふり也球あそび」、『ベースボールの詩学』で一章をさいて論じたとのこと。読んでみたい。/緑閃光、太陽が水平線にあらわれる瞬間、消えてしまう瞬間に、その一点から緑の光が発せられるという稀な現象。ヴァチカン天文台の発行した緑閃光の写真集。エリック・ロメールの映画『緑の光』。『家の緑閃光』という平出隆の詩集もあるとのこと。この現象についても調べてみたい。/ラウル・デュフィ「野球場-ボストン」という絵画。野球場が「内観の庭園」としてあらわれていたことを否定しきれない、と。/ローマで、十五分で出会った三人に、つぎつぎとランバダパーティーに誘われた話し。すべて断ったけど、もしついていったのならどうなったのだろうか、と。”すべての道はローマに通じる。しかし、すべてのローマの道は、どこに通じるというのだろうか。”
フォー・セール (SPOKEN WORDS)
ビッケ / PARCO出版 (1997-06)
読了日:2014年4月13日
とりとめなく、断片的に、流れるように。
札幌アンダーソング (単行本)
小路 幸也 / KADOKAWA/角川書店 (2014-01-28)
読了日:2014年4月13日
札幌が舞台のミステリ。刑事二人と天才青年が繰り広げる推理と調査。話しは、北海道の開拓以来の歴史にもおよび、大きな存在が示唆されるが、親切にすべて解き明かすようなことはせず、epilogue & prologue という終章が、つづきがありそうなことを示唆しているのだろうか。馴染みの地名、モデルとする建物、北海道史まで登場して、地元民としては楽しめた。
再婚生活
山本 文緒 / 角川書店 (2007-06)
読了日:2014年4月13日
山本文緒、伊藤理佐「ひとり上手な結婚」つながりで。王子と山本サンの結婚生活をもう少し読んでみたいと思って。ためこまないのが大事なのかなあ、と。いいたいこと言えずためこむと、お互い不調になったり、ぎくしゃくした空気がながれるくらいなら。それがまた難しいのだけど。「ほんとは自分の生活が王子に浸食されている部分があって、そのことに怒っていることを私は認めたくなかった。王子はいつだって優しい夫なので。でも、認めて、解決しなくては、体も治らないのかもしれない」(p.35)/「今夜、病院に戻りたいと王子に告げると、彼はちょっとショックを受けている感じだった。申し訳なくて内心落ち込む」(p.135)/「私は時間において、王子を疑りはじめているんだと自覚。これからの長いはずの結婚生活、それを諦めてゆくんだな、そして自衛してゆくんだと思った。振り回されないように。気持ちを乱されないように」(p.172)
平凡社 (1960)
読了日:2014年4月13日
バーキー「抒情詩編」(抄)所収。バーキーのみ読了。宮下遼、ハキルファキル、つながり。燃える思いが伝わってくるも、抒情だけにとりとめなくも感じ、また、韻律もオスマン語から日本語に移し替えてみれば、ニュアンスなどぽろぽろこぼれ落ちているのだろうなと思いつつ。
マスタード・チョコレート
冬川智子 / イースト・プレス (2012-04-14)
読了日:2014年4月12日
高三の夏から美大志望になり、美術予備校に通いだしたつぐみ。無愛想で極度の人見知りで、普段の教室では関わりを避けるために寝たふり。けれど、予備校では、なにくれとなく気にかけてくれる先生、誰にでも開放的で明るく向こうから飛び込んできてくれるマリちゃん、大好きなバンドiglooのことで盛り上がれる浅野くん、と少しずつつぐみのことを理解し、仲良くしてくれる人が現れ、少しずつとけ出していく、表情が戻ってくるつぐみ。大学入学後は、浅野くんとは大学違いで離れていき、マリちゃんは先生への恋敵として接してくるけど、自分の気持ちに整理がつかず、人に話してみて、気づくという顛末。ゆっくりだけど、確実に距離が縮まり、信頼感が流れ出して、穏やかな空気がかんじられる。見てて、痛々しくて、かわいらしくて、段々成長してきているのが、ぶっきらぼうななかに時折見せる表情にみられて、読んでてあたたかくなってくるストーリーだった。
海月と私(2) (アフタヌーンKC)
麻生 みこと / 講談社 (2014-04-07)
読了日:2014年4月12日
たたむ寸前の海辺のへんぴな宿に、転がり込んできた美人でなぞの仲居さんと大将をめぐるお話、第二弾。魚屋の息子が、近所の大旅館の娘が、旅番組のテレビ局が、定年を間近にした熟年夫婦が、だいぶまえに離婚して相手にひきとられた娘が、やってきて、ひと騒動、ふた騒動おこしつつ、のドタバタコメディ。かっこつけてるようでどこか抜けてる大将と、ちゃきちゃきしつつ愛嬌たっぷりでどこか謎めいている梢さんのやりとりが可笑しくて好き。
なんとなく、クリスタル (新潮文庫)
田中 康夫 / 新潮社 (1985-12)
読了日:2014年4月12日
意外と4回目の読了。初読はなんだこりゃ、二回目は古本屋さんのブログでこんな読みが、みたいなのを読んでなるほどと沿いつつ読み、三回目はなにげに無性に読みたくてとか。ストーリーとしてはなんてことない。三閏年ぐらい前の女子大生兼モデルの子が、雨の中なかなかでかけたくなくてモノローグ。軽い気持ちで男の子と遊んだり、同棲する男の子のことを語ったり、対話したり。どのようなものが好みで、センスがあって、好きなものを手に取って、ということが描かれるだけ。一ページごとに、ツッコミのような作者の註が差し込まれながら。悩みなんかない、なんとなく気分のいいものを手にとったらこうなった、セックスくらいからっと淡々としたい、いつまでも一緒に住むためにはおたがいの自由が必要、そういうのが当時のあるところ一部層に共通のものだったのかもしれない、というのを楽しみつつ感じつつながめる。「本もあんまし読んでないし」って一節に、”いくら、本を読んでいたって、自分自身の考え方を確立できない頭の曇った人が一杯いますもの。本なんて、無理に読むことないですよ”なんて註を入れるあたり、作者らしい皮肉の効かせかただなあ、と思った。
([ん]1-4)明日町こんぺいとう商店街: 招きうさぎと七軒の物語 (ポプラ文庫)
大島 真寿美 , 彩瀬 まる / ポプラ社 (2013-12-05)
読了日:2014年4月12日
松村栄子の粗茶一服シリーズのスピンオフあり、ということで手にとるけど、他のも面白くて読んでしまう。東京の下町、スカイツリーの近くのどこかにあるという、明日町こんぺいとう商店街の個性豊かなお店たちをめぐるお話。若いころ演劇が縁で集った人たちが、60近くなってまた集まってカフェをひらく話し。目の見えない主人がはじめた「あずかり屋」。戦後すぐからつづけてきたチンドン屋さんのひとりがたり。近所で米屋の息子がイケメンになって戻ってきたと噂になった伊藤米店。花屋の娘が洋食屋の息子に片思いするも、ピアノ教師をしてる娘と付かず離れずでひとはらんあったり、砂糖やさんの二階に下宿した大学生が、知り合った女子大生があそびにきてくれてうれしかったけど、やきもきする話しなどなど。最後の一ページを読んで,思わず「つながった!」と声にだしてしまった。/「頭の中のいっちばんくだらない、誰にも言えない恥ずかしい空想を、馬鹿にしないで大事にした方がいいよ。それは、どんな瞬間でも、必ずキリちゃんの心を守るから」「変わらないもんってないよ。この商店街だって、俺が中坊の頃に比べたら半分以上の店が入れ替わってる。だから上田も、上田が見てるもんも、何もかもちょっとずつ変わっていくんだと思う」(「伊藤米店」)
ひよっこ茶人、茶会へまいる。 (朝日文庫)
松村栄子 / 朝日新聞出版 (2011-08-05)
読了日:2014年4月11日
約3年ごしにようやく読み終わる。一度買って挫折してたのだけど、同じ著者の、雨にも負けず粗茶一服、風にも負けず粗茶一服を読んだあとだと、するする読めてしまった。この本が書かれたバックグラウンドがあったから、粗茶一服シリーズが書けたのだ、と。それにしても茶の湯MLの面々は、揃いも揃って個性的で凝り性。興味深い人々ばかり。和の道を極めようとするのも面白そう、と読んでる方にも伝わってくるぐらい。/利休百首、手にとってみたいと思った。/茶の湯。故事来歴を詰め込むだけでなく。「長所も短所もある人間同士が向き合って、なお一緒に心地よく生きていくためにはどうすればよいのか、知識よりは実践、理屈よりは行動によって道を探っていくものに思える」/「お茶の魅力のひとつは日常を忘れることだ。けれど、そういう時間を作るためには日常がきちんとしていなければならない。(略)とりちらかした家からどんなに綺麗な着物を着て出かけても、きっと茶の湯の心は会得できない」/京都で有名なお菓子屋さん。「彼らにとっては、今、ここでしか味わえない京の味が重要なのだ」。主張したがらない、日持ちしない、限られた人しか作れないということを大事に。
真田三代 (PHP新書)
平山 優 / PHP研究所 (2011-10-15)
読了日:2014年4月9日
真田昌幸、信繁分のみ読了。外様衆の人質として送られたにも関わらず武田信玄のもとで頭角をあらわし、勝頼滅亡までに上州、信濃に勢力を築き、信長、北条、上杉、家康、秀吉と渡り歩き、生き延びた様が描かれる。もちろんその後の関ヶ原と敗北と配流先の死も。信繁、いわゆる幸村分は、著者も語る通り、それまでの史料重視、事実に基づいた記述から思い入れたっぷりの新しい事実もなく、短い章だった。個人的には、藤田信吉について簡潔にまとめられていて興味深かった。西上野衆として活動し、調略で勝頼にくだり「信」の偏倚を与えられ、藤田氏の名跡をつぎ、沼田城を任せられ、本能寺の変後の混乱で取り戻そうとするも、破れ、上杉氏へ亡命。新発田攻め、佐渡攻めなどにも活躍。しかし、関ヶ原前に、避戦派として主戦派にやぶれ、家康の元へ亡命。藩主となるも15年で改易、と。「沼田のことは家康より与えられたものではない。あくまで真田が自力で確保した所領である。今度、家康に味方した忠節により与えると約束した知行でさえまだ守られていないのを恨んでいたところ、さらに私が保持している沼田を北条に渡せなどと命じられても、到底納得できるものではない」
彼らの夏、ぼくらの声 (角川文庫)
山際 淳司 / 角川書店 (1997-02)
読了日:2014年4月9日
エベレストに無酸素でいどんで、帰路命を落とした者、残された、家族への手紙のあたたかさにしんとくる。練習ぎらい、才能だけでのし上がり、あっという間に衰えていった無頼派のかつての天才ボクサーに、あの時勝てていたらその後の人生は変わったか?と問いかけ「結局、何も変わってなかったでしょうね。その後の私は同じようになっていたと思いますね」とかえってくるアンチクライマックス。/「ノートに清書された詩を目の前につきつけられるようなことが度々あったが、ぼくはどうしても好きになれなかった。ひとことでいってしまえば、そういうものはあまりにも弱々しかった。そう思えた。すぐにひねりつぶされそうに見えた。安易だと思った。」(「夏、その2」より)/パ・リーグの野球には、憎しみがあるね(広岡達朗)。本気で向かってくる凄み、当時は人気で圧倒的な差をつけられ、実力も評価されなかったリーグ。今はだいぶ違うだろうけど/最後の2章、ゼン・グレイについてと、釜本を中心とした早すぎたJリーガーたちの話しも重厚。ゼン・グレイが今世紀初頭人気作家だったというのは寡聞にして知らず。早すぎたヘミングウェイ、というのとはまた違うのだろうけど。
雨にもまけず粗茶一服〈下〉 (ポプラ文庫ピュアフル)
松村 栄子 / ポプラ社 (2010-03)
読了日:2014年4月7日
実家の茶道の家元を継ぐのがイヤで家出した遊馬。最初は、傍目にもイタい、読むだにいけ好かないヤツだったのに、京都で置き去りにされ、居候した家で、個性的な面々とふれあううちに、自分の中で進みたい道が決まり、最後は…と。青い鳥じゃないけど、遠回りしたけれど、訳も分からずいわれたとおりにやるのと、自分の中で思い定めて覚悟を決めてやるのとでは自ずから違う、と。弟子入り志願の伊織に、一度しか言わない、”剣を極めた者は、もはや剣は使わない”というシーンが愁眉かな、と思った。鶴了さんの「わたしは、どないつらい目に遭うても<敬>の心を忘れんといたら、そない恥ずかしい人間にならんですむと思てます。」て言葉と、カンナの「祖先を誇りに思うことと、ひとを蔑むことは違います。ひとは遡れば皆類人猿の子孫です」という言葉をひきつつ。この小説の取材が先か、エッセイの流れでこの作品かはわからないけれど、著者の「ひよっこ茶人の玉手箱」も手に取ってみたいと思った。また作中よく引かれる禅語がおさめられているという「碧厳録」にもあたってみたいと思う。
風にもまけず粗茶一服 (ポプラ文庫ピュアフル)
松村栄子 / ポプラ社 (2014-01-04)
読了日:2014年4月7日
まわり道したが比叡山の寺に修行に入ることになった遊馬。好きによべと言われたからって、師を、クソジジイよばわりし。喰うや喰わずの生活から、弟分もでき、京の町、実家の面々との交流もつづき、深まり、成長していく遊馬。/カンナ「折っても惜しくないような弓を持って、なんとなく出場してみるだけのおつもりならおやめになったがいいと言っているのです。/遊馬「お茶って、誰のお茶とか、彼のお茶とか、あるの?」/師匠「そこへいくと、おまえさんの相手は楽でよいわ。クソジジイでおればよいからの」/鶴了さん、幸麿さん、哲哉さん、志乃さん…個性的な面々に囲まれ、そして宗家の夭逝した跡取り息子の気持ちを後追いしてひとつの結び目をほぐした時、山から下りる事に決めた時、いっそう強く、成長した姿を見せてくれてすがすがしい。
雨にもまけず粗茶一服〈上〉 (ポプラ文庫ピュアフル)
松村 栄子 / ポプラ社 (2010-03)
読了日:2014年4月6日
重版出来! 3 (ビッグコミックス)
松田 奈緒子 / 小学館 (2014-03-28)
読了日:2014年4月6日
こと新人に限っては絶対に重版がかかりやすい本の設計をしろ。作家の可能性にキズをつけるな。/ただただデビューしたいもの、目指しているのか目指していないのかすらわからなくなること。頭の中の映像をただ描けばいいと言い放つもの、上手い漫画じゃない、面白い漫画が描きたい!と叫ぶもの。売れればいい、代わりはいくらでもいる、とうそぶくもの。一緒にがんばりましょう、としか言えないもの、ただ言う限りは力の限りを尽くして。漫画家と編集者たちの物語。自分が育ててきた新人を先輩に横からかっさらわれて、踏みつけにされて、さあ次は、というところでこの巻は終了。
HEAT(灼熱) 5 (ビッグコミックス)
武論尊 / 小学館 (2000-07)
読了日:2014年4月6日
5-9巻読了
とまどい本能寺の変
岩井 三四二 / PHP研究所 (2014-01-16)
読了日:2014年4月6日
安国寺恵瓊、堀秀政、織田信孝、滝川一益、安藤守就、おなべの方…本能寺の変によって人生を翻弄された人々を描く連作短編集。異色なのは、黒幕などいないと思っているのに、むりやりつづった「本能寺の変に黒幕はいたか」。ちぐはぐな様々な挿話も、光秀67歳説と光秀認知症説をとればすべてつながる、とバッサリ。近衛前久はいかにも怪しい行動があったけどシロだろう、と付け加えて。南の山に雲が起これば、北の山に雨が降る、安国寺恵瓊。最初は毛利の家のために奔走していたが、あまりにも視界が内向きで強欲な毛利家にあいそがつき、心情は中央寄りになり、交渉手腕を買われ、大名としてとりたてられる、その時毛利家面々の当惑顔を横目に、つらっとしている恵瓊の図、目に浮かびそう。最後まで付き従ってくれた忠臣の一言に、愕然、暗澹とする織田信孝、将来の傲岸が最後まで人に慕われなかったということか。最後まで己の道を、赤子のような純真さで理の道をつらぬいた柴田勝家と引比べ、いち早く秀吉に付き従い、とりいってきて己の道に疑問を覚える堀秀政。関東支配をまかされて二ヶ月で追い出される事に成った滝川一益の苦闘。木曽との人質交換のくだり、真田昌幸の母とのやりとりが愁眉か。川尻秀隆との対比。”忠義を貫くという生き方は、ひとつの主義主張を貫くということだから、一方で大きな反発を呼ぶのも避けられない。”と。最後近くの、蒲生賢豊の、油断と家臣の扱いが酷薄だったために生害された、よい主ではなかった、それゆえみな城を守ろうとせぬ、あの世へいけばなくなるほどの薄い恩、忠義という前にご恩が薄かった、という言葉をおきつつ。
山際 淳司 / 日本経済新聞社 (1990-12)
読了日:2014年4月4日
さまざまなスポーツ、どちらかというとマイナーなものをとりあげて編まれたスポーツエッセイ。/「こいつはすごい。こんなの初めてじゃないか。そう叫んで、おれは走りだしたよ。あの、闇の中をね」「闇の中?」「そうだよ。砂が舞いあがり、砂漠に白い闇を作りだすんだよ」(RALLY)/「大地と空のあいだに何もないというのはウソだね。空気は無じゃない。厚みがあり、重さがある。あおられながら突き抜けていくとそのことがよくわかるんだ」(SKY DIVING)/むしろ、敬意をこめて、ぼくは星の輝きをおそれる。太古の光を、現代の地球に届けてくる、そういう光のあることを畏怖している。だから、おのずと目が空に向いていくのだろう。(STAR HUNTING)/Life is but a dream. 「人生はほんの夢野ようなものなのだから」と童謡はいっているのである。だから、ボートでも漕いで川を下っていこう---と。(KAYAK)/「一番ひどい時、一番くたびれてふうふうだった時、どっちが奴でどっちが僕だか分からなくなっちまった」「それから、この世の何よりも、奴が好きになった。…あまり好きになっちまったもので、奴が上がって来るのが見えた時、辛くて我慢できなかった。...ただ奴の姿を近くで見たかった、それだけだ…」(TROLLING)(…まさに荘子の境地ですね)/熱気球とは風と遊ぶことでもあるわけである。風には逆らえない。だから風をさがしだし、風と仲良くしながら目的地へ向かう。(BALOON RACE)
カラシニコフ II (朝日文庫)
松本 仁一 / 朝日新聞出版 (2008-07-04)
読了日:2014年4月4日
「AK47はアフリカのシエラレオネで多くの命を奪ったから有罪だ、だからそれをつくった私も有罪だ、という人たちがいる。でも、その論理はおかしい。日本には素晴らしい日本刀がある。それで人が殺されたら、刀鍛冶が有罪になるのか」。カラシニコフ本人の言葉。つきつめればテクノロジーと倫理の話しに行き着く。欧米の帝国主義によるご都合主義な国境線のため、さまざまな民族をかかえこむことになった、アフガニスタン、パキスタン、イラク。国土を山岳地帯がしめれば、支配は行き届かず、民族、部族、へたをすれば、谷ひとつが忠誠を誓う勢力となる。それを守るには自衛するしかない、武器がいる、という理屈。さまざまな人が、米軍がそこにあった秩序や治安を破壊していった、回復するまでとどまるのが筋だろう、と語る。フセイン政権崩壊後のイラクで、何がもっとも不足しているかと問われいらだたしく「セキュリティー[治安]だ!」と叫ぶ医師。国として治安が崩壊しているイラクやアフガニスタンで、個々の民族集団はそれぞれの社会の中では統治能力があった。それを国のレベルで生かせないか。連邦制として。という提言はなされるが、そうはうまくいっていないのが実情。割り切れない思いと複雑にからみあった現状。
スナックさいばら おんなのけものみち  ガチ激闘篇 (単行本)
西原 理恵子 / 角川書店 (2013-07-31)
読了日:2014年4月3日
「小さくて可愛いじゃろ」「実はオレ、中卒でさあ」とさらりといってのける人、やるわあ。心の中に野村沙千代を、と「正義はいろいろあるのよ」と。やっぱり自分が幸せにならないと。人の幸せをねたむようになっちゃうんで。黒い気持ちに飲み込まれないようにするためには、まずは自分を幸せにする。これ、すっごく大事。というのは前の巻でも強調されていたこと、サエコが女友達のリトマス試験紙、ってね。子供の話しがでるたびにとんちんかんな話題で自分をおとして笑いをとる大阪の義母、おもろうてやがてかなしき。死の間際、母から娘への「あんんた、私のこと好きだったのねぇ、知らなかったわ」 アルモドバル監督の「オール・アバウト・マイ・マザー」みたい、て。そして、介護の章は重く苦く、できる線できない線をきめないと、手をつないだまま共倒れてしまうよ、と。


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2014年04月02日

2014年03月に読んだ本

期間 : 2014年03月
読了数 : 45 冊
ヘミングウェイ / 新潮社 (1970-06)
読了日:2014年3月31日
殺人者たちのみ、読了。ドライな味わい。もうすぐあなたを殺しにやってきますよ、と教えても、どうでもいいとばかりに、ごろりと向こうむくだけって、どんだけの絶望と諦めなのだろうか。
青とグランドワーカー (ビームコミックス)
犬童千絵 / KADOKAWA/エンターブレイン (2014-03-15)
読了日:2014年3月30日
本屋で一目見て、一晩考えて買ってしまう。かわいくて力強くてまっすぐなセナと無愛想で無口だけど仕事に対して真摯な石動のコンビ。手抜き建築の解体、不良たちが巣食う廃校の解体、プロレスラーが娘をよろこばすための解体...。訳ありな解体を、着実に進めていく。家族的な仲間どうし、時に支え合い、時に憎まれ口をたたきあい。
幻想ギネコクラシー 1 (書籍扱い楽園コミックス)
沙村 広明 / 白泉社 (2014-03-26)
読了日:2014年3月30日
女性上位という意味のタイトルの連作短編集。しょうもない話しが書きたかった、って本当にしょうもなかったり、救われなかったりだけど、くすりと笑えたり、痛みにもだえたり。
Heat 1―灼熱 (ビッグコミックス)
武論尊 / 小学館 (1999-05)
読了日:2014年3月30日
3/28,1-4読了。武論尊「下流の生きざま」つながりで。
下流の生きざま
武論尊 / 双葉社 (2013-07-17)
読了日:2014年3月30日
東京トイボックス0 (バーズコミックス)
うめ / 幻冬舎コミックス (2014-03-24)
読了日:2014年3月29日
天川と仙水の学生時代、東京トイボックスの前日談。櫻庭『君の真っすぐさは諸刃の剣だ。いつか君を傷つけるだろう。だがその剣は誰もが持っているもんじゃない。それを忘れるな。』/七海『ローマ人はいずこもローマ人である』最近教わった言葉なんだけど知ってる?/ソードクロニクル誕生秘話も。ああまた番外編でないかなあ。
日日べんとう 3 (オフィスユーコミックス)
佐野 未央子 / 集英社クリエイティブ (2014-03-25)
読了日:2014年3月29日
きりちゃんの職場への復帰、上司との関係修復、憎まれ口たたきながら交流は断たない母娘関係、ビジネスでもプライベートでもパートナーに、と距離をつめてくる荒井の後輩紫藤の登場。遠回しにも、こちらに来いといってくれる頼れる上司で母の友人、荒井との関係。物語が動き出す。そして、身体によさそうなごはんに目で舌鼓。
ナナのリテラシー 1 (ビームコミックス)
鈴木みそ / KADOKAWA/エンターブレイン (2014-01-25)
読了日:2014年3月29日
掛け値なしに面白い!出版境の現状から電子書籍出版の現場まで。天才コンサルタント仁五郎、そこへ職場体験にきた女子高生ナナ、貧窮した漫画家鈴木みそ吉を軸にすすむ物語。泥船にもチョコレートでコーティングして差し出します、だってクライアントに『希望』を差し出すのが仕事だから、って言葉が目に留まる。
珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
岡崎 琢磨 / 宝島社 (2014-03-24)
読了日:2014年3月27日
バリスタ大会に出場することにした美星と、練習を手伝い、一緒に本戦にもついていったアオヤマ。そこで繰り広げられるのは手に汗にぎる暑い勝負!…の描写はほぼなく、出場者とその周囲の人間模様、事件とその解決が描かれる一冊。正直、わざわざ事件が起こるように仕向けているというか、教訓を生かせず運営が杜撰とか、各人にひとつずつ鍵付きの保管庫を分け与え、控え室も別にすればよいだけでは、と思わぬでもないが。解けたあとも爽快感はなく、やりきれない悲しさと、ひとすじの光が見えたところが救いといえば救い。珈琲の蘊蓄は読んでてたのしく興味深かった。
須藤 元気 / 講談社 (2012-05-16)
読了日:2014年3月23日
ブラウンブックスカフェでふとみかけて。ゲバラに感化を受けて、ニートのイトウくんを誘い、アルゼンチン、チリ、ペルー、コロンビア、ベネズエラ、メキシコとまわる旅行記。軽妙な筆致に思わずクスリと。チリの『こうかい』て日本料理屋で、大好きロールものを頼み、板前注視の中、一口たべて、だ、大好き、というと、はっぴきた板前たちが、大好きー大好きーて円陣くんでさけぶエピソードがおかしかった。あと、クラブにいきたくなって、スペイン語通じなくて、苦心して身振り手振りでようやく伝えたとおもって、教えられたとこにいったら、エアロビ教室だったエピソードも。コロンビアでは、人情の厳しさと暖かさの両方にふれ、各地で、理想主義がいかにして理想とは程遠い状況になっているかを目の当たりにした様がつづられている。
ハバナ・モード―すべての男は消耗品である。〈Vol.8〉 (幻冬舎文庫)
村上 龍 / 幻冬舎 (2008-04)
読了日:2014年3月23日
何とかなるだろうという曖昧でポジティブな前提と、このままではどうしようもないという曖昧でポジティブな前提と、このままではどうしようもないという絶望の間に、わたしたちの努力のすべてがある。そして実は、曖昧でポジティブな前提と救いのない絶望の広大な乖離から個人としての希望のようなものが生まれる。またほの断崖のような乖離からジャンプすることが、逆に努力のモチベーションとなり得る。(ハバナ•モード)。コミュニケーションスキルというのは、スーパーナショナリズムとスーパーリベラリズムの両極端までの幅広い選択肢を充分に検討した上で内外に示し、反応を見て、もっとも合理的な解決策を探り、相手に正確に伝え、相手の言い分をよく聞いて、妥協点を探すことに尽きる。(小国スロベニアの智恵)。ほぼ十年前のエッセイだけど、問題設定は古びていないものばかり。ハバナ•モードって、ビーチで夕日見てのんびりかと思ったら、不可能と思える事態にもまずは深くリラックスしてなんとかなると思い、実現に向けて猛然と行動すること、と知り興味を抱いた。また、ラブ&ポップの映画版も見返してみようと思った。
うみべの女の子 2 (F×コミックス)
浅野いにお / 太田出版 (2013-02-21)
読了日:2014年3月23日
苦くて、ひりひりして、ぐちゃぐちゃになったと思ったら惹かれて、小さな光を見つけたと思ったら断たれて時は立っていて、彼はどうなったのだろうと思いつつ閉じられた物語。理想通りじゃなくてもいろいろ積み重なって今の自分というのは全くそうなのだけど。
繕い裁つ人(5) (KCデラックス Kiss)
池辺 葵 / 講談社 (2014-03-13)
読了日:2014年3月22日
市江さん物言いは厳しいけどひとには優しいんだな、人が変わらないと思うなんて優しさじゃなくて甘やかしだぜ、という言葉と、自らの、どうしても欲しいものを見つけてごらんなさい、という言葉をきっかけに、藤井に対してわずかだけど一歩踏み込むことに。言われなくても仕立てて贈ろうと思ってたところに、今日はお客として来ました、コートを一着仕立ててください、というシーンが一番心に残る。
千年万年りんごの子(3)<完> (KCx ITAN)
田中 相 / 講談社 (2014-03-07)
読了日:2014年3月22日
我々は贖いきれない祝福の業火の中生きておるのよ、という総代の言葉。それでも諦めきれず、力の限り抵抗しようとする雪之丞。一度は全てを受け入れたのに、雪之丞のために、異形となっても何とかしようとした朝日。辛くても残って村の行く末を見届けて欲しい、と願いを残して。十二年後のシーンは穏やかだけど、もう二度とは取り戻せないけど、確かにそこにあったものを感じさせてくれた幕切れ。
人生オークション (講談社文庫)
原田 ひ香 / 講談社 (2014-02-14)
読了日:2014年3月22日
学生時代に学んだこと、読んだことなんて普通の人は忘れてしまうもの。専門に勉強している人や学校の先生は別として。普通の人は会社に入って一生懸命仕事をしたり、子育てしているうちに、だんだんに記憶が薄れていくものなのよ。(りり子は)好きなことだけやってふらふら生きてきたの。だからくだらないことで頭がいっぱいなのよ」という瑞希の母の言葉。一面的と思いつつも刺さってくる。/りりこの「ここにいて、部屋を片づけたりものを売ったりしている間に、だんだん大丈夫になってきた。ありがとう、瑞希ちゃん」という言葉は瑞希とりりこが、オークションの作業を二人で進めて行くうちに、何かお互いが回復してゆくきっかけを映しているように思った。/そしてヒヨコの「ある世界では、実際にやったことより、やったと思われていることの方が重要だったりするんです」の重さ。あまりに肯定されなくて、事実関係より関係性が全てになってしまう絶望感。瑞希が自分の状況や弱さに目を背けて攻撃的なのが最初は引っかかっていたが、読み進むにつれ、いい意味でりりこの存在が刺激になり、一歩踏み出せた感。(「人生オークション」より)/「目が見えなくなるなら、あなたは最後に何を見たい?」「たぶん、なんの思い入れもない普通のものがいい、それでいい」(「あめよび」より)/最後の、三文字の解釈は、別にそこまで読み込まなくても、普通に漢字三文字ととらえても話しは通じるのではないか、と解説を読みながら思った。
SWEET HOME CHICAGO(1) (ワイドKC)
ヤマザキ マリ / 講談社 (2012-08-10)
読了日:2014年3月22日
夫婦ともどもアメリカには薄い興味しかなかったのに、夫の就職が決まってシカゴにわたることに。物件探しでは三章費やすほど苦労し、食生活も高カロリー大味で新しくできた牛角が救い。ファッションの感度も低く、インドアな仕事、性格で英語も下手になっていく、と嘆きつつも、ユーモアをもって描かれるシカゴ生活。激しくおしゃべりしたいからちょっと実家に帰ります、といいつつ、帰ってくると、もうあんなうるさい国には二度と行くものか!というベッピのエピソードにクスリと笑いつつ。味にうるさいイタリア人のマック、il Macは見てみたい。シナトラのシカゴ、ブルース・ブラザーズのスイートホームシカゴ、リオのカーニバルで使われた出場各チームのテーマ曲を集めたアルバムは、チェックしたい。
スナックさいばら おんなのけものみち  バックレ人生大炎上篇
西原 理恵子 / 角川書店 (2013-05-01)
読了日:2014年3月22日
女性の悩み相談に対して、時にばっさり時にあたたかく寄り添い、相変わらずのサイバラ節が炸裂していて痛快。以下の二つが目にとまったところかな今回は。/「自分だけがこの人を理解している」と思った時に「恋愛」という最も離れがたい感情になる。どんな恋愛もその意味では、つたない表現者とそれを応援する人なんです。p.59/すごい好きな話しがあって、自分が養子だってことがわかって、ある日、家族でごはん食べてる時に言ったんだって。「俺って、養子じゃん」って。そしたらお父さんお母さんが「あ、忘れてた」って。p.305
ひとり上手な結婚 (講談社文庫)
山本 文緒 , 伊藤 理佐 / 講談社 (2014-02-14)
読了日:2014年3月21日
山本文緒が文で、伊藤理佐がマンガで、結婚関係の相談にお答えしますな一冊。お互いへの質問、お互いの夫から双方の妻へ質問があるところと、けらえいこと鼎談しているところもありおもしろい。一番印象に残ったのは、この方が欲しいのは情熱というより自分を納得させるきっかけなのでは?どうしたって人は状況に流され、思うようにはいかないものならば、マシな方向へと舵取りをする、それもひとつの情熱ではないでしょうか、といった一節かな。
つるつるとザラザラの間(2) (アフタヌーンKC)
月子 / 講談社 (2014-03-07)
読了日:2014年3月20日
相変わらずこの巻も、甘酸っぱさ初々しさ全開の環くんとさやちゃん。どこまでもどこまでも。
信長のシェフ 9 (芳文社コミックス)
梶川 卓郎 , 西村 ミツル / 芳文社 (2014-02-15)
読了日:2014年3月20日
信玄の西上、三方ヶ原の戦い、信玄の死、ケンの信長のもとへの帰還まで。おのが行動など歴史をかえるにはいたらぬのか、いやすでに歴史に織り込み済みなのかとなやみつつ、おのが思うままに行動するのみとわりきったケン。
エンドレス・サマー (角川文庫 (6145))
山際 淳司 / 角川書店 (1985-07)
読了日:2014年3月20日
田淵幸一。「三五歳を過ぎて広岡監督と出会い、ころりと豹変できるのは、自分の人生にこだわりとしてひきずっているものが少ないからである。過去を重々しくひきずっている人間は、簡単に変身することはできない。そういう人間は、まず何よりも自分の過去に対して恥じてみたりするものなのだから」p.16/松本匡史。「タイ・カップには、わずか三球で一塁からホームまで生還したという記録がある。ピッチャーが一球投げるたびに、塁を盗んだというわけである。ラビットのぬいぐるみなんて、早く脱いでしまったほうがいい」p.75/宗兄弟。「そのクロスカントリーのとき、途中で氷は食うし、川にとびこんでガブガブ水を飲むし、スイカにかぶりつくし、走りながらですよ。あんなことしてハラが痛くならないのかと思っちゃう。本人たちは全然平気でね、五時間ちょっとで走り抜いてしまった。こいつら基本的に野生児なんだなと、つくづく思いましたね」p.122/奥寺康彦。「新しいことを始めるには、いつだって不安がつきまとうものさ。失敗するかもしれない。とりかえしのつかないことになるかもしれない。それでも勇気をもって、やってみるべきだと思う。自信をつかめる瞬間がやがて、やってくるかもしれない。トライしないことには、何も始まらない」p.199/ 3/7ー20にすこしずつ読んだ。
シェルタリング・スカイ (新潮文庫)
ポール ボウルズ / 新潮社 (1991-01)
読了日:2014年3月19日
時は1950年前後、北アフリカ。モロッコの港に降り立ったポートとキットのモレスビー夫妻は、行き詰まったお互いの関係を打開するために、アフリカの奥地へと向かった。同行者の友人タナーとともに。ふたりだけの気詰まりを解消するためにと思っていたのに、次第にポートはタナーを邪魔にかんじ、キットは反発をおぼえながらタナーに傾く瞬間もあり。過酷な自然と人情にいためつけられ、時に助けられ、荒涼とした風景に心重ね合わせた時もあり、最後の最後には、お互いにはお互いが一番だと思えた時に、ポートは病に倒れて死ぬ。錯乱して彷徨するキット、と。最後の一瞬分かり合えたのだけが救いかもしれない。夫婦そろっての壮大な時間と距離をつかった自分探しとも思えた。
ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体 (幻冬舎新書)
原田 曜平 / 幻冬舎 (2014-01-30)
読了日:2014年3月16日
絶対に地元から離れたくない。電車で20分の東京へは「いつか行きたい」ぐらい。小学校、中学校の地元の友だちとの絆が大事。頻繁に会って、飲み、今後も変わらぬ友情を続けたい。電車に乗るのは苦痛。そこはプライベートの空間じゃないから。でかいワンボックスカーで、部屋の空気感そのまま行けることが一番大事。物心ついてから、一度も景気がよかったことなどなく、高学歴で大企業に入ってさえ一生安泰だなんてありえないなんて見えてきたら、地元の「いつものメンツ」と、永遠に続く日常を夢見た方が現実的だし、現に満足度も高い、と。そういう層が一定数いるということがわかった。その層にどのようなサービスが提供できるか、という章は興味深く読んだ。ただ、どれだけの数いるのだろう、もしかしてメインストリームなのだろうか、という所までは本書では読みとれなかった。/「過剰な希望も過剰な絶望も抱いていない」「今まで抱いてきた既知の価値観を、ことさらエネルギーを消費して変えることなく、極力手間をかけず、さりとて現在の生活水準を下げることもなく、これからも行きていきたい」「大切なのは、今と地続きの生活が明日以降も平穏無事に続いていくこと」「現状維持を続けるための消費」
群像 2013年 10月号 [雑誌]
講談社 (2013-09-06)
読了日:2014年3月16日
宮下遼「ハキルファキル」のみ読了。オスマン帝国を舞台にした小説。現代日本の研究者が、発掘した史料の書き込みから、つむぎあげた物語と仮説。バーキーは詩の王と憧憬する存在ではなく、出世欲に駆られ、無名の詩人から剽窃したこともあったのでは?という友人に反駁する主人公。作中作は、無名の詩人が、バーキーの気まぐれで、貴顕たちの前で詩を読む機会を得たが、練りに練った頌歌は盗作だろうとバッサリ切り捨てられ、荷受け人を歌った即興のざれ歌は、バーキーにだけわかるように意趣がえしをしたものだった、と。バーキーについて、バーキーの詩について、もう少し知りたくなってきた。そして、これが初めての小説だなんて。オスマン帝国を舞台にした短編小説集を編んでくれないかしら、と個人的に希望。
Think Simple ―アップルを生みだす熱狂的哲学
ケン・ シーガル / NHK出版 (2012-05-23)
読了日:2014年3月14日
広告代理店としてアップル、スティーブ・ジョブズにかかわった著者が、内側から見た記録。とにかく正直になり、出し渋らないこと。率直と残酷は違う、自分のチームに最高の結果をもたらすために、ただ言うべきことを言うこと。/すばらしい会議の実践法 1.出席者は最小限にする 2.30分以上続く時は退席する 3.会議で使った時間を埋め合わせるべく、その日に何か生産的なことをする/人はあることを重要だと思うならば、そのために時間を見つけるのだ。/プロセスが王様のときに、アイデアはけっして王様にはなれない/私は自分がしてきたことと同じくらい、してこなかったことに誇りを持っている。イノベーションは一〇〇〇もの物事にノーと言うことなのだ。最終的にスティーブがこのアイデアにノーと言ったことで、多くの人が幸せになったはずだ。/シンプルの杖でたたく、残酷な正直さ、というフレーズが頻繁にでてくる。あり得ないほど、強い意志で、物事をシンプルな地点へ引きつける。ジョブズだからこそ、成し遂げられたようにも思えるが、他のジョブズならざるひとびとにも、何がしか考える際のヒントを汲み取ることはできると思った。
教養としてのプログラミング講座 (中公新書ラクレ)
清水 亮 / 中央公論新社 (2014-03-07)
読了日:2014年3月12日
前半の基礎部分は、個人的には平易な復習、おさらい。くっきりと整理してくれたような。一番の肝は、moonblockを使って実際に、ドラッグ&ドロップでゲームを作成する章。ぷちぷちと本に従ってやっていくと簡単にゲームができて非常におもしろかった。/定理証明支援系言語は興味深い。あるプログラムを使うことで「論理的に矛盾していないプログラム」の存在を「証明」できれば、「バグがないプログラム」の証明ができるという考え方に基づくとか。/慶応大増井教授の「全世界プログラミング」も興味深い。自動的に機械に処理してもらってかまわないことを現実世界にセンサーや道具を配置することでプログラミングしようとする試み。「フィジェットphifgets」というツールキットで実験中なのだとか。/あと、元プログラムの店主がご主人という西新宿のささもと。一度足をはこんでみたい。
叡智の断片 (集英社文庫)
池澤 夏樹 / 集英社 (2011-07-20)
読了日:2014年3月12日
サガン「恋というのは本当にすてきなものだから、老いたらお金を払ってでも買うのよ」/(17世紀イギリスの詩人)ヘンリー・ウォットン「まず彼が死んだ。彼女はしばらくの間、彼なしで生きようとしてみたけれど、それが気にいらなくて、死んだ」/(アメリカの作家)ラッセル・ラインズ「悪口を最も優雅に受け止めるには、無視すればいい。それができなければ凌駕する。それが無理なら笑いとばす。もしも笑えないとなったら、その悪口は真実だと思った方がいい」/メンケン「恋とは女は一人一人異なるという錯覚のこと」/エリザベス女王「爆弾が怖くて女王が勤まりますか」/オスカー・ワイルド「歴史に対して我々が負う唯一の義務は、それを書き直すことだ」/ピーター・ポーター「言葉が腐らないようにするために詩は言葉を冷蔵する」
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)
福岡 伸一 / 講談社 (2007-05-18)
読了日:2014年3月12日
「生命とは自己複製するシステムである」/「われわれの身体は原子にくらべてずっと大きくならなければならない」。すべての秩序ある現象は、膨大な数の原子が、一緒になて行動する場合にはじめて、その「平均」的なふるまいとして顕在化するからである。原子の「平均」的なふるまいは、統計学的な法則にしたがう。そしてその法則の精度は、関係する原子の数が増すほど増大する。/私たち生命体は、たまたまそこに密度が高まっている分子のゆるい「淀み」でしかない。しかも、それは高速で入れ替わっている。この流れ自体が「生きている」ということであり、常に分子を外部から与えないと、出ていく分子との収支が合わなくなる。/「生命は守られるために絶え間なく壊されなければならない」/「生命とは動的平衡にある流れである」/私たちは遺伝子をひとつ失ったマウスに何事も起こらなかったことに落胆するのではなく、何事も起こらなかったことに驚愕するべきなのである。動的な平衡がもつ、やわらかな適応力となめらかな復元力の大きさにこそ感嘆すべきなのだ。
何を見ても何かを思いだす―ヘミングウェイ未発表短編集
アーネスト ヘミングウェイ / 新潮社 (1993-09)
読了日:2014年3月9日
山際澪「急ぎすぎた旅人 山際淳司」つながり。山際淳司の好きだった作品と書いてあったのに心ひかれて。/作家の主人公が、十歳の息子が表彰されたという短編小説を手にし、よく書けてると褒め、こうしたらもっと伸びると思うと提案するも、ぼくはぼくのやり方でやるとやんわり断られるところから始まり。「どこかで見たような」という問いかけに、「何を見ても何かを思い出すんだね、パパは」と切り返され。狩猟での射撃について、これまで折りを見て懇切丁寧に教えてきたが、本人はそんなことすべてキレイに忘れ、最初から自分が射撃の天稟の才能があったと思っている。小さな違和感を抱きつつあったが、それは七年後に彼の書斎に入った時にすべて氷解した。そりゃ見たことあったはずさ、と。そして、利発に育つかと思った息子には失望させられ、わたしの教育はなんだったのか、と虚しく苦い思いを抱いたところで物語は閉じられる。本当に苦い。
なないろ胞子: 日暮キノコ短編集 (ゼノンコミックス)
日暮 キノコ / 徳間書店 (2014-02-20)
読了日:2014年3月9日
喰うねるところ、住むふたり、の作者による短編集。喰うねる…の番外編も合わせて。ちょっとファンタジーの要素はいったり、学園ものだったり。ビンタ3:キス1、という取引のはずが、気がついてたら相手に依存していた、と気づいたり、釣りをしてたら人魚を釣ってしまいうちで育てたり、星に願い事したらそのままかなったり、頭が爆竹で吹っ飛ばされたぐらいの言葉投げつけられたのにそれでも声をかける健気さだったり、たまご好きが講じてある朝たまごに、とか、田舎に染まりたくなくて突っ張ってた女の子が自作の派手なシャツに込めた想いなど。多彩で楽しめた作品たち。
サロメ・ウィンダミア卿夫人の扇 (新潮文庫)
オスカー ワイルド / 新潮社 (1953-04-10)
読了日:2014年3月9日
ウィンダミア卿夫人の扇、まじめが肝心、のみ読了。まじめが肝心は、俗っぽい喜劇。友人同士で、危篤の友人や放蕩者の弟をでっちあげて、何かを断る口実にしているふたり。親戚や娘のつきあっている相手にずけずけと資産を聞いてその多寡によってころりと態度を変える夫人。その口実にするりともぐりこむようにして、郊外にあらわれ、二対二のさやあて、鞄に入れられて預けられた出生の秘密がときあかされ、最後は,まじめが肝心だなんて、どの口が言ったのかといったかんじのひとことで締めくくられる「まじめが肝心」。「ウィンダミア卿夫人の扇」は、恋し恋される男女が、機微に富んだセリフを繰り広げる群像劇。
はじめてのイスタンブール 雑貨とおいしいものと音楽に出会う旅 (P-Vine Books)
若山ゆりこ / スペースシャワーネットワーク (2010-10-22)
読了日:2014年3月9日
一ヶ月、アパートタイプの宿を借りて、ちょっと腰をすえて暮してみた、イスタンブールガイド。カフェ、レストラン、雑貨屋さん、ライブなど、2009年前後の様子が、若山さんの色とりどりのイラストとかわいい手書き文字で伝わってくる。羊の胃袋のスープ、食べてみたい!クンピルもう一回食べたい!イスタンブールのクラブシーン、身体でかんじてみたい!夕焼けの金閣湾に佇みたい!と思った。自らもベリーダンスやる、という身からセマ・ユルドゥズと知り合ったり、日本人ベリーダンサーノーラと衣装買いに行ったりイベント開いたり、ダンサーとしてステージにあがったり、アクティブ!紹介されていたババズーラ、だいぶまえに、大学時代の指導教官がプレゼントしてくれたのをひっぱりだして、聴いてみたりしてなつかしく思った。自分が行った15年前からもだいぶ変わっているようだし、いまも生き生きと変わりつづけているんだろうな、と思う。
どぶがわ (A.L.C.DX)
池辺葵 / 秋田書店 (2013-11-15)
読了日:2014年3月8日
谷底にあるよな、澱んで異臭を発するどぶがわと川沿いの町。どぶがわのベンチにいつも座って、中世の物語を空想しているおばあさん。あるときは「パペットの晩餐会」、あるときは、お見合いの時のフォアグラを思い出して、晩ご飯いらないといわれてたのにフォアグラのソテーをだして、うっかり忘れてましたわ、わたしあなたのことがとても好きだったということを、と語り掛けた主婦が差し入れてくれた「フォアグラ名人」を胸に。同じアパートに住む、離婚して母子で越して来た高校生。近所の工場で働くレンズ職人。壁がうすくて、彼のかけるヘンデルの「水上の音楽」をとなりの部屋の高校生もたのしんでいたり、おばあさんの口ずさむ「私の青空」を壁越しに三人で楽しんだり。そして、仲のいい中学の同級生ふたり。片方はいつもおばあさんを遠くから気にかけ、ぶっきらぼうな口きいたり、雨のときは傘を差し出したり。ぼうずはいいなあ、これからいろんなものがみられる、とまるで福音のように。将来の進路を聞かれて、1 宇宙飛行士 2 数学博士 3 パイロット とこたえたら、そんな軽い気持ちでいいんだ、真剣に考えすぎてた、と返したら「どうして笑うの?ぼく真剣だよ」と返され。エピローグの、パイロットになった彼が、機内放送のマイクスイッチ切り忘れて、今日同級生がのってるんですよね、初めての海外旅行で、ほんとは客席に様子見にいきたいぐらいなんですけど、ってのが効いていて。グランド・フィナーレは、主のいない部屋と、空室ありの札をかけにきた不動産会社の社員が、しずかなおばあさんの退場を指し示している。じっと目をこらして読むと、なんだか染み入ってくる作品。
オスカー ワイルド / 青土社 (1980-11)
読了日:2014年3月8日
青年のための成句と哲学より。/悪とは他人の奇妙な魅力を説明するために善良な人々が発明した神話である。/あらゆる重要な問題においては、真剣さではなく、スタイルこそ、必須のものである。あらゆる重要な問題においても、真剣さではなく、スタイルこそ、必須のものである。/快楽こそ人が生きる目的とする唯一のものである。幸福ほど年をとるものはない。/箴言より。/自分の過去に恋々とするような人間は期待すべき未来など持つに値しない人間である。/真理を知るためにはひとは無数の虚偽を想像しなければならない。/なんだってみんな危険である。そうでなければ、人生など生きるに値しない。
恨ミシュラン (下) (朝日文庫)
西原 理恵子 , 神足 裕司 / 朝日新聞社 (1997-10)
読了日:2014年3月8日
気になったのは、今もあるのかわからないけど、元祖長浜屋。一杯300円味の素は山もりチャーシューというより出がらしのブタスライス七色に光るあやしいスープ メンは細くて安っぽいネギパラパラ…という説明のあとに太文字で「うめえ」。どんなものか食べたい心をくすぐられる。その福岡に向かう前に、空港で周富徳が向かいにすわっていて、地蔵になって動けなくなった二人。当時はそこまで顔も知られていたということなのだろうか。あと、読者も参加の恨み鍋大会がワイルドすぎておもしろかった。
七夕委員---星に願いを篇
今日 マチ子 / 河出書房新社 (2010-07-23)
読了日:2014年3月7日
年に一回、交流行事を行う川を隔てた男子校と女子校。その交流行事を運営するために、双方から選ばれるのが、通称七夕委員。のりえとヨシオは、小学6年生の3学期だけ同級生だった。のりえは、冷たくされたと思っていて、ヨシオはそんなに悪くない子だよ、と思っていた。何度かすれちがい、最後は、雨で行事が中止になった橋の上での邂逅。のりえの揺れ動く気持ちはわかりやすく、ヨシオが何を考えているのかわかりづらい。そして彼にひっきりなしに電話をかけてくるマリの存在がヨシオにとっては?など、はっきりと語られず、雨上がりの虹を見るような余韻を残しながら物語がとじられる。
みかこさん(2) (モーニングKCDX)
今日 マチ子 / 講談社 (2010-06-23)
読了日:2014年3月6日
断る理由がないから告白を受け容れ、迷うことに飽きたから進路を決めたみかこさん。自分のなかにある思いにふりまわされ、見かけたことにしばられたような思いをいだく緑川。川にながされていくボールに、それも楽しそうだと思うみかこさん。好きな絵の道にいっぽずつふみだしていく緑川。惹かれているのに、反発しているようで,見ないようにして、それでも気になってしまう関係があわく描かれ、つづきがきになる。
急ぎすぎた旅人―山際淳司 (角川文庫)
山際 澪 / 角川書店 (2001-07)
読了日:2014年3月6日
妻から見た山際淳司。息子にとっては、忙しいからしょっちゅうは構われないけど、ポイントを押さえ、とれる時間はいっしょに遊び、さまざまなことに誘い、刺激を与える。妻にとっては、クールでタフで自分の世界をしっかりもっていて、絶妙の距離感でそれを支えたくなる。電話越しに、五輪真弓の「恋人よ」を聞かせるなんてロマンチストな一面も。「生まれ変わっても君、予約ね」という深い愛情に裏打ちされた言葉。生前、最後に人前でしゃべったときの、のどを潤すためにビールを飲みます、といったダンディぶり。死後に、嘘を書かれたことへの抗議、言っても言わなくても苦い思いを抱きながら。ヘミングウェイの「何を見ても、何か思い出す」、山際淳司「グッドラック」は手に取ってみたくなった。エッセイとしては、思いついたようにぽつぽつとパラグラフが並べられて散漫だったけど、家族しか知り得ない山際淳司像が得られて興味深かった。
喰う寝るふたり 住むふたり 3 (ゼノンコミックス)
日暮 キノコ / 徳間書店 (2014-02-20)
読了日:2014年3月5日
同棲するふたりでお酒を飲みにいくこと、何かあったときのことを考えてお金をつかうこと、そして彼女の親友の結婚式、親友の目からみた彼女、といったストーリー。なにげなく見過ごしているようで、ふと思うと大事なことだったり、自分ばかり甘えているように思えたり、あらためて相手を見直したり、と。それにしてものんちゃんとリツコさん、あと一押しあればどうにかなりそうな気がするのだけれど。リツコ母の、こういうのは他人の口からきいてなんぼでしょ、がぴりりときいている。
小僧の寿し (マーガレットコミックス)
勝田 文 / 集英社 (2014-02-25)
読了日:2014年3月2日
小僧の寿司、チビのおでん、すいかドライブ、ととせの鴨、クリスマス・キャロル、からなる短編集。イケメンだけど不運すぎるくらい不運な彼氏をもつ女の子。願えば叶う、けどつつましやかな、おでんやさんの女将。日々何もかもつまらなかったのに、すいか売りつつ東京にライブ見に行く先輩に影響されて、ついにアメリカ、アフリカまで飛び出す女の子。十年毎日思い続けつつ毎年一回鴨を食べる二人。ディケンズの代表作の漫画家。いろとりどり、食べ物を間において向かい合う二人の関係性を描く短編集。
くうのむところにたべるとこ (マーガレットコミックス)
ヤマシタ トモコ / 集英社 (2014-02-25)
読了日:2014年3月2日
片方がエロい、女同士の、しょっちゅう焼肉をたべにくるカップル。天真爛漫で妄想過多なイタリアンのカップル。理想のおしゃれカップルを演じるのが大好きな、お茶目な老年カップル。はためにもじれったいカップル。食をめぐるさまざまなシーンが鮮やかで、力強くてまた読みたい感じ。
ビットコイン あたらしいネットビジネスの教科書
合尾英介 / アイオフィス (2013-12-18)
読了日:2014年3月2日
ビットコインの誕生、仕組み、付随するサービス、展望についての概観。希少性ー埋蔵量と単位時間あたりに採掘可能な量が管理、偽造できず真贋判定が容易、合成や分割が可能、永続性ーインターネットと参加者がいる限り半永久的にシステム稼働。オープンソース。過去にどの事故も善意の有志が対応。採掘について。/本書上梓後に、日本で一番簡単にビットコイン取引ができて、世界シェアの三割を締めていたMt.Goxが破綻したが、著者のブログによるとセキュリティが脆弱だったためのようだ。本書によると、P2Pの演算により安全性が保障され…とあったが、それも取扱業者のセキュリティ対策のずさんさで崩れるものであった。ただ、仕組み自体が廃れるのではなく、より安全性の高い仕組みが構築され、今後もサービスが続いていってほしい、と個人的には思う。
フラニーとズーイ (新潮文庫)
サリンジャー / 新潮社 (2014-02-28)
読了日:2014年3月2日
美しくてすこし神経症的な女子大生フラニーが、ある日、自分だけがまともでかしこく、まわりの大学生活やボーイフレンドまで含めてなにもかもくだらなく思えて、神への祈りを唱え続けることで救われよう、という思いにとらわれ、デート中に失神し、実家へと戻り、誰とも口をきかず、何も食べずひきこもる。そこへ、何があったか、どうしたいのか、話しを聞き出すよう母親に頼まれたのが、兄のズーイ。長い長い対話を経て、フラニーの視界に少し光が射したところで物語は閉じられる。/ベッシー「そんなに好き嫌いが激しいまま、この世界で生きていくことはできないよ」/ゾーイ「僕らはフリーク(見世物の異形人間)なんだ。フラニーと僕の二人はね」/ベッシー「もしそれで幸福になれないなら、たくさんの知識を持っていたって、頭が面白いように切れたって、どんな意味があるんだろう?」/ゾーイ「アーティストが関心を払わなくちゃならないのは、ただある種の完璧を目指すことだ。そしてそれは他の誰でもない、自分自身にとっての完璧さなんだ。他人がどうこうなんて、そんなことを考える権限は君にはないんだ。」/
草子ブックガイド(3) (モーニングKC)
玉川 重機 / 講談社 (2014-02-21)
読了日:2014年3月2日
今回はこの六冊。「雨月物語」「百鬼園日記帖」「イワンの馬鹿」「ハローサマー、グッバイ」「新しい人よ眼ざめよ」「荒野のおおかみ」。”どこまでも続くような果ての見えない河のような日々も大切な想いーたった一つのマボロシで渡っていけると思いました。”と雨月物語のなかの”夢応の鯉魚”を語る事で、潮崎の兄への思いを重ねた草子。駄目なことの一切を時代のせいにはするなわずかに光る尊厳の放棄 自分の感受性くらい自分で守ればかものよ(茨木のり子「自分の感受性くらい」)を引いた草子、それが刺さった草子の父。芥川龍之介ー嘘の形でなければいえない真実というのもある、ラブレーー三つの真実にまさる一つのきれいな嘘を、フィクション・嘘の方がはるかに強力になることもあるらしいという潮崎の感想。最後は、ヘッセ「最後のおおかみ」に寄せて、草子が語る「どんな荒野で血の涙を流す事があっても自分を捨てない 自分に期待しないで誰に期待するんですか」。自分自身の弱さ、甘えに耐えきれず姿を消した父に語りかけるように。モーニング誌での連載はこれで終了とのこと。次の展開を期待して待ちたい。
俺物語!! 5 (マーガレットコミックス)
アルコ / 集英社 (2014-02-25)
読了日:2014年3月1日
高校生猛男と大和のどストレートなラブストーリーは、この巻でも健在。いったい何回「好きだ」と言っているんだろう、この一冊で^^。放っておくでもなく、目を配って大事なところはサポートする、温かく見守る砂川もしぶく光る^^。当って、くだけて、それでも今まで通りに「師匠!」とよぶからという西城もすがすがしく。


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2014年03月01日

2014年02月に読んだ本

期間 : 2014年02月
読了数 : 45 冊
ポップア−トのある部屋 (講談社文庫)
村上 龍 / 講談社 (1989-03-10)
読了日:2014年2月27日
若い頃に十回ぐらい読んで、もういいかなとだいぶ前に手放したのに、ひさびさに読みたくなって手に取る。この本でポップアートが大好きになったことを思い出しつつ。攻撃的な浪費をする男、いまは画廊を経営していて、昔、金目当てに婚約したと思われ、ひどい目にあわされた男、突拍子もない映画の企画を思いつく男。信念を持って東洋人の女ばかりのカタログを見せて紹介しようとする男(西洋の女は、タバコとオレンジとくちびると乳首だけだ、とある絵を指して語る男)。奇妙な花嫁像だけ残して妻に去られた男が、その像の前では落ち着くシーンが心に残る。
うみべのまち 佐々木マキのマンガ1967-81
佐々木 マキ / 太田出版 (2011-06-23)
読了日:2014年2月26日
佐々木マキ: アナーキーなナンセンス詩人、を読んで、初期のナンセンスなマンガが読みたくなって、お借りする。ほんとに、シュールで、何かを読み込もうと思えばどこまでも読み込めそうだし、意味なんかないしそのまま受け取ればいいと思えば、そのまま受け取れる。「け」と吠えるオオカミ。うみべのまちわたしたちはなかよしだった、と叫ぶ指揮者のような男。イメージの奔流をたのしむ。その中では、スキャット大佐の記録が、冒険譚として、筋が通って異彩をはなっていた。
山際 淳司 / 角川書店 (1993-08)
読了日:2014年2月26日
スポーツノンフィクション…だけではなく、エッセイ風のものもあり。青山通りで追い越していった車のカーステレオから流れる音楽に思いを馳せたり。ニューヨークにながれる川をボートでわたり、どこへいく?ととわれれば、from NY to NYとこたえる、大笑いで Welcome to NY!とかえしてくれる、そんなシーンが好き。バブルのころの様々なモノを買いあさる日本人に、アメリカ人のコメンテーターが、「かつて、ドルがとても強かったころのアメリカ人の姿を思い出しますね」という皮肉。プロの鍵師の「開けることを考えてばかりいるやつは、まあ、この道じゃ半人前だね。同じ腕と、それに頭を使って、キチッと閉めるシステムを作るやつが一人前だ」と語る語り口。監督を解任されたばかりの王貞治から、インタビューで、解説者や評論家について「どうしてもおれがやらなきゃならない商売じゃなさそうだからね。男として、おれじゃなきゃといわれるような商売をしたいじゃない、どうせやるなら」と語られたり。マイク・タイソンのインタビューととるために、暑いブルックリンをかけずりまわり、鳩の話しで少しは反応をだせたけど、結局はあまりインタビューとならなかった件。ヘルナンデス戦で目の当たりにしたフォアマン。「フォアマンがのっそりと近づき、ぼこっという音を立てて右のフックを打った。叱りつけているようなパンチだった。虚勢を張って格好つけてどうするんだ、ボーイ、生きるってのはそんな簡単なことじゃないんだ、わかってるのか。そういうパンチである。」(p.191)/いつもせわしなく旅しているような、私小説というより私ノンフィクションといような、不思議なあじわい。
恨ミシュラン (上) (朝日文庫)
西原 理恵子 , 神足 裕司 / 朝日新聞社 (1997-10)
読了日:2014年2月24日
畑中三応子「ファッションフードあります。」で見かけて、ひさびさに手にとってみたくなる。有名店だろうがなんだろうが、まずいものはまずいという姿勢はすがすがしい。適当な食生活しちゃって担当に「ねえ、味がわかるなんてうそでしょ?」というコマも書き込むことで、きちんとエクスキューズも用意しているところがずるいといえばずるい。神田のぼたんが、最高潮に手ひどく書かれていた。もし書かれてることがほんとうなら、客商売を勘違いしていること甚だしい。浅草おでん大多福の味の描写も手ひどい。札幌からは、あわびの源太(今もあるのかな?)が、ものすごいお勘定がきた、ということでエントリー。あと札幌ファクトリーもバブル最後のあだ花として登場。いまやすっかり地元になじんでけっこうなスポットなんだけど、と地元民は思うのだけれど。あと、銀角さんが胃袋を鍛えたという、今は亡き池袋地下「すなっくらんど」、個人的にはいってみたかったなあ、と思った。いいか食物はB級にあり!と気合いもろとものりこんだはいいけど、返り討ちな様。
バッファロー5人娘 (Feelコミックス)
安野 モヨコ / 祥伝社 (2013-01-08)
読了日:2014年2月24日
悪徳売春宿を抜け出して、当てもなくただひたすら南を目指すキャンディとスージー。行く先ででひとりまたひとりと仲間をふやし、本当は誰を愛していたか気づき、悔やみ、一歩踏み出し、これから、、、というところで未完。取り戻せるかもしれないし、約束の地があるかもしれないし、どれもうまくいかないかもしれない。それは読むものの判断に委ねて。
黄金の丘で君と転げまわりたいのだ
三浦しをん , 岡元麻理恵 / ポプラ社 (2011-12-08)
読了日:2014年2月23日
2年ちょっとのブランクをあけて読了。ワインの味の表現て、鍛錬のたまものだったのね...。しをんさんの突拍子もない比喩に爆笑してしまった。奥が深い世界だなあと思ったけど、一人で入っていくのはなかなかたいへんそう。
戦国鬼譚 惨 (講談社文庫)
伊東 潤 / 講談社 (2012-10-16)
読了日:2014年2月23日
木曾義昌、下条頼安、武田信廉、仁科盛信、穴山信君。武田家滅亡により裏切り、あるいは裏切りにあい、結局は悲惨な末路をたどった者たちを描く、連作短編集。自らが誇りに思い恃むものの瓦解、身を切るような思いでかけがえのないものを断腸の思いで差し出したのに報われず、苦い後味。
アフリカルチャー最前線―シリーズ・地球文化紀行
白石 顕二 / 柘植書房新社 (2006-07)
読了日:2014年2月23日
政治、映画、音楽、美術まで、幅広くアフリカの現代文化情勢が紹介される。といっても広大な地域をくまなくとはいかないのは当然としても。ブルキナファソのワガドゥーグで、国際映画祭が何年にも渡って開催されていること。独裁政治を静かに訴えるものからエイズ禍への警鐘を鳴らすものまで。またアフロ・キューバン音楽に対する形で現れた、セネガルの土着音楽に根ざしたユッスー・ンドゥールの音楽について。また、個人的には、漫画ギャラリーフェイクで見かけて、気になっていた、ティンガティンガ派の絵画について紹介されていたのが興味深かった。ザンジバルのニュー・ハッピークラブは現存なのだろうか。現地の人の生の声が聴ける賑わいを目の当たりにしたい思い、ストーンタウンを目にしたい思いに駆られる。
スウィート・モロッコ
若山 ゆりこ / 辰巳出版 (2012-02-29)
読了日:2014年2月23日
キュートなイラストと手書き文字のキャプションに彩られた、モロッコ旅行イラストエッセイ。食べ物、音楽、映画、本、宿。目に楽しい。マラケシュの野菜料理小皿15品盛り合わせ、プルーンと羊肉のタジン、レモンを皮ごと塩漬けしたレモンコンフィ、食べてみたい。メルズーガで砂漠を感じたい。フェズの迷宮を極めてみたい。という想いに駆られる。久保田麻琴のカフェ・モロッコ、ベルトルッチ監督のシェルタリングスカイ、ボウルズの蜘蛛の家、La Kahena/Chen I Sabbah

にもあたってみたい。
快楽主義の哲学 (文春文庫)
澁澤 龍彦 / 文藝春秋 (1996-02)
読了日:2014年2月23日
快楽とは感覚に根ざしたものであって、万人に共通のもの/快楽には確固とした客観的な基準があり/快楽とは瞬間的なものであり、幸福とは持続的なもの/「幸福になる必要なんかありはしないと、自分を説き伏せることに成功したあの日から、幸福がぼくのなかに棲みはじめた。」(ジイド「新しき糧」)/「幸福ではない。断じて、幸福ではない。快楽だ」(オスカー・ワイルド)/「おのれ自信を知れ。」という金言は、人間を萎縮させ、中途半端な自己満足を与えるばかりで、未来への発展のモメント(契機)がない。未知の可能性や、新しい快楽の海に飛び込んでいこうという気持を、くじけさせてしまいます。/「城邑聚落に住することなかれ。国王大臣に近づくことなかれ」(道元「建撕記」)/死の想念から出発する快楽主義などというのは、どう考えても、禅坊主的で、貧乏くさい。ある意味では、怠惰であるともいえます。ヨーロッパ本来の快楽主義は、もっと建設的で、前進的で、ねちっこく、あぶらっこい生命力にみちらものです。/「女郎買いの行末かくなれる習なれば、さのみ恥ずかしき事にもあらず」(唐木順三「無用者の系譜」)/ユイスマンス「さかしま」の主人公デ・ザッサントが、理想の人工楽園をつくるための周到な計画、精力的な仕事。/エロスの力を解放すれば、それだけ人間は死と親しく交流することができる。/ルネサンス期に生きた毒舌家アレティノの傍若無人。著作をよんでみたい/カザノヴァの「回想録」も。/ジャリが寝る前に好んでいたカクテル。酢とアブサンを半分ずつ混ぜ、これにインクを一滴。/自分で味わってみなければ、何もわかりません。新しい快楽は、自分で味わい、自分で発見すべきものだということです。
おいピータン!!(14) (ワイドKC キス)
伊藤 理佐 / 講談社 (2014-02-13)
読了日:2014年2月22日
残り二センチのねぎから気づく、ほんとの気持ち。近所のお気に入りの焼き鳥やさんがなくなり、DVD のなかにだけあって、すこしあたたかい気持ちになるはなし。漫画読みと小説読みの姉妹が、いまの自分の状況にあった作品をオススメし合う話し。自分の真面目すぎるところを痛く疲れておちこんでたけど、それを笑い飛ばしてうけいれてくれるひとと出会えた話。などなど。
アド・アストラ 5 ─スキピオとハンニバル─ (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
カガノ ミハチ / 集英社 (2014-02-19)
読了日:2014年2月22日
カンナエの戦いの始まり。ヴァロの挑発とアエミリウスの苦悩。そして、大きな力に導かれるように開戦へ。ハンニバルの描いた壮大な仕掛けに飛び込むかのように。
関ヶ原前夜―西軍大名たちの戦い (NHKブックス)
光成 準治 / 日本放送出版協会 (2009-07)
読了日:2014年2月22日
毛利輝元関係部分を中心に。岩井三四二のとまどい関ヶ原、の関係書とみて。凡庸な三台目で人が良くて騙された被害者、という像から、一時史料を読み解き、西国の統治者として、自負と強大な力を持ち、積極的に、九州、四国に軍勢を派遣し、畿内を転戦させ、領国拡大を目論み、瀬戸内海を内海として貿易による振興を測り、大阪の陣にすら一族を密かに送り込んでいたが、最終局面での決断力の欠如、じんぼうの無さが敗因となった、と。吉川広家については、残された書状は出されてなく、弁明のために自作した可能性を示唆し、また一貫して毛利家のために、徳川に通じたのではなく、状況を見て迷っていただけ、という様が描かれる。/島津義弘についても。三成決起直後の行動は、止むを得ず、というのとはほど遠い積極さで、伏見城在番の受諾自体が、反徳川の戦略の一貫だった可能性も指摘。また、親密な関係の三成の失脚、ともに領国経営をすすめていた伊集院忠棟の殺害により、事実上領国経営から外されていた義弘にとって、関ヶ原の戦いでの西軍への参加は、実権を取り戻す一種のクーデターであった、と指摘。義理にあつい勇将という評価に対して、なかなかに新鮮な視点。
内田百けん (ちくま日本文学 1)
内田 百けん / 筑摩書房 (2007-11-20)
読了日:2014年2月18日
八木沢里志「続・森崎書店の日々」つながり。阿房列車を読みたくて。花火、山東京伝、件、冥途、流渦、蘭陵王入陣曲、長春香、サラサーテの盤、琥珀、遠洋漁業、餓鬼道肴蔬日録、無恒債者無恒心、蜻蛉玉、素人掏摸、錬金術、特別阿房列車、を読了。阿房列車は、目的もなく思い立って東京から大阪へ列車で向かい、ほどなく、かえってくる。それ自体が無駄遣いなのに、やれ買いすぎてはいけないとか無駄遣いを自分に戒めたりが可笑しみを感じる。サラサーテの盤は、亡き親友の残された妻が、夜な夜な、夫が貸していた本やレコードを返して欲しいと洗われる話し。すこし気味悪くもあり、不思議なかんじもし。最後に、作曲者サラサーテの声が誤って入ったレコードをかけると涙をおさえきれない夫人のシーンが目にとまる。短い話しはたいていとりとめもなく。土手を歩いて、家にあがりこみ、気がついたら、浮気者浮気者浮気者と叫ばれ肩に噛みつかれるとか。餓鬼道肴蔬日録は、戦時中ゆえ、空想だけでも食べたいものを、と料理の名前を列挙する、一種の詩情。長春香では、故人をしのぶのに湿っぽいのはいけないとばかりに、位牌まで鍋に入れたりで、同席した「春の海」で有名な宮城道雄がそれを聞いて、やれやれ、と言い食べるのを止めたシーンなどありありと浮かぶよう。無恒債者無恒心は、借金する人のひらきなおりというか、お金に対する興味深い態度だけど、たいていの人はお金貸したいとは思わないだろうなあ。
山際 淳司 / 角川書店 (1989-02)
読了日:2014年2月18日
スポーツを題材にとった小説集。バスケ、水泳、ハードル、テニス、ゴルフ、モトクロス、野球など/メダルはその夏、海に放り投げてしまった。当時、ぼくはモハメッド・アリがローマ・オリンピックのゴールドメダルを河に投げ捨てたという噺に感動していたからだ。(「夕暮れ色の、夏」)/「卒業アルバムに何て書いたかおぼえているか?」「おれは思い出したよ。Behind the clouds is the sun still shininng.」「ビハインド・ザ・クラウズ…か。そうだな。曇る日でも、雲の向こうではいつも太陽が輝いている……。あれはね、あのころつき合ってたガールフレンドが教えてくれたんだ」(「夕暮れ色の、夏」)/まぐれですよ、自分の才能の限界は知っています。そのいさぎよさに、自己陶酔していた。仲間はもったいないといった。そういわれながらあっさりとゴルフを捨てることが、彼にとっては快感だった。そのクセが、まだなおっていない。(「サマーサイド・スタジアム」)/「やるべきときに、最大限の力を出しきっておかないと後悔する」「失敗したらどうする?」失敗したらそれまでのことなのだ。(「サマーサイド・スタジアム」)/同窓会的なバスケの試合に、姿をあらわさなかったエース。高層ビルからみおろしたプールに飛び込んだ少女が消えたように見えて気になり夜のプールに忍び込む話し。こつ然と姿を消したが、部屋にハードルのみ残していった男。人生も試合もいつもブレーキをかけてしまう男が、ふだんはしないフルスロットルで崖下に落ちた時に見た光景。実際の試合にかさねあわせるようにスコアブックで愛を語った男の物語。しずかな余韻。
ヨメさんは萌え漫画家(3) (コミックエッセイシリーズ) (マッグガーデンコミックス コミックエッセイシリーズ)
こげどんぼ* / マッグガーデン (2014-01-14)
読了日:2014年2月16日
今回の一大イベントは転勤。東京から関西へ。そして、横須賀沖の猿島への小旅行。自衛官の家族しかいけないイベントにてあわあわしつつも楽しみ。自転車に凝りすぎる夫に冷たい目を向けつつも理解を示し。最後のページの太郎さん(仮)の誠実そうなあとがきもほほえましく。
佐々木マキ: アナーキーなナンセンス詩人 (らんぷの本)
佐々木 マキ / 河出書房新社 (2013-10-24)
読了日:2014年2月16日
佐々木マキといえば、個人的には、村上春樹作品のイラストのイメージ。初期の絵柄はガラりと違って新鮮。この本では断片しかでてこないけど、ナンセンス作品をもっと読んでみたいと思った。
ファッションフード、あります。: はやりの食べ物クロニクル1970-2010
畑中 三応子 / 紀伊國屋書店 (2013-03-01)
読了日:2014年2月16日
江戸から戦後まで、70年代、80年代、90年代、00年代の流行った食べ物を当時の世相と絡めて紹介。自分が生まれたころの紅茶キノコブーム、なんだったのだろう、興味深い。ティラミス、もつ鍋、ナタデココがブームになったあたりは、目の当たりにした世代なので懐かしい。いまやすっかり定着の感。
はなおとこ
ヴィヴィアン シュワルツ / 偕成社 (2009-06)
読了日:2014年2月15日
紅茶専門店ディコヤにて手に取る。表紙のインパクトにつられて。穂村弘訳。見た目は鼻に足がはえたように見えるはなおとこ。自分にぴったりの居場所を探してあちこちを旅する。結局は、自分の居るところが一番幸せ、と。青い鳥の一変種といったところか。どのページも鼻を中心に顔となるような絵になっていて目に楽しい。
世相・競馬 (講談社文芸文庫)
織田 作之助 / 講談社 (2004-03-11)
読了日:2014年2月15日
八木沢里志「続・森崎書店の日々」つながり。「競馬」のみ読了。真面目なだけがとりえのさえない高校教師が、美しい女給の一代に入れあげ、思いが通じ、結婚することになったが、間もなく一代が病に倒れ、懸命の看病、あらゆる治療法、薬をためすも、果たせず。空虚になり、職も失い、競馬にのめりこむ。一代にかけて「1」の馬ばかり買いつづけ。競馬場で、もしかして昔、一代の男だったのでは、という男と会うが、確かめる勇気もなく、顔をあわせば何言か話す関係だが、最後の持ち金、職場の金すべてつぎこんだ勝負に勝った瞬間、その男と抱き合って喜びを分かち合ってしまう。競馬にのめりこむ、墜ちていく、熱狂は読んでいて手に汗にぎってしまう。そうせざるを得なかった、一代への思いの深さも。
キングダム 33 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2014-01-17)
読了日:2014年2月15日
長かった合従軍編もついに終わり。秦の勝利に終わる。確信犯だった、私が来れば民が死力を尽くしてくれることを計算しながら来てしまった、そのことで万余の命を失わしめた、王宮で報告を受けてるだけではわからなかったことがわかった、という政の言葉。そして、羌かい編へ。しばらくは羌かい一人の戦いが続く。それにしても、史書にて龐煖が各国と攻めて、不抜(抜けなかった)と三行程度の記述に、これだけの物語を込めるとは。信が大将軍になるのはいつになるのだろか。
キングダム 32 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2013-10-18)
読了日:2014年2月15日
裸でベランダ/ウサギと女たち
菅原敏 / PRE/POST Publishing (2012)
読了日:2014年2月15日
Twitterでキザな詩集を出した詩人がいるというのを見て興味を持ち、cakesのインタビューで惚れ込み、youtubeの詩人天気予報やライブ映像で面白いと思い、ペーパーバック版(1000円)を購入。キザといえばキザ、かっこつけだけど繊細なところもあり読んでて楽しい。/俺「おいおい、そんな所には砂つぶしかないよ」 雀「苦い砂を噛んでるのはオマエも一緒だろ」/君の笑顔がまぶしくて目をほそめてるだけなんだ 本当はぱっちりしたとびきりのふたえなんだけど できることならこの短い一生をひとえのまま過ごしたい サングラスなんていらないよ/この辺で一番近いプラネタリウムがどこにあるか知ってる? 俺の瞳の中だよ/水曜日 博物館の受付で、本物のレディに出会った。 木曜日 ずっと一緒にいようと、愛を誓い合った。 金曜日 まったく甘いフライデイナイトだった。 土曜日 彼女のダンナが俺を殺しに来た。/蜘蛛の巣に 引っ掛かった ティーパック カモミールの 水たまり 雨 鳥たちは お茶の時間/「ここから水をまいて、渋谷に雨を降らす仕事につけたらなあ」/。/きっとふたり、どこへ行っても生きていける。クラッカーと赤ワイン片手。パラシュート盗んで、砂漠の果て。/以上、本文からの抜粋。/出版社に送ったメール、飲んだくれの亭主とチョコ好きのワイフがふたりの関係を改善しようとウイスキーボンボンを開発したけど、ふたりで日がな銀紙をむきむき酔っぱらいつづけて、悲惨な結末に、という話しも印象に残る。
トラップホール(3) (フィールコミックス)
ねむようこ / 祥伝社 (2014-02-08)
読了日:2014年2月14日
痛い、苦い、傷口舐め合ってもどこにもいけないのはわかっているのに、脚本でネタにされバカにされ、故郷に逃げ帰ろうとするも、踏みとどまって、もう少し自分を肯定しようと思ったハルコ。槇の突然の宣言に戸惑いつつ。
続・森崎書店の日々 (小学館文庫)
八木沢 里志 / 小学館 (2011-12-06)
読了日:2014年2月14日
近代日本文学を専門とする古書店を舞台にした森崎書店の日々。今作も、内田百間「阿房列車」、織田作之助「競馬」、谷崎潤一郎「陰翳礼讃」、高村光太郎「智恵子抄」と手にとりたい、手に取ったことのある近代文学作品に導かれる。/心鎮めようと一心不乱に本を読み出したトモちゃんに、みんなで寄り添うようにいっしょに読書した誕生日の夜。貴子が、和田さんと心から話し合って壁を越えられたと思えた夜。当人はたいしたことしていない、自然としたことだと思っていても、別の誰かにはありがたい感謝したいことと思われていたこと、貴子に対しても、トモちゃんに対しても。心がほっとあたたかくなるような人間模様。店主で叔父のサトルのガンとなった桃子さんへの接し方、亡くなった後の脱力、厭世の様は、作中の織田作之助「競馬」に沿ったかの感もあったが、その後まわりに支えられながら、立ち直っていく様は「競馬」との違いだろうか。/そして、最後のページの「人間は様々なことを忘れていく。忘れていくことで生きていく。だが、人の想いというものは、砂に尾を引く波のようにいつまでも残る」というのはどの作家の言葉だったのだろうか。とても心に残る言葉。
偽悪のすすめ 嫌われることが怖くなくなる生き方 (講談社+α新書)
坂上 忍 / 講談社 (2014-01-21)
読了日:2014年2月13日
もっと毒舌、独断全開かと思ったけど、そこまでトーン高くなく、真っ当だったり、陳腐だったり(博打礼賛、勝負勘を磨け、とか)で、個人的にはちょっと勝手に期待膨らませすぎてた。ただ真っ当に以下、傾聴したい部分、耳が痛い部分/自分がいなければ成立しない仕事は断ってもまたまわってくる/時間を区切ればゴールが見える。どのように過ごすべきかがわかる/ロクに挫折してないのに「やりたいことが見つからない」と嘆くのは滑稽そのもの。とくに30、40代の大人から「やりたいことが見つからなくて労働意欲が湧きません」なんてシケた言葉は、聞きたくはないですね。/「俺はまだ本気出していないだけ」なんてほとんどは一歩も踏みだしてなんかいなくて、その場で足踏みしていることがほとんど/探すというのは能動的な行為。受け身のままでは変化は起きない/「これだ」と思ったら徹底的にやり抜かないと、本当の面白さは見えてこない。/ほかの人にどう思われようと自分の中の善悪の価値観に従って行動し、それに責任を持って生きたほうがずっと気持ちよく生きられるはず。
とまどい関ヶ原 (PHP文芸文庫)
岩井 三四二 / PHP研究所 (2013-05-17)
読了日:2014年2月12日
大根を売る武者:池田輝政の家臣/百尺竿頭に立つ:安国寺恵瓊/松の丸燃ゆ:甲賀者の清十郎/日本一幸運な城の話:石川光吉/草の靡き:朽木元綱/すべては狂言:吉川広家/敵はいずこに:徳川秀忠/十九歳のとまどい:宮部長煕/吉川広家の、己の禄をことわって毛利本家存続を図ったというのは偽書だったのだろうか(光成準治「関ヶ原前夜」あたりからか)。宮部継潤の息子が田中吉政に謀られて城も領地もすべてを失ったのは本当なのだろうか。関ヶ原に600の小勢でのぞんだ朽木元綱とその配下の侍大将の奮闘は、一瞬でも歴史のキャスティングボードを握った、という感覚をおぼえる。恵瓊と広家の対立は、結果としては毛利家を迷走させた…力を合わせられたならまた違う結果だったかもしれないが言っても詮無いこと。犬山城に依った石川光吉は、東西勢力のちょうどはざまにあって激戦にまきこまれず、穏やかに降伏し、避難の途路に関ヶ原で大谷吉継軍に身を投じ、戦後は金貸し商人として裕福に生きた、と数奇な人生。日々新たに生きるためには過去の妄念にとらわれてはならぬ、引きずってはならない、念があれば消せ、が禅の教えと思うも念を押さえきれない恵瓊。/無名の士から小大名、毛利家の両輪ともいえる人々まで、結果として幸運な成り行きとなった者もいたが、大半はやりきれない思いをかかえ右へ左へ、苦衷が描かれる。
昭和元禄落語心中(5) (KCx ITAN)
雲田 はるこ / 講談社 (2014-02-07)
読了日:2014年2月11日
人ってのは全てわかりあえる訳がない。それでも人は共に暮らす 取るに足らねえ詮ない事をただ分けあう事が好きな生き物なんだ だから一人にならないんじゃないか(八雲)。過去編は、助六とみよ吉の不慮の死と、小夏を八雲がひきとるところで閉じられ、現代編にもどると、いきなり与太郎は真打ちに。何も考えてないようでいて、師匠を、あねさんを、落語を、愛し、そのために力になりたいと思う与太郎がをみてると暖かい気持ちに。。
Office 365チームサイト活用ガイド 2013年版~SharePoint Onlineで情報共有!  (TechNet ITプロシリーズ)
シンプレッソ・コンサルティング株式会社 , 中村和彦 / 日経BP社 (2013-11-28)
読了日:2014年2月11日
ざっと粗読み。あとは、実際にさわりつつ、ひとつひとつ確かめて腹におちるようにしていかなければ。それにしても、やれることはたくさん。そのうちどれだけを今の業務に活かしていけるか。
あるじは家康
岩井 三四二 / PHP研究所 (2012-07-27)
読了日:2014年2月11日
粗忽者:石川数正/勇者:蜂屋半之丞/裏切者:奥平貞昌/有徳者:茶屋四郎次郎/親族者:松平家忠/異国者:三浦按針/忠義者:大久保忠隣
あるじは秀吉
岩井 三四二 / PHP研究所 (2011-12-02)
読了日:2014年2月10日
弥助は藤吉郎に馬を貸した/坪内喜太郎は藤吉郎をはじめての主と仰いだ/加藤虎之助は秀吉に侍奉公の勘どころを見た/堀尾茂助は秀吉に鬼とよばれた/蜂須賀小六は秀吉をどたわけと叱った/神子田半左衛門は秀吉を臆病者とののしった/小西行長は太閤さまの真意をさとった、の七編
あるじは信長
岩井 三四二 / PHP研究所 (2009-11-05)
読了日:2014年2月10日
頼うだるお方:佐々成政/午頭天王の借銭:神官・善次郎/桶狭間ふたたび:梁田広正(別喜右近大夫)/右筆の合戦:楠木長諳/天下を寝取る:住阿弥/出世相撲:大唐/たわけに候:猪子兵助/裏切り御免:阿閉貞征。奉公には覚悟が必要、という猪子兵助のつぶやきが通奏低音のように響く。思うにまかせぬ人々の苦悩とつかのまの喜びを描く。
村田エフェンディ滞土録 (角川文庫)
梨木 香歩 / 角川書店 (2007-05)
読了日:2014年2月9日
何年かぶりの再読。/私は人間だ。およそ人間に関わることで私に無縁なことは一つもない。/ディスケ・ガウデーレ(楽しむことを学べ)
王になろうとした男
伊東 潤 / 文藝春秋 (2013-07-29)
読了日:2014年2月9日
毛利新助、塙直政、荒木村重、津田信澄、弥介。信長の家臣たちの栄光、苦悩、挫折を描いた連作短篇。
男と点と線 (新潮文庫)
山崎 ナオコーラ / 新潮社 (2012-02-27)
読了日:2014年2月8日
アルゼンチンにある世界の果てにあるウシュアイアとそこで宿を営むおばあさん。友達と一緒に訪れ、話を聞き、最後はブエノスアイレスの喧騒。クアラルンプールに老後をすごしにきた夫婦の物語「慧眼」、あなたは慧眼だったからという妻の言葉にハッとする。男三人のパリへの卒業旅行へまぜてもらった女子のモノローグ。上海へのビジネス的な出張という一挿話からからまりもつれてファンタジックな奇想が描かれる「邂逅」。ギザギザしてハラハラするような東京の高校生カップルの起伏あるダイアローグ、結局は仲良くつづきそうなかんじで終わる「膨張する話」。幼なじみでつかず離れず遠くから見ていたけど、40歳をすぎたいまようやく思いを伝えられて、寓話的に彼女の娘からのメッセージが紙飛行機になってやってきて受け取った男の話し、「男と点と線」。ごつごつと投げ出されるようなぶつぎりのリズム感の部分が、目にとまって独特で読んでいて心地よい。/ 自由が完成されていないというのは素敵な気分だ。完成品じゃないがゆえに、足がすくむけれど、進みたい。自由につぶされずに、満喫したい。『吉野葛』の津村くんのように。(p.65)(スカートのすそをふんで歩く女)/また暗闇の生活が始まる。ガケップチを手さぐりで進むんだ。年が若いと、死にそうになる。(p.152)(膨張する話)/俺は、仕事だけで生きていくことはできない。綿のような男だ。矛盾しない信念なんて、持たない。いくつかの相反する考えを同時に抱えている。みんなに支えられながら生きている、ふわふわとした生物だ。(p.166)/ジャズを気持ち良いと感じることのできる自分の感受性がギフトのようだ。この耳こそが、神様がくれた蜜。何かを成すことばかりが素晴らしいのではない、感じるだけで、素晴らしいのだ。(p.170)/相手を好きだと思うことは、自分を低くすることなのだ。相手に優しくする権利が自分にあるというだけで、嬉しいことなのだ。(p.174)(男と点と線)
北海道教育社 (1984-06)
読了日:2014年2月8日
30年前の札幌ガイド。独断と偏見で選んだという力みがいっそすがすがしい。30年前にこんな店や場所があり、こんな人たちが通っていた、というのを知ることが出来るのは興味深い。大半の店はもうないのだけど。おでんの小春とかどっこいしぶとく生き残っているところもあり。冒頭の札幌人分析みたいなところも現在と引比べてみておもしろい。当時はラーメン600円、タクシー初乗り400円、靴みがき300円、市内中心部の駐車場一時間300円というのが相場だったようで。モノの値上がり方というのも一様ではなく。編集部が選んだ喫茶店セレクション20、50人が選んだ50軒の飲み屋が読み応えあって好きでした。
檸檬・ある心の風景 (旺文社文庫 51-1)
梶井 基次郎 / 旺文社 (1972-01)
読了日:2014年2月7日
森崎書店の日々、つながり。ある心の風景、のみ青空文庫にて。/色街に通ううちに病を患い、その療養中、欅の樹の風にそよぐ高い梢に心惹かれた主人公の、「視ること、それはもうなにかなのだ。自分の魂の一部分あるは全部がそれに乗り移ることなのだ」という独白。森崎書店の日々でも引かれたこの部分は印象に残る。また最後の「私の病んでいる生き物。私は暗闇のなかにやがて消えてしまう。しかしお前は睡らないでひとりおきているように思える。そとの虫のように・・・青い燐光を燃しながら・・・・・・」も。
みかこさん 1巻 (モーニングKCDX)
今日 マチ子 / 講談社 (2009-10-23)
読了日:2014年2月7日
ちょっと人より感情を出さず、ウサギのようにかわいらしいともだちを愛しみ、髪が長くて少し意地悪でやんちゃな隣の席の男子が気になり、悲しみには慣れた?と聞いてくれる新しい母親に少しずつ馴染んでゆく高校生みかこさん。オールカラーの柔らかいタッチで描かれる日常生活にゆったりした気持ちと微笑ましさがこみ上げてくる。
或る少女の死まで―他二篇 (岩波文庫)
室生 犀星 / 岩波書店 (2003-11-14)
読了日:2014年2月6日
森崎書店の日々、つながり。表題作のみ、青空文庫で。/作家の主人公が、酒場で大きく澄んだ眼でみつめつつ、眠りながら覚めつつお酌をしてくれる小さな女の子。酒場のケンカに巻き込まれ、暗く沈んだ冷たく硬い気持ちを抱き、居を移した先に居た小さな女の子。借金取りも機転を利かして追い返してくれる、見てて澄んだ気持ちにしてくれた美しく、小さな女の子。片や死んだときき、片や身体を悪くしてふせっていると聞く。哀感がこめられ。
森崎書店の日々 (小学館文庫)
八木沢 里志 / 小学館 (2010-09-07)
読了日:2014年2月5日
恋に仕事にやぶれ、叔父がやっている近代日本文学を専門とする古本屋の二階に転がり込んだ貴子。最初は本にも神保町にも興味なく、いやいや店番しつつ、眠りに眠りに眠る。しかしある時眠れずふと手に取った室生犀星の本が面白くて、それを皮切りに寝る間も惜しんで本を読み、叔父や常連さんと語り、近所の喫茶店で楽しい時間をすごし、友だちもでき、叔父の後押しでつかえていた思いを自分を手ひどくふった相手に吐き出し、前を向いて部屋を借り仕事を見つけるまでの回復の物語。じんわりと心が暖まるような。後半は、かえってきたサトル叔父さんの奥さんをめぐる物語。/ときには人生、立ち止まってみることも大切だよ。これもまあ、人生という長い旅における一休みさ。ここは波止場であり、君という船は、しばらくここで錨をおろしているってだけだよ。で、よく休んだら、また船出をすればいい。(p.46)/それは、心の問題なんだ。どこにいようと、誰といようと、自分の心に正直でいれば、そこは自分の場所なんだ。(p.75)/サトルおじさんの言葉が染みてくる。/和田さん「別に詳しいとか詳しくないとかは関係ないんじゃないかなあ。それを言ったら、僕だって大して知らないしね。それよりも一冊の本と出会って、それでどれだけ心を動かされるかってことが大事なんでないでしょうか」(p.128)/貴子が作中、手に取った、室生犀星「或る少女の死まで」、梶井基次郎「ある心の風景」を手にとってみたいと思い、読み始めたところ。
おとりよせ王子 飯田好実 4 (ゼノンコミックス)
高瀬志帆 / 徳間書店 (2014-01-20)
読了日:2014年2月2日
越前蟹味噌バターといぶりたけのこは、食べてみたい!と思った(*^_^*)
サヨナラフラグ (フィールコミックス) (Feelコミックス)
マキヒロチ / 祥伝社 (2014-01-08)
読了日:2014年2月2日
いつかティファニーで朝食を、のマキヒロチが描く、失恋ものがたくさん、な短編集。スミちゃんの、私黙りたくない!に、ハッとし、元カレと元カノが、嫌いだったことリストを持ち寄って見せあって、気持ちの行き違いに気付いたシーンにホッとしたり、付き合ってた付き合ってる同士の男女三人が、別々に女子会男子会してるストーリーのにぎやかさとか。
森を見る力: インターネット以後の社会を生きる
橘川幸夫 / 晶文社 (2014-01-21)
読了日:2014年2月2日
コミュニティが時代の移り変わりを読み解く鍵。個人的には、確かに今までの枠組みのどこかに自分のアイデンティティをあてはめるのは忌避したいように思うので、ストンと腑に落ちてきた。またコンドーム以前/以後での生まれてきた子供の意識の変遷、というのは面白い視点と感じた。またとりあげられた様々なオーナー型のビジネスは印象に残り、さらに自分でも調べてみたい、知りたいと思った。/以下備忘録的に。「まいばすけっと」の戦略は既存のコンビニを潰すことで市場を取ろうとしている。/変わったのは、政治家でも有権者でもなく、コミュニティなのだ。僕たちは、かつてのように、何らかのコミュニティに所属しているという意識を失っている。(p.102)/平時における政治家の最大のテーマは税制ではなく、国民の生命・生活を守るための雇用問題(労働環境)の安定化である。(p.118)/コンドーム普及以前に生まれた子供は、本当に望まれて生まれたか疑問を感じるが、普及後は望まれて生まれた、と自信を持って言える、ってそういう視点で思ったことはなかったな。今またデキちゃった婚で生まれた子供がどんな意識を迎えるか、と。/共同体の中では、トラブルもあるだろうし、不愉快なことに直面することもあるだろう。そういう時に、普通に文句を言えばいいのに、キレてしまう。お互い様という、共同体の気分が失われているのだろう。(p.138)/市原織江、蜷川実花のスタバ本、600円定価で飲み物が飲める。/テレビマンユニオンの著作「お前はただの現在にすぎない」。タイトルはレオン・トロツキーの言葉。まさにテレビというものが「現在」を写し出すところに最大の価値を見出したものであった。/0.8秒と衝撃、自主制作、YouTube,Twitterでアピール。/ジョブズから学ぶものはプレゼン技術でも、強引な交渉力でもない。一人の人間が自分が最初に感じたものを忘れることなく、誤摩化すことなく、追求し続けること。(p.204)/Twitterの言葉とは、140文字の定型詩である。詩と論争はできないし、してはならない。人々の詩としての声を受けとめ、自らが言うかもしれない言葉として受け取る。(p.224)/旅行者の側に立った代理店になれば、新しい旅行コミュニティが出来る。それを「中抜き」の反対で「中入れ」と名付けた。(p.238)/地域に根ざした仕事はこれから拡大すべき、「農民カフェ」「グラッチャ」の活動はその端緒/奄美大島のカヌーインストラクター「海辺のさんぽ社」、肉球マシュマロショップ「やわはだ」/YouTube芸人「MEGWIN」、「オレがオレにオンデマンド」/Yasu SenoのToneSphere. インディーズのミュージシャンと直接交渉して楽曲使用。/オウテカ(幾何学的なミュージックビデオで有名なテクノアーティスト)
未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる
ちきりん / 文藝春秋 (2013-06-12)
読了日:2014年2月2日
専業主婦から一念発起、大学教授、売店の営業所長、月商数百万の洋服ブランドを立ち上げたり、というケースを紹介したあとに、20年も企業社会で働きながら、「組織を離れて食べていくなんて自分にはとても無理」とか、「そんなことができるのは特殊な才能に恵まれた人だけ」などとうそぶくことが、どれほど恥ずかしいことかわかろうというものです。/大事なことは、どんどん延びる定年まで無思考に今の働き方を続けるのではなく、これからという40代のタイミングで、自分の意思をもって次の働き方を設計すること。ご褒美としての「自分のためのオリジナルな人生」/人生再設計が可能になるかどうかは収入ではなく支出のマネジメントにかかっている/サガンに、つきあう人を選べ、騙されているという人々に対し、「たとえそういうことが起こって、眠れないほどつらくて悲しい日が週に3日あったとしても、嬉しくて楽しくて眠れない日が1日でもあるならば、私はそういう人生の方を選ぶでしょう」/「ちきりんさん、大半の人間は特にやりたいことなんてないんですよ」/幸せなんて所詮、自己満足です。自分が楽しければ他人の目は気にならないし、世間体が悪くても傍目にはイケてなくても、もちろんお金が得られなくても、全く問題ないと思えるくらい好きなことがあるからこそ、人生が変えられるのです。/手に入れたいものが明確になるのは、自分のオリジナル人生を始めるために最も重要な、そして最初に必要なステップ/
食べる。 (集英社文庫 な 58-2)
中村 安希 / 集英社 (2014-01-17)
読了日:2014年2月1日
世界旅行記、インパラの朝、が印象的だった著者の食べ物エッセイ。いや、、、食べ物エッセイてくくるときの軽みよりは、もっと重く、食とは、と考えてしまいそうな本。16カ国の食べ物エピソードは、インパラの朝の時の旅行からとったのだろうか。「この豊かな村で、家族や友人に囲まれて、僕は母の面倒を見ながらのんびりと暮らしていくよ。お金にならない仕事をして、お金を使う必要のない暮らしに戻りたいんだ。」(水−スーダン)/全てが適当で、言い換えるとかなりいい加減だった。正確には、みんなとてもリラックスしていて、彼に解説を求めるなら、それはつまり香港スタイルということだった。(BBQ-香港)/ナゾは、青野菜が入ったココナッツソースを白米にかけて食べていた。(キャッサバのココナッツミルク煮込み)/「スリーステップフード?」三つのバケツに水を汲み溜め、汚れた食器を、一、二、三と順番に浸し、ろくすっぽ洗いもすすぎもしないで、また料理をのせて客に出す。(臭臭鍋と臭豆腐ー台湾)。/私は手にした茶碗を鼻先に近づけ、少し香りを嗅いでから甘さを舌で確かめた。それは私が愛したグリーンティで、それ以上でも、またそれ以下でもない。(グリーンティーパキスタン)/「自分の不幸や不満を誰かのせいにしているうちは、いい運命なんて開けてこない」(Tamagoyakiとコンポートールーマニア)


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2014年02月01日

2014年01月に読んだ本

期間 : 2014年01月
読了数 : 44 冊
われに五月を (ハルキ文庫)
寺山 修司 / 角川春樹事務所 (2000-04)
読了日:2014年1月31日
ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~つながりで。鮮烈な、これが二十歳の作品なのかと思うと、なおさら。短歌、詩、俳句、ショートストーリーで構成された初作品集/あゝ五月暗き馬小舎にて読みしジャンコクトオも肥料の匂い/川舟の少年われが吐き捨てし葡萄の種のごとき昨日よ/春は巨きパイプが大地を貫きて来て吹きだせり青春も斯く/ふりむけばすぐ海青し青春は頬をかすめて時過ぎてゆく/軒燕古書売りし日は海へ行く/石狩まで幌の灯赤しチェホフ忌/胸病めばわれにも青き山河ありスケッチブック閉じて眠れど/桃ふとる夜は怒りを詩にこめて/玫瑰に砂とぶ日なり耳鳴りす/旅愁とは雨の車窓に夜の林檎
山際 淳司 / 講談社 (1989-03)
読了日:2014年1月30日
営業の終わった地下鉄構内を闊歩することを楽しむ人々。人妻をホテルに連れ込んでおいて、タンゴを踊ろうと言い出す男。低気圧が近づくと身体が膨らんで感じる、と彼女の誘いも断ってスカッシュに挑む男。なかなかない、どこにでもいるよな猫の剥製をかったばかりに巻き込まれたちょっとした趣向とどこまでが現実で幻想かわからない綺譚。解体屋の男が見上げた空の流れていく雲から、あふれるばかりの思いがながれこんできて、都会の路上で眩暈し膝をつく一瞬。日々何千枚と現像するなかにふと見付けた過去の自分が映り込んだ写真をみつけ、それを出した今は結婚している昔の彼女と再会した男。タイムキーパーの女性の自負。ADをしながらこだわりにこだわりぬいたエキストラを目指す男。東京湾をなんの目的もなくボートで渡ろうとする写真家。前に聞いた幸福橋をさがしに酔って雨の中さまよい職質された男。かなり高い値段をとるけど、桜吹雪を提供するという男の話しにのった男。都会にさまよう人々を描く、さまざまな話し。で、なんなの?という後味から、不思議な感触を残す話し、ありそうでなさそうな事象のマニアを描く綺譚チックな話し。ほんとうにさまざまで、他の小説にも手を伸ばしてみたくなった。
四月は君の嘘(8) (月刊マガジンKC)
新川 直司 / 講談社 (2014-01-17)
読了日:2014年1月26日
宝石の国(2) (アフタヌーンKC)
市川 春子 / 講談社 (2014-01-23)
読了日:2014年1月26日
死は何もかも台無しにする代わりに生を価値あるものにする そう悪いものでもない(貝の王)。信じて、あざむかれ、両足と多くの記憶を失ったフォス。むかし、この星ににんげんという生き物ありて、魂と肉と骨に分かれて海にもぐりて、今に至るという、伝承も忘れ。俊足を手にいれ、アメシストの双子に預けられるが、、。
ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)
三上延 / KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014-01-24)
読了日:2014年1月26日
大輔の栞子への告白の回答が保留されて、答えが出るまでの物語、最後に波乱の芽を投げかけつつ。彷書月刊、ブラックジャック、寺山修司「われに五月を」、ブローディガン「愛のゆくえ」を章のタイトルとして。手塚治虫が、単行本収録にあたって、版を重ねるごとに細かく改訂していった側面があって、様々なバージョンが存在することは、初めて知った。志田「失敗してもやり直せる、なんてよく言うがな、失敗の後でやり直すのがどんなに難しいか、目の当たりにした人間でなきゃ分からねえもんだ。そうして、一旦逃げちまえば、大概のことは取り返しがつかねえ」。浪江「どうせ仲直りするなら、諍いなんかしなければよかった。時間は限られていたのに、誰も気がついていなかった。そのことをずっと、わたしは忘れないでいるつもり」。栞子「現実を実り多いものにするために、わたしたちは物語を読むんです。」
ウィニング・ボールを君に (角川文庫)
山際 淳司 / 角川書店 (1999-08)
読了日:2014年1月24日
著者最後のエッセイ集。/三十代の後半というプロ野球選手としては下り坂にさしかかりがちな時期に、敢然とアクセルを踏み込んだ村田兆治の二百勝の重み/選手経験ゼロでワールドカップ決勝に進出したイタリア代表チームの監督にまで上り詰めたアリーゴ・サッキの物語には興味を惹かれる/監督就任をめぐる王貞治の独白「いいことはないんだよ。何もしないほうがいいくらいだ。でもやらないわけにはいかない」/サッチェル・ペイジ。42歳でMLBデビューして6勝1敗、45歳のとき12勝し、59歳でもマウンドに上がった。若い時黒人リーグでしかプレーできず、人種差別撤廃によりメジャーにあがれた、と/サッカードイツ代表のユルゲン・コーラー「結果には満足できないが、これがフットボールなんだ、とね。われわれは勝つときも一緒なら負けるときも一緒。今はつらいけど、でもわれわれは前を見続けれなければいけない。前進するんだ」/世界的な名レフェリー、ジャック・テイラー、王者マイク・タイソンが見せた弱さや脆さ、一度引退し牧場運営しつつ宣教師になったのに再びリングに戻ってきたジョージ・フォアマンの物語、にも興味を惹かれる。
BIRD (講談社MOOK)
ユーフォリアファクトリー / 講談社 (2013-09-18)
読了日:2014年1月24日
ビョーク、オーロラ、映画コールド・フィーバー。街中の人が自然にアートに親しみ、人口の少ない国家だからこそ女性の社会進出が進み、2008年の経済危機も、通貨切下、銀行国有化、外国の債券踏み倒しで、急激に立て直し、と。レイキャビクのコンパクトでキュートな街の佇まいも見てみたい。あと、特集外だけど、バルセロナに住む女子大生の一日みたいなコラムも面白かった。にしても、同じところが出してるようだけと、同じ方向性に思えるBirdとTransitの住み分けはどのようにされてるのだろうか。
山際 淳司 / 角川書店 (1987-04)
読了日:2014年1月21日
巻頭にベルナール・イノーとジャック・レモンをめぐるツール・ド・フランスの話し、巻末に不敵に笑う荒木大輔の話しを置き、あいだにAからZまでのキーワードをちりばめたエッセイが置かれる。カーブについて、曲がったことは楽しい、としめくくられる一編。ロアルド・ダールの「南から来た男」、小指一本とキャデラックをめぐる賭けはどちらに転がったのか。もし日本に来ずにアメリカで野球をつづけていたら?というスポーツ・イラストレイテッドの記者に、「せいぜいのところ、スポーツ・イラストレイテッドのライターぐらいにしかなれなかったろうね」と切り返すケン・モッカの皮肉とユーモアのセンス。ヘミングウェイの勝者は何もとらない、というタイトルは、由来がはっきりとわかる一編が収められているわけではない、それは読者がそれぞれ考えればいいことなのかもしれない、ということ。/「勝者は同情してはいけない。堂々と、おれが勝ったのだと叫ばなければいけない。それが最もジェントルな勝者のマナーなのではないだろうか」/といったあたりが目にとまったところ。
明日また電話するよ
山本 直樹 / イースト・プレス (2008-07-17)
読了日:2014年1月20日
ギャルとギャル男の文化人類学 (新潮新書)
荒井 悠介 / 新潮社 (2009-10)
読了日:2014年1月19日
The new classicというブログの「修士論文が元になった瞠目すべき学術書6選」(http://newclassic.jp/archives/157)で見かけ、手にとる。/かつてサークルの代表を務め、その後大学院に進学した著者が、再度イベサー時代の外見を身にまとい、フィールドワークしたもの。/著者がサークルに入ったきっかけは、ここならノリの合う友だちもできるし、武勇伝もできる、と思い酔った勢い。/早く遊んで、早く落ち着く価値観。警察に代表される公的機関に相談することは美意識に反する、アウトローとしての誇り。本音と建前を使い分け、キャラを作ってそれを演じ、実態まではふみこませない、お互い踏み込まないことが暗黙の了解。意外と保守的というか、社会の縮図みたいなところがある。そこにアウトロー風の味付けがされているだけで。中に入れば、厳しい上下関係、対外交渉、内部の結束を固めるための「ナゴミ」、内務的な仕事、少ない時間、かかる費用、上に立つプレッシャーなど、傍から見られるほど遊んでいるわけでもなく、正直割に合わないのではないか、とも思えるけど、若いうちにヤンチャしなかった/できなかった身には見えないものがあるのだろうか、と。
東京ロンダリング (集英社文庫 は 40-1)
原田 ひ香 / 集英社 (2013-12-13)
読了日:2014年1月19日
内田えりこ32歳。居住者が自殺したり変死したりした部屋に一箇月だけ住んで、渡り歩く。借り手のつかない部屋の経歴をロンダリングするために。次に借りる居住者には説明義務があるが、次の次の居住者には説明義務がないことを逆手にとって。ワケありでふらりと不動産屋にとびこみ、ロンダリングに向いてそうだと見定められ。超ぼろいアパートから最新鋭最高級のタワーマンションまで。最初は抜け殻のように、どうせひと月のつき合いなんだし、と投げやりだったところに、下町特有のともすればおせっかいととられかねない親切心に引き込まれ、情にふれ、また自分が守りたいもののために、敢然と立ち向かう強さ、したたかさを身につけ、自分の軸を据えるところまでが描かれる。心あたたまる一冊。
きょうは会社休みます。 5 (マーガレットコミックス)
藤村 真理 / 集英社 (2013-12-25)
読了日:2014年1月18日
江の島ワイキキ食堂(6) (ねこぱんちコミックス)
岡井 ハルコ / 少年画報社 (2014-01-14)
読了日:2014年1月18日
江ノ島ワイキキ食堂に住み着く、実は人間の言葉をしゃべれる猫、オードリー。厨房にミートソース頼んで、ラップして、スケボーにのせて、「アルデンテのうちに届けなきゃ」というシーンはおかしくておかしくて。ほかに、店主の頼ちゃんが、店を開く前のストーリーも。
純喫茶トルンカ (徳間文庫)
八木沢 里志 / 徳間書店 (2013-11-01)
読了日:2014年1月18日
純喫茶トルンカを舞台にしたみっつのストーリー。永いこと会いたくて、それを最初は明らかにせずに会いにいく、あるいは、二度と会えない人の面影をその彼氏に重ね合わせる話。静かな余韻を残してくれる。バカだバカだ、と言われつつ、看板娘の雫の幼なじみ浩太が、いい男に見えてくる。
桃山ビート・トライブ (集英社文庫)
天野 純希 / 集英社 (2010-09-17)
読了日:2014年1月18日
踊りのちほ、太鼓の弥助、三味線の藤次郎、笛の小平太。秀吉政権末期、大阪。金やら地位のあるもんにおとなしく聞かせるなんてくそくらえ。いままでの芸能の世界を叩き壊し、斬新な音楽で斬り込み、ひとびとを熱狂させ、激しく踊らせる。ひとびとを統制しようとする時の政権に目をつけられ、生きづらくなっていく中、文化に深く通じた庇護者として描かれる関白秀次。彼の一族の処刑時におきたことは、この物語の一番のクライマックス。踊りと抵抗と。弥助のアフリカへの里帰りに、みなついていくエンディングもあかるさを感じさせて。ライブ好き、クラブ好きには特に楽しく痛快に読める一冊だった。
続 大阪学(新潮文庫お41-2)
大谷 晃一 / 新潮社 (1997-11)
読了日:2014年1月16日
続編は、阪神タイガース、お好み焼き、インスタントラーメン、大阪弁、ファッション、宝塚歌劇、テレビ番組、コマーシャル、天神祭、船場商法、松下商法、グリコとサントリー、の各テーマ。前巻よりぐっと現代よりのテーマに。/才覚、算用、勤勉、倹約。船場の商法の根本。これに徹すればがめついと言われるだろう。/ビール事業進出の決意を佐治信治郎に打ち明けた佐治敬三。「やってみなはれ」/サントリーの宣伝部。「トリスを飲んでハワイへ行こう」の山口瞳、「トリスを飲んで 『人間』らしく やりたいナ」の開高健。/松下、グリコ、サントリー、タイガース、宝塚、日清食品については簡潔に歴史がわかり興味深い。
おくのほそ道(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
角川書店 / 角川書店 (2001-07)
読了日:2014年1月14日
世界文学全集のチャトウィン「パタゴニア」の解説で、池澤夏樹が、チャトウィンはおくのほそ道を愛読していて影響を受けていた旨の一節を記していたので、興味を持ち手にとる。江戸を出発して、東北、北陸をぐるりとまわって、大垣までの旅。これ解説がないと味わえないところ多々あるなと思った。出典や、人間関係や当時の時代状況など。実際には誤伝でも芭蕉がそのまま記していたり、あるいは曾良の「随行日記」で、旅程の順序や内容が記されていて、記述が相違していたり。けど、俳諧の味を味わわせてくれる、静と動、ふとした可笑しみなど、旅程の順序を入れ替えたり、快適な旅と難渋した旅を配置の妙で強弱つけたり。おそらくファンタジーだったのでは、その土地に自分の想念を重ねただけでは、などといった箇所を楽しむことができた。/世の人の見付けぬ花や軒の栗/羇旅辺土の行脚、捨身無常の観念、道路に死なん、これ天の命なり(飯塚)/奥の細道−仙台市岩切から多賀城市の多賀城国府にかけての、旧七北田川に沿う道/あまりの絶景に、芭蕉は絶句。「松島や、ああ松島や、松島や」という伝芭蕉作は、近代に作られた観光用のコピー/閑かさや岩にしみ入る蝉の声。立石寺は、この句に触れて、実際に行ってみたいところとなった。/五月雨をあつめて早し最上川/湯殿山銭踏む道の涙かな。曾良が感慨をもちながら拾うのを禁じられた賽銭をふみふみ上って行くのが目に浮かぶよう/暑き日を海に入れたり最上川/不易流行、風雅の誠。
私の彼は仕事ができない 1 (ゼノンコミックス)
山田可南 / 徳間書店 (2013-11-20)
読了日:2014年1月13日
書店員のはる奈の職場に、部下として彼氏がやってきた!てかんしで。ほんとこれ気ぃ使いそうですね、仕事以外のことで。書店員の仕事にも触れられちょっと興味津々。
食戟のソーマ 5 (ジャンプコミックス)
附田 祐斗 , 佐伯 俊 / 集英社 (2013-12-04)
読了日:2014年1月13日
一〜五巻まで読了。対決がメインの料理漫画。実家の定食屋を父が二〜三年閉めるのを契機に、料理学校へ送り込まれた創真。そこは、ひとにぎりのものしか卒業できない厳しい学校だった、、、。なかなかエンターテイメントとして面白く作られていたと感じた。
たとえば好き たとえば嫌い 安井かずみアンソロジー
安井 かずみ / 河出書房新社 (2011-08-24)
読了日:2014年1月13日
山崎まどか「ブック・イン・ピンク―おしゃれ古本ガイド」に触発されて。/ありもしない「何かいいこと」をいらいら待つより、今ある自分の日常の中に、心をやわらかくして「小さな、何かいいこと」をみつけ出していくくせをもつ方が素敵だと思う。(p.19)/出会いは、人生のヒントだ。神から与えられたヒントをどう捕え、どう生かし、どう発展させるか。それとも断ち切るか、無視して通り過ぎるか、によって、その人の人生が色づけされていくように思う。(p.42)/(1)窓を開けろ (2)深呼吸をしろ (3)暖かいお湯でも飲め (4)そして俺のことでも考えて (5)眠れ……ですって。(p.87)/マラケシュの赤い眩暈。マラケシュでみたアクセサリーにヒントを得て、ベルト制作に没頭していて、百本目を作りかけていた時、ずっと迷っていた離婚を決意、別れた夫のいるニューヨークより、ひとりでパリに飛び立つほかないと考えざるを得なかった、と。…なぜそうしなければいけなかったのか、傍からはわからないけれど。/キャンティの女主人の、相談事の回答。「大丈夫よ、行きなさいよ、何とか成るわよ」「平っちゃらよ、遣りなさいよ」「いいじゃない、お買いなさいよ」「気にすることないわよ、そんなの放っときなさいよ」/アダモ、ジョニー・アリディ、フランソワーズ・アリディ、そしてサルヴァトーレ・ダリ。大スター、アーティストたちとの交遊もさらりと語られる。
クロコーチ(3) (ニチブンコミックス)
リチャード・ウー , コウノコウジ / 日本文芸社 (2013-12-06)
読了日:2014年1月13日
警察内互助会、警官殺し、三億円事件、連合赤軍まで出てきて、クロコーチ、清家管理官の調査の手は核心にかかりそうにも見えるが。さて、次巻はどうなることか。
コミック版 ふるさと銀河線 軌道春秋
深沢 かすみ / 双葉社 (2013-12-21)
読了日:2014年1月12日
表題作は、2006年に廃止となった北海道の池田町ー北見市間を結んでいたふるさと銀河線が舞台。見えすぎて、自分の中の演劇の夢を諦めようとする女子高生と、後押ししようとする兄と担任教師、といった話し。/また、以前の部屋にこっそり合鍵でしのびこみ、持ち主がいない間だけすごす証券会社社員の話しも、静かに心に残る。みったくなく生きていたって、いいじゃないか、という呼びかけと自らへの宣言が。
デリワゴン(1) (アクションコミックス)
伊野 ナユタ , 阿部 定治 / 双葉社 (2013-10-28)
読了日:2014年1月12日
デリヘルの運転手をつとめるユキを主人公とした物語。気は優しくて力持ちだけど、それだけじゃ迫力がなくて、店長にいかつい衣装をもらってつとめるものの。。。ワケありの東京へ出てきた理由のストーリー、屈託のない笑顔が、ささくれたデリヘル嬢にあたえる安らぎ、ユキをみいだし、かわいがる店長の心意気。
夫婦善哉
織田 作之助 /
読了日:2014年1月12日
大谷晃一「大阪学」つながり。何度、放蕩して散財して不義理して浮気しても、柳吉を折檻しても、一度も手放しはしない蝶子…そういうものだと思い極めてるのか、何があっても、自分で商売したり金策したりして、生活していこうとする。周りの目も、一概に柳吉に厳しいかとおもいきや、同情的なものもあったり。北の国とは違う、大阪の情なのだろうか。当時の、ということもあるだろけど。
いつかティファニーで朝食を  4 (BUNCH COMICS)
マキ ヒロチ / 新潮社 (2014-01-09)
読了日:2014年1月12日
郷里に帰って元彼がアプローチしてきたけど実は婚約者がいた、とか、郷里に帰って家業を手伝うことに決めたり、専業主婦から働くことで視界が開けたり、イブの夜にサイト公開の失敗で三人で徹夜する羽目になったり。けど、きみちゃんの十年片思いしていた友人に、もう心中するようなことはできない、と気持ちを伝え、別れをつげ、そのまま箱根までふらりといき、強羅のであたたかなしゃくり豆腐食べながら、冬の女王と旅して、の一節を思い出し、涙するシーンが一番印象に残る。/札幌でアサイーボウル食べられるところあるのだろうか。/きみちゃんがまさかのメガネを外すと美人の漫画界のお約束って。
大阪学(新潮文庫お41-1)
大谷 晃一 / 新潮社 (1996-12)
読了日:2014年1月12日
全員が全員そうではないだろうが、ある種の傾向は示してくれているのだと思う。時代も若干古いが、現在と違うのか、また違わないのか,という点にも興味がわく。東京人に比べて、大阪人は、建前ではなく本音、実質主義。自分を落としてでも相手の笑いをとり、懐に入る。考えときましょ、に代表される、あいまいで広くとれる言葉でやんわりと断り、決して場の空気を悪くせず、親密な気持ちで別れる。商人の町だから、お上になんか頼らん、おいそれとは従わん、自主自営でやりたいようにやらしてもらいまっせ、どんどん変わったことを人に先んじてやり絶えず競争、というスタンス。武士の土地東京とは違うと。谷崎潤一郎の随筆、私の見た大阪及び大阪人、織田作之助あたりは読んでみたくなる。また井原西鶴、上田秋成についても概観。キタとミナミの特質、違いなどもわかりやすかった。
アッコちゃんの時代 (新潮文庫)
林 真理子 / 新潮社 (2007-12-21)
読了日:2014年1月11日
森功「平成経済事件の怪物たち」つながり。最上恒産の会長の愛人をモデルにした小説が林真理子「アッコちゃんの時代」で、という一節を見て手にとる。当時、地方の高校生で、実地に感じたことは「バブルの時代」というものを体感させてくれる一冊。地上げの帝王の愛人、妻子あるプロデューサーの略奪婚、魔性の女、魔性の女と騒がれ書きたてられたが、こちらからすれば一度も求めていない、向こうからやってきただけ、断らないのが悪いなどという女は執拗に圧倒的な力で求められ続けるということがどういうことか知らないだけ、あれだけの若さと美貌に見合っただけのものを、巨万の富を持つ地上げの帝王は金銭面ではくれなかったし、プロデューサーはぜいたくはさせてくれたけど、家族的な愛情は満たされなかった、というのが主人公の言い分。立場が違えば、視点も異なるだろう。それだけの武器を持って生まれたことは羨ましいと思うし、思い切った大胆な生き方だなと思った。
難儀でござる
岩井 三四二 / 光文社 (2006-07-21)
読了日:2014年1月9日
蛍と呼ぶな(京極高次)、しょんべん小僧竹千代(太原雪斎、朝比奈備中守)のみ再読。竹千代のほうは、竹千代(のちの家康)の父の死から、織田家から今川家へと人質を取り戻すまでの悪戦苦闘。禅坊主ゆえの傲慢!と頭に来ながらも、常識人として抗えず、精一杯対抗するも、最後は、雪斎の策に救われる。しかし、傲岸な見切り発車って、、、と思いつつ。最後のワンシーンは、おまえらの領地なんかしょうべんひっかけてわしのものにしてくれるは、という宣言とも無意識の行いともとれる、と。蛍と呼ぶなは、蛍はほのかに光るから風情がある、ああも光られてはたまらんし、かなわん、武功より政治的力量より、ただただ、主君の姉、主君の妻が豊臣家で重きをなしていることのみで遇されるなら、我が力量の意味などござらん、という主君、重臣の鬱屈が描かれる。
リバーシブルマン 2 (ニチブンコミックス)
ナカタニD. / 日本文芸社 (2013-03-18)
読了日:2014年1月9日
正義の女神が、己にしか通じない正義に酔いしれ、暴走したとすれば、と。
平成経済事件の怪物たち (文春新書 952)
森 功 / 文藝春秋 (2013-12-18)
読了日:2014年1月9日
週刊誌記者あがりだからか、対象を怪物、悪者と決めつけ、筆誅をこらすといった姿勢は読み苦しかった。全部がそうとは言わないが、その摘発は公正でしたかと問いたい場面も。またヤメ検弁護士田中森一のコメントが頻出するのは何か深い関係でもあるのだろうか。リクルート事件、イトマン事件、尾上縫や、東京佐川急便事件、などなど概要の把握にはよくまとまっていて有益。田淵節也の嘆いた、清濁併せ呑むから、なんでも透明に、というのは時代の流れかもしれないけど、スケールダウンという点は否めない。不動産王たちの項で、とりあげられた林真理子「アッコちゃんの時代」は読んで見たいと思った。バブルの頃は高野山に墓を作るのがブームだった、儚い夢の跡の供養も担っていた、というのが興味深かった。
ホセ・エルナンデス / たまいらぼ (1981-04)
読了日:2014年1月9日
パンパスの吟遊詩人ガウチョの物語。アルゼンチンでは非常に人口に膾炙していると読み(TRANSIT 21号 アルゼンチン特集)手に取る。家族や仲間と働きつつ楽しく暮らしていたのに、ある日いきなり捕らえられ、国境守備の兵役にとられ、戦の危険と貧窮にさらされ。三年でようやく脱走し、故郷に帰るも家土地家族すべてかき消え。放浪ガウチョとして二年さまようも、ふとした喧嘩で人をあやめお尋ね者に。親友クルスと国境を越え、インディオのところへ身を寄せるが過酷な捕虜扱い。クルスも疫病で死に、白人女性が殺されかけているのを助けてインディオを殺したのをきっかけに五年ぶりに帰郷。息子たち、クルスの子と再会し語り合い、またそれぞれの道へと旅立つ。理不尽な目にあい続けても、己を恃み力強く生き抜いてきたフィエロ。
日本の特別地域 特別編集53 これでいいのか北海道札幌市第二弾
上岡哲次 / 株式会社マイクロマガジン社 (2013-12-25)
読了日:2014年1月8日
シリーズ第二弾。ひとりでこれだけ取材して書いたってのはすごいなあ、と思いつつ、キーワード、札幌人=がんばらない、でぜんぶくくって押し通してしまうのはどうかなあ、と思った。北海道の言葉、習慣が実は東北由来というのは、植民してきたんだし言われてみればなるほどなあ、といったところ。経済観念も二極分化で、交通費までケチって歩く人と、困ったらキャッシングすればいいって人と、て言うけど、そんな両極端少なくとも回りには見かけないけど。北大の「ジンパ」禁止騒動は、ニュースの見出しでしか見てなかったので、経緯がわかって興味深かった。あと、まあ、お上頼みで、なんかあってもその場で文句は言っても、誰か抗議するだろぐらいで大きなムーブメントにならないというのは、なるほど、と思ったけど、札幌気質っていうより、全国的にそうなのでは、といったかんじで、どこまで札幌特有、北海道特有、この時代特有かってのは、切り分けづらいのでは、と思う。
国を蹴った男
伊東 潤 / 講談社 (2012-10-26)
読了日:2014年1月7日
今川氏真、佐久間盛政、山上宗二、石田三成と長束正家、那波無理之介、毛利忠広。歴史的に見れば敗者と呼ばれる人々を取り上げ、別の視点から、輝いていた点を取り出したり、彼らなりの死地に向かうロジックを解き明かしたり、といった戦国時代を題材にした短編集。五助という鞠師の目を通じて、ここまで魅力的な氏真像を描きあげた表題作が秀逸。
サハラに死す――上温湯隆の一生 (ヤマケイ文庫)
上温湯隆 / 山と渓谷社 (2013-01-25)
読了日:2014年1月6日
今から40年近く前に、ひとりで、ラクダとともに、サハラ砂漠を横断しようとして、志半ばで果てた若者がいた。何気なく本屋でタイトルを見て惹かれ、帯に釘付けになり、トンブクトゥが描かれていることを知り、そのままレジに持っていった。求道僧のようにストイックに目指すのかと思いきや、出発地のヌアクショットまで一ヵ月遅れ。何日か飲み過ぎた、みたいなかんじで、普通の青年ぽい。ヌアクショットからトンブクトゥ、ガオの当たりまでは、過酷。渇き、五十度を超える灼熱、ねだりねだられな遊牧民との関係。。/ラクダのサーハビー死後は、ヒッチでニジェールまでたどり着くが、体制を立て直すために、ナイジェリアのラゴスまで南下。日本紙の支局長の厚意で、アルバイトしてお金をためることに。ここを発つ時に、現地日本人にあてた一文は感動的。そこにサハラがあるから、その懐にとびこむ、と。今から考えたら無謀に思えるところもあるのかもしれないけど、そこに向かって行く魂の熱さ、志、誰もやらないことをやってやるという心意気が多くの人々を引きつけ、今にいたるまで語られることになっているのだとおもう。
はみだす力
スプツニ子! / 宝島社 (2013-11-18)
読了日:2014年1月6日
ヤマザキマリ「男性論」を読んだあとだったので、この作者と通ずるものがあるなあ、と思った。日本での同調圧力が息苦しくて、外の世界へと飛び出し、外から見た日本という視点を提示してくれるところが。スプツ二子さんのほうがよりポップに伝えてくれている。「観測されないものは存在しないも同じ」という量子力学の3値論理の考え方は、仕事、恋愛、いろんな場面で応用できる、という指摘。思うだけじゃ、形にしてみないと、伝わらないことはたくさんある。やろうと思ってる、言葉にできない、とか言ってるだけじゃだめだ、と。”私のひかれるアートは、自分の中の「あたりまえ」や「日常」がゆさぶられるもの”。今後の活動もたのしみに見守っていきたい。
木村 英智 / エイチアイディーインターアクティカ (2013-08-08)
読了日:2014年1月5日
そのままでは自然界に存在せず、人の手が加わって初めて存在する金魚。人の世に和やかな空気をもたらしてきた、とされるが、金魚自身はどんな気持ちで泳いでいるのだろうか、と詮無きことを思ってしまう。目の下に大きな袋があったり、目の上にカリフラワーのようなものが乗っていたり、頭部全体がこぶのように盛り上がり赤くなっていたり(これは蘭鋳ね)。けど、目が吸い寄せられ、引き込まれてしまうことは確か。金魚や他の魚も題材にして、これだけ魅せることができるというのは素直にすごいと思ってしまう。唯一無二のアートアクアリウムプロデューサー。巨大金魚鉢にたくさんの金魚を泳がせ、江戸の粋を表現した「花魁」は、会田誠の「ジューサーミキサー」に通ずるものがあると、個人的には思った、ベクトルは違うかもだけど。
夏目友人帳 17 (花とゆめCOMICS)
緑川ゆき / 白泉社 (2014-01-04)
読了日:2014年1月5日
妖と人が惹かれあい、最後は人と共に生きると決めた話し。困難はあるだろうけど、幸あれかしという気持ちになる一編。後日談もあれば読んで見たいもの。感傷などまだまだガキだな、私は面白おかしくヒマつぶしを楽しんでおるのだ、今やりたいように生きるがよい、って、ニャンコ先生、カッコいいよ!ほかに、妖の鬼ごっこに巻き込まれる話し、見える者の、覚悟が定まっていく話など。
男性論 ECCE HOMO (文春新書 934)
ヤマザキ マリ / 文藝春秋 (2013-12-18)
読了日:2014年1月4日
いまとりかかっているというプリニウスの漫画、待ち遠しい。安部公房、こんなにすすめられたら読んでみたくなる。外へでよう!同調圧力には抗議、「普通」を疑え、といままでのヤマザキマリさんの指向をうかがいしることができる。男性論とタイトルにあるけど、それをとおした日本人論でもあるのねこれは。/最初の結婚での詩人との生活のことや、いまネットでは話題になってたテルマエ・ロマエ映画原作料百万円発言の経緯と真意とその後の反響もきっちり書かれている。以下備忘録的に。/”空気を読むことや、変人すぎないことをつねに求められる現在の日本において、ルネサンスの風は吹きにくいのでしょうか?”。/”成熟による美。いま日本で軽んじられて、ほとんどないことにされているのが、この美の価値観ではないでしょうか。”/”ときに、高山病になってください他人の体臭にうんざりしてください。スムーズにいかないコミュニケーションに泣いてください。それが世界だから。”/自分を助けるのは想像力。いいかえるなら、自分自身で時間をかけて「辞書」を作り上げていくこと。書物、絵画、映画、音楽、世界中の街歩き。自分の想像力を駆使することで、今は生きていない人たちとも親密に付き合うことができるわけです。/イタリア映画『昨日・今日・明日』にこめられたイタリア国内の地域差、イタリア式男女関係、宗教の問題、歴史性、ふれてみたい。
包丁人味平 (10) (集英社文庫―コミック版)
ビッグ錠 / 集英社 (1996-06-18)
読了日:2014年1月3日
8-10巻まで読了。カレー対決編。カレー店の出来一つで、デパートの客入りが制されるなんて、今では考えにくいけど、40年前と今では、人々のなかでのデパート、カレー屋、カレーライスの意味も異なっていたということか。味平と鼻田香作の独自のカレーを生み出すための過程は興味深いものがあった。水と福神漬とは、出してみればコロンブスのタマゴだったわけで。大徳の社長さんの「たべ物ちゅうのは不思議なもんでな、はじめ口にあわずキライやったもんを一度好きになるとこらもうだれがなんといおうとはなされんようになってしまうからな」にはうなずくところあり。
包丁人味平 (3) (集英社文庫―コミック版)
ビッグ錠 / 集英社 (1996-02-16)
読了日:2014年1月3日
包丁対決完結。案の定、勝負がついたところで、味とは関係ない曲芸対決だ、と追加の潮勝負が設定される始末。なぜ始める前に誰も指摘しなかったのか、と。ツッコミいれつつ最後まで読んでしまうのだけど。無前提に受け継がれるくだらない伝統やしきたりを、ぶちこわさんとする味平の心意気やよし。
サイバラの部屋 (新潮文庫)
西原 理恵子 / 新潮社 (2013-12-24)
読了日:2014年1月3日
みうらじゅんさんとのやりとりが一番密度濃くスピード感があって読み応えがあった。「疲れるけど、疲れてた方がギンギンなんだよね。死ぬとものすごい長い休暇がもらえるらしいから、今は休まなくてもいいと思って。」(p.182)なんてなかなか言えないよ、みうらさん/そして、今回もサイバラさんの心に留まる箴言がいっぱい。/子育てを通して、男って小さくても大きくても、人の話しを聞いてないと気づかされる。大人の男性が反面教師になったから、息子が何をしても、それに比べれば、と。暴れる夫を見ても「別れなさい」なんて言わずただだまって、そばにいて子どもの面倒を見てくれたあいちゃんの友情の話し。/私は恋人でも親子でもあまり一緒にいないほうが、仲よくなれるんじゃないかと思う。「好きの総量」って決まっている気がするんです。(p.148) 女の子には自立すること、男の子には家庭的な女性を求めない教育。それだけは子供にどうにかしてあげたいですね。あと、自分が大事なのは健康。心の健康ですね。(p.150-151)/2巻・3巻とシリーズ化を希望したいところ。
ブラを捨て旅に出よう 貧乏乙女の“世界一周”旅行記 (講談社文庫)
歩 りえこ / 講談社 (2012-07-13)
読了日:2014年1月3日
アフリカ、アジア、中東、欧米、くまなくまわった女子一人旅。痴漢、レイプ未遂、首締め強盗、ストーカーなどなど危ない目にも多々あっているけれど、なんとかそれをふりきり、人情にふれ、ほのかなロマンスあり、一度の人生やりたいことを思い切りやってやれ、という心意気の伝わってくる、そんな旅行記。オマーンの広大な砂漠や雰囲気が独特なニズワという町を見てみたいと思った。また、スリランカの血のつながってないものも含めて、20人以上の大家族、というのも興味を惹かれた。
リバーシブルマン 1 (ニチブンコミックス)
ナカタニD. / 日本文芸社 (2011-05-28)
読了日:2014年1月2日
ルサンチマン、絶望が限界まで達することで、身体がすべてうらがえり、ゾンビのようになり化物と化す、、、。そこに姉の仇を討つことを目指するなと、うらがえりを始末するために追うロクがからんで、、。描写はグロく読みづらいところも個人的にはあったけど、ストーリーに引き込まれる。
南海の翼 長宗我部元親正伝 (集英社文庫)
天野 純希 / 集英社 (2013-11-20)
読了日:2014年1月1日
戦国時代、四国統一を目前に、秀吉の軍門にくだり、期待していた優秀な長男信親を戸次川の戦いで失い、壊れてしまった長宗我部元親の物語。どう描いても、スッキリと一筋縄ではいかない。毒殺、暗殺、謀略を張り巡らし、またそれらの汚れ仕事を久武親直に采配させ、四国では領土を拡大していくも、結局は、中央の軍にはかなわず、理不尽な九州への出陣で、自分が捨て駒にされていることを知り、息子を奪われ、息子の血を残すことのみ考えて家中を乱し、関ヶ原前に乱を予感し、ひとたび事が起こった場合の構想を楽しみに練っていたところで病に倒れた、と描かれる。己の才を恃むも、どうあがいても一番にはなれない、自負と苦み。


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2014年01月04日

2013年12月に読んだ本

期間 : 2013年12月
読了数 : 43 冊
包丁人味平 (2) (集英社文庫―コミック版)
ビッグ錠 / 集英社 (1995-12-15)
読了日:2013年12月31日
包丁試し編、途中まで。前時代的な包丁人の描き方、味と関係ないのではと思われる料理の技の道、半年の見習いコックにベテラン料理人が対等の勝負を挑む滑稽さなど違和感はあるが、続きは気になる
包丁人味平 (1) (集英社文庫―コミック版)
ビッグ錠 / 集英社 (1995-12-15)
読了日:2013年12月31日
とんび (角川文庫)
重松 清 / 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-10-25)
読了日:2013年12月31日
ムショのなかで唯一泣けた本て堀江氏が書いてたように記憶してたので、旅のお供にほうりこんでおいた本。昭和は戦後すぐぐらいから平成にかけて、トラック運転手のヤスさんが、最愛の妻を得て、子を得て、子供が幼いうちに事故で妻を亡くし、まわりの手に助けられながら、育て上げ、子は旅立ち、妻を得て…とつながっていく物語。正直泣けはしなかったけど、当方、親に愛された記憶はあっても子を持たない身にはまた違った感慨なのだろうか、と思いつつ。事故に際して、もしも、は禁じた方がいい。いつまでも後悔に苦しめられるから。降ってくる悲しみという雪を溶かす海となれ、という海雲和尚のことば。幼いのにヤスのさびしさを気遣えるアキラのとんびっぷり。妻は子ではなく自分をかばおうとして死んだという気遣いのウソ。なのに見透かされていて、さらにそれを胸のうちにしまっていてくれたアキラ。子に寂しい思いをさせるな、親としてただひとつやれないことをアキラと由美さん夫婦につげるヤスさん。心の奥がじんわりとあたたまってくるようなそんな小説だった。
スローカーブを、もう一球 (角川文庫 (5962))
山際 淳司 / 角川書店 (1985-02)
読了日:2013年12月29日
もう何度目になるかわからない再読。そういえば、スローカーブをもう一球の主人公川端さんはその後どうしたのだろう、と思ったらwikipediaに項目がたっていて、甲子園では一回戦敗退、東京学芸大学に進学し教員免許をとり、小学校教員として野球指導している、と記事にあった。そして、31年ぶりに高崎高校が関東大会をかちあがっていって、スタンドで応援する川端さんの写真をWeb上で拝見することができた。/背番号94は、何を甘いこと言ってんだ、と斬って捨てられそうな題材を、哀愁を帯びた色調で訴えかけてくるのはなぜなんだろう。/棒高跳びの人も、スカッシュの人も、一人乗りボートの人も、一瞬の充実感と引き換えに、得たものは…なんて当人ににしかわからないもの。その後の、スローカーブをもう一球で一冊かけそうなぐらい、その後の彼らにも心ひかれる。
江戸城の宮廷政治―熊本藩細川忠興・忠利父子の往復書状 (講談社学術文庫)
山本 博文 / 講談社 (2004-11-11)
読了日:2013年12月29日
細川忠興、細川忠利親子の往復書簡を軸に、江戸前期を描こうとする一作。外様大名家が生き残りをかけ、いかに心を配っていたかがわかる。誰に会え、誰に頼め、誰にこれをもっていけ、どことは頻繁にやりとりせよ、どことは通り一遍でよい、悪く言う者もあるから手柄を吹聴するな、と指示は事細かかつ具体的。細川家の史料をもとにしているから、他家が悪く書かれる面もあるだろうが、このような尽くしようが将軍、幕府から信頼を得て、幕末まで続く要因となったことは確かなようである。忠興が忠利へ、わたしはいつも上様に見られているつもりで行動しているので、いついかなるときでも申し開きができる、と書送っていたように。武力を用いた戦国時代の闘争から、政治の力がぶつかりあう別種の闘争へと移ったあとの時代のことが描かれる。/戦国時代から83歳まで長生きした忠興が、息子忠利の死に目に際し、孫の光尚へ、何も考えられずどうしたらよいかわからない、と書き送った悲嘆は胸にせまってきた。
ハイスコアガール (5) (ビッグガンガンコミックススーパー)
押切 蓮介 / スクウェア・エニックス (2013-12-25)
読了日:2013年12月28日
ただのゲーム好き男子かとおもいきや、ハルオ、オトコマエ。会うのが最後かもといわれても、いつかまた会うこともあうかもしれないんだし、そのときに思い切りゲームをたのしみあえるために、いまを前向きに生きるって。
黒柳 徹子 / 文藝春秋 (1973)
読了日:2013年12月28日
山崎まどか「ブック・イン・ピンク―おしゃれ古本ガイド」つながり。38-39歳ぐらいの黒柳さんのニューヨーク滞在記。みずみずしいというか、すなおにアメリカと日本の違いを楽しんで、伝えてくれる。40年前のアメリカ人が今と同じとは思わないけど。演劇学校に留学だから、観劇の日々でもあり。

ジーザス•クライスト•スーパースター、見たくなってきた。セントラルパークで野外でのんびりオペラ鑑賞なんてのも優雅だなあとおもったり。
藤原 正彦 / 新潮社 (1987-07)
読了日:2013年12月28日
表題作「父の旅 私の旅」のみ読了。息子藤原正彦が、急逝した父新田次郎の取材ノートをもとに、父の足跡をたどりつつ、ポルトガルを一周する、出会う人出会う人に、あなたにとってサウダーデとは、と問いかけながら。新田次郎の絶筆「孤愁-サウダーデ」を書く取材も兼ねてのことだったと思うけど、実際に出版されたのはその25年後のこと。著者に取ってそれだけの熟成期間が必要だったということか。初めてのリスボンの夜で聞いたファド。「会わなければ悲しい。会ったらうれしくてまた悲しい”ととなりの席の女性が英訳してくれて。思わずアマリア・ロドリゲスの音源を引っ張りだして聞いてしまった。「なぜ人は、哀しみを誘うばかりのサウダーデを追い求めるのか。なぜ手放そうとせず、抱きしめたまま死んで行くのだろうか。手放せないと同時に、手放さない様相さえあるのはなぜか。人間の生に根ざすものだからなのか。すなわち、生の軌跡そのものがサウダーデであり、生きる限り、必然的にそれを背負い引きずることになるのだろうか。」(p.61)/ただ、一読して、いくら悼む気持ちがあれど、四十を越えていたはずなのに、ひどくファザコン、と思ってしまった。いやもしかして当時としては当たり前の感情生活だったのだろうか。
サワサワ
中川 真 , 高橋 ヨーコ / 求龍堂 (2003-04)
読了日:2013年12月28日
前半は色とりどりのバリの写真集。色彩があざやか。ケチャの写真なんて躍動感が伝わってきそう。そして子供たちの無垢な笑顔。後半は、バリでもらった仏像から自分にだけ聞こえてた声がある日聞こえなくなり、仏像が涙を流し始めたのをきっかけに、矢もたてもたまらず、日本からバリにかけつけたパンサリのお話。抹茶色のページに書かれた文字は、すこし暗いところだと読みづらいけれど、いい雰囲気を醸してくれている。自分に仏像をつくってくれた親友マデ、前回滞在時の取材コーディネーターとして活躍してくれた魅力的な女性ヤンティ。マデの祖父の死の謎を解くため,ヤンティとの関係を再構築するため、マデの彼女も含めた四人で死者の声が聞こえる森に向かうが、そこで見たものは…。彼らにとって人生の大きな転機となるできごと。祖父からのメッセージ。プニダ島の「パンデ物語」。ヤンティは回復し、パンサリとともに旅立つのだろうな、という予感を秘めさせながら、物語は閉じられる。「バリでは姿は見えなくて、声を通して霊を感じるんだ。声は天界や地下界へ自由に行き来できる。亡くなった人の声はいつも響いていて、この世に触れたときだけ、生きているぼくたちにきこえてくるんだ」(p.217)
優雅の条件
加藤 和彦 / 京阪神エルマガジン社 (1991-02)
読了日:2013年12月27日
山崎まどか「ブック・イン・ピンク―おしゃれ古本ガイド」つながり。各論はざっと読み。総じて、自分だけのスタイルを持て、なにかにハマってみろ、その自分だけのものさしを基準に、自分だけの人生をたのしめる、というところだろうか。「優雅、もしくは優雅に見えるというのは生活を楽しんでいる人にだけ与えられる特権みたいなものである。生活を楽しむというのは、年中遊んでばかりいることではなく、仕事も楽しみ、遊びも楽しみ、食事などももちろん楽しみ、すべてを自分の意志でもって楽しむということだと思う。」(p.196)
マヌエラ アルヴァレス , ジョゼ アルヴァレス / 彩流社 (1992-05)
読了日:2013年12月27日
モラエス関連の三章のみ読了。日本への見方は讃美に満ちているが、ポルトガルへの定見なき批判はいただけない、ポルトガル最後のオリエンタリズムの体現者、その日本理解も日本語が理解できず表面的、とあまり好意的ではないようにとれる。
本の逆襲 (ideaink 〈アイデアインク〉)
内沼 晋太郎 / 朝日出版社 (2013-12-11)
読了日:2013年12月26日
読み終えて、うぉー、こりゃあ、すげえなあと声にでてしまった。紙の本を出発点にしつつ、本の可能性を最大限に押し広げ、様々ななものとコラボレーションすることで生み出されるワクワク感が伝わってくる。本好きにもいままでそれほど本に親しんでない人にも刺さりそう。”「本屋」は「空間」ではなく「人」であり「媒介者」のことである。それはたとえば、必ずしもリアルの「書店」を構えていなくても、「本屋」であるという「あり方」が可能であるということです。"(p.135)
モラエス―サウダーデの旅人
岡村多希子 / モラエス会 (2008-07)
読了日:2013年12月25日
林啓介氏のモラエス評伝にてたびたびその研究が引用されていた岡村多希子氏によるモラエス評伝。簡潔にして、いままでの通説を概観しつつも、その後の研究の成果が盛り込まれ、決定番的な一冊と思える。特に、女性関係については、女性側の非とされていたことも、大半はモラエス側に非があったようにとらえられる。「孤愁」で情感豊かに美しく描かれたヨネとのあいだのことも、実際は、公的な場、社交生活には一切連れ出さず、外国語もできない無教養な女性をつれてあるくなど考えられず、金で買ってかこった女性として私的な愛情生活のなかにだけ閉じ込め、病気で亡くなろうとしているときも、永原デンとの肉体関係を悟られ、なじられている様が描かれ…当時の外国人として一般的な考え方だった、正式に結婚したラフカディオ・ハーンのほうが珍しかったといいわれればそれまでだが、今から考えるとひどい話しで。死後、永原デンに現在で8000万円にあたる多額の遺贈がなされたことも、謎とされるが、そうだろうか、ヨネもコハルもなくして、愛する対象はもはやデンしか残されていなかったのではないだろうか、モラエスのなかでは、と。評伝って、解釈者の余地というのも大きいなと思いつつ。「ぼくの唯一の個人的のぞみは、徳島で死に、ぼくのサウダーデと深くかかわっているこの土地で焼かれ葬られることにつきる。」(p.188)。モラエスの各時代についてバランスよく叙述がさかれ、関わった女性を中心に出会った人が描かれ、簡潔にまとめられていると感じた。
ワカコ酒 2 (ゼノンコミックス)
新久千映 / 徳間書店 (2013-12-20)
読了日:2013年12月23日
麻婆豆腐、あさりの酒蒸し、なめろう、炒りぎんなん、もつ煮込み、鶏ポン酢、豚の生姜焼き、焼き牡蠣!ワカコさんが(女子会編なども一編あったけど基本は)ひとりで飲みに行き、お酒のつまみを深く愛し、その美味しさに、ぷしゅー、ぷしゅしゅー、と感嘆し、さらにまたお酒がすすむ、と。飲みにいくことを、ぶしゅーしにいく、というのは、個人的にはすっかり板についてしまった^^。そして、これをよむと、さらに飲みたくなる。
図書館の主 7 (芳文社コミックス)
篠原ウミハル / 芳文社 (2013-12-16)
読了日:2013年12月23日
神田さんと宮本さんのあいだに、神田さんのお姉さんが入ってきて、かきまわしたり、すこし距離をちかづけたり、童話の末子成功譚が多いことで、長子として悲しく思ったことなど。そして、夏夜さんの自衛隊時代の同僚と、進路を悩む後輩。教科書にのってた芥川龍之介「トロッコ」の深いところに届くような読み方も。
花鳥の乱―利休の七哲 (講談社文庫)
岳 宏一郎 / 講談社 (2001-04)
読了日:2013年12月22日
荒木村重、高山右近、蒲生氏郷、織田有楽。前田利長、細川忠興、古田織部。数え方により諸説或るなか、七哲としてこの七人をとりあげた連作短編。芝山監物や瀬田掃部の物語などもあれば読んでみたいところ。荒木村重。織田信長への謀反、裏切りと言われるが、本人としては、摂津平定に織田兵を一兵も借りておらぬ、他の属将とオレは違う、という強烈な自負があり、それゆえの行動、と語られる。その代償は一族の誅殺と己のみ生き残るという結末だったとしても。高山右近。神の道に生きた求道者、というイメージだったが、戦国武将としてそれなりに貪欲で残忍な面、主家乗っ取りなど酷薄で軽薄な面も持ち合わせていたことが語られる。棄教を勧めに来た利休に、胸を張って、棄てまする、というつもりが口が勝手に棄てません、といったあとは、まさに剛直。信仰以外はすべて棄てて進む様が描かれるが。蒲生氏郷。安部龍太郎「レオン氏郷」と違い、戦場の猛者は、時の権力に従順で、彼の正義感は自分に害の及ばない範囲においてのみ、発揮される、と皮肉な描かれ方をしている。前田利長。凡庸な二代目の皮をかぶった理性鋭い守成の人であった様が描かれる。古田織部。真似ではいけない、自らの作為こそ尊い、とした利休の教えの一番の後継者は己だ、という自負を軸に描かれる。細川忠興。これほど情に厚く、嫉妬深く、理不尽で、剛毅なもの他に非ず、といった様。俄然、興味が出てきた。
IPPO 2 (ヤングジャンプコミックス)
えすとえむ / 集英社 (2013-12-10)
読了日:2013年12月21日
IPPO 1 (ヤングジャンプコミックス)
えすとえむ / 集英社 (2012-12-10)
読了日:2013年12月21日
イタリアの祖父のもとで学び、日本に戻って独立開業した注文靴職人、一条歩の物語。居候的に転がり込んできた靴修理職人あり。義足になった元モデルの新しい一歩に背中を押す一足を作ったり。普段は履かないという靴コレクターにはかずにはおれなくする一足をつくったり。イタリアから連れ戻しに来た修行先の職人。同じく日本で開業しつつも、お前の靴は美しくない、客に媚びすぎている、とわざわざ言いに来た元同僚の先輩。何もわかってない評論家に、一矢むくいるワンシーン。二巻最後の聖者の言葉。美味しんぼが何でも料理で解決するみたく、靴で何でも解決的なお手軽感はあまり感じず。もっと深いところにまでそっと送り届けてくれるような感触。続きが気になる。”手だけで仕事をするものは労働者である/手と頭で仕事をするものは職人である/手と頭…そして心で仕事をするものは...芸術家である/イタリアの聖人の言葉です”
パンとスープとネコ日和
群 ようこ / 角川春樹事務所 (2012-04-15)
読了日:2013年12月21日
なんとなく、その後のかもめ食堂みたいなかんじかな、と思い手に取る。もちろん設定も人物もぜんぜん違うけど。出版社づとめのアキコさんが、編集の部署からの異動をきっかけに、母が遺した食堂を改装して、応募してきたしまちゃんと二人三脚でスープとパンのおいしい店を開く話し。自分らしく、ぶれずに、と思うけど、悩むこともあり、人の暖かさに助けられることもあれば、その逆もあり。穏やかだけど日々は続いていくと感じさせつつ。
エイス(1) (エイス (1))
伊図 透 / 講談社 (2013-05-23)
読了日:2013年12月21日
エイス(2) (エイス (2))
伊図 透 / 講談社 (2013-05-23)
読了日:2013年12月21日
日本で白アリ駆除しつつ、盗聴を趣味にしていた男が、そのことをつかまれ、ある組織が天才的な子供を監視するのに手を貸すことを強いられるところから始まる第一幕。南米はベネズエラに飛んで、新しい発電所と奇妙な「泣ける建築」がセットで建てられ、国民を静かに分断していく様と、反政府組織の活動を描く第二幕。流れを掴みづらいところもあるけど、引き込まれる。「誰も悪くないは、みんな悪いと同じ」
珈琲と雑貨と音楽と―鎌倉のカフェから“好き”をかたちに
堀内 隆志 / 日本放送出版協会 (2006-09)
読了日:2013年12月21日
ざっと読み。だいぶ前に何気なく買った、dimancheが、この店が以前発行していたフリーペーパーを編んだものと知り、この夏ようやくいけた鎌倉のカフェ店主が自ら筆をとった本。最初はフランス風だったのに、あれよあれよとブラジル好きになり、ブラジル料理出すようになったり、ブラジル音楽のレーベル作ったり、ポルトガル語教室の会場にしたり、といった経緯も語られる。ナラ•レオン、あの日からサウダージ、聞いて見たい。そして、ここのカフェのモケッカライスは絶品だった。
トマソン社 (2013-11-01)
読了日:2013年12月20日
那覇の市場の古本屋ウララの宇田さんの連載が載ってる!というのを見かけて購入。宇田サンとお客さんのあたたかいやりとりの二ページだった。その他、林さやかさんの球場に行かない野球雑誌「屋上野球」、興味湧く。なぜに横浜ファンではなく大洋ファンと名乗りたいのか。pippoさんの”詩はSFに乗って”でとりあげられている、丸井栄雄「ぴりあど」抄は、読点の使い方が独特で思わずリズムをとってしまう、読んでてくさびを打ち込まれる感。特集、本と腰痛、では、腰痛と古本屋でエーブックの店主さんが、「ハイエースいっぱいに雑誌やらの大山を買うというスタイル、どうも大量の荷物を扱わないと気分が高揚せず、仕事をしたぁという実感が沸かないのです、と語ってるのをみると、腰痛もむべなるかな、と。しまぶっくさんの、好きなジャンルも?と聞かれ、ないですね、麻雀と一緒ですよ、ツモって捨てる、自分でツモは選べない、なりゆき、その中でどううまく手をつくって捨てるか、という主旨のことおっしゃってて、ここまで割り切るとすがすがしい。
ラテンアメリカ文明の興亡 (世界の歴史)
高橋 均 , 網野 徹哉 / 中央公論社 (1997-11)
読了日:2013年12月19日
スペイン人の都合で書かれた、インカを脆弱で強圧的で正統性のないものとして描いた「インカ史」、スペイン治下のインディオでインカ王族の血を引く著者が、正統性と支配下の民衆が幸せに暮らす素晴らしい帝国としてインカを描いた「インカ皇統史」。両極端の史料のあいだのどこかの地点が真実なのだろうが、文字を持たぬ民の口承による歴史の柔らかさに翻弄されつつ、考古学的成果が解明の糸口になりつつあるとのこと。スペイン王室が一銭もださずに、自腹で民間で企画し実施された征服。コロンブス、バルボア、コルテス、ピサロ。王室からお墨付きを手に入れるため苦心したり、手に入れられず後から来た総督にすべて横取りされたり、配下のものの不満から追放されたり、インディオと手を組まれて暗殺されたり、の波乱万丈。しかし、征服される側にとっては、発見も統治もいたく迷惑この上ないものだったと思われる。ラス・カサスが最後に残ったかすかな良心のように見える。遅れてきた征服者の一員ウリュアのバイオグラフィーも当時の風潮を典型付けているようで興味深い。/南米の独立運動におけるサン・マルティン、シモン・ボリバルの活動の概観。統一的な南米を夢見るも、各地域の遠心的な志向に阻まれ、結果として独立は果たされるものの、彼らが思い描いていた理想とはおそらく違ったものになったと思われる。/近代アルゼンチンの歴史も、集権的思考と遠心的志向の対立で混乱につぐ混乱が続く。ペロンによるポピュリズムが長期間支持を集め、彼の亡命後も、彼なしの党が選挙で勝つほどの影響力をもっていたことが語られる。/キューバ革命については、カストロ、ゲバラの独立戦争の戦いはわずか数行。その後の政策が、急激な社会主義化により、それを担う知識人層が不足し、満足に運営できず、混乱を来たしていたことが語られている。革命の栄光とともに陰もあったことが。
ブック・イン・ピンク―おしゃれ古本ガイド
山崎 まどか / 晶文社 (2004-01)
読了日:2013年12月18日
トロニカがステラプレイスチャレンジショップに出店してたので見かけて購入。フォア・レディースシリーズを扱った一章が特に個人的に興味をそそられる。安井かずみの自己啓発路線以前の本やアルバムに触れてみたくなる。安井かずみ「空にいちばん近い悲しみ」(For Ladies35)、安井かずみ、加藤和彦「ワーキングカップル事情」新潮文庫、加藤和彦エッセイ集「優雅の条件」など。ほかに読みたくなったのは、カポーティ「叶えられた祈り」、黒柳徹子「チャックより愛をこめて」、イーヴリン・ウォー「大転落」、田中康夫「ぼくだけの東京ドライブ」、獅子文六「コーヒーと恋愛」、高橋源一郎「朝、起きて、君には言うことが何もないなら」かな。
金魚屋古書店(15) (IKKI COMIX)
芳崎 せいむ / 小学館 (2013-11-29)
読了日:2013年12月18日
この店には「答え」しかないんだと思う。どこにも「問い」がないんだよ。佐々木マキの漫画には、「答え」だけが描かれてるわけじゃない。問いかけだけが放り出されてたり、その問いさえも中途半端だったりする。ここみたいに立地条件が悪い本屋に人が引きつけられる時には、必ず店の隅にそんな薄暗がりがあるんだよ。/同じ漫画を読んで、同じようにいいなと思った時、その人たちの心は同じ部屋の中にいるんだってさ。いつもいつも何かを品定めし続けて、セドリって因果な商売だよなあ。/斯波さんの言葉から。本読みにささってくるような。岡留さんと斯波さんの出会いと関係が深まっていく様、斯波さんを逆恨みして追いかけてくるコワモテの男、売上げが伸びなくて相談してきた若い店主の葛藤と成長、が描かれる。「やっぱりおおかみ」をはじめとした佐々木マキ作品。ダニエル・クロウズの「ゴーストワールド」、上遠野浩平のブギーポップシリーズ、は手にとってみたいと思った。佐々木マキといえば、村上春樹作品の表紙が印象的だったけど、シュールな作風が持ち味だった時代があったとは。
「美しい日本」に殉じたポルトガル人―評伝モラエス (角川選書)
林 啓介 / 角川書店 (1997-03)
読了日:2013年12月15日
新田次郎、藤原正彦「孤愁 サウダーデ」を読んだのを機に再読。史料や最新の研究、評伝や小説にまで目配りして、できるだけ実証的にモラエスの生涯を再現しようという試み。主に、岡村多希子氏の研究により、新たな知見が得られ、今までの評伝、小説で語られるモラエス像の修正が図られている。たとえば、マカオ時代のモラエスへの左遷の辞令、モラエスからの本国への返信の電信は今まで語られた形では残っていないそうだ。/子供たちへ。最高の教育と就職の世話もし、官職に支障を来さぬ限り、子供達の養育を履行。亜珍もモラエスとの生活の思い出を終生いだいたのでは、と。その後三度、日本のモラエスを見舞う。/1912年は大きなモラエスにとって節目の年。明治天皇崩御、おヨネの病死、祖国の動乱。/祖国の混乱や共和党新政権への不信感といった表面的理由の奥底に、罪の意識とカトリックの死の観念から逃れきれなかったモラエスの苦悩が潜んでいたはずである。(p.212)/異国情緒と追慕こそがモラエスの本質であり、彼がまさにポルトガル人であることを示す特質である。この特質は、日本や日本の女性を愛しながらも、日本人になり切れなかった彼の悲しい性であり限界でもあったといえないだろうか。(pp.214-5)/「わしがしょっちゅうここに来るのはこの二人の女たちを訪ねるためなのさ。人は生きている友だちがいなければ、死んだ友の中に苦悩に対するやさしい慰撫を見出すものだ。なつかしく想う気持ちが彼らの欠点を忘れさせ、美点だけを思い出させる。漠としてとりとめのない想念の中をすばやくよぎる故人の清らかな幻ほど、悲しみにみちた心を心地よくゆさぶるものはない!」(『おヨネとコハル』)。
てぶくろ―ウクライナ民話
アルビン トレッセルト / のら書店 (2005-11)
読了日:2013年12月14日
鴨鴨堂のクリスマス絵本展で手にとる。自分が子供の時に読んだものが、2005年に、よりクールな絵柄でリメイクされたもののようだ。けど、話しの骨子は残っている。少年が落としていった手袋にいろんな動物が暖をとりにきて、クマがはいろうとしてみんなもがいているところに、小さな虫がとびこんだのがとどめの一撃になって、てぶくろは破裂してしまいました、という話し。誰も結局は無理だから入るなと言わずに、場所をつめようとするのが印象的。
キスしたいって言ってみて
デヴィッド・カリ / 千倉書房 (2008-11-05)
読了日:2013年12月14日
鴨鴨堂のクリスマス絵本展で手にとる。ストレートに照れずに語られる愛には、見る側も賞賛を送らずにいられない。世界のさまざまな場所でキミとキスがしたいと結ばれる大人の絵本。
自殺うさぎの本
アンディ ライリー / 青山出版社 (2005-12)
読了日:2013年12月14日
クスクスで見かけて手に取る。ここまで考えつかないだろうというぐらいさまざまな方法で自殺しようとするうさぎのお話。ブラックユーモアといわれても正直見てられないシーンもあったのだけれど。
まってる。
デヴィッド カリ , セルジュ ブロック / 千倉書房 (2006-11-17)
読了日:2013年12月14日
鴨鴨堂のクリスマス絵本展で手にとる。赤い毛糸とシンプルな線画の織りなす、さまざまなシーンを描く。死にかけた妻と夫のあいだの切れかけた毛糸、亡くなったあとの棺を運ぶクルマのかざりになり、新しい命の萌芽になってつながっていくシーンが心に残る。
いいとこ取り! 熟年交際のススメ
西原 理恵子 / 新潮社 (2013-11-29)
読了日:2013年12月14日
一ページめくったあとの見開き二ページのインパクト、強烈だった。激怒しつつケリをかましながらサイバラさんが言った一言は、興味があったら見てみてください。自分の大事なものを上から、子供、仕事、自分の健康、と割り切って、それ以外のものは四位以下にしかならないけど、それでも良ければ、と。そして手は二つしかないんだから、大事なことに注力することが大事、と。/「ウソでもいいから『帰ってきていいよ』と言ってあげなさい」「手をつないで『大丈夫』って言って、幸せに見送ってあげなさい」「すべての患者様には希望しか与えてはいけない」というのが高須家の教え。/「高知生コン事件」。高知人気質をよく表している/女の人ってポイントカード制なんだよ。イヤだなと思うたびにハンコをひとつずつ押していく。相手が気づかないうちにポイントいっぱいになっちゃって、ある日突然キャッシュバックキャンペーン開催。/専業主婦は立派な仕事ですが、非情に不安定な職業だと思います。一生夫が健康で、一生夫の会社がつぶれず、一生夫が自分のことを愛してくれる、という保証の下にしか成り立たない/たぶん、見た目を気にする人には見た目を気にする彼氏がやってくる。お金を気にする人にはお金を気にする彼氏がやってくる。イタイ人にはイタイ彼氏が、つまらない人にはつまらない彼氏がくるんだよ。/「僕、そんなに長く生きられるわけじゃないんで、逆算したら時間がもったいないし、僕、君の笑顔が好きなんだから、笑ってくれないかなぁ……」/「お母さん、僕の『かわし』の力をなめてもらっちゃ困りますよ〜」/「言うこときかんと再婚するぞコラァ」
孤愁〈サウダーデ〉
新田 次郎 , 藤原 正彦 / 文藝春秋 (2012-11-29)
読了日:2013年12月14日
日本を愛し、日本の女性を愛し、日本に骨を埋めた明治時代のポルトガル人モラエスを描いた小説。日本に渡ってきたところから、マカオ所属の軍人としての武器売買・情報収集、領事としての外交活動、日本女性およねさんとの結婚、およねさん死後の徳島での隠棲、その死までが描かれる。/(孤愁を押さえこむために言ったのではない。自分はポルトガルより日本を愛しているのだ。ほんとうに日本で生涯を暮らそうと思っているのだ)p.221/「別れた恋人を思うことも、死んだ人のことを思うことも、過去に訪れた景色を思い出すことも、十年前に大儲けをした日のことを懐しく思い出すのもすべてサウダーデです。そうではありませんか」「そのとおりですが少々付け加えるとすれば、過去を思い出すだけではなく、そうすることによって甘く、悲しい、せつない感情に浸りこむことです」p.243(モラエスと妙国寺の老人)/「僕の心と身体は今、お金より安らかさと穏やかさを欲しているんだ。栄転や昇進がいらないばかりか、何もかも返上して一切の煩わしさから解放され、一人の人間となって田舎に隠棲したいんだ」モラエスは落ち着いた声でそう言った。この頃、モラエスは「方丈記」を繰り返し読んでは鴨長明の思想に慰藉を見出し、それに心酔していた。p.559/コハルへの思いは痛ましいというか、コハル側の断りきれない事情とそれを割り切れないコハル自身とがひきさかれていて、見ていてつらかった。亜珍の思いは、中国の地から一歩も離れたくないと言っていた亜珍が、どうして日本に一生懸命来たがるようになったのか、よくわからなかった。人の気持ちは変わるもの、で片付けられるものなのか。永原デンがその後どうなったのかも気になるところ。
續 さすらいエマノン (リュウコミックス)
鶴田 謙二 , 梶尾 真治 / 徳間書店 (2013-11-30)
読了日:2013年12月11日
続編が出るとは思っていなかった、さすらいエマノン。いい意味で期待を裏切られ。セリフが少なく、絵で語らせる物語。エマノンと良三の出会い、暮らし、結婚、出産、記憶の喪失、引き継がれる記憶、家族の再建、記憶を引き継ぐ娘、と前巻の種明かしが語られる。
きのう何食べた?(8) (モーニングKC)
よしなが ふみ / 講談社 (2013-12-03)
読了日:2013年12月11日
今回の筧さん、出産祝い選びから、憧れの芸能人との会食、お詫びの豪華京都旅行、手作りバレンタイン、自分の名前が赤ん坊の名前に一文字使われたこと、ケンジの父の死、など。モノローグがいちいち可笑しくてツボ。
ザ・シェフ〜ファイナル〜 (ニチブンコミックス)
剣名 舞 / 日本文芸社 (2013-11-28)
読了日:2013年12月9日
ファイナル、というので思わず手に取る。ただ、一方的に彼を敵視するライバルは、作中でも語られるとおり、あまりにあまりな逆恨み。殺されたと、殺されたようなもののあいだには深くて長い溝があるし、与えられた機会に全力を尽くしただけなのに、後ろ指差される言われはないし、その後の顛末は経営者の力不足にしか帰せないのに、と思いつつ。ニヒルさは相変わらずだけど、対決だなんて柄にもない場に出てきたのは変わったといえば変わったところだろうか。最後は、わたしはかわりません、いままでどおりに、と笑って去っていくのだけれど。
利休にたずねよ (PHP文芸文庫)
山本 兼一 / PHP研究所 (2010-10-13)
読了日:2013年12月7日
読み終えて、かなわぬながらも、一度、利休本人の点前を彼のしつらえた室で味わいたい、と思ってしまう。それはどのような企みに満ちて快いものだったのだろうか、と。/前田玄以「たいそうなこと。そこまでして茶を飲まねばならぬか。たかが茶ではないか」/利休「あなたがたは、まだ本当の数寄者とは呼べません。わたしが丸い釜をつかったなら、四角い釜をつかってこそ茶人。人の真似などおもしろくもない」/秀吉「ただ道具を選び、部屋をしつらえ、茶を点てているだけなのに、あの男が手をそめると、そこが星辰の生まれ出づる泉でもあるかのような豊饒にいろどられる。口惜しいながらその審美眼は、神韻縹渺の域に達している」/利休「それはわたしが決めることです。わたしの選んだ品に、伝説が生まれます」/「いや、この恥こそが勉強だ」「ありがたいのは茶の湯である。内心どんなに憎み合っていても、座敷に入って茶をあいだに置けば、礼節をもって話しができる。」「まったく、人の道は茶の湯の道より、奥が深い。」/そして、飾り瓦焼きの名人長次郎に茶碗を発注してのちの利休との丁々発止が印象に残る。
パタゴニア/老いぼれグリンゴ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-8)
ブルース・チャトウィン , カルロス・フエンテス / 河出書房新社 (2009-06-11)
読了日:2013年12月6日
TRANSIT21号アルゼンチン特集に触発されて、手にとる。さまざまなエピソードをつめこんだ紀行文学。作者がふれあう現地のひとびとの親切、おせっかい、ぶっきらぼうさ。アナーキスト、シモン・ラドウィツキーの話し、波瀾万丈のチャーリー・ミルワードの話し、そして、アウラカニアの王になろうとしたオレリー=アントワーヌが皮肉なタッチで描かれているのが興味深かった。あとがきで、池澤夏樹が、チャトウィン「パタゴニア」と奥のほそ道の連関を記していたのをみて、思わず、文庫版奥のほそ道を買ってしまった。
ミツバチのキス 2 (アクションコミックス)
伊図 透 / 双葉社 (2009-06-27)
読了日:2013年12月5日
人にさわるだけでその人の考えや今までしてきたこと、そして未来まですべて読み取れてしまう特殊能力を持つ慧。逃げ出した先は身元をあかさずとも働ける保線会社。そこで本当に純真な同僚タカちゃん、屈折した遠藤、ぶっきらぼうだけどよく見てくれている室田さん、最初は警戒されつつも、徐々に受け容れられてきたと思った矢先の追っ手。未来を伝えても、それでも今の自分の気持ちにまっすぐな行いを選んだタカちゃん。行動によって見えた未来が変わることを念じながら、また日々はつづくといった体で物語はつづく。とあるけれど、三年近く立つのに一向に三巻が出ない。どうしたことやら。
ミツバチのキス 1 (アクションコミックス)
伊図 透 / 双葉社 (2009-01-28)
読了日:2013年12月5日
人にさわるだけでその人の考えや今までしてきたこと、そして未来まですべて読み取れてしまう特殊能力を持つ慧。新興宗教の教団の教勢拡大に使われていたが逃亡。それを国家的に利用しようとする情報機関。監視役の駿河。視るもの視られるもの、それぞれのまっすぐにすすまない思いがからみあい、最後は、と。駿河の「出来事の意味は常に後からやってくる」「だから、最後の答えは常に未来にしかない」「たとえ正しくなくてもハタ迷惑でも自分で自分を裁くのは最大の驕りだからだ」がひとつながりに流れこんでくる。
超思考 (幻冬舎文庫)
北野 武 / 幻冬舎 (2013-08-01)
読了日:2013年12月4日
たけしだから言える、という側面もあるけれど、他の人が言えば叩かれそうな暴論、極論でも、あえて示すことで、思考停止に陥っていませんか?と投げかけてくれる。根っから親切な人なんだと思った。日本人の心のクセ、言霊信仰、口に出したことが現実になると思ってることへの疑義。念仏みたいに原爆反対となても、世界から一発の原発も減らせないのに。今の仕事にやりがいを感じないなら逆にチャンス、この仕事を冷静に見る目を持っていると考えればいい。冷静に見ればどんな仕事でも面白くできる。絵描きを志しつつ映画監督になった黒澤明監督や、タレントが本業の自らが映画監督をすることを引き合いに出しつつ。お前みたいな下ネタオンパレードのやつがいうなと言われるだろうが、そういう下品はいくらでも平気、人に媚を売るような見え透いた真似はどうしてもできない、そっちのほうがよほど品がないと思えてしまう、という矜持。などなど。ほかにも痛いところ刺されてカッとなるようなところもありつつ、じゃあ自分ならどうする?思考をとめてないか、という指針にしていけばよいと思う。
TOKYO一坪遺産 (集英社文庫 さ 53-1)
坂口 恭平 / 集英社 (2013-10-18)
読了日:2013年12月3日
見方を変えるだけで、ただの狭い空間に思えたものが、大きな広がりを見せる、あるいは、都市のど真ん中にあらわれた可動式なプライベートな空間に、ワクワクする。/何人かの路上生活者も同じようなことを言っていた。つまり、自分の家は小さな寝室に過ぎないということだ。そんな風に、自分が暮らしている空間を捉え直すことによって、彼らは無限大の家に住んでいるのである。p.30/「この作家は、まず蟹缶を買ってきて、缶を開けて、中に入っている蟹を食べました。その後、彼は外側のラベルを剥がし、内側に貼り直し、缶の蓋を閉じ、ハンダ付けでまた密閉したのです。さあ、どうなるでしょう」p.34/一つの空間に、駐車場と庭という二つの機能を持たせる。これも、新しく空間を生み出すために有効な考え方だ。駐車場と庭はそれぞれまた複数の機能を含んでいるのではないかと僕は考えている。p.54/「いいや、仕事を三ヶ月休んで、毎日東京中の靴磨きの人たちの仕事っぷりを調べたんだよ。それで、自分なりに色んな人の方法をミックスして今のやり方を作り上げたのね。昔はさ、道が汚かったから泥を落とすだけでよかったんだけど、今はね、道路は綺麗だから泥なんか付かないから。光らせないといけないんだよ」p.68/「いや、普通の本屋じゃもちろん買えないですよ。未来工房を始めてすぐ古本屋の集まりが発行している『日本古書通信』っていう小冊子に広告を載せたんですよ。そしたら会員が五、六十人ぐらい集まった。その後は、口コミなんかで広まっていったんですよ」p.141
間取りの手帖remix (ちくま文庫)
佐藤 和歌子 / 筑摩書房 (2007-03)
読了日:2013年12月1日
一度は手放したものの、最近物件さがしにハマってる同僚に見せたくて、買い戻し。再読したけど、やっぱり可笑しい。こんな間取りどこから見つけてきたんだというのと、ピリリと黒いコメントがあいまって。


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2013年12月01日

2013年11月に読んだ本

期間 : 2013年11月
読了数 : 27 冊
カラー版 パタゴニアを行く―世界でもっとも美しい大地 (中公新書)
野村 哲也 / 中央公論新社 (2011-01)
読了日:2013年11月30日
美しくも力強いパタゴニアの風景写真を堪能できる。迫力のある氷河、まばゆいばかりの星空、燃えるような夕焼け、。そして、ひとびとのあたたかさも。右も左もわからぬ著者にやさしくスペイン語を教えてくれたという姉妹。船でいっしょになって、まるで息子のように接してくれて、最後は宿代さえ受取ってくれなかったリンチェさん。そして、ヤーガン族の最後のふたりのうちのひとりだったウルスラ。「違う。血が体内を絶えず流れるように、すべてものもは止めちゃいけない。愛情もお金ももらったらどんどん外へ流す。絶えず流せば、より大きなものがまた別のところから流れ込んでくる。地球が回るように、すべてのものは流転しているのよ」p.178。映画ブエノスアイレスで見たウシュアイアについてもっと知りたくて手に取ったが、それ以外の土地も魅力的。
山賊ダイアリー(4) (イブニングKC)
岡本 健太郎 / 講談社 (2013-11-22)
読了日:2013年11月30日
イノシシとのたたかい。きづかれないように、ハミガキ粉じゃなくて、塩で歯を磨くとか、軽トラではねて水路に落として止めを刺す先輩や、オスの肉は刺激臭があることもあったり。
ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく
堀江 貴文 / ダイヤモンド社 (2013-11-01)
読了日:2013年11月30日
仕事が嫌いなのは、没頭したことがないというただの経験不足。できっこない、というのを止めよう。そして、分かち合うことで、幸せを実感できる。至極真っ当で納得。
TRANSIT(トランジット)21号  美しきアルゼンチン (講談社MOOK)
ユーフォリアファクトリー / 講談社 (2013-06-06)
読了日:2013年11月26日
マルティン・フィエロというガウチョを描いた叙事詩。ピアソラのバンドネオン協奏曲やガルデルのベスト。ヴィクトリア・オカンポやナオミ・プライスラーについてもっと知りたくなった。
信長・秀吉と家臣たち (学研新書)
谷口克広 / 学習研究社 (2011-07-20)
読了日:2013年11月24日
堀秀政・宮部継潤、所収。信長の武将・秀吉と信長の近習・秀政だったが、信長生前から、秀吉から、久々というあだなで書状を出すほど親しく、本能寺の変時は、ともに司令官・軍監察として毛利家と対陣し、ともに山崎の戦いで光秀を打ち破り、清洲会議、対柴田勝家を通じて、重用され、活躍する様が描かれる。宮部継潤は、秀吉大返しのときに、山陰地方を固めていたこと、九州征伐時の軍功などもっと評価されてよいのではないか、と。
信長の親衛隊―戦国覇者の多彩な人材 (中公新書)
谷口 克広 / 中央公論社 (1998-12)
読了日:2013年11月24日
堀秀政について若干記載。近習として、監察などもしていたが、実戦少ないながらも将としても信長に評価されていた、と。本能寺の変後は秀吉に才を買われたが若くして小田原の陣で病死。
流氷にのりました―へなちょこ探検隊〈2〉 (幻冬舎文庫)
銀色 夏生 / 幻冬舎 (2007-08)
読了日:2013年11月24日
おそらく知床が世界遺産に登録される前に旅した、銀色さん菊池さんの二人旅。旅館の朝食が0点だったり、ケイジより普通のおさしみのほうがおいしいと思ったり、ワシはいつもより見れたほうです(これで?)というツッコミだったり、湖上のダックボートで死ぬほどの目にあったり、と歯に衣着せぬ評価は、斜里のフリーペーパー「シリエトクノート」で、ほめるばかりじゃないけど、とあったとおり。もちろん、流氷ウォーキングはたのしそうだったし、雪景色の写真は美しく、網走監獄は興味深く描かれていたけど。そして、途中から、目出し帽がお気に入りになって、自分を「クロちゃん」となづけて、露天風呂やホテルのロビーなどで写真におさまってる様子はユーモラス。なんだかほかのへなちょこ探検隊も読んでみたくなった。
不倫と南米―世界の旅〈3〉 (幻冬舎文庫)
吉本 ばなな / 幻冬舎 (2003-08)
読了日:2013年11月22日
ブエノスアイレスのけだるさと活気、メンドーサの静けさ、イグアスの滝の力強さ、むせかえるような緑が伝わってくるような短編集。/それでも私と母は、創意工夫をして、意地でも祝ったりした(「小さな闇」p.73)/「だから、お父さんが帰ってこない時、お母さんの世界はあそこに帰って行ってしまうことがある。この時間は永遠に続くという気がしてしまう。愛されているからわざとその時間の中に閉じ込められているというのはわかるけれど、苦しくてたまらなくなる。」(「小さな闇」p.81)/悲しみは決して癒えることはない。薄まっていくかのような印象を与えて慰められるだけだ。(「ハチハニー」p.121)/家族を作ったと思っていたら、他人が気を使い合っていただけだった。(「ハチハニー」p.124)/
サイレンス
ジョン ケージ / 水声社 (1996-04)
読了日:2013年11月22日
踊れわれわれの夜を、そして世界に朝を迎えよ つながり。/「音楽もまた、和声によって支えられるのはなく、沈黙の空間のなかで鳴り響く単一の音や音のグループから構成されることがある。」/「われわれはこうしたダンスや音楽で、何かを言おうとしているのではない。もし何かを言おうとするなら、言葉を使うだろう、と単純に考えている。」/「自らの原理に従ってそのまま実行せよ。あるべき所に行き着くだろう。それが正しいやり方だ。」
BUENOS AIRES 新装版
森山 大道 / 講談社 (2009-07-25)
読了日:2013年11月21日
森山大道の目をとおしたブエノスアイレス。空き缶、吸い殻、ごみの山すら、独特の雰囲気でこちらに突き刺さってくる。タンゴを踊る人々。つぶらな瞳の子供たち。原色の色彩の服。
あがり (創元SF文庫)
松崎 有理 / 東京創元社 (2013-10-30)
読了日:2013年11月20日
自然淘汰のあがり現象、若返り、幸運と不幸の予測、遺伝子間領域による種の分化など。奇想も織り込まれつつ、「北の街」の大学を舞台に理系の研究者たち生態が描かれる。/論文は科学的根拠のある物語だ、お話をつくるように書け、とはトキトーさんの言だ。ただし形容詞はいらないぞ、かわりに数値をつかえ。必要のない言葉は一語たりとも混入させるな。たやすく理解できるように、かつ、まったく誤解できないように表現しろ。p.141/昔のえらい人もいったじゃないか。涙とともにあんみつを食べた者でなければ人生の味はわからない、と。あんみつじゃなかったかもしれないけれど。p.157/「だが、彼にかんしては一時しのぎにすぎない・今回はきみが助けてやってもいいが、いずれ彼は、自分で自分の問題を乗り越えねばならない。それができなければ」p.190/二回登場する、百歩七噓派の盛衰、鎖につながれた暴走する靴職人の評伝、二十世紀の前衛美術運動その六 青色夢幻派、といった書物たちの意味するところは?あとがきに書かれていた、ほけかんの先生の描写をめぐる、背後に横たわる大ネタとは?と読み解けないところもあったけど、それを置いても、楽しめた作品集。作中の登場人物を主人公とする「代書屋ミクラ」にも食指がうごく。
清須会議 (幻冬舎文庫)
三谷 幸喜 / 幻冬舎 (2013-07-26)
読了日:2013年11月17日
映画版を見てからの原作。たしかにこれは、二度楽しめる。映画版が対話の積み重ねなら、小説版はモノローグの積み重ね。映画では表面を見て、推し量らなければいけないところが、余すところなく描かれている。映画より、丹羽長秀の苦悩はより色濃く、お市の方の憎しみはより深く、池田恒興の調子の良さはより軽く。会議もまた戦、始まる前に大半は決まっている、そのための準備が大事、と。
87CLOCKERS 4 (ヤングジャンプコミックス)
二ノ宮 知子 / 集英社 (2013-11-08)
読了日:2013年11月17日
ゲーム大会での勝利から、唐突な、ハナさんとの牧場バイトへ向かう奏。さてどうなることやら。
重版出来! 2 (ビッグコミックス)
松田 奈緒子 / 小学館 (2013-09-30)
読了日:2013年11月17日
マンガ家の言うなりではなく、はげまし、本人も気づかぬ道を指し示す編集者の道、マンガ雑誌を裏方として支える製版所のOLの一喜一憂、マンガ編集者のSNSの使いこなしから、消えて行ったかつての売れっ子マンガ家の復活に手を貸すところまで。
戯史三國志 我が土は何を育む (講談社文庫)
吉川 永青 / 講談社 (2013-11-15)
読了日:2013年11月17日
三国時代、蜀の将、廖化を主人公とした小説、と聴いて食指が動いたが、読んでみて、個人的にはすこしがっかり。諸葛亮亡き後を支えた将なので、その時代がメインかと思ったが、その時代が扱われているのは、5分の1以下。。ただ、奇想的には、呉の程普一家とつながりがあったり、劉備・関羽・張飛の義兄弟の末っ子的位置をあたえられていたり、と面白いところはあったけれど。
さよならソルシエ 2 (フラワーコミックスアルファ)
穂積 / 小学館 (2013-11-08)
読了日:2013年11月16日
世界はね、きっといつだって、信じることから始まるんだ(ヴィンセント・ゴッホ)。個展も成功しそうで、これから,という時に物取りに襲われて殺された兄ゴッホ。弟テオは深く悲しんだあと、戯曲作家に依頼し、兄の人生を作り替え、狂気の画家、炎の画家としての人生をねつ造し、世間に流布し、兄の絵に興味をもってもらい、後世にまで残そうとする。そのもの語りに、兄思いの弟はほどなく後を追って死んだ、というスパイスまで加えて。どちらかといえば、狂気の弟。それだけ、テオにとって兄ゴッホがすべてだった、ということの全身全霊の表現だった。
重版出来! 1 (ビッグ コミックス)
松田 奈緒子 / 小学館 (2013-03-29)
読了日:2013年11月16日
ケガで柔道の道を断念し、出版社に入った黒沢心。紅一点として漫画週刊誌編集部へ配属され、奮闘の日々。運を溜める、って考え方、面白い。そして、営業先の書店員に、ユーレイとあだなされるほど存在感のない小泉。黒沢にいい影響を受けて、俄然みちがえるほど熱心に変貌。そして、書店員からの発案でおこなわれたフェアの写真を、推す漫画家と仕事をするために会社を辞めフリーになった編集者のもとへ送る黒沢。そのときの、編集者と漫画家の涙するシーンが忘れられない。
蒲生氏郷: おもひきや人の行方ぞ定めなき (ミネルヴァ日本評伝選)
藤田 達生 / ミネルヴァ書房 (2012-12-10)
読了日:2013年11月12日
安部龍太郎「レオン氏郷」つながりで、再読。
しずかなおはなし (世界傑作絵本シリーズ―ソビエトの絵本)
サムイル・マルシャーク / 福音館書店 (1963-12-20)
読了日:2013年11月9日
ハリネズミの親子とオオカミ夫婦の話だった。道行く途中で、オオカミに出会い、まるまって全身を針だらけにしているうちにオオカミ夫婦は逃げ出す、ハリネズミ一家は無事に家までたどりついてめでたしめでたしの一幕。
女子漂流 ーうさぎとしをんのないしょのはなしー
中村 うさぎ , 三浦 しをん / 毎日新聞社 (2013-11-06)
読了日:2013年11月9日
歯に衣着せぬ直裁なものいいが清々しい二人の対談。目次を読んだだけで、わくわくしてくる。世間がいらぬというなら、こちらこそ世間などいらぬわ!という宣言すら清々しい。
まほろ駅前狂騒曲
三浦 しをん / 文藝春秋 (2013-10-30)
読了日:2013年11月9日
死者とは二度と語りあえず、触れあえず、なにかをしてあげることもされることもない。そんな死の残酷さに抗い、死者を単なる死者にしないための、たぶんただひとつの方法。生きているものが、記憶しつづけること。p.86/死でさえも完全には奪い去れないなにかを、あらゆる生き物がそれぞれに抱えている。だからこそ、あらゆる生き物は生まれたらできるかぎり生きようとする。つながりあおうとする。死という残酷さに対抗するために。命はむなしく生きて死んでいくだけのものではないと証明するために。p.457
大奥 10 (ジェッツコミックス)
よしながふみ / 白泉社 (2013-10-28)
読了日:2013年11月9日
田沼意知の江戸城での刺殺、将軍家治の死、老中田沼意次の失脚、平賀源内の病死、御右筆青沼の刑死。政権は一橋治済と松平定信の手へ。「あたしゃ地位より金より人にありがとうって言われるのが大好きさ」(平賀源内)、「ありがとう青沼」(田沼意次)、そして最後ちかくの、子を失い悲しむ母たちを一人でも減らしたくて、赤面疱瘡の撲滅に取り組んだものたちに対してこの仕打ち、あまりに理不尽ではないか、と黒木が叫ぶシーンが心にせまる。
波のむこうのかくれ島 (新潮文庫)
椎名 誠 / 新潮社 (2004-03-28)
読了日:2013年11月9日
宝島、小笠原諸島、対馬、硫黄島・竹島、ふたつの水納島、天売島。硫黄島の徒歩5歩温泉の優雅さ、一家族だけが住む水納島の自家用船でお出迎えなど。自然や人柄のよさになごむこともあれば、こんな小さな島だとみんな知り合いで誰が何やったかすぐわかって息苦しいという人もいたりで、さまざまなのは当り前だけど。住む人とちょっと顔を出すだけの旅行者とでは。
7つの都市の物語
荒 このみ / NTT出版 (2003-03)
読了日:2013年11月4日
再読。増田義郎『ブエノス・アイレス』のみ読了。何度も植民に失敗し、ようやく18世紀末に、ペルー副王領の首都として繁栄の糸口をつかみ、19世紀末から移民流入の増大で、爆発的に人口が増え続け、「南米のパリ」としてヨーロッパの文化をとりいれたことを描き、、タンゴ歌手ガルデルと、作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスに焦点を向けた、一節。/彼の真骨頂である『論議』、『永遠の歴史』のようなエッセイ集や、『汚辱の世界史』、『フィクシオネス』に集められる短篇小説が、いずれも三〇年代のブエノス・アイレスで開花したことに注目したい。p.200/彼はヨーロッパから帰ると、まず何冊かの詩集を刊行したが、それらは意外なことに、彼の”ウルトライスモ”の宣言にもかかわらず、いずれもブエノス・アイレスやパンパの生活についての叙情的な心情の吐露だった。「ブエノス・アイレスの街々は、もうわたしの臓の腑だ」という一句から始まる『ブエノスアイレスの情熱』…p.202
クロコーチ(1) (ニチブンコミックス)
リチャード・ウー , コウノ コウジ / 日本文芸社 (2013-10-07)
読了日:2013年11月1日
クロコーチ(2) (ニチブンコミックス)
リチャード・ウー , コウノ コウジ / 日本文芸社 (2013-10-07)
読了日:2013年11月1日
県中の政治家、有力者たちの弱みをにぎり、ゆすって、金をふところにいれ、ずるがしこく立ち回り、しっぽをつかませない。ただの、悪徳警官なのか、巨悪に立ち向かうドン•キホーテなのか。読み応えあって、目が離せない。
おいしい中東 オリエントグルメ旅 (双葉文庫)
サラーム海上 / 双葉社 (2013-08-08)
読了日:2013年11月1日
ご飯詰め料理の魅力!特に、トルコのトマトのピラフ詰め、ドマテル・ドルテス。カタクチイワシのごはん詰めハムシ・ピラウ。エジプトの鳩のごはん詰めハマム・マハシー。

そして、エジプトのオトコ飯ことコシャリ、煮たレンズ豆やひよこ豆、ご飯、短いマカロニ、バーミセリ、スパゲッティー、カリカリに揚げた玉ねぎをどんぶりに盛り、にんにくと唐辛子、酢などを混ぜ合わせた酢っぱ辛いトマトソースをぶっかけて、全部をよく混ぜ合わせてから食べるのだとか。魅力的!ご飯好きにはたまわない。そして、トルコの生肉の肉団子チー・キョフテ。食べてみたい!


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2013年11月05日

2013年10月に読んだ本

期間 : 2013年10月
読了数 : 20 冊
信長のシェフ 8 (芳文社コミックス)
梶川卓郎 , 西村ミツル / 芳文社 (2013-10-16)
読了日:2013年10月30日
壮心の夢 (徳間文庫)
火坂 雅志 / 徳間書店 (2003-01)
読了日:2013年10月29日
五千石から三十万石に大抜擢され、葛西大崎一揆によりまたたくまに転げおちた木村吉清を描いた「抜擢」、蒲生氏郷亡き後、主君毒殺の真相を探るジェノバ人家臣ロルテスが、やるせない思いを抱きつつ日本を離れるまでを描いた「花は散るもの」を再読。安部龍太郎「レオン氏郷」のあとにあわせて読むと味わい深い。しかし、20年ちかくまえに、火坂さん、よくぞここまでマイナーな人物を主人公に短編したてたなあと感心することしきり。
レオン氏郷(うじさと)
安部 龍太郎 / PHP研究所 (2012-08-21)
読了日:2013年10月29日
一番印象に残ったのは、朝鮮へ軍を進めるため、名護屋へ向かう途中、沿道の住民に「俵藤太氏郷」「朝鮮退治」「明国退治」などとのぼりをかかげられて大歓迎されているのを、/氏郷は馬上から苦々しい気持ちでそれを眺めた。(ちがう。私はレオン、レオン氏郷だ)世界に向けた視野を持ち、デウスに仕える者として信じた道をまっとうする。(p.412)とつぶやいたシーン。
戸越銀座でつかまえて
星野博美 / 朝日新聞出版 (2013-09-06)
読了日:2013年10月27日
日本でいう「フリー」とは、ほとんどの場合が末端の下請けを意味することを、私は本能的に知っていた。p.5/「よく決断したね。それが一番いい。それが一番いいわよ」p.11/そんなに日々商人と闘わなきゃ商店街では生きていけないのか。めまいがする。「当たり前だ。商人を甘く見ちゃいけない。だからお茶室が建つんだよ!」p.53/旅とは何だろう。一言で言えば、片っ端から出会い、片っ端から別れること、だと私は思っている。出会いと別れがひっきりなしに訪れるから、喜怒哀楽の起伏は日常の比ではなく、思春期真っ最中の人のように、泣いたり笑ったり怒ったりを繰り返す。p.68/自由を制限されることを何よりも嫌う自分が、猫の自由を制限することはどうしてもできなかった。p.133/会いたい時は、いますぐ会おうよ。次の機会は、ないかもしれないのだから。p.157
TRANSIT(トランジット)21号  美しきアルゼンチン (講談社MOOK)
ユーフォリアファクトリー / 講談社 (2013-06-06)
読了日:2013年10月19日
カフェローライフで読了。まだ見ぬ憧れだけの街ブエノスアイレス。森山大道の映し出す像が魅力的。ウォン・カーウァイの映画「ブエノスアイレス」。南の南、パタゴニア。何度挑戦しても読み切れないボルヘス「伝奇集」。アルゼンチンタンゴ。ディエゴ・マラドーナ。マルビナス紛争。ピサロ、サン=マルティン、チェ・ゲバラ、ペロン、エビータ。入口として、絢爛豪華。次の知りたいステップへ踏み込むための。
キャリアポルノは人生の無駄だ (朝日新書)
谷本真由美(@May_Roma) / 朝日新聞出版 (2013-06-13)
読了日:2013年10月19日
タイトルだけ見て、確かにそうです、と同意して本を置くところを、作者のめいろまさんに興味をもって手にとる。一章をさいて、我いかにしてめいろまになりしや、が書かれていたから。弟さんの大事故をきっかけに、人生は一度きりだし、したいことをしなければ、仕事だけがすべてではない、と思えたこと。キャリアポルノから抜け出す具体策など参考になりそう。読み終えて、本棚にならぶキャリアポルノの横にそっとおくと、我ながらマッチポンプを感じるけど。急激に捨てたりできなければ、すこしずつ変えていくしかない。
カリコリせんとや生まれけむ (幻冬舎文庫)
会田 誠 / 幻冬舎 (2012-10-10)
読了日:2013年10月19日
東京にいたとき、移転前のNadiffや上野の美術館に展覧会見にいったり、作品集買ったり、小説読んだりしていたけど、しばし離れていて、ひさびさにエッセイの文庫版にであったので、手にとる。含羞がありつつ、ストレートだったり、息子さんのあばれっぷりがすごかったり/20世紀が始まって以来、形式をことごとく破壊していって、ついには一作家一手法のような超個人主義に行き着いた現代美術では、教育は原理的に不可能なものになっている。p.217/印象的な年下の世代が紹介されたり/ずっと車上生活をつづけている、遠藤一郎くん。/本来は白かったペンキまいれの鳶服上下、背中にはペンキで「GO FOR FUTURE」と殴り書き---が定番のコスチューム。長身で、髪はボサボサ。基本的にいつも笑顔。どっからどう見てもエキセントリックだが、本人曰く「僕こそ普通」......まあその気持ち、分からないでもないのだが。p.228
毎日かあさん10 わんこギャル編
西原 理恵子 / 毎日新聞社 (2013-10-11)
読了日:2013年10月17日
息子がわりと女の子からお誘いがる方だが、前日や当日ばかりで、「女の子はねー本命の男の子とデートするならずっと前から予約するもんなの。当日とか明日とかありえないからっ」…と言った後に、小学時代のママ友から、娘から伝えてと来年のライブのお誘い。きっちりつかいこなせ、と檄入れるものの、つかいこなせずな一話。部活と留学どっちがいいかなーと迷う息子に、おかーさんねー、今までのケーケンだとねー「迷ってる時はどっち取っても間違いだねー」てのも印象に残る。それにしても、上の子が高一、下の子が中一だなんて、時が立つのは早いなあ。
蔵書の苦しみ (光文社新書)
岡崎 武志 / 光文社 (2013-07-17)
読了日:2013年10月15日
西荻窪の古本屋さん、つながり。/本を売る時は、ほかの誰あろう、自分で自分を説得する必要がある。p.24

/それでも、やっぱり本は売るべきなのである。スペースやお金の問題だけではない。その時点で、自分に何が必要か、どうしても必要な本かどうかを見極め、新陳代謝をはかる。それが自分を賢くする。p.26/一日に三冊もの本を読む人間を、世間では読書家というらしいが、本当のところをいえば、三度、四度と読みかえすことができる本を、一冊でも多くもっているひとこそ、言葉の正しい意味での読書家であるp.151(篠田一士の引用。吉田健一の五百冊の蔵書を評して)
狼の口 ヴォルフスムント 5巻 (ビームコミックス)
久慈光久 / エンターブレイン (2013-10-15)
読了日:2013年10月13日
長いこと続いた、同盟軍と関所の戦いも、いよいよクライマックス。代官ヴォルフラムとの直接対決までこぎつけ。
「美しい日本」に殉じたポルトガル人―評伝モラエス (角川選書)
林 啓介 / 角川書店 (1997-03)
読了日:2013年10月13日
ポルトガル軍人、ポルトガルの在日本領事をつとめ、リスボンではイルダ、マカオでは亜珍、日本では、おヨネ、デン、コハルといった女性と関係を持ち、日本賛美につとめ、最後はおヨネの故郷徳島に隠棲し、謎の死をとげた文豪モラエスの評伝。/ともに西洋文明の主流から外れた弱小国出身の二人が、ヨーロッパの近代的物質文明に背を向けている姿もなにか示唆的である。p.11(ハーンとの対比で)/どちらかというと、西洋文明に卑屈な態度をとっていた日本の上流階級とは対照的に、彼が接した庶民層−−−車夫、宿屋の女中、商店の小僧たちまでが、誇りをもって「大日本」(大日本帝国)と自称している姿に触れて感嘆したのだった。p.27/しかしこの世界も安住の世界ではなかった。モラエスはおヨネとコハルを追慕することで恍惚となる一方、その生々しさに痛みを覚え、苦悩し、時には悔恨の情にとらわれるのである。そして休息も終りもないこのサウダーデに苛まれながらも、やさしい忘却によって逃れようとはせず、ついには苦悩を享楽するまでに至る。(大学書林 対訳『おヨネとコハル』解説)p.214
昼田とハッコウ
山崎 ナオコーラ / 講談社 (2013-09-26)
読了日:2013年10月10日
東京の西の方、幸福寺にあるアロワナ書店と書店員をめぐるお話。/昼田「椅子が欲しいと思っていた。オレが座ってもいい椅子を」p.278/脇役に徹する気持ちでいれば、物語から追い出されることはないと思っていたが、もしかすると、自分自身の人生を生きる勇気のない者は、やがて社会から弾き出されるのかもしれない。p.262-263//未来は「ふわっ」と決まればいい。社会を構成する全員の力が、「ふわっ」と働いて、未来の方向が定まっていく。p.394/書店がなくなっていくことは、もう誰にも止められない。スピードを遅らせて時間を作り、その間に「書店員の仕事」をじっくり考える。それしか、できない。p.518
踊れわれわれの夜を、そして世界に朝を迎えよ
佐々木 中 / 河出書房新社 (2013-08-08)
読了日:2013年10月8日
クラブ摘発に寄せたインタビュー。美しく、力強さを感じる。/不正でも美しい者ものはありうる。醜くても正しいものはありうる。だから正しいか正しくないかの話しを、美的判断でやってはいけない。ダンスが議題であろうと、これは法改正の問題なのです。p.12/「闘争の手段をえり好みしてはいけない」。無論、可能な限り暴力は除外して。p.17/ケージのように言いましょう。だからダンスは死なない。生あるかぎり、ダンスは絶対に死なない。われわれは、もう踊っているのです。すでに、つねに、いつも。p.21
バス走る。 (BUNCH COMICS)
佐原 ミズ / 新潮社 (2007-06-08)
読了日:2013年10月6日
こうでもしないと、見てくれないから。いつも一緒のバスで通う、自分を見てくれない片思いの彼、ある日、彼だけ乗るのをみとどけ、バス停から見送る、ガラス越しに、聞こえない、すき、をつぶやきながら...あまずっぱい。バスに乗る人々をめぐる、これから何かが始まりそうな予感を孕んだ短編集。ほかに伊達眼鏡を言い出せない男子、ほのかに思いをよせる女子、おたがいを鈍いと思うはがゆいふたりの物語。幼なじみのふたり物語、など。
図鑑少年
大竹 昭子 / 小学館 (1999-02)
読了日:2013年10月6日
なくしたピアス、だけは、特に、何年かごとに読み返したくなってしまう。駅前でウードを演奏する旅行者の美しい女性とわたしの一瞬の交流を描いた短編。
泰流社 (1993-03)
読了日:2013年10月6日
ジョルジェ・ディアス「十六世紀から昭和初期までのポルトガルの日本人観」の後半は,モラエスの概観になっていて有益。古野菊生「モラエス、おヨネ、須磨六月」、田所清克「国民的歌謡ファドに観る異文化的残照」は興味深い題材をあつかった小篇だけれど、いかんせんつっこみきれず浅いように。
小早川伸木の恋 (1) (ビッグコミックス)
柴門 ふみ / 小学館 (2005-01-28)
読了日:2013年10月6日
Lily「タバコ片手におとこのはなし」つながり。9/28、全5巻購入。/だってトカゲはクジラに嫉妬しないでしょう。孤独なのね。/心の美しさだけが人を人と成す。そうでない人は社会的にどんなに立派でも、動物園の猿と変わらない。3-65p/それに腹腔鏡の専門医目指すんじゃなかったのか?だったらやり遂げろよ。竹林甘えるな!辛抱しろ!!4-10p/選択に迷ったら行動の基準はーー”人として美しい”かどうかだけよ 5-76p/自分に恥じない生き方、とも言えるだろう。もちろん、カナのようにまっすぐつかみとれる人もいれば、伸木のように迷いぶつかり逡巡し結局は思い切る人もいる。あなたは、と問いかけられたような気もする全五冊。
脳内ポイズンベリー 1 (クイーンズコミックス)
水城 せとな / 集英社 (2011-05-19)
読了日:2013年10月6日
2013.10.04に1-3巻読了。魚とチューリップの組み合わせ、必ずどちらかは息ができない。内面の葛藤・逡巡をすべて、複数キャラクターによる脳内会議として可視化して大騒ぎ、といったかんじのストーリー。合コンでであった七つ下のイケメン早乙女くんと街でばったり再会して、押して、引いて、迷って、飛び込んで、寂しくて、仕事に逃げて、より大人な越智さんに惹かれて、といったところまで。
桃源郷の機械学 (学研M文庫)
武田 雅哉 / 学習研究社 (2002-03)
読了日:2013年10月4日
「イラ・フォルモサ!」への旅…台湾人サルマナザール”美しき島の物語”、踊るテレメンテイコ…草双紙に暗躍するフェイクとしての中国人、杞憂のゆくえ…墜ちてくる星の歴史学、月を見るサイ...桃源郷の機械学、のみ読了。高野文子「絶対安全剃刀」所収の「早道節用守」は改めて読んでみたく思った。
氷菓 (5) (カドカワコミックス・エース)
タスクオーナ / 角川書店 (2013-09-25)
読了日:2013年10月1日
自分の才覚を自覚すべきと言われ、それを信じて能力を発揮し、のちに自分をあやつるためにだけ自分を持ち上げたと知ったら、いくら事なかれ主義の人でも怒るだろう、と。手駒のようにすべてを見切って、結局は思った方向に事態を導いて行く能力というのもすごいと思うけど。タイトルは「氷菓」のままだけど、シリーズ三作目もコミカライズされるとのこと。たのしみ。


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2013年10月04日

2013年09月に読んだ本

期間 : 2013年09月
読了数 : 55 冊
整形前夜
穂村 弘 / 講談社 (2009-04-10)
読了日:2013年9月29日
「共感と驚異」を再読したくて手に取る。10ページほどなのだけど、いまこの時代に詩歌を手に取るものに響いてくる。詩歌は、「共感」より「驚異」との親和性が高い。人生のなかで一番「驚異」を求めるのは思春期。その後年をとるにつれて「共感」のほうへ傾いていく。生の時間が進むにつれて高まる「共感」は人間の生存本能の一種。しかし、「驚異」をもとめて、無謀な賭けに出る者がいなくなると、世界は更新されなくなる、と。他に「引っ越しと結婚と古本屋」もよかった。妻とふたりで入った古本屋で、無言で手振りだけでぱぱぱぱっとこの本いいよね、と示すと、妻も別の本たちをぱぱぱぱっと指して、この本いいよねと返してきて、その古本屋がお互いにとっていい古本屋だと納得するシーンが好き。
ツーリズモ
原田 郁子 , 原田 奈々 / ブルースインターアクションズ (2006-06)
読了日:2013年9月29日
リスボンのゆったりした空気がつたわってくる旅行記。手書き文字のページも素朴な味わい。バスで知り合った朴訥で静かな絵かきの日本人ムサーリの佇まい。最後のページのパリの空港近くのホテルから撮った、朝焼けに映えるいく筋もの交差する飛行機雲の写真の美しさにハッとする。
大東京トイボックスSP (バーズコミックス)
うめ / 幻冬舎 (2013-09-24)
読了日:2013年9月29日
幕間劇だけで17話。思わず本編旧版二巻+新装版十巻読み返したくなる。須田さんのedをなぜか会社の女性が知ってたこと、月山さんが依田さんを熱燗のみにつれだしたこと、アベマリが見舞いに来たこと、どちらも大人のオトコの含羞が感じられ。最終巻でいきなり結婚してたからその前段エピソードも語られてると思いきやそこはあっさりと。そしてロドリさんの、尊敬する人が言ってたんでさ、マスターキートン!には腰砕けに。あとゲーセンでダンスダンスのスーパープレイしてたら、仕事も決まって人生変わったヨリヒロさんの話とかも好き。
沖縄・奄美の小さな島々 (中公新書ラクレ 460)
カベルナリア吉田 / 中央公論新社 (2013-07-09)
読了日:2013年9月29日
鳩間島、黒島、多良間島のみ読了。鳩間島。「瑠璃の島」効果で、人も店も宿も賑わったが、一時のもので、一軒のみの商店もつぶれ、さびれ、日帰り客ばかり増えた、と。また前回来たときに、里子の親と里子のことで口論になったが、消息を聞くに、里子は大人になり元気でやっているとのこと。里子制度も、馴染めなかったら当人には逃げ場がないのが問題といえば問題、と外からの意見とは前置きしつつ。黒島は「最初には行かない島」。だからこそ観光化されすぎず、のんびりしてるが、半面船会社の合理化で減便されるなど、便利さからは取り残されてしまう。そして、宮古からも石垣からも遠い多良間島。みて回るところが少ないことは、のんびりできそうなものだが、なかなか一筋縄ではいかないこともあり。
貧乏暇あり―札幌古本屋日記
須賀 章雅 / 論創社 (2012-12)
読了日:2013年9月29日
日常の何を食べて何を買っていくらかかってみたいな話しまで克明に書かれ、率直に、ねたみや自己憐憫まで含めて、語れられる、零細古本屋日記。いっそすがすがしいぐらいに。札幌での、さまざまな人やお店の来し方がつづられ、懐かしい思いになることも。Amazonを舞台に、古本屋を倉庫がわりにする人がいるとは、などなど本にまつわる話しも満載。
3月のライオン 9 (ジェッツコミックス)
羽海野チカ / 白泉社 (2013-09-27)
読了日:2013年9月28日
本線は、ひなの復活。自分をとりもどし、やりたい道を見つけ出し、当面の目標を定める。それに全力で手を貸す零。そうすることが零の生きる支えにもなり、本職の棋士へもいい影響を与え、と。あたたかく見守りたい気持ちに。そしてこの巻のキャラ立ち大将は、死神滑川七段でした。
ポルトガルを知るための55章【第2版】 (エリア・スタディーズ12)
村上 義和編著 , 池 俊介編著 / 明石書店 (2011-10-19)
読了日:2013年9月27日
ポルトガルを知るための入口。またまたさらに知りたい、触れてみたいキーワードがたくさんでてきた。モラエス、アソーレス諸島、マデイラ、ペソア、サウダーデ、カモンイス、(伝統的な金銀細工)フィリグラナ、マヌエル・デ・オリヴェイラ、(モラエスをあつかった「恋の浮島」(1982)もある)パウロ・ローシャ、サラザール。サウダーデ...現在は奪われている幸福を想うことによって引き起こされるメランコリー、愛する人や物の不在によって引き起こされる悲しみ、苦痛。心を通わせあった人の甘美であると同時に悲しい思い出。p.158/はるか遠くにある祖国と家族、失われた幼年時代、先人たちの遺業に捧げる愛を詠った19世紀末の詩人アントニオ・ノブレは、優れてポルトガル的な<<サウダーデ>>の詩人であった。p.159/他に、田所清克監修「郷愁ポルトガルー地果て海始まるところ」泰流社1993/モラエスの旅、ウズ・ルジアダス、サウダーデの男モラエス、ポルトガル朝昼晩、など手にとってみたく思った。
『タバコ片手におとこのはなし』 ~20代の切なさ、恋の孤独と、女友達  GLAMOROUS BOOKS
LiLy / 講談社 (2007-09-08)
読了日:2013年9月27日
Brown books cafe 4pla店にて購入。たぶんターゲット読者層からは大きく外へはずれたボールと思われるが、どストレートなタイトルに思わず手にとってしまう。ほんと全力で直球で、情に厚くて、義理堅くて、ずばっと正論ですがすがしい。ガールズトークの一端をかいま見せてくれる。そして男前。けど、どこまでも女の子/私は、自分の大切なものを守るのがプライドだと思ってる。自分が大切なものを失うプライドなんて、邪魔なだけ。p.63/自分の女の素晴らしさを語る男には、まったく”隙”がない。だから尚更、私は後者の男に好感を持つ。そういう男こそ誠実だから。p.68/
沖縄文学全集編集委員会 / 国書刊行会 (1992-05)
読了日:2013年9月27日
新川明「新南島風土記【抄】」、関根賢司「八重山にて」、永積安明「沖縄離島の女性たち」「多良間島へ」など。オヤケアカハチについてわりと詳細な記述も。
大東京トイボックス(10)(完) (バーズコミックス)
うめ / 幻冬舎 (2013-09-24)
読了日:2013年9月25日
あなたはやるべきことではなく、やりたいことをやりなさい、みんなの「べき」はわたしが全部ひきうける、それがわたしのやりたいこと。月山さんのセリフ。この巻で一番印象に残った。ゲーム業界風雲記も大団円の最終巻。最後のコマは、めぐりめぐって、恩讐も越えて、それもひとすじではなくいく筋ものを。
不安の書
フェルナンド ペソア / 新思索社 (2007-01)
読了日:2013年9月25日
もし娯しんだのであれば、わたしたちは失敗した(もしも愛しただけであれば、死んでもよい)。(92)/日中のとてつもない明るさのなかでは、音の落着きも黄金のように輝いている。いたるところに柔らかさがある。もしも戦争があると言われたなら、戦争はないと言うだろう。こんな日には、柔らかさ以外には何もないことを乱すものは何もありえない。(224)。/…...そして永遠の午後、真の大陸の中心にある冷たく厳かな遠い川岸の百合。 ほかには何もなく、それでも真実だ。(251)
惑星9の休日
町田 洋 / 祥伝社 (2013-08-12)
読了日:2013年9月23日
シンプルな線で描かれる、乾燥した惑星9に住む人々のお話。地軸の傾きで発生した永久の影に呑み込まれた人々と、それに惹かれる人々。突然の流星の衝突。何千万年ものあいだ月でりとりで暮らして来た粘菌との交流。彫刻家の夫を亡くした女性と天才発明家の青年の話。大女優の帰郷。淡い輪郭をした余韻を心地よく残してくれる。
蚊がいる (ダ・ヴィンチブックス)
穂村弘 / メディアファクトリー (2013-09-13)
読了日:2013年9月23日
内気だけがだめ。強制鈴持ちリズムとりカラオケ三半規管やられへたりこみ。肉片カプセルを持ち歩く友人。この店でいちばんエロい本をだして。無職彼女実家同居夜釣り禿頭の彼。安全なピラニア、って常識だったの?。がぶっと噛んだからあげがきっかけで超仲良くなった女子二人。合意のマナー。手を汚さない納豆とフロントホックブラ。目にとまったところ。
パンセ〈2〉 (中公クラシックス)
パスカル / 中央公論新社 (2001-10-10)
読了日:2013年9月23日
西荻窪の古本屋さん 音羽館の日々と仕事
広瀬 洋一 / 本の雑誌社 (2013-09-19)
読了日:2013年9月23日
東京に1年ちょっとだけしか住んでなかったので、電車で40分もかけて、20回以上通った街、西荻窪。そのなかでも音羽館はいくたびに何か収穫のある古本屋さんだった。この御時世にネット販売より対面販売、だってお客さんが自分で本持って来てくれて、その場でお金払ってくれるんですよ、と。古本屋さんは、その街にフィットしていること、均一棚ばかり買うお客をあきさせないこと、回転のスピードが繁盛の度合い、そのスピードを落とすものは切っていかないと。できることはやりつつ、ダメですね売れませんね、といいながらも、腹をくくって続けていく人がうまくいくのでは、と。
狂気について―渡辺一夫評論選 (岩波文庫)
渡辺 一夫 / 岩波書店 (1993-10-18)
読了日:2013年9月23日
死神の浮力、つながり。/人間のあらゆる不幸は、たった一つのことから生れる。それは、一つの部屋のなかでじっとしてはいられないということだ。p.183/寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容たるべきではない。p.194/「良心は、力を以て左右することのできない性質のものであり、むしろ教化されねばならず、決してこれを抑圧したり侵犯したりしてはならぬ。従って、もし信仰でも、それが強いられれば、それはもはや信仰ではない」(ミシュル・ド・ロピタル)p.205/不寛容に報いるに不寛容を以てすることは、寛容の自殺であり、不寛容を肥大させるにすぎないのである。p.208
四月は君の嘘(7) (月刊マガジンコミックス)
新川 直司 / 講談社 (2013-09-17)
読了日:2013年9月22日
君はどうしたって表現者なんだね。バイオリンのガラコンサートで、奏者不在のまま、伴奏者としてステージにあがった有馬公生。その演奏は、最初はひどいものだったが、だんだんとひとを惹きつけるものとなり、最後は、本人も、聴衆すべてをも撃ち抜くものとなった。
パンセ〈1〉 (中公クラシックス)
パスカル / 中央公論新社 (2001-09-10)
読了日:2013年9月22日
死神の浮力、つながり。「人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。」「人は決して人そのものを愛するのではなく、その性質だけを愛しているのである」「人間のむなしさを知ろうと思うなら、恋愛の原因と結果とをよく眺めてみるだけでいい。原因は、「私にはわからない何か」(コルネイユ)であり、その結果は恐るべきものである。」
修道士ファルコ (白泉社文庫)
青池 保子 / 白泉社 (2005-11-15)
読了日:2013年9月22日
14世紀後半のスペインで剣士として名声を博したファルコは、悔い改めて神の道に生きるため、ドイツのリリエンタール修道院で、修道士となることに。神よ、また剣士のころのクセがでてしまいました、と悩みつつも。
漫画・うんちく書店 (メディアファクトリー新書)
室井まさね / メディアファクトリー (2013-08-29)
読了日:2013年9月21日
書店、古書店にあらわれては、本に関するうんちくをかたむけなければ気が済まない雲竹雄三。弱点は、返本される本を買ってしまいたくなること。本好きにはたまらないうんちくの宝庫。コーチャンフォー新川通り店や札幌の古書店南陽堂書店の特色は?などなど。
メグル (創元推理文庫)
乾 ルカ / 東京創元社 (2013-08-29)
読了日:2013年9月21日
とくに、タベル、メグルは、おだやかな余韻を残してくれる。
蒲生氏郷: おもひきや人の行方ぞ定めなき (ミネルヴァ日本評伝選)
藤田 達生 / ミネルヴァ書房 (2012-12-10)
読了日:2013年9月21日
個人的に奥州時代の蒲生氏郷に興味があって手にとる。「度重なる戦争によって軍法が浸透し、転封によって大名当主の家臣団への統制が強化され、軍法と陣立書のセット受給が実現」「テレビ時代劇で見る大名や軍配者の采配で自由に展開する軍隊の成立は豊臣時代終盤以降」、奥州転封を受け容れた理由として「天下統一戦に従事しながら、氏郷は個人や一族・家臣の利益を追求することよりも、新たな国家の誕生を優先するようになったと思われる。」(p.159) 「限りあらば吹かねど花は散るものを心短き春の山風」「おもひきや人の行方の定めなき我ふる郷をよそにみむとは」
ゲーテ格言集 (新潮文庫)
ゲーテ / 新潮社 (1952-06-27)
読了日:2013年9月21日
2009/11/06買っていたが一度手放していたもの。芳崎せいむ「鞄図書館」つながりで。今回は読了。以下抜粋。/驚きは人類の最上の部分である。/感覚は欺かない。判断が欺くのだ。/人生は生きているものに属する。そして生きているものは、変化に対する覚悟を持っていなければならない。/光の多いところには、強い影がある。/太陽が照れば、塵も輝く
風の御主前―小説・岩崎卓爾伝 (1974年)
大城 立裕 / 日本放送出版協会 (1974)
読了日:2013年9月20日
三木健「八重山を読む」つながりで。石垣島の測候所長を、明治末から昭和初期までつとめた岩崎卓爾を主人公とした小説。/自分の科学と啓蒙とを上回る威力で民衆の信念をつくるっているものが存在する、ということを彼は深く考えざるをえなかった。p.63
中国の青い鳥―シノロジー雑草譜 (平凡社ライブラリー)
中野 美代子 / 平凡社 (1994-12)
読了日:2013年9月16日
興味のあるところだけ拾い読み。星座と想像力、海獣天国、諸蕃志校注、悪の文学ーリラダンとロートレアモン、伏せ字の効用、北大女子はばかり史余話、などを再読。
サマルカンドの金の桃―唐代の異国文物の研究 (アシアーナ叢書)
エドワード・H. シェーファー , 伊原 弘 / 勉誠出版 (2007-09)
読了日:2013年9月16日
何年かぶりに再読。翻訳が出る前は、原書を買って、興味のありそうなところだけコツコツ和訳していた本。思いつくままに、ラピスラズリ、ラック、玳瑁、丁子、薔薇水、龍血などの項、および訳者あとがきを読みふける。1950年までの参考文献だから、現在の研究を参照すれば書き換えられるところが多々あること、史料の引用が正確ではない場合があったり、各言語にまたがった原文に、苦労した様があとがきからわかった。書評もあるようだ↑こちら http://www.toho-shoten.co.jp/export/sites/default/review/toho326-1.pdf
リスボン日記―寛容をめぐる詩的断想
横木 徳久 / 思潮社 (2012-10)
読了日:2013年9月16日
ポルトガル日記とポルトガル現代詩紹介の二本立て。/後進性への自覚、モダニズムの意思、パトリオティズムの強固さ、この三つがポルトガル人の精神構造の支柱になっていると私は考えている。(p.66)/いずれにせよ、待つしかない。待つことに慣れることがこの国の流儀なのだから。(p.187)/
崎原 恒新 / ボーダーインク (1999-08)
読了日:2013年9月16日
八重山を読む、つながり。村と島/地名/御嶽・拝所・寺社・墓/井戸/遺跡・貝塚/人物/各種団体/郷友会・同窓会/学校/定期刊行物・記念誌/金石文/自治体・官公庁・各種公共施設/まつり・神・芸能/動植物/その他、の各項からなる。村と島、地名、人物あたりをざっとながめる。鳩間、オヤケアカハチ、サンアイイソバ、長田大主、波照間あたりを。
新婚旅行は無人島
箕田 律子 / 草思社 (1989-09)
読了日:2013年9月16日
八重山を読む、つながり。/無人島旅行、たのしそうだけど、もちろん楽しいばかりじゃない。/昼間は暑くて海岸にはいられない。海水だってお湯のようだ。夜は火をたかなければ体中虫に食われて痒くてたまらない。火のそばは煙くて目、鼻、のどが痛い。といって火にお尻を向けると暗くて調理できない。一日の大半は食べ物と薪と水を集めるのに費やされる。ほかの時間で食料の保存に努力する。(p.68)
死神の浮力
伊坂 幸太郎 / 文藝春秋 (2013-07-30)
読了日:2013年9月15日
娘を殺され復讐を誓う作家とその妻。そこに現れた死神・千葉。何をもってしても、殺された者はもどらず、また理不尽に遺族の感情が逆なでされていく様は、フィクションとはいえ読み進むのがつらいものがあった。作中言及されていたパスカル「パンセ」、渡辺一夫「狂気について」を読んでみたいくおもった。
社長のテスト
山崎 将志 / 日本経済新聞出版社 (2012-06-23)
読了日:2013年9月15日
あっというまに読みながら、ビジネスのツボ、ビジネスマンのツボをおさえた作り。天与の修羅場、と思えるかどうか、が別れ道なんだろうな。日々の暮らしは超たのしくって仕事はぜんぜんダメ、というのはありえない、というのも染みる。
夢の雫、黄金の鳥籠 4 (フラワーコミックスアルファ)
小学館 / 小学館 (2013-09-10)
読了日:2013年9月14日
流行の、やられたらやりかえす倍返しだ、じゃないけど、たとえ相手を陥れる手紙や、黒人奴隷を使ったハマムからの拉致、すまきにして金閣湾に沈めるなどの策を次から次へとくりだす、皇子を産んだ正妻の座を守るためにはなんでもするギュルバハル。あるときは裏をかき、あるときは小姓頭イブラヒムに助けられ、自分の思うところにまっっすぐにすすみ、お互いの気持ちを確かめ合うが。答えは、あなたには生きていてほしい。絶大なる君主の側室と全幅の信頼を置かれた寵臣との関係は、露見すればまわりをも巻き込んだ死。しかし、スルタンの次の目は、遠くロードスに向けられたのだった、というところでこの巻は終わり。スレイマン大帝の関係書、読み返したくなってきた。
天竺までは何マイル?
中野 美代子 / 青土社 (2000-02)
読了日:2013年9月14日
偽書たちの力ーマルコ・ポーロの周辺で、「天下一人」のアイデンティティについてー徽宗私論、などを再読。後者については、澁澤龍彦「桃鳩図について」にまで興味が再燃。
星への筏―黄河幻視行
武田 雅哉 / 角川春樹事務所 (1997-10)
読了日:2013年9月14日
黄河源流をめぐる諸説、および、宇宙卵の話し、など。図像をめぐるたのしみ。
失恋ショコラティエ 7 (フラワーコミックスアルファ)
水城 せとな / 小学館 (2013-09-10)
読了日:2013年9月14日
ずっと妄想していたことが、まさかの実現、家出してふところに転がり込んできたサエコさん。最初はいろいろ自分に言い訳していた爽太だったけど、一度は約束したえれなには何も告げず、自ら現状におぼれていく、傍から見たら脳天気な楽天さで。さてさてこれからどうなることやら。サエコさんに、本当に好きってどういうこと?と問いかけかえされて、からめとられていく薫子さんのシーンが印象にのこる。
モーレツ!イタリア家族 (ワイドKC)
ヤマザキ マリ / 講談社 (2006-10-13)
読了日:2013年9月10日
再読。同じ著者の「リスボン日記」に触発されて。重なるところはあったけど、おもしろかった。傍目には、おもしろいけど、まっただなかだと大変だろうなあと思いつつ。
カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生
渋谷 直角 / 扶桑社 (2013-07-30)
読了日:2013年9月10日
藤九郎の島
久生 十蘭 /
読了日:2013年9月9日
中野美代子「あたまの漂流」つながりで。
あたまの漂流
中野 美代子 / 岩波書店 (2003-06-27)
読了日:2013年9月9日
ほぼ十年ぶりの再読。久生十蘭「藤九郎の島」、イブン・トゥファイル「ヤクザーンの子ハイイ」、高野文子「絶対安全剃刀」、セルボーン「ヤコボ・ダンコーナの旅行記」、さまざまな書に奇想、想像、興味をひかれ、彷徨い、糸口となり、楽しめた。
yeah! おひとりさま (アサヒコミックス)
新久千映 / 朝日新聞出版 (2013-09-06)
読了日:2013年9月8日
恋しくて - TEN SELECTED LOVE STORIES
村上 春樹 / 中央公論新社 (2013-09-07)
読了日:2013年9月8日
村上春樹「恋するザムザ」のみ読了。
パイヌカジ―沖縄・鳩間島から
羽根田 治 / 山と溪谷社 (1997-07)
読了日:2013年9月8日
陰翳礼讃 東京をおもう (中公クラシックス (J5))
谷崎 潤一郎 / 中央公論新社 (2002-01)
読了日:2013年9月8日
「われわれは一概に光るものが嫌いという訳ではないが、浅く冴えたものよりも、沈んだ翳りのあるものを好む」(p.13)/「われわれ東洋人は何でもない所に陰翳を生ぜしめて、美を創造するのである」(p.34)/「美は物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にあると考える」(p.35)(「陰翳礼賛」より) / 「分けのぼる麓の道は多くともおなじ高嶺の月を見るかな」という芭蕉の境地(「恋愛及び色情」より)
ヤマザキマリのリスボン日記 テルマエは一日にして成らず
ヤマザキ マリ / フリースタイル (2012-04-25)
読了日:2013年9月8日
2013/09/08読むの再開、そして読了。なぜ一年半も放置していたのかと自分をいぶかるぐらい、おもしろくて一気によむ。ポルトガルやリスボンのこと、モーレツ!イタリア家族のことなどたのしくよむ。そして作者がすすめてくる観たい!読みたい!聴きたいものがわんさかと。
喰う寝るふたり 住むふたり  1(ゼノンコミックス)
日暮 キノコ / 徳間書店 (2012-11-20)
読了日:2013年9月6日
喰う寝るふたり住むふたり 2 (ゼノンコミックス)
日暮 キノコ / 徳間書店 (2013-03-19)
読了日:2013年9月6日
真正面から書いたら重いテーマだけど、きちんと読ませてくれる。同棲、結婚、子供、セックスレス、両親、仕事、すれ違い。おなじエピソードを、男目線、女目線、交互で語っていく手法。けど、最後はお互いがお互いを大事で好きなことが伝わってきてほほえましくて、続きも気になる。
波照間の怪しい夜
椎名 誠 / 雷鳥社 (2010-02-20)
読了日:2013年9月6日
厳寒の地から波照間までたどりついて、びっくりするほど埃のこびりついた扇風機のある宿で一泊したあと、浜辺でテントを張り、民宿の主人等が泡盛と三線を手にやってきて、自作オペラを演じてくれた一夜のエピソードが心に留まる。
屋根よりも深々と
文月 悠光 / 思潮社 (2013-08-10)
読了日:2013年9月4日
結ばれなさい、ねじれなさい、すこやかに断絶しなさい。 線であることを忘れてごらん。(「流星の愛で方」より)// またあえますね/ここにいる。(「神魚」より)
地図
太宰 治 /
読了日:2013年9月3日
八重山風土記つながり。石垣島を征服した琉球の名主・謝源の話し。
ルバイヤート
オマル ハイヤーム /
読了日:2013年9月3日
ペソア「不穏の書、断章」に触発されて。一章裂かれて、ルバイヤートのことが扱われていたので。/「水のごとくも来たり、風のごとくも去る身よ!」「花は土から咲いて土に散る。」あの世に行った人が、帰ってきたなどという話はきいたことがない、という趣旨のことが繰り返し語られる。だから、現世を力の限りたのしめ、というメッセージがこめられているのか。
俺物語!! 4 (マーガレットコミックス)
アルコ / 集英社 (2013-08-23)
読了日:2013年9月2日
前半は、ずっと猛夫に片思いしてきた親友砂川の姉。姉に告白してフラれた男が登場して、告白して自分のターンにしようと画策するが…。結局果たせず、姉がすでに彼女にいる猛夫にかけられた言葉は「浮気するなよー」。さてこの思いどうなることか。後半は、猛夫の魅力にきづいてしまった同級生のまりあ。人間として好き、と告白するがさてこちらもどうなることか。あいかわらず猛夫とやまとのふたりはお互いがまっすぐに好きすぎてみていてまぶしい。猛夫を好きな人がでてきたら、戦う、でもどうやって?と友だちみんなが親身になやんでくれたりのシーンがほほえましかった。
札幌古書籍商組合 / 札幌古書籍商組合 (2013-05-01)
読了日:2013年9月2日
八十年史の後半部分と座談会を読了。巻末の、古書組合に入った古書店の営業期間一覧が有益。あぁ、高校の通学路に確かにこの古本屋さんあったよな、とか、こんな近所に営業してた期間あったんだ、と思ったり。昭和三十年代とかものすごく景気のいい時代があったんだな、とか、ネット専業でぽちぽち蔵書売って行ったら、いつのまにかサラリーマン時代の年収越えちゃったとか、古本屋のコーチャンフォー目指す野望があるとか、いろいろな話しが読めた。
八重山風土記―コラム「不連続線」2002‐2009 (やいま文庫)
砂川 哲雄 / 南山舎 (2011-01)
読了日:2013年9月2日
八重山毎日新聞の2002年から2009年までのコラムをまとめたもの。オヤケアカハチ研究、沖縄県立図書館八重山分館の閉館問題、詩人・山之口貘のことや、密林酒、太宰治の「地図」までさまざまなトピックが目にとまる。
新編 不穏の書、断章 (平凡社ライブラリー)
フェルナンド・ペソア / 平凡社 (2013-01-12)
読了日:2013年9月2日
再読。しんみりと。ペシミスティック、後ろ向き、陰鬱で、時に力強く。そして、郷愁。/69 河は善くも悪くも流れている。河のオリジナルは存在しない。/73 あらゆるものがわれわれとは違っている。だから、すべては存在する。/100 あらゆる波止場は、石の郷愁(サウダーデ)/129 宇宙のように複数であれ(以上、断章より)/119 人生を生きよ。人生によって生きられるな。/119 人生を夢で置き換え、完璧に夢見ることのみに腐心せよ。(以上、不穏の書 より)
八重山を読む (シリーズ八重山に立つ, 2)
三木 健 / 南山舎株式会社 (2000)
読了日:2013年9月1日
平山鉄太郎「沖縄本礼賛」に触発されまくって手にとった一冊。ほんと、八重山に関する書が簡潔な紹介つきでたくさん紹介されていて、読みたい本がたくさんでてきて困ってしまう。とりあえず、鳩間のことが語られる、パイヌカジ、と、八重山毎日新聞のコラム、不連続線から着手。鳩間や波照間、オヤケアカハチのことなどは特に読んでみたい。


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2013年09月06日

2013年08月に読んだ本

期間 : 2013年08月
読了数 : 35 冊
新潮日本文学アルバム〈30〉中原中也
新潮社 (1985-05)
読了日:2013年8月31日
巻頭の、春の夕暮れ。山羊の歌、朝の歌より。天井に朱きいろいで…。在りし日の歌、春日狂想の、「まことに、人生、花嫁御寮」の一節が彼の遺言であろう、と。中也の気取りで自らを神童とした幼少時代。ただ己のみ頼り、先行きをかんがえず踏み出した「敢行」の時代。内実、実家を欺き、送金させ続けていたが。女優長谷川泰子との暮らしと、小林秀雄のもとへの蓄電。孤独な東京暮らし、散策の日々から、郷里での結婚、愛息の夭逝、そして自らの三十歳の死まで。
鞄図書館(2)
芳崎 せいむ / 東京創元社 (2013-08-29)
読了日:2013年8月31日
できることしかできない。ヒゲの司書さんと饒舌なカバンのコンビ、鞄図書館。この世のあらゆる書物を貸し出せるが、期限は一年。ゲーテ記念館を探して旅を続ける。また、ゲーテ格言集、高橋健二訳が読みたくなってくる。全編を通して語られる格言たち。
パラダイス アべニュー (小学館文庫 きF 2)
清原 なつの / 小学館 (2013-08-10)
読了日:2013年8月31日
良く晴れた微風の日、の主に主人公のほうからのこだわりで一線ひくところのある関係が気になる。二作目は書き下ろしなのだけど、三作目もすぐに読みたいと思ってしまったがかなわぬか。文庫化にあたり、書き下ろしもけっこう含まれていてお得。
王陽明「伝習録」を読む (講談社学術文庫)
吉田 公平 / 講談社 (2013-05-10)
読了日:2013年8月31日
いかに現実で悪を体現していても、非本来的要因でそうなっているので、「本来完全」であることを回復すれば悪から救われる。回復する能力は完全に固有。だから自己の外部の救済者は不要。”あくまで自己の本来固有する力で現実の自己を救済できるのである” 徹底した自力主義。(p.39要約)
スティーブ・ジョブズ(1) (KCデラックス)
ヤマザキ マリ / 講談社 (2013-08-12)
読了日:2013年8月30日
まずヤマザキマリさんの絵が、ジョブズの特徴とらえまくってるよね。この巻は、現在から過去を回想しつつ、産まれてから、ウォズとの出会い、リード大学への入学と中退、アタリへの入社とインド放浪まで。
カクテル・パーティー (岩波現代文庫)
大城 立裕 / 岩波書店 (2011-09-17)
読了日:2013年8月29日
表題作のみ読了。親善という言葉ではくるみきれない苦い思い。支配/被支配の関係性の中での割り切れぬ思い。
にっぽん全国 百年食堂
椎名 誠 / 講談社 (2013-01-31)
読了日:2013年8月29日
百年続いているからってうまいとは限らない、けど、単にまずければ百年も続くはずがない。この矛盾する命題が繰り返し語られる。見ていると、大盛り定食、ガツっとたべて、身体に喝を入れたくなってくる。石垣のおそばやさんのゆるい感じ、好きだったな。
図書館の主 6 (芳文社コミックス)
篠原 ウミハル / 芳文社 (2013-08-17)
読了日:2013年8月25日
敏腕司書御子柴の過去が、彼のことを一方的にライバル視する元同僚の登場であきらかに。尊敬する先輩司書が、司書資格など持たない理解のない上役に図書館以外の職場へ異動させられたのを目の当たりにして、そういった事態が起きないように奮闘しようとするも、恩師の一言がきっかけで、私設の児童図書館へ、と。そして、その元同僚の子供時代の話しがきっかけで、小川未明の童話がクローズアップされる。青空文庫でおとしてきて、さっそく読んでみたくなる。毎回何かしら関連書が読みたくなってくる、図書館の主。
政と源
三浦 しをん / 集英社 (2013-08-26)
読了日:2013年8月25日
悪くない、と国政は思った。飽きるほど繰り返した日々がもたらしたものがこれならば、生きて死ぬのも悪くはない。p.47/そうやって、欲しいもんを欲しいと言わずに諦めちまうのは、お前の悪い癖だp.85/たまに葉書を送ってくれてもいいんですよp.261
きょうは会社休みます。 4 (マーガレットコミックス)
藤村 真理 / 集英社 (2013-07-25)
読了日:2013年8月23日
33歳33年彼氏なしの花笑さんと職場にバイトに来ていた大学生田之倉くん21歳のラブストーリー。会社の別のフロアのやり手でクールなCEOの朝尾さんや、かわいいけど見栄っ張りな後輩の瞳ちゃんがからんでくるけど、紆余曲折を経つつも、基本、ふたりはふたりの道を。思った気持ちをすなおにためこまないって大事よね、と思いつつ。
つるつるとザラザラの間(1) (アフタヌーンKC)
月子 / 講談社 (2013-07-23)
読了日:2013年8月23日
爬虫類両生類ペットショップの息子環くん(じつは爬虫類両生類苦手)と爬虫類両生類LOVEなさやちゃんの、さわやか甘酸っぱいラブコメディ。健気でウブで見てられないとこもあるけど、友達や姉妹含めて、とぼけた味出してて好感。そして素直。
タモリ論 (新潮新書)
樋口 毅宏 / 新潮社 (2013-07-13)
読了日:2013年8月18日
賛否両論らしいけど、個人的には「否」。タモリフリークならぬ身には、興味深いことも多々あったけど、「論」というからには、もう少しふみこんでほしかった。
その男、甘党につき
えすとえむ / 太田出版 (2013-07-25)
読了日:2013年8月18日
チョコレートを愛して止まない、クールなパリの弁護士ジャン=ルイ。友人の結婚式で悪態をつく美しき編集者、家庭がうまくいってないショコラティエ、店にチョコを並べるのを許してもらえない見習いショコラティエ、甘いものを控えるよう忠告する歯医者。チョコレートを通してつながり、相談にのり、時に妄想も入り混じって繰り広げられる連作短編集。うどんを題材にさた、うどんの女も面白かったし、次は別のたべものでも。
いつかティファニーで朝食を  3 (BUNCH COMICS)
マキ ヒロチ / 新潮社 (2013-08-09)
読了日:2013年8月18日
名古屋きしめん、水曜どうでしょう藤村Dのお母さんがやってる喫茶店の小倉トースト、上井草のサンドイッチやさん、大阪のハケで自分で醤油塗ってたべる握りというよりつかみといった感じの寿司、横浜黄金町の二十四時間タイ料理やさん。た、たべてみたい一品ばかり。勝手に恋敵認定されておいかけまわされたり、ぶっきらぼうで愛想のない中途の年下社員に反発しながら気がつくと恋に落ちてたり、遠距離恋愛の勢いで、見送りにきたはずが、新大阪行きの新幹線に一緒に乗り込んでたり。
Hatch 2 (Feelコミックス)
村上 かつら / 祥伝社 (2013-04-08)
読了日:2013年8月18日
あんたの幸せを願ってのことなのに。自分の幸せは自分で決める。のえみが28年かけて回り道しながらたどりついた結論。育ってきた環境が違うから、たどりつく速度も、方向も違ったとしても、結局は自分で決めないと、自分の選択に責任を持てないと、と。
平山鉄太郎 / ボーダーインク (2010-07)
読了日:2013年8月18日
コレクター魂を見せつけられ、たのしませてくれる。「八重山を読む」はぜひ手に取ってみたいと思った。
at Home (角川文庫)
本多 孝好 / 角川書店 (2013-06-21)
読了日:2013年8月17日
血がつながってなくても、普通と違った形に見えても、だからこそ、家族以上に家族、と思わせるような連作短編集。
「『ジューシー』ってなんですか?」 (集英社文庫)
山崎 ナオコーラ / 集英社 (2011-11-18)
読了日:2013年8月17日
先に続く仕事や、実りのある恋だけが、人間を成熟へと向かわせるわけではない。ストーリーからこぼれる会話が人生を作るのだ。p.140
海外ブラックロード −危険度倍増版−
嵐 よういち / 彩図社 (2003-02)
読了日:2013年8月15日
散漫。前に読んだ、ヨハネスブルク、ナミビアなどをとりあげた「アフリカ・ブラックロード」が読み応えあって興味深かったので、手にとったのだけど、こちらは、箇条書きをつらねたような素っ気なさ、味気なさ。アメリカで過去の不法滞在をネタに獄中に入れられたことやイスラエルでいかに差別され、ひどい目にあったかの一節は記述が厚かったがそれ以外はどうにも薄い。
俳句の宇宙
長谷川 櫂 / 花神社 (2001-09)
読了日:2013年8月15日
十七文字のみで完結するものではなく、背景にある「場」まで把握して読み込まなければ、作者の意図など汲めない、と。取っ付きやすそうに見えて、奥が深く、なかなか全貌をつかめない。そして「場」も時代により変わっていく。池澤夏樹「スティル・ライフ」の引用と、凡兆の「灰汁桶の雫やみけりきりぎりす」の句が印象に残る。/エズラ・パウンド:「自分の求めているイメージという「場」に引き入れて俳句を読んだから、俳句はイメージの詩に見えたのだ。世界は人の欲望をなぞる。」
龍馬史 (文春文庫)
磯田 道史 / 文藝春秋 (2013-05-10)
読了日:2013年8月15日
「此者がありてハ徳川家の御為にならぬ」ということが暗殺の理由では。/龍馬の手紙の特徴は、家族に、政治活動の内容、自分が知った様々な内幕などを全部喋ってしまうこと/血を流さず倒幕できるに越したことはないが、同時に鉄砲を運び、連合艦隊をつくる相談をし、いつ死んでもいい覚悟を決めている。/実家が豪商だから、武士に不必要に怯まず、商取引や金銭への忌避感がなかったので、商品流通を元に富国強兵を図る海援隊のような組織を作ることができた/藩邸暮らしが、土佐における身分制度、武士社会における身分制度について開眼させたのでは/大政奉還や、幕藩体制に代わる新政治体制の在り方は、先駆者がいた。それより誰より早く海軍の重要性を理解し、実際に海軍を創設し自ら船を動かして実戦を戦ったことを作者は重要視。/旧来の武士の壁を飛び越える。武士が想像できない海軍創設、身分を超え藩主クラスの大物にも平気で面会、金を扱うことをいとわず、数千両の借金、武器運搬などの商行為で運営資金を稼ぐ、藩と藩を結びつけて軍事同盟を結ばせる/寺田屋事件での龍馬のミス。あわてて逃げたためか、関係書類や文書などを、伏見奉行所に押さえられたこと。龍馬や薩長同盟に関する有力な資料を入手し、幕府は、龍馬が何者かはっきり認識し、危険視した。/「いろは丸事件」。日本史上「最大の賠償金の吹っかけ」。平成になってからの海底調査では、船から金塊はおろか銃すら出てこず。/会津藩や見廻組のテリトリーにきて、幕府の重職永井玄蕃に直接交渉し、せっかく捕まえた下手人の釈放をはかる。寺田屋で奉行所の役人をピストルで殺している。寺田屋で反幕活動の書類をわんさか押収。→会津藩や見廻組を刺激。/会津藩(公用人の手代木勝任が計画し松平容保が承認)→見廻組のルートで暗殺指令が出たものと/今井信郎、佐々木只三郎らが実施した、と。/
オレたち花のバブル組 (文春文庫)
池井戸 潤 / 文藝春秋 (2010-12-03)
読了日:2013年8月13日
計画はあくまで計画---そう思っているうちは、会社経営はうまくいかない。計画通り、あるいはそれ以上実績を上げようという意思があってこそ、方向性が生まれるのではないか。p.67/「オレたちバブル入行組は、ずっと経済のトンネルの中を走行してきた地下鉄組なんだ」p.231/「もうあんたの顔を見なくてもすむと思うと正直、ほっとする。だが、あんたがいなくなるかと思うと、ちょっと寂しい気もしますね。事業計画なんぞ立てて、会社を再生しようとしたのはあんただけだった」p.308
オレたちバブル入行組 (文春文庫)
池井戸 潤 / 文藝春秋 (2007-12-06)
読了日:2013年8月13日
かつて---護送船団方式で守られていた銀行は、困ってもお上が助けてくれた。だから、義理人情優先モードでチュ小零細企業に融資し、貸し倒れの山を築いたとしても安心していられたのだ。p.185/銀行という組織は、全てがパッテン主義だ。業績を上げた手柄は次の転勤で消えるが、バッテンは永遠に消えない。そういう特別な回路を搭載した組織なのだ。(略)一度沈んだものは、消えるしかない。それが銀行回路だ。p.287/余談だけど、イトマン事件、興銀・尾上縫・巨額詐欺事件、住友銀行名古屋支店長射殺事件、証券会社損失補填問題に端を発した第一勧業銀行のスキャンダルあたりは、もう少しフォローしてみようと思った。
さよなら渓谷 (新潮文庫)
吉田 修一 / 新潮社 (2010-11)
読了日:2013年8月13日
批難もできない。礼も言えない。(p.217)という言葉に凝縮された思い。
ワーキング・ホリデー (文春文庫)
坂木 司 / 文藝春秋 (2010-01-08)
読了日:2013年8月13日
「よし。じゃあ夏休みの間に俺はお前をクラス一のモテ男にしてやる。それが俺たちの当面の目標だ」p.52(ヤマト)/「あのな、夜遊びは、金に余裕があるときにだけするもんだ。身を削ってまでするもんじゃねえよ」p.65

(ヤマト)/「あのね、ヤマトは取り返しのつくことに関しては怒らないわよ。ただね、取り返しのつかないことは許せないの」p.176(ジャスミン)
なるほどコーヒー学 ― コーヒーを楽しむ最新知識のQ&A
金沢大学コーヒー学研究会 / 旭屋出版 (2005-02)
読了日:2013年8月12日
エピクロス 教説と手紙 (岩波文庫 青 606-1)
エピクロス / 岩波書店 (1959-04)
読了日:2013年8月12日
教説と断片のみ読了。/主要教説より/5 思慮ぶかく美しく正しく生きることなしには快く生きることもできず、快く生きることなしには<思慮ぶかく美しく正しく生きることもできない。>/断片(一)より/60 人はだれも、たったいま生まれたばかりであるかのように、この生から去ってゆく。/断片(二)より/86 隠れて、生きよ。/
宇田智子 / ボーダーインク (2013-07)
読了日:2013年8月11日
めったに見ないツイッターを開いたら、とくふく堂休眠の話題で賑わっていた。とくふく堂のブログを見ると、その日の日付で「次にやる人を探しています」という記事があがっていた。ああ、これだったんだ。メールを書きかけて、途中でやめて電話をした。p.51/不動産屋のおじさんの、太宰治「お伽草子」の「カチカチ山は、兎と狸を女と男にたとえて、何度読んでも笑ってしまう面白さ、とか/だいたい四角くて、火にも水にも弱く、賞味期限はなくても経年劣化し、内容は全部違って、ある人にとってはゴミでも別の人には宝物かもしれない、本というもの。妙なものを売っているなと、まわりを見てあらためて思う。誰が食べても「おいしい!」と声をあげるアンダンスー(油みそ)が、ときどきうらやましくなる。pp.104-105/昔から休みの日にはお互いの前に店を広げる約束があったのだ。p.191
海月と私(1) (アフタヌーンKC)
麻生 みこと / 講談社 (2013-08-07)
読了日:2013年8月11日
半年後には閉めようと考えていた、駅からも温泉からも離れた浜辺のひなびた民宿に、住み込み仲居としてやってきた、前職不詳住所不定のうら若き美女梢。最初は、うさんくさく思い、とらえどころなく扱いかねていたのに、どんどんどんどんペースに乗せられ、宿を続けることを決意したところまで。転がされる楽しさ。
松田優作物語―ふりかえればアイツがいた! (06) (ヤングチャンピオンコミックス)
宮崎 克 , 高岩 ヨシヒロ / 秋田書店 (2002-06-13)
読了日:2013年8月10日
金子正次が、血を吐くようにして作った、竜次、見てみたい。温泉街でストリップを見てたら、本名で館内呼び出しされ、誰だよ、とでてみたら、吉永小百合が、優作さん打ち上げですよ、と迎えに来てくれたシーン。ガンごときで死んでたまるかと思ってたんじゃ、と安岡力也。最期は、魂は絶対なくならない、という松田優作の言葉で締めくくられる。
キングダム 31 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2013-07-19)
読了日:2013年8月9日
咸陽に到達するまでの最後の砦、蕞。秦王政の到着、信の防戦、合従軍の攻城。二日目まで。
O脚の膝
今橋愛 /
読了日:2013年8月6日
雨粒に閉ぢ込められた真夜中は ピストルムゥビィ目で追えど「空」/ああまちに 今日も光がさしこむよ 記憶。どこにもうちつけて痛い/慣れすぎてやさしかった あのへやに いつものようにあんなボサノヴァ/ばかみたい。 月のように信じてる 忘れないで ついてこないで/「水菜買いにきた」 三時間高速をとばしてこのへやに みずな かいに。/あるくほど痛くなるO脚の膝のよう はなれてもそこにある月のよう/
先生と僕
坂木 司 / 双葉社 (2007-12)
読了日:2013年8月5日
夜の光
坂木 司 / 新潮社 (2008-10)
読了日:2013年8月4日
切れない糸 (創元推理文庫)
坂木 司 / 東京創元社 (2009-07-05)
読了日:2013年8月4日
「愛されていたという記憶さえあれば、人は一人になっても生きていける。大切にされた命だとわかっていれば、暗い道で迷うこともない。わかるか?」p.102/「じゃあお前も、重くなって地面とつながればいい」p.198/欧米での服は、洗えば洗った分だけ消耗するものなんだ。しかも、洗わなくてもそれなりの回数は着ることができる。だから洗えない服でも存在価値があるんだろ」p.238/「カズとおやっさんは、相手に根を与えてくれるんだ」p.384/


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2013年08月04日

2013年07月に読んだ本

期間 : 2013年07月
読了数 : 38 冊
シンデレラ・ティース (光文社文庫)
坂木 司 / 光文社 (2009-04-09)
読了日:2013年7月31日
「合わせる努力をしなければ、ぴったり合う入れ歯なんて一生できっこないんだ」「だって全ての義歯は、オーダーメイドなんだから」
ジプシー歌集 (平凡社ライブラリー―詩のコレクション)
フェデリコ ガルシーア・ロルカ / 平凡社 (1994-03)
読了日:2013年7月31日
サキャ格言集 (岩波文庫)
サキャパンディタ / 岩波書店 (2002-08-20)
読了日:2013年7月31日
「怒ることは無意味に自分を焼くことだ」「光がものを隠す時」という一節が目に止まる。
ホテルジューシー (角川文庫)
坂木 司 / 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010-09-25)
読了日:2013年7月30日
「でも、退屈な日々があってこそ旅は輝くものだし」/(本当は最初からずっと、かけがえのない時間だったはず)/「幸せだよ」「背中を押してもらえるってのはさ」/そして、”人生はたまに、他人の手でかき混ぜられた方が面白い。”
ローマ人の物語 (2) ハンニバル戦記
塩野 七生 / 新潮社 (1993-08)
読了日:2013年7月28日
ハンニバルのアルプス越えからカルタゴ滅亡まで読了。戦史の詳細な描写は、和書では類書を見ないと思う。思い入れたっぷりなところも。シリア王の使節へのスキピオ・アフリカヌスの言葉が印象に残った。すべて神の思し召しの成すところゆえ、我ら、高慢や絶望と無縁なり、といった旨か。
離島の本屋 22の島で「本屋」の灯りをともす人たち
朴 順梨 / ころから (2013-07-19)
読了日:2013年7月28日
離島の本屋さんは、ふだん町で見かける本屋さんの常識にとらわれない、さまざまな形を見せる。そして、地元の人に愛され、とけこみ、地域社会の中で重要な一翼をになっている。ただ、後日案のページは悲喜こもごも。ちいさな商圏での書店経営の厳しさと、ほんのすこしの曙光が見えてくるような。
夏葉社 (2013-07-19)
読了日:2013年7月28日
海外文学棚の個性、病院売店で料理本がたくさん売れるのはなぜ?、民家もないすすきの原に立つ本屋さんとは。最南端と最北端の書店は、など、目にとまる。書店好き心、本好き心、旅心をそそられる。
宝石の国(1) (アフタヌーンKC)
市川 春子 / 講談社 (2013-07-23)
読了日:2013年7月27日
連載時は、話がつかみづらかったが、まとめて読むとだいたいの概略はつかめてきた。「先生」が束ねる鉱物人間たちからなる星の話。時折行われる月人による鉱物狩りから星を守るため、最高の硬度と剛性を持つもの、夜に力を発揮し息をするだけで毒液を吐くもの、さまざまな個性を持ったものが立ち向かってゆく。狂言回しは、脆くて不器用で、けど度胸だけはある、与える仕事に困られた上、はくぶつしを編むことを命じられたフォス。最後に見えぬものと話す力を身につけたところでこの巻は終わる。前二作の短編集にも萌芽が見られた、奇想の物語。
ハンニバル  地中海世界の覇権をかけて (講談社学術文庫)
長谷川 博隆 / 講談社 (2005-08-11)
読了日:2013年7月27日
どうしてもハンニバルに委ねることになる土地は、撤退前に荒らしておく。この焦土作戦が、実はこの後何世紀にもわたるイタリア農業およびイタリア社会の大問題になるのであった。p.97/しかし、本当にハンニバルは「戦争」に勝ったのであろうか。p.109(カンナエの戦い後の記述)/「ハンニバルよ。貴方は勝つすべは知っている。だが、勝利の果実を刈り取ることはできないのだ」と。マハルバルが、この後われわれの史料から姿を消すが、それはなぜか。謎として残ることは確かである。p.110/カンナエから逃れ帰った執政官ウァロは、「祖国に絶望しなかった」として恭しくローマ市民に迎え入れられた。p.111/この前二一一年のカプア陥落は、南イタリアでのハンニバルに対する戦争の転機となった。p.139/
ギリシア哲学者列伝〈中〉 (岩波文庫)
ディオゲネス・ラエルティオス / 岩波書店 (1989-09-18)
読了日:2013年7月25日
ディオゲネスの章のみ読了。短いエピソードでつづられた人物像。類書でもうすこし深くしりたくなる。
光
三浦 しをん / 集英社 (2008-11-26)
読了日:2013年7月24日
五年ぶりの再読。今回は信之の冷え冷えとした魂から目が離せなかった。
悪魔が本とやってくる (吉野朔実劇場)
吉野 朔実 / 本の雑誌社 (2013-07-18)
読了日:2013年7月22日
「ピダハン」というブラジルの奥地の原住民を描いたノンフィクションは読んでみたいと思った。ひとりカズオ・イシグロ祭りや、文学的表現の禁じ手に共感。
アド・アストラ 3 ─スキピオとハンニバル─ (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
カガノ ミハチ / 集英社 (2012-11-19)
読了日:2013年7月21日
アド・アストラ 2 ─スキピオとハンニバル─ (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
カガノ ミハチ / 集英社 (2012-05-18)
読了日:2013年7月21日
アド・アストラ 4 ─スキピオとハンニバル─ (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
カガノ ミハチ / 集英社 (2013-06-19)
読了日:2013年7月21日
二巻から四巻まで読了。ハンニバルに対する正規軍の度重なる敗戦に、ローマ帝国の独裁官となったファビウスがとった策は、戦わない持久戦。しかし、それは、同盟市の協力もなかなか得られず、味方からも臆病者ののろま呼ばわりされる厳しい策だった。ハンニバルの死体を見れたなら、喜んで死んでやろう、と己の信念を貫く厳しさが目に留まる。自分を嘲笑し出撃していったミヌキウスに最後は援軍をおくったシーンが印象に残る。「猛省すべきだが私に感謝する必要はない。私はお前達を見捨てようとしたのだ。感謝ならばお前を救おうと私を説得したかつての友にするがよい。」
繕い裁つ人(4) (KCデラックス)
池辺 葵 / 講談社 (2013-07-12)
読了日:2013年7月21日
時がたつと凪いでくる、忘れられるのね人は。/なあ市江 お前がどんなときでも美しいものに感動できるならそれほど豊かなことはないと私は思うよ。/ウェディングドレスに刺した刺繍の数は願った幸せの数だって。/市江さんが親友の牧さんのウェディングドレスを仕立てる過程、葛藤が中心に据えられた巻。
ギリシア・ローマ抒情詩選―花冠 (岩波文庫)
呉 茂一 / 岩波書店 (1991-11-18)
読了日:2013年7月21日
過ぎされば、尋ぬれど花はなくあるはただ茨のみ(読人しらず)
ピエリアの薔薇―ギリシア詞華集選 (平凡社ライブラリー)
沓掛 良彦 / 平凡社 (1994-08)
読了日:2013年7月21日
その生は蜜のごとし(ピンタロス)。かぶきたまえや(パルラダース)。
ギリシア・ローマ古典文学案内 (岩波文庫 別冊 4)
高津 春繁 , 斎藤 忍随 / 岩波書店 (1963-11-16)
読了日:2013年7月20日
エンペドクレス、プラトン、ルクレティウス、ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝」あたりの紹介が興味を惹かれた。また、93行の短い詩「ウェヌスの青空」Pervigilium Veneris 「鶯は歌えど、われは黙す、何時の日かわが春は来たらん」と読人知れぬこの詩の作者は、去り行く異教の美と愛の女神に満腔の郷愁をこめて讃歌を捧げている。」p.127というのも全文読んでみたくなった。
桂籠 (講談社文庫)
火坂 雅志 / 講談社 (2002-03)
読了日:2013年7月17日
「羊羹合戦」のみ再読。坂木司「和菓子のアン」に触発されて。十年前に主君上杉景勝に勘気をこうむって城下を離れて浪々の暮らしをしていた渡辺庄九郎にくだされた命は「関白の鼻をあかす羊羹をつくれ」。なぜ、奉職中は謙信公に風流を買われていたが菓子職人でもない自分がと訝しみながらも、次第に菓子づくりに没頭していったが…。作られた菓子の描写がほんとうに美味しそうで、ついつい店まで出かけて羊羹に手が伸びてしまいそうに。苦さを含んだ成り行きに、自分で言い聞かせるも、それは新たな道へと結局は自分の背中を押すことになった。そして新たな出会いも。
ボルネオの白きラジャ ジェームズ・ブルックの生涯
三浦 暁子 / NTT出版 (2006-09-23)
読了日:2013年7月17日
白人王として19世紀中葉ボルネオのラジャとなったチャールズ・ブルックの一代記。三浦太郎・三浦暁子「太郎家族のボルネオ日記」に触発されて手にとる。インドに生まれ、イギリスに馴染めず、ビルマ戦線で瀕死の重傷を負い、シンガボールへ冒険航海へ。ひょんなことから、ボルネオのサラワクで、内乱を平定して、ブルネイ王からサラワクへ派遣されていたラジャ・ハシムと親交を結び信任を得、ついにはブルネイ王からラジャとして認められ、統治を始める。イギリスからの理解はなかなか得られないなか、統治をすすめ、次第に現地からも信望を得ていく。イギリスに帰国した際には、凱旋帰国のようにもてはやされ、女王や首相をはじめとした有力者からあたたかく迎えられた。しかし、栄華も長くは続かず、治めたはずの地での反乱、天然痘により瀕死の淵を覗き込み、本国ではサラワクのことを知りもしない人々から非難にさらされることに。最後は、後継者と目した甥ブルック・ブルックとの確執も解けぬまま、もう一人の甥チャールズ・ブルックの統治をまのあたりにしつつ、寂しく死んでいく。
かんたんプログラミング Visual Basic 2010 基礎編
川口 輝久 / 技術評論社 (2011-12-27)
読了日:2013年7月17日
ざっと一読。VB6との違いを確かめるように。差異の部分はおいおい吸収していかないと。特にオブジェクト指向、継承の考え方など。あとは開発環境が整ってから再読しなければ。
夢十夜
夏目 漱石 /
読了日:2013年7月16日
1:百年待った男 2:悟れぬ侍 3:百年前の子殺し 4:見せぬまま二度と川から浮かび上がらぬ老人 5:捕われの戦国武将と愛する女を葬った天邪鬼   6:明治まで生き続けた運慶 7:海へと身を投げた瞬間の後悔8:床屋の鏡を行き交う人々 9:幾晩と待つ母とすでに浪士に殺されてていた父 10:崖の上で万匹の豚に突進されるパナマ帽の男/十夜分語られる夢、という形がとられ。とりとめないものは本当にとりとめない。不思議なものはふっつりと不思議さを残したまま。奇想にあそび、ひとつひとつ絵巻をめくっていくような心地に。
ギリシア・ローマ名言集 (岩波文庫)
柳沼 重剛 / 岩波書店 (2003-01-16)
読了日:2013年7月16日
「死は不死ときている」というのが心憎い。「幸運の女神は強者を助ける」が刺さってくる。
夏目友人帳 16 (花とゆめCOMICS)
緑川ゆき / 白泉社 (2013-07-05)
読了日:2013年7月15日
逃がしてあげたはずの妖と、ついてきたために閉じ込められてしまった小さな妖。妖のことが見えない人へ、伝えたい、叶わぬと思うけど、一緒にきてほしいと、この思いをなんというかのかは言わずもがな。また、友人田沼の親戚の温泉街の旅館に友人一同でお手伝いにいく話は、ある時まで人だと思っていた人が、妖だったら、と。良かった場合悪かった場合をひとつずつ垣間みせてくれる。
人生讃歌 ー能條純一短編集ー (ビッグコミックススペシャル)
能條 純一 / 小学館 (2013-06-28)
読了日:2013年7月15日
オーソドックスといえばオーソドックス。タイムマシンにのって、未来からやってきて、自分の存在が消えてもいいから、時間をやり直して、彼女を救いたい思い。部下の結婚式のスピーチで、自分が妻に出会ってからのなれそめを語りだし。今日がめでたい日でしょうか?この人と結婚してよかったと思うのは四十年後かも、だなんてスピーチしたあとに。口ずさんだのは、「人生讃歌」。あるいは、風俗店の用心棒が、歌手をめざす美少女にぐうぜんマフラーをかけられ、それが縁で自分の命を張って、デビューを後押ししたり。斬新、とは思わないけど、語られてきたような題材を正面に据えて、描き切る力量というのもあるんじゃないかという読後感。
夏の前日(4) (アフタヌーンKC)
吉田 基已 / 講談社 (2013-07-05)
読了日:2013年7月15日
青木が、憧れてたけど声もかけられなかった女の子が、親友・森の彼女としてあらわれた。「花を描くのに理由なんてあるか」。描きたいだけだと自分にいいきかせることで、ようやく押さえ込んだかに見えた想いが、晶に見られることで、複雑な様相を呈していきそうなところでこの巻は終わり。巻末のフェチ漫画はこれからもつづいていくのだろうか。おもしろい。
ウォーク・ドント・ラン―村上龍vs村上春樹
村上 龍 , 村上 春樹 / 講談社 (1981-07)
読了日:2013年7月15日
いま読み返してみると、現在の状況と比べて興味深かったけど、とくに、ふたりの奥さん談義がおもしろかった。
太平洋戦争全史 (河出文庫 (た22-4))
太平洋戦争研究会 / 河出書房新社 (2006-07-05)
読了日:2013年7月15日
「大東亜共栄圏」の理想と現実とは甚だしく乖離し、良心的なアジア主義者を失望させた。まことに歴史とは、理想をふみにじって実現する非情の過程である。(p.25)。太平洋戦争の簡潔な通史。なるべく評価をはさまず、事実を提供するようにつとめているように見えた。真珠湾の奇襲から一年に足らぬ、マレー、シンガポール、香港、フィリピン、仏領東インド、ビルマへの攻勢。ミッドウェー海戦以降の米軍の反攻と日本軍の敗退戦。ニューギニア、インパール、中国戦線、フィリピン、硫黄島玉砕とつづき。最後は、本土空襲、沖縄戦、原爆、ソ連参戦、そして無条件降伏まで。後付けならなんとでも言えるが、暗号を解読され、外交は後手後手にまわり、長期的には物資が欠乏することがわかっていつつも、短期決戦に失敗し、前線は中央のいうことを聞かずに独断に走ることもあった。さまざまな論点については、深くほりさげず、各自が突き詰めるための入口の書としては最適。そして、失敗から学ぶという点では教訓に富む。
和菓子のアン (光文社文庫)
坂木 司 / 光文社 (2012-10-11)
読了日:2013年7月15日
高校をでてデパ地下の和菓子屋さんで働きはじめた杏子。下記ネタバレありつつ。キリッと美しくも中身はおっさんな椿店長。見た目爽やかイケメンで中身は乙女系男子の立花。かわいらしい見た目に元ヤン魂を秘める桜井さんと、個性的な同僚や、ちらりと和菓子にちなんだ謎を垣間見せるお客様たち。役員会議の鍵をにぎっていたり、亡夫との思い出だったり、遠距離恋愛の彼氏からのメッセージだったり。そして、立花の師匠の登場。おはぎの別名がこんなにあるとは。和菓子に込められた物語の奥深さと、語呂合わせ連想奇想のつながりには大きく興味をそそられる。
松田優作物語―ふりかえればアイツがいた! (05) (ヤングチャンピオンコミックス)
宮崎 克 , 高岩 ヨシヒロ / 秋田書店 (2001-08)
読了日:2013年7月13日
死ぬことで生き永らえるということもあるんじゃないか、という殿下の言葉と、インタビューをもとめられた村川監督の、いいんだ、もういいんだ、となにも語らずに去った姿が印象に残る。
稲葉 真弓 / 河出書房新社 (1992-03)
読了日:2013年7月13日
女優で作家の鈴木いづみ。サックス奏者の阿部薫。ふたりのひりひりするような、お互いを激しくぶつけあい、愛すると同時に憎しみを抱いた関係。ただ、目を見れば、音を聞けば、愛している、愛されているとわかる関係。/人生はメトロノームだと、だれかが言っていたが、そのメトロノームを止める方法なんてだれも知らないのだ。p.13/「速度が問題なのだ。音にしても言葉にしても。どれだけ早く走らせることができるか……」「醜悪なものの中にこそ真実があるんだ。僕はぶさまなものしか信じない」p.63/「自分の人生に跪きたくはないから。なしくずし的に死んでいくのに耐えられないから。瞬間の充実だけがすべてなのだ」と。あるいはこうだ。「なにが敵かわからないんだ」と。p.70/けれども私にはわかっていた。彼はまた音の中に溺れそうになると、薬をやるだろう。音をもっと遠くに飛ばそうとして、音を瞬間に凍らせることをめざして。pp.107-108/ぼくは誰よりも速くなりたい。寒さよりも、一人よりも地球よりも、アンドロメダよりも。どこにいる、どこにいる、罪は」「いつも北だ。見える?あの極光。寒さか、いや暗い汗……」p.122
アド・アストラ 1 ─スキピオとハンニバル─ (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
カガノ ミハチ / 集英社 (2011-10-19)
読了日:2013年7月13日
ローマの傲慢すぎる姿勢に、神童から怪物へと開花し、カルタゴ勢を奮い立たせたハンニバル。長じて、アルプス越えを果たし、ローマを脅かす。迎え撃つローマの将軍は、大スキピオ。マッシリアで一敗地にまみえるが、アルプス越えを見抜き、ハンニバルの動きを洞察し、執政官たる父を守りつつ鮮やかに撤退戦をまとめた小スキピオを描いたところで一巻は終了。
トラップホール 2 (Feelコミックス)
ねむ ようこ / 祥伝社 (2013-07-08)
読了日:2013年7月12日
裸で逃げたさざるをえなかったハルコを助けてくれた歩のところへ転がり込むことに。ゆかいな仲間たちと楽しくすごしつつ、部屋も借りて、新たに一歩を踏み出すかに思えたのに、またも待ち受けていたトラップホール。全財産入りのトランクを盗まれ、、。どうなることやら。きれいに整地したあとの、自分の心の声に耳を傾けるのも大事よねと思いつつ。
歌舞伎町のミッドナイト・フットボール −世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間− (小学館文庫)
菊地成孔 / 小学館 (2010-09-12)
読了日:2013年7月7日
アンソニー・ブレクストンへのリブローの評「あんなものは所詮ナイトクラブのクセナキスだ」。/ミスタードーナツのシュトックハウゼン。フレンチクルーラー、ハニーディップ、チョコレートココナツ、オールドファッション。「あんなものは所詮ミスタードーナツのシュトックハウゼンだ」。罵倒から宝石が生み出される可能性。/eclectic を、すげえ好き。とにかく、ここまで大人という記号をちりばめながら七五三のスーツみたいにしか聴こえない。という点が先ず天才的。/集中しないと意味を成さぬ音として流れていくフランス語、そのかわりラジオのジャズや前衛音楽チャンネルを聴き、鳥の声や生活の音が音楽的に聞こえてきて。それがTrapezisteに取り入れられているように思えるカヒミ。東京にいてみんながわーっと新しいものたくさん知っているような、そういうのがパリにきてなくなって、自分で歌詞を書くように、と。
三浦 太郎 , 三浦 暁子 / 河合出版 (1990-08)
読了日:2013年7月7日
曾野綾子「太郎物語 高校編」「太郎物語 大学編」に触発され。モデルの太郎くんが大人になって家族ができての、ボルネオ旅行記ということで。読み進む程に珈琲色の川と濃い緑に彩られた灼熱の地に心惹かれてしまう。作者夫婦の交互の旅行記と、巻末に息子の夏休み作文(いきたくないといったら「うえじにして、しね」といわれた、とか、いちばんたのしかったのは香港で、それは家にかえれるいちにちまえからだったから、とか、笑いつつ涙をさそわれる)と父三浦朱門の解説までついて、まさに一族総出でといった感あり。「だれか著名な作家が述べたと記憶するが、旅とは究極的には金で失望を買いに行くことであるという。」(太郎)。それでも出ずにはいられない魅力があるのだろう。そして暁子氏のおおらかさ。宿備え付けのメッカの方向を指すためのキブラがぜんぜん逆の方向を指していることにため息をつく夫に「いいのよ、シブのキブラはこれでいいの」と。そして「クチンは、私の思い出を年輪として刻んだバウムクーヘンのような町なのだ。」で始まる一節は、私的で詩的で心に残る一節。三代にわたって独立王国を築いたジェームズ・ブルックについても、さらに知りたくなる。
東京するめクラブ 地球のはぐれ方 (文春文庫)
村上 春樹 , 都築 響一 / 文藝春秋 (2008-05-09)
読了日:2013年7月7日
名古屋の名物喫茶マウンテンの項と、江ノ島の章のみ読了。藤沢にあるホノルル食堂は、「江ノ島ワイキキ食堂」のもとになったのだろうか。そして、橋を境に住み分け、若者の主張とかエネルギーとかは橋の向こうで発散してください、こっちではしっかり階段のぼりなさいと、という見方がおもしろく。
読書について (光文社古典新訳文庫)
アルトゥール ショーペンハウアー / 光文社 (2013-05-14)
読了日:2013年7月7日
読書しているとき、私たちの頭は他人の思想が駆けめぐる運動場にすぎない。読書をやめて、他人の思想が私たちの頭から引き揚げていったら、いったい何が残るだろう。/本を読んでも、自分の血となり肉となることができるのは、反芻し、じっくりと考えたことだけだ。/私たちが本を読む場合、もっとも大切なのは、読まずにすますコツだ。/思想体系がないと、何事に対しても公正な関心を寄せることができず、そのため本を読んでも、なにも身につかない。/「反復は勉学の母である」。重要な本ははどれもみな、続けて二度読むべきだ。/つまり、古典を読めと。ギリシア・ローマの作家ならなお良い、と。重要なものは続けて二度読め。反芻し、じっくりと考えて血に肉としろ、と。


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2013年07月09日

2013年06月に読んだ本 その2

期間 : 2013年6月18日 〜 2013年6月31日
読了数 : 19 冊
氷菓(4) (カドカワコミックスA)
タスクオーナ / 角川書店 (2013-06-22)
読了日:2013年6月30日
引き続き、愚者のエンドロール編。未完の映画の犯人役さがしをするハメになるが、ヒアリングに訪ねた先輩方の推理は、いずれも却下か奇想天外…。つ、つづきが気になる
ハイスコアガール(4) (ビッグガンガンコミックススーパー)
押切 蓮介 / スクウェア・エニックス (2013-06-25)
読了日:2013年6月30日
二巻〜四巻読了。一巻だけ読んでしばらく置いていたけど、二巻からがおもしろいとオススメされ、手にとり、一気に四巻まで。クラスの劣等生でゲームしか興味ないハルオ。だが、クラスの優等生の小春に次第に好かれ、ライバル視していたお嬢様の大野さんは帰国してきて。大野さんが無口すぎて、ぜんぜん読み取れないけど、それでも汲み取るハルオ。そして、最後はキッパリと自分の思いをつたえる小春。好きなことにのめりこむ男は魅力あふれるのか、なんてこと思いつつ、つづきが気になる。
マチキネマ2 (Next comics)
サメマチオ / 宙出版 (2013-06-15)
読了日:2013年6月30日
部屋から見える建物の影がシャガールみたく見えること。そんな些細なことをだれかと分かち合いたかったり。どこに向かうともなく月に一、二回原付でぶらりとするモーターサイクルダイアリーズ未満。芸大時代の交通調査バイトだったり、自分の作品をつくる端から売っていったり。そんな何気無いシーンを切り取ったショートストーリーたち。
Z(ツェット) 2 (2) (花とゆめCOMICS)
青池 保子 / 白泉社 (1985-03)
読了日:2013年6月30日
まだ冷戦時代のNATOの情報機関が部隊。ある程度うではあるけど青臭いZと、厳しいが愛情を持って育ててくれる大佐の物語。
モナドロジー・形而上学叙説 (中公クラシックス)
ライプニッツ / 中央公論新社 (2005-01)
読了日:2013年6月30日
中沢新一「雪片曲線論」に触発されて。モナドについて、さらに知りたくて、手に取る。/部分のないところには、ひろがりも、形もあるはずがない。分割することもできない。モナドは、自然における真のアトムである。一言でいえば、森羅万象の要素である。(三)
アウトサイダー 組織犯罪対策課 八神瑛子III (幻冬舎文庫)
深町 秋生 / 幻冬舎 (2013-06-28)
読了日:2013年6月30日
なぜ夫が死ななければならなかったか。合法も非合法もかなぐり捨て、時にはヤクザやならず者とも提携し、時には情報を持つ同僚を罠にはめ、情報を手にいれ、邪魔なものは叩きのめし、時に自ら傷を負い、真実に迫ろうとする。最後は、反目しあっていた上司と、一時的に協力。さらに巨悪は残ったのかもしれない、と予感させるがやはりこれで完結なのだろうか。
不格好経営―チームDeNAの挑戦
南場 智子 / 日本経済新聞出版社 (2013-06-11)
読了日:2013年6月30日
できてると報告を受けていたシステムが、リリース日に一行もコードが書かれていないという窮地に陥った時に旦那さんが言った三項目。前を向け、過小に伝えるな、こういう時の経営者は被害者じゃない加害者だ。それを肝に銘じて難局を乗り切った場面。優秀な人材を一気に6人引き抜かれたオラクル佐野社長の怒鳴り込みと、壁に貼ってあったイベント企画にがまんできず顔が一瞬ほころんでしまったシーン。六人での負荷テスト、せーのでサイトにアクセスして、やっぱり固まりましたね、いやいや6人も同時にアクセスしないんじゃ、とドタバタしていた最初期のシステム環境。値上げしたヤフオクから顧客を奪うための、掟破りのヤフオクへの広告出稿、出す方も出す方だが、出させる方も出させるほうだけど。モバオク立ち上げ時の決断が、運命を切り拓いた決定的な選択としてあげられる。/経営コンサルタントと経営者の一番の違いは、提案する人か決定する人か。文字通り、スマートでなく、ぶつかりながら、失敗しながら、その場その場でベストを尽くして、前進していく様が手に取れる。それを暑苦しさ一辺倒でなく、ユーモアを交えて語り。そして、藤田晋『起業家』に描かれた行動原理が「熱狂」だったことを思い出す。南場さんが著書で「熱病」と表現していたように。/DeNaを卒業する社員の光森さんの、選択に正しいも誤りもなく、選択を正しかったものにする行動があるかどうかだけだと信じています、という言葉が印象に残る。
松田優作物語―ふりかえればアイツがいた! (04) (ヤングチャンピオンコミックス)
宮崎 克 , 高岩 ヨシヒロ / 秋田書店 (2001-02)
読了日:2013年6月29日
家族ゲームについての詳細。天才を称する森田監督との、お互いわかりあった感。/公道を時速300km/hで突っ走る 優作の生涯ってのはそんな感じじゃないのかな 根岸吉太郎。/それから、夏目漱石原作、みてみたくなった。/有島武郎役の、華の乱も。「死を意識していた優作は独り帰りたくなかったに違いない 映画というお祭り騒ぎから 生という夏祭りから」/深作監督の語った、口のきけないヤクザの話、優作でしかできないという構想も興味深く。
松田優作物語―ふりかえればアイツがいた! (03) (ヤングチャンピオンコミックス)
宮崎 克 , 高岩 ヨシヒロ / 秋田書店 (2000-09)
読了日:2013年6月29日
一期は夢よ只狂え 鈴木清順。松田優作の愛した光は強い陰影のある硬い光り、そして微かな逆光に縁取られたシルエット。
日日べんとう 2 (オフィスユーコミックス)
佐野 未央子 / 集英社クリエイティブ (2013-06-25)
読了日:2013年6月29日
主任との距離が縮まり、脅しのように取引を持ちかけるメールをきっかけに、母との関係が周囲にばれ、それをきっかけに母が子供がいることを世間に公表、ぎくしゃくとしながらも一歩関係がすすんだ巻。ヘッセの満開の花は、読んでみたくなった一編。
げんしけん 14―二代目の四 (アフタヌーンKC)
木尾 士目 / 講談社 (2013-06-21)
読了日:2013年6月29日
斑目が積年の思いを二人にしか通じない形で、吐き出し、玉砕。もしコーサカと付き合ってなかったら、そういうこともあったかもね、は最後の優しさだったのかな。もう誰も信じられない、に、お前が誰もしんじてなかったんだろ、という笹原妹。大事だからこそ、ぼくはアニメやゲーム優先の100%の自分をぶつけてきたんで、自分を偽り続けた斑目さんが叶うはずがありませんというコーサカ。どちらも辛辣さだけど、斑目への視線は優しい。斑目の会社を辞めた不可解さも、笹原妹は自分なりに読み解き、そういうのも嫌いじゃないというあたり一筋縄ではいかなく。続きが気になる。
テルマエ・ロマエVI (ビームコミックス)
ヤマザキマリ / エンターブレイン (2013-06-25)
読了日:2013年6月27日
鉄蔵の古代ローマとの往還、さつきのバイアエ発掘調査と古代ローマへの跳躍、ハドリアヌス帝の最期に立ち会ったルシウスと、さつきとの再会。最後は古代ローマでの幸せな生活が続いていくことを予感させながらとじられる物語。サイドストーリーも続刊で描かれるとのこと、たのしみ。
信長のシェフ 7 (芳文社コミックス)
梶川 卓郎 , 西村 ミツル / 芳文社 (2013-06-15)
読了日:2013年6月25日
松永久秀の登場。安土城築城の表明。比叡山焼き討ち。そして菓子職人に仕立てた間者の本願寺への派遣。遠く離れた甲斐の武田信玄との鞘当て。そのなかにあって、ケンは時に久秀の腹の内をさぐる料理を、時に敗退してきた柴田勝家を力づける料理を、そして、焼き討ちを命じた信長の真意を探る料理を、したてていく。さて次の一手は。
方丈記(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)
武田 友宏 / 角川学芸出版 (2008-05-30)
読了日:2013年6月25日
行く川の流れは絶えずして、で始まる有名な古典だけど、通読したのは初めて。雑誌で読んだデザイナーのインタビューで、和の心を忘れたくなくて、電子書籍で持ち歩いて、たまに読み返してる、というのを見て心惹かれて。無常観に至ったのは、当時都を襲った大災害を目の当たりにしたこと、相続や仕官や結婚などことごとくうまくいかなかったことが、起因になっている。災害のこと、世情のことを語り、己の隠棲生活を語る。最後には、仏の声を聞けた、と。ただ投げたして諦めた無常ではなく、あがいて、くぐり抜けてきた先の無常という解説も印象に残る。
江の島ワイキキ食堂 5 (ねこぱんちコミックス)
岡井 ハルコ / 少年画報社 (2013-06-17)
読了日:2013年6月24日
江ノ島をちょっと見てみたいと思うきっかになった本の一冊。本当に猫があちこちにいて、自分の家のようにくつろいでいた。人間の言葉をしゃべれる猫オードリーのほのぼのストーリー。福の神をみつけてもてなしてたら、もてなしきれずに、ひどいめにあいそうになったり。なぜか貧乏神や福の神と麻雀していたり。飼い主と彼女が旅行にでかけたあとの留守番で地団駄踏んでさみしがったり。江戸編ですべての謎が解かれるとあったけど、江戸の昔からオードリーがいたことがわかっただけで、どうしていまみたいな猫になったかは全く語られずすこしものたりなかった。ただ、オードリーの日々のうたかたと喜怒哀楽をながめているだけで、楽しいのだけれど。
雪片曲線論 (中公文庫)
中沢 新一 / 中央公論社 (1988-07)
読了日:2013年6月24日
自由に運動していくもの。ソリッドなものを解体していく試み。ソリッドなものと流体的なものを結合していこうとする試み。ソリッドにみえるものも微細にみていけば、どこまでも差異にみちていて型にはめて理解することなどできない。さまざまなものの持つ運動性について語られる。頭の中を風が吹き抜けていくような、固定して捉えていたものが、流動していくような、軽やかさを秘めた書物。
アウト & アウト (講談社文庫)
木内 一裕 / 講談社 (2011-07-15)
読了日:2013年6月23日
水の中の犬、の続編。といっても、前作で探偵は死んだのでは、と思っていたら、彼を見届ける役をいいつかったヤクザもの矢能が探偵のあとをついで登場。といっても、事件解決する、というよりは、事件を巻き起こし、巻き込まれ、それを荒技でぶちやぶっていく感あり。ただの力まかせじゃなくて、悪党らしい巧緻も。そして、頭があがらないのが、探偵からひきとった栞という小学二年生の娘。しっかりしすぎるくらいにしっかりしていて、ひさびさの仕事の時に鍋をつくって帰りをまってくれていたり。しっかりお説教をされたり。血のつながらないふたりの、気がつくと距離がちぢまって、お互いがかけがえなくなっていく過程も読みどころだった。
珈琲屋の人々 (双葉文庫)
池永 陽 / 双葉社 (2012-10-11)
読了日:2013年6月22日
ある商店街で、珈琲店を営む男。実直そうに見えるけど、暗い過去を持つ行介。そして、同じく暗い過去を持つ美しい幼なじみの冬子。そのエピソードの活かし方として、それはないのでは、と思うところもあったけど、時に苦い瞬間も見せつつも、総じて、しずかにあたたかいものがながれているような物語。わたしたちはいきつづけていかなければいけない、という静かな決意に収斂していくような。そして、「アイロンがけは紙一重の隙間。これが生地に優しいプロの仕事というもんだ。夫婦だっておんなじさ。紙一重の隙間、つかず離れずの状態がいちばん」と語る元クリーニング屋の店主や、寝たきりの妻をかかえる夫の十八番にしている、杉良太郎の「すきま風」の歌詞がおだやかに印象に残る。
水の中の犬 (講談社文庫)
木内 一裕 / 講談社 (2010-08-12)
読了日:2013年6月18日
東京行きの飛行機と空港からのリムジンバスで読み切る。藁の盾の木内一裕の第二作は探偵もの。警察官上がりの私立探偵は、スーパーマンじゃない、けど自分の信じた節を曲げない頑なさを持つ。ただ読み終えて救いがないような、希望の芽がかすかにあったような。/「プロの殺し屋を雇うことができるのは大きな力を持った組織だけだということです。殺し屋が契約通りに仕事をしなかったり秘密を漏らしたときに制裁を加えることができるだけの力をね。そうでなければ殺し屋は金だけ取って何もしなければいいことになる。」p.33/殺し屋ヤン「まぁ落ち着けよ。あんたが理想としている自分と本当の自分は違うってだけのことだ。別に恥ずかしいことじゃない」p.98/世の中は悪意に満ちている。無垢な人間がその悪意に晒されたとき、選べる道は少ない。p.232/グリム童話の、忠義なヨハネスを読んでみたくなった。/ジュニア・ウォーカー&オールスターズ「ショットガン」を聞いてみたくなった。


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2013年07月08日

2013年06月に読んだ本 その1

期間 : 2013年6月1日 〜 2013年6月17日
読了数 : 21 冊
曽野 綾子 / 読売新聞社 (1985-03)
読了日:2013年6月16日
太郎物語大学編のみ、読了。これ読むと、フレイザー「金枝編」を無性によみたくなって、歯が立たずに、ほおりだしてしまったことを思い出す。
昭和元禄落語心中(4) (KCx ITAN)
雲田 はるこ / 講談社 (2013-06-07)
読了日:2013年6月16日
師匠の死と、助六を追いかけ、西の方まで追いかけていく菊比古。そこで、みよ吉とのあいだにできた子、小夏が落語に惹かれていく様を見、また助六に柔剛とりまぜて説得し、あんた東京に戻って、八雲ついで落語再開しな、と。次巻、過去編、完結との由。師匠の、息子であることを盾に、実力では遥かに優ると自他ともに認める兄弟子から、八雲の大名跡を奪い、あとからその重みに耐えかねると思った時には後の祭りだったと、苦衷を明かされたときも、好きなところもたくさんあるけど、そういったところは絶対に似ないと決めた、と面と向かっていい、けどあなたのところに弟子に来てよかった、と言うシーンがぐっと心に残る。
私の男 (文春文庫)
桜庭 一樹 / 文藝春秋 (2010-04-09)
読了日:2013年6月16日
読み終わるといつも、冬の紋別の海を見てみたくなる。
おとりよせ王子飯田好実 3 (ゼノンコミックス)
高瀬 志帆 / 徳間書店 (2013-05-20)
読了日:2013年6月15日
週に一度は仕事をサッときりあげて、ひとりお家でお取り寄せの名品をたのしむお取り寄せ王子。職場のイケメン後輩に勝手にライバル心をもやされても、奔放な実姉にふりまわされても、なんのその。この巻も取り寄せてみたいごころをくすぐられる。博多とんこつカレー!大福茶漬け!白かび熟成ソーセージ!
太郎物語 (高校編) (新潮文庫)
曽野 綾子 / 新潮社 (1985-01)
読了日:2013年6月15日
子供の頃読んだ青春小説。これ読んで、当時、コンビーフ食べることがあこがれになったのをなつかしく思い出す。
謎の独立国家ソマリランド
高野 秀行 / 本の雑誌社 (2013-02-19)
読了日:2013年6月15日
なぜソマリランドだけ高度な治安が守られているのか?なぜ長老の話し合いで武装解除ができたのか?なぜに複数政党制、平和裏な政権交代など高度な民主主義が保たれているのか?現地に行かなければわからないとばかりにぐいぐい乗り込んでいく著者のパワフルさには圧倒される。もっとも、現地で待っていたのはそれを上回るパワーのソマリ人だったのだけれど。未知のことを知りたい、自分ごとにしたい、という思いに突き動かされる人を見る魅力。他の書もあたってみたくなった。
イッツ・オンリー・トーク (文春文庫)
絲山 秋子 / 文藝春秋 (2006-05)
読了日:2013年6月13日
表題作のみ読了。EDの市議も、ニートで居候のいとこも、痴漢も、そして主人公も、飄々としたり、見栄はったり、時にするどく、けど世間的な規範なんかからはゆるやかに離れていて、それが心地よくひびいてくる。
中沢 新一 / せりか書房 (1989-05)
読了日:2013年6月13日
全部読んだわけではないけれど、宗教から自然まで幅広く題材に採りつつ、絶え間なく外へと運動する運動体や、境界にあるものへの、共感と礼賛が詰まっているのではないかと思った。「高い峰は甘露をたらし、丘は歌と蜜をほとばしらせ、川のほとりには五穀が実るではありませんか」p.64
新・ローマ帝国衰亡史 (岩波新書)
南川 高志 / 岩波書店 (2013-05-22)
読了日:2013年6月13日
ローマ帝国とは、帝国を構成する人が、われわれはローマ人である、というアイデンティティをもって存在していた。それが無くなった時に、衰亡し、崩壊した、と。蛮族というのも後世の考え方で、そのようなまとまりがあったわけではなく、もっとゆるやかな集団が場当たり的に活動していた。ローマの境界も、防壁や国境のまわりに、ゆるやかなゾーンがあり、グラデーションを描くがごとく、ひろがっていたこと。また、ローマ帝国のすみずみにまで、ローマの文明をありがたがっているわけではなかったこと、が描かれる。個人的には、ユリアヌス帝の治世が、アンミアヌスの史書で描かれるよりも、よりコンスタンティウス2世の施政に沿って行われていたことを知ることができた。
砂とアイリス 1 (愛蔵版コミックス)
西村 しのぶ / 集英社 (2013-04-25)
読了日:2013年6月13日
研究者の卵。ふだんは、都会の研究所で助手をし、大学の先輩におよばれすれば、考古学の発掘現場まで、さらりと足を運び。先輩をながめて、「自由であろうとするあまり不自由に。」という思い。刺さる。そして、現場のおばちゃんと一緒に打たれにいってるのを見て、個人的には、滝行にうってでてみたくなる。すこしでも研究というものを志して、学舎につどっていたころの楽しい空気をふんわりと思い出した。
松田優作物語―ふりかえればアイツがいた! (02) (ヤングチャンピオンコミックス)
宮崎 克 , 高岩 ヨシヒロ / 秋田書店 (2000-03)
読了日:2013年6月7日
全てを映画に結びつけて思い詰める、それが優作ロジック。読んでて震えがとまらない、今すぐ行くから待っててくれ。野獣死すべしとテレビの探偵物語シリーズは見ておかなきゃ、と思った。桃井かおりの清々しいほどの直言も、刺さりつつ受け止めたシーン。向田邦子の死を悼んで、土砂降りのなかレディジェーンに現れ、店の客全員にマティーニをおごったシーン。など。
ワカコ酒 1 (ゼノンコミックス)
新久 千映 / 徳間書店 (2013-05-20)
読了日:2013年6月6日
OLワカコさんのひとり酒飲み歩き。読んだら居酒屋に行きたくなること請け合い!自分も行きたくなりました。焼き鮭に熱燗があってブシューだったり、油ばかりじゃなくてシンプルななかにも渋く光るだし巻き玉子なんだよブシューとか、もう読んでるだけで、ゴクリとなります。東京、広島だけじゃなくて札幌にも足をはこんでくれないかしら。
メメント・モリ
藤原 新也 / 三五館 (2008-10-21)
読了日:2013年6月6日
ニンゲンは犬に食われるほど自由だ、という言葉が眼にとまる。枕元において、何度か見返す。死体ですら乾いて見える。熱い日差しの下で。同じ著者の「印度放浪」も手にとってみたくなる。
金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?
堀江貴文 / 徳間書店 (2013-04-26)
読了日:2013年6月6日
男性向け下着プレゼントマーケティング、奢られたい人と奢りたい人をマッチングするサイト、飲食店での出会いをマッチングする(話しかけてほしいということを告知できる)、売れ筋アプリ機能搭載の専用ハード化などなど、おもしろいなあと、思った。ただ、藤沢数希さんも言うとおり、アイデアだけではだめ、それをいかに他の人たちより上手く実行するか、だと。あと、堀江氏の恩師の船曵氏の、「合理的に、好きなことだけやる人生は、無謀ではなく、インフラが整っていく未来にフィットしているんです。どうか怖がらず、いろんなことにチャレンジしてほしいです。」という言葉も
チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)
塩野 七生 / 新潮社 (1982-09-28)
読了日:2013年6月3日
1500年前後。法皇アレッサンドロ6世の子として生まれ、その後ろ盾を最大に活かしつつ、自らの知略と武勇を恃んで、最盛期には小勢力分立する当時のイタリアの三分の一を手中におさめたチェーザレ・ボルジア。周辺の列強とのバランスをはかりつつ、着々と地歩をかためていく。時に暗殺、時には裏切り。協約など自分にとって益なしと判断すれば弊履のごとく捨て去り。レオナルド・ダ・ヴィンチが己の仕事を託すに足ると判断した君主、マキャヴェリが、外交の現場で丁々発止のやりとりをしつつも冷静な眼でみつめ、のちの君主論にて理想の君主としたチェーザレ。しかし、その栄華はあまりに短く、落ちて行く様も急速で、最終章は読んでいられなかった。不運に不運が重なり、判断も曇り。高貴なる人々の、己に与えられた屈辱は、許すふりはできても本当に許すことはできず、いつかはきっちりと返す。そして自分にもかえってくる繰り返し。ただ、詮無いことだけど、1503年に、ローマに悪疫が流行らなければ、どうなったのだろうか、と思わずにはいられない。サマセット・モーム『昔も今も』に触発されて手に取った一冊。次は塩野七生『わが友マキャヴェリ』を読む予定。
いづみ語録・コンパクト
鈴木 いづみ / 文遊社 (2010-11)
読了日:2013年6月2日
速度が問題なのだ。人生の絶対量は、はじめから決まっているという気がする。細く長くか太く短くか、いずれにしても使いきってしまえば死ぬよりほかにない。どのくらいのはやさで生きるか?/色気のある男というものは、いいものだ!自分を守ることだけに精いっぱいの小市民に比べれば、輝きがあります。/悲しい歌をうたうとき、本当に悲しい顔をしていてはだめなのだ。未熟な人間はすぐに自分をむき出しにしたがる。/バカのどこがバカかといいえば「自分は世界の中心じゃない」「私の問題など他人にとっとはどうでもいいことなのだ」ということが、わかっていないところ。誇大妄想ばかり。/以上、抜粋。一部、自戒もこめて。
鈴木いづみコレクション〈5〉 エッセイ集(1) いつだってティータイム
鈴木 いづみ / 文遊社 (1996-12)
読了日:2013年6月2日
いつだってティータイム、川崎をえがいた「乾いたヴァイオレンスの街」、異性は異星人、夫であった阿部薫のことも書かれた「ふしぎな風景」読了。
高山 宏 / 作品社 (1994-08)
読了日:2013年6月2日
星とダルヴィーシュ、螺旋哲学、のみ読了。踊ることができなければ人は祈れやしないよ。神様に言いたいことは踊り伝えるのだ。p.167
さよならソルシエ 1 (フラワーコミックス)
穂積 / 小学館 (2013-05-10)
読了日:2013年6月2日
体制は内側から壊す方が面白い。人々が生きて生きて生き抜いて死んで行く、それを立派なことと思う。画商としてパリ画壇に旋風を起こすテオドルス、ゴッホの弟を主人公にしたストーリー。はやくも関連書籍にあたりたくなる。
高山 宏 / 作品社 (1995-04)
読了日:2013年6月2日
ファンタスマゴリア、メスメル、エミール•ガレ、荒俣宏、澁澤龍彦、天野可淡についてかかれた項のみ読了。世紀末の幻灯機械、ガレの作品の精神に振動を起こすことを目的とすること、可淡のひりひりしてくるような人形のことなど。
綺想の饗宴
高山宏 / 株式会社 青土社 (2012-10-10)
読了日:2013年6月2日
この書に導かれて、ロミの悪食大全を手に取りたくなる。


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2013年06月08日

2013年05月に読んだ本 その3

期間 : 2013年5月23日 〜 2013年5月31日
読了数 : 10 冊
ダイ小林 / URESIKA
読了日:2013年5月31日
ブルガリアのソフィアから、オランダのアムステルダムをめざす自転車旅行記。中国から陸路でヨーロッパまでやってきたが、思い立って、ソフィアから自転車旅行に切り替える。けど、終わり方も唐突、ドイツで自転車を盗まれて終わるなんてね。一人貧乏旅行者の悲哀も感じさせつつ。目をあわせてもらえなかったり、話しかけてもらえなかったり。かと思えば、現地の人のあたたかさにふれたり。言葉も通じないのに、とめてくれて、身振り手ぶりで通じ合ったり。ルーマニアの労働者たちと酒をくみかわしたり。さらりとよめて、わくわくが伝わってくる。
未生響 / 空中線書局 (2000-07-10)
読了日:2013年5月31日
水色の外観にひかれてはいった店で気がついたら空をぷかりとただよっていたという奇想。みじかくふわりとしたファンタジーをたのしむ心地。
藁の楯 (講談社文庫)
木内 一裕 / 講談社 (2007-10-16)
読了日:2013年5月31日
映画化にあたって再読。事件の現場に立ち、被害者の遺体と対面し、遺族の悲しみや怒りに接し、そして清丸を追い続けたきた男達と銘苅とでは、清丸に対する見方に天と地ほどの開きがあったのだ。p.258 が今回目にとまった一冊。
インディヴィジュアル・プロジェクション (新潮文庫)
阿部 和重 / 新潮社 (2000-06-28)
読了日:2013年5月31日
だんだんと、主人公が均衡をくずしていって、何が本当で、自分が誰なのかわからなくなっていき、最後に取り戻したと思いつつも、最後に師の講評のようなものが書かれて、ますますわからないままにおかれる。多層からなる意識のからみあいと発露を楽しむ。フィーチャーされたフリオ・イグレシアス「Qujote」「35 anos」が効果的でききかえしたくなる。
読了日:2013年5月26日
おそらく鈴木いづみと思われる女性にゼルダを重ね合わせたエピソード。誰にも共感できないなか、ニックにだけは共感できる、だから、グレート・ギャツビーを読むとはニックに会いにいくことだと喝破した人。映画版の変遷と原作との差異。原文と村上春樹訳文を見比べて、そのままの置き換えでなく日本語の文としてリズムを再現しているケースを紹介したり。old sportだなんて、上流気取り!という切り捨て。さまざまな読み手の読みが楽しめる。
木村衣有子 / 木村半次郎商店
読了日:2013年5月26日
ホシさんと飲む、という短編の、ポテサラをめぐる小説が印象に残る。170円だから!と喜んでたのんだら、ちいさな拳くらいしか来なくて、すくない...けど、おひとりさんの客が多いからか、なるほど...と納得しかけるも、やっぱりすくない、と(笑)。そのあと、ホシさんがたのんだポテサラを、たしかめもせずわたしが食べたようだ、、、そのあとホシさんがながなが説明した後に、ポテサラもうひとつ!て頼んでたから、って。ほほえましい。あと藤木TDCさんの居酒屋紹介本の書評が面白かった。
蔡 志忠 / 講談社 (1987-11)
読了日:2013年5月26日
荘子のみ、読了。無用の用、ホウや蝶の自由な飛翔、一音だすと他の音が消えてしまう、手を休めているときにはすべての音がそろっていると弾くのをやめてしまった琴弾き、他人から自分を描いてはいけない、過去と未来から現在を描いてはいけない、死から生を描いてはいけない。人は死を恐れるが死んだらなぜ生まれたか後悔するかもしれない。
昔も今も (ちくま文庫)
サマセット・モーム / 筑摩書房 (2011-06-10)
読了日:2013年5月26日
イタリア統一の野望に燃えるチェーザレ・ボルジアと、そのもとへフィレンツェの外交官として派遣されたマキアヴェリ。フィレンツェの旗幟を鮮明にすることと実質的な軍事的支援を求めるチェーザレと、できるだけ時間を稼ぎたいという本国の意向を受けたマキアヴェリの丁々発止のやりとり、政治的外交的なかけひき、鞘当ては見もの。チェーザレ没落の報を聴いて、喜ぶどころか当然の報いだとあざける輩に猛然と反論を加えるマキアヴェリ。ただどうにもならない運命にもてあそばれただけで、その力量、識見は多いに認めるべきであった、と。

マキアヴェリの口を借りた、モームの筆になる、マキアヴェリらしい警句に満ちているところも読みどころ。
四月は君の嘘(6) (四月は君の嘘 (6))
新川 直司 / 講談社 (2013-05-17)
読了日:2013年5月25日
クライスラー作曲、ラフマニノフ編曲の愛の悲しみが、流れ続ける巻。あれだけ練習したガラコンに現れなかったかをり。かをりを侮辱されたことを怒りにかえて、鍵盤をたたきつける公生。しかし、その演奏は、途中から気付きを得て、柔らかいものに変わって行き。またひとつ、ピアニストとしての階段をのぼったことが描かれる。
ビザンツ帝国の最期
ジョナサン ハリス / 白水社 (2013-02-23)
読了日:2013年5月25日
同時代史料だと思っていたスフランツェスが、一世紀後の史料だったとは、寡聞にして知らず、であった。1402年、バヤジット一世没後のビザンツ帝国は、帝国の態をなしていなかった。コンスタンティノープル、テッサロニキ周辺のわずかな領土、モレア周辺を治めるだけの、そして、そのわずかな領土すら皇帝が十分に治めているとは言えず。細々と生きながらえ、最後の時も、皇帝周辺以外は、本気の防衛など思いもよらず、といった、ロマンを排した筆致で淡々と描く。自称皇帝のアンドロニコスが、1502年に客死するまで、各地の君主を無心のために放浪した様など哀れを誘う。


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2013年06月07日

2013年05月に読んだ本 その2

期間 : 2013年5月11日 〜 2013年5月22日
読了数 : 14 冊
千年万年りんごの子(2) (KCx(ITAN))
田中 相 / 講談社 (2013-05-07)
読了日:2013年5月22日
禁忌の林檎を喰らうたものは、神に嫁がねばならぬという因習から逃れるために、連れ立って東京へやってきたが、代わりの者が神隠しにあったことで、儚くも崩れる意図。誰が悪いわけでもないと思いつつも、自責は刃となり。お互いの意志とは無関係にひきさかれるふたり。根拠となる文書を探し当てて、この事態を打開することはできるのだろうか、というところで閉じられる物語。
穂村弘ワンダーランド
高柳 蕗子 / 沖積舎 (2010-10)
読了日:2013年5月22日
アルバムと年譜はファン的には興味深く。東直子さんの、手紙魔まみにでてくる短歌の本歌取りは秀逸。「波浪 鶴。波浪 静かの下関。波浪 いなりずしのごまつぶ。」/あと、穂村弘「整形前夜」で引かれていた山村暮鳥の詩が印象的。共感より驚異を、という文脈で。/

窃盗金魚

強盗喇叭

恐喝胡弓

賭博ねこ

詐欺更紗

涜職天鵞絨

姦淫林檎

障害雲雀

殺人ちゆりつぷ

堕胎陰影

騒擾ゆき

放火まるめろ

誘拐かすてえら。

「囈語」山村暮鳥
イスラムと近代化 共和国トルコの苦闘 (講談社選書メチエ)
新井 政美 / 講談社 (2013-01-11)
読了日:2013年5月21日
トルコの近現代が概観されている。結局は計画経済的手法から抜け出せなかったイノニュ、イスラム主義的な側面は目立たぬようにしながら、経済成長をすすめていったオザル、急進的なアタテュルク批判から現実路線に転じてイスラム政党を率いてきたエジェビットなど、興味が尽きない。
ルンルンを買っておうちに帰ろう (角川文庫 (6272))
林 真理子 / 角川書店 (1985-11)
読了日:2013年5月19日
林真理子のデビュー作。「野心のすすめ」に触発されて。野心を隠さず、実名で悪口攻撃も辞さず、けど自らをさらけだし、手の内をあかし、きっと女子たちから総スカンをくらってもかまわない心意気で書かれたんだと思う。勢いかんじた。
中沢 新一 / 河出書房新社 (1992-07)
読了日:2013年5月19日
第一章と、フィリップ、次の一手は、のみ、つまみ読み。危機におけるレーニンとトロツキーの対比のシーンが印象に残る。ウェーベルンの交響曲が無性に聞いてみたくなる。
野心のすすめ (講談社現代新書)
林 真理子 / 講談社 (2013-04-18)
読了日:2013年5月19日
エピソードをあつめた語りは雑駁で、あまり体系だった話しもなく、最後のほうで自らハヤシマリコ特有の話しで上から目線の自慢話と説教と思われるかも、と前置きして、じゃあどうする?て話しを書いていたり。ただ、発破の部分は目にとめておきたい。/人に否定されたら、悔しい気持ちをパワーに変えてしまいましょう。凹んでいるだけでは、悪口を言った憎たらしい相手の思うツボではありませんか。今に見てろよ、と思う打たれ強さを意識的にでも持ちたいものです。p.111/なにはともあれ、絶対にすべてを芸の肥やしにしてやる、と思って努力し続けていると、実は後でいちばん胸を張れる期間になっていたりします。たとえば仕事で干されたり、辛い時期に入っている人も、苦難は次へのステップだと信じて、どうか頑張ってほしい。p.116
だから、あなたも生きぬいて (講談社文庫)
大平 光代 / 講談社 (2003-05)
読了日:2013年5月19日
負けん気で、なにくそ、と踏ん張れたから、それを支えてくれるまわりの人がいたから、立ち直れたんだと思った。一番の理解者のおっちゃんのひとことがぴりりと効いている。「確かに、あんたが道を踏み外したのは、あんただけのせいやないと思う。親も周囲も悪かったやろう。でもな、いつまでも立ち直ろうとしないのは、あんたのせいやで、甘えるな!」p.142/努力の部分は、死ぬ気でがんばる、といったかんじで真似できるかどうかはわからない、という感想を抱いてしまったが。
社長 島耕作(15) (モーニング KC)
弘兼 憲史 / 講談社 (2013-04-23)
読了日:2013年5月16日
社長就任から、ロシア、ブラジルと世界をかけまわり、実際の世相を反映して、東日本大震災、中国の反日デモ、尖閣問題も作中のできごととして描かれる。仕事に夢中になる様、クーデターを起こそうとした一派を返り討ちにしたり、闇の勢力と関わらざるを得なくなったり、八面六臂の活躍。国際間の資源をめぐる攻防、脱原発、国内家電業界の大再編なども視野に。ただし、業績は、引き継いだ情勢があまりにも悪い事があったものの、大幅な赤字。15巻では、インドネシアに拠点をつくることを花道に、退任の意向をもらしている。その際、会長からオレのあとを継げ、と言われているので、もしかしたら会長島耕作もあるのかもしれない。14巻ではさらりと再婚。/1-10,12,13巻はゲオでレンタル。11,14,15巻は定食屋で閲覧。
87CLOCKERS 3 (ヤングジャンプコミックス)
二ノ宮 知子 / 集英社 (2013-05-10)
読了日:2013年5月16日
ますますクロックの世界へのめりこんでいく奏。一度は辞退した大会に、ジュリアの気まぐれで出場することになったが。。
専務 島耕作(5) <完> (モーニングKC)
弘兼 憲史 / 講談社 (2008-06-23)
読了日:2013年5月14日
専務として、インド、アメリカ、中国とかけまわり、最後は、五洋電機の三兆円買収の先頭に立ち、社長になるまで。原子力発電が未来のエネルギーとしてもてはやされ、もんじゅが希望の象徴みたくかかれるが、実際の展開は周知のとおり。国益を損なう、日本のぎじゅつを外国に出さないために、という了見で韓国資本跳ね除けて買収した口で、就任第一声が、シンクグローバルって、チグハグな印象もあるが、マジレスしてもしかたない。ゲオで全五巻レンタル。
常務 島耕作(6) <完> (モーニングKC)
弘兼 憲史 / 講談社 (2007-01-23)
読了日:2013年5月13日
常務となり中国全土を取り仕切るとともに、後半は、インドへの足がかりもつくっていく。東京の住まいの向かいの中華料理店のおかみと仲良くなったり、新しい秘書が万亀会長のお気に入りになったり、提携先の社長のガールフレンドがインドでの隣人だったり、さまざま。インドが親日的と思いがちだけど、ボースのことも、東京裁判でのインドの判事だけ日本無罪主張というのも、日本に好意的なイメージでやや曲げられている感があることなどを知れたり。専務昇進の打診を受けたところで、つづく。GEOにてレンタル。
おにぎり通信 ~ダメママ日記~ 1 (愛蔵版コミックス)
二ノ宮 知子 / 集英社 (2013-05-10)
読了日:2013年5月13日
のだめの二ノ宮さんが、自分のダメママっぷりをひらきなおってわらいとばしてネタにした育児日記。主夫でイクメンの旦那さんが、ためこまないで、ちゃんとストレスMAXになるとわかるようにしているのが、いいなあと思った。
木村衣有子 /
読了日:2013年5月12日
アダノンキで購入。デザイナーが高校で出会った書道の先生のお話。お手本書いて欲しければ詩をもってきな。それを誰に見せたい?どこに飾りたい?どういう風に見せたい?と問われ、書道観ががらっとかわった、というお話。また、さよなら牛レバ刺しの話しが、短い中に、哀切がこもっていて、好き。
取締役 島耕作(8)<完> (モーニングKC (1425))
弘兼 憲史 / 講談社 (2005-04-22)
読了日:2013年5月12日
取締役となり上海担当役員となった島耕作。中国でも、大規模な中国企業との提携をまとめ、現地人中心の体制に切り替えたりと辣腕をふるい、最終的には利益率200%以上を達成、常務として中国全体担当へ昇進。このシリーズは、あいかわらずの仕事・プライベートの活躍(秘書や蘇州であった美女、北京のクラブのママ、元会長夫人、チャコママと相変わらず言い寄られる言い寄られる 笑)のほかに、闇勢力との接近、それにともなう周囲の人々の変死が描かれているように思った。


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2013年06月06日

2013年05月に読んだ本 その1

期間 : 2013年5月1日 〜 2013年5月10日
読了数 : 18 冊
千夜一夜物語 (まんがで読破)
バラエティアートワークス / イースト・プレス (2010-02-28)
読了日:2013年5月9日
部長 島耕作(13)<完> (モーニングKC (809))
弘兼 憲史 / 講談社 (2002-04-20)
読了日:2013年5月7日
7巻から13巻まで読了。完結。近所の定食屋さんで読了。中澤社長の退任、後ろ盾になってくれる万亀社長の就任・退任、敵対する社長の就任による苦境と、取締役への就任まで。アメリカ映画事業の経営改革を実施、子会社出向で、ワイン事業を軌道にのせ、傾いたレコード会社にて、かつての演歌の女王のリバイバルヒット、天才女性シンガーを発掘し、業績をおおいに回復。かつて敵対した部下が社長となっていた地方販売店にとばされるも、部下たちの信望を得て、販社からの信頼も得て、社長をおいおとし、ついには改心させる懐の広さもみせ、実績を買われ取締役に抜擢される。課長島耕作の最初のころから比べると、ぐんと人間的に成長しているように見える。次の舞台は中国になりそうなことを伺わせつつ、取締役編へ。
にこたま(5) <完> (モーニング KC)
渡辺 ペコ / 講談社 (2013-04-23)
読了日:2013年5月6日
http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/touch/20130502/1367450336 紙屋研究所のにこたま評をみて、手にとる。/好きとポケモン。倒されるとわかっていても、にじり寄って行くもの。十年来のかのじょがいて、よそで子供作ってサイテーというのは簡単だけど、そのあとの道行きは、いがみあったり離れたりもしたけど、お互い話し合って、気持ちを再構築して、落ち着くところに。
にこたま(2) (モーニングKC)
渡辺 ペコ / 講談社 (2010-09-22)
読了日:2013年5月6日
一緒にいる大事な相手を不愉快にさせたり悲しませないっていうのはルールじゃなくてマナーとモラルだよ 約束や契約がなくても信頼があるならそれ破っちゃだめだよ。
乙嫁語り 2巻 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
森 薫 / エンターブレイン (2010-06-15)
読了日:2013年5月6日
二巻まで読了。19世紀中央アジア、カスピ海近辺の地方都市の話。嫁として婚家に馴染んで行く様子、無理矢理連れ返しにきた実家の面々との諍い、寄宿していたイギリス人研究者の旅立ちが描かれる。当時における刺繍の価値の高さがうかがい知れる。
札幌市教育委員会 / 北海道新聞社 (1998-12-21)
読了日:2013年5月6日
平成10年前後のすすきの界隈のことを知れて有益。「さっぽろ文庫 狸小路」「さっぽろ狸小路グラフィティ」とあわせよむとより一層。当時はあったけど、いまはない、クノイサスとかクラブセガとかロビンソンとかをながめていると、懐かしさをかんじる。この本によると、すすきのって、南3〜7条の西1〜7丁目を指すみたいですね。
そこをなんとか 8 (花とゆめCOMICSスペシャル)
麻生みこと / 白泉社 (2013-05-02)
読了日:2013年5月5日
遺産相続後に価値あるものがまぎれこんでいたことからの相続のもめごと、わいせつ図画販売から結婚詐欺まで。誰にもぶらさがらず自分で苦労して道を切り開いたから、それに君が寄与したような言い方は不快、という言い方で楽子の元彼をばっさり斬り、認めているということを伝えた東海林先生の啖呵にすっとする。楽子ちゃんの成長ぶりにも。
部長 島耕作(6) (モーニングKC (696))
弘兼 憲史 / 講談社 (2000-06-20)
読了日:2013年5月4日
3巻から6巻まで読了。
部長 島耕作(2) (モーニングKC (627))
弘兼 憲史 / 講談社 (1999-04-19)
読了日:2013年5月4日
あっという間に中澤社長時代は8年目を迎えていて、退任、万亀社長就任、そのまえに島耕作の子会社への出向、という流れの巻。
部長 島耕作(1) (モーニングKC (428))
弘兼 憲史 / 講談社 (1995-09-19)
読了日:2013年5月4日
珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る (宝島社文庫)
岡崎 琢磨 / 宝島社 (2013-04-25)
読了日:2013年5月4日
バリスタの妹の登場、ラテアートを習いたい女子高生ときて、最後は緊迫した事件に。今作も、ところどころ読者をミスリードしようとする企み、主語の意図的な省略が散りばめられている。もっともミステリー読みには容易にわかることなのかもしれないけど。言い出すことも、癒やされることもできないおもいは、抱えて生きるしかない、。
北緯14度 セネガルでの2ヵ月 (講談社文庫)
絲山 秋子 / 講談社 (2013-04-12)
読了日:2013年5月4日
絲山さんの二ヶ月間のセネガル紀行。物売りにしつこくされたら、「ありがとう」の意味でビッと親指をたてると、それ以上しつこくされずしこりも残らない。フランス時代の恋人ミヒャエルが言ってくれた「アイスクリームは悲しみによく効くのだ」をそのままガルディアンのソレイマンに語ったり。/ドゥドゥ、私はあなたと違って小さな才能しか持たない作家ですが、それでも書いているときに神が力を与えてくれることを感じることがあるのです。あなたもそうですか?本当にそうです。太鼓は、死んだものでできています。皮もそうだし、木もそう、でもこうやって音が出る。それは神様のおかげです。私が言いたかったことは、たったそれだけだった。何十年もかかって、遠くまで来て。でも、それで十分だった。p.87/翌日エンドーさんから電話があって、何か忘れ物でもしたかな、と思ったら、「カヤールに虹が出てます!ここに五年いて初めてです!」と叫ぶように言った。エンドーさんのはじけるような嬉しさと、カヤールの海の向こうに、大きな夏が広がっている。p.137/ムッシュ・カグラザカが送ってくれたメールより。「故郷を甘美に思う者はまだ嘴の黄色い未熟者である。あらゆる場所を故郷と感じられる者は、すでにかなりの力をくわえた者である。だが、全世界を異境と思う者こそ、完璧な人間である(12世紀ドイツのスコラ哲学者の言葉)」p.176-7/ファティガン!ファティガン!ファティガン!
八柳 鉄郎 / 北海道新聞社 (1987-06)
読了日:2013年5月3日
すすきの青木商事の専務だった著者の、苦しい時代から、専務になったころまでのこと、ホステスや客、芸能人たちの交流などをつづる。悲惨な道行きになった人もいれば、たくましく生き抜いている人もいて。みためほど華やかでも楽でもない世界を垣間見せてくれる。こずるくて、お金借りてもあたりまえのように踏み倒して逃げ出して返さなかったり、恩を仇でかえすような真似をされたり、現実の重さに耐えきれなくて精神を壊してしまう者もいたり、こちらからせこいコトをしてしまって汗顔のいたりだったり。人生はミステリー小説じゃないから必ずオチがつくわけでもない。そんなことを考えた。
カーマ・スートラ (まんがで読破)
バラエティアートワークス / イースト・プレス (2010-09-30)
読了日:2013年5月3日
さらりと概要に触れることができる。メソッド的なことから、当時の性愛学について知ることができる。原典にもあたってみたい。
新装版 課長 島耕作 17 <完> (モーニングKC)
弘兼 憲史 / 講談社 (2008-06-06)
読了日:2013年5月2日
16、17巻をGEOでレンタル。
珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
岡崎 琢磨 / 宝島社 (2012-08-04)
読了日:2013年5月2日
最初は、日常の些細な謎を解き明かしていくだけの、ぬるいかんじの流れかと思いきや、積み重なってきたものがお互いのヒントとなり、関係を切り裂きかねない存在が起爆剤となり、緊迫を増し、破綻を迎えたと思いつつ、見抜いた上に、さらに見抜かれが重なって。わざと主語をぼかし、主体をあいまいにすることで、勘違いを誘発させたり、なかなか手が混んでいる。気弱な一面しかみせていなかったのに、かなぐり捨ててしたたかさを見せたり。読み終えてみれば、なかなか起伏に富んでいたな、と。珈琲の蘊蓄も楽しみつつ。
新装版 課長 島耕作 15 (モーニングKC)
弘兼 憲史 / 講談社 (2008-06-06)
読了日:2013年5月1日
10巻から15巻まで、ゲオでレンタル。社長夫人の勘気にふれてのフィリピンへの転勤。銃撃され負傷、同期の出世頭樫村の死。日本への復帰と新設部署への任命。社長の脳出血。中沢部長の取締役昇進。ハリウッドの名門コスモスグループ買収、と。
係長 島耕作(1) (イブニングKC)
弘兼 憲史 / 講談社 (2011-03-23)
読了日:2013年5月1日
ぶらっと入った定食屋で手にとり。課長になる前の島耕作。


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2013年05月08日

2013年04月に読んだ本 その4

期間 : 2013年4月21日 〜 2013年4月30日
読了数 : 17 冊
新装版 課長 島耕作 09 (モーニングKC)
弘兼 憲史 / 講談社 (2008-05-30)
読了日:2013年4月30日
オレの派閥に入らないからお前はクビだという社長も社長だけど、だからといって、会社の内部情報をリークして、不買運動起こさせるコーサクもコーサクだ。ただ、青臭い正義感やら倫理観ふりかざして、矛盾点を指摘されると素直に反省して、そういうところが、憎めなくて、得しているのかも、と思ったり。なんだかんだいって、実力つけて、あがってきているところはすごいというか。
課長 島耕作(8): 8 (モーニングKC (208))
弘兼憲史 / 講談社 (1990-05-23)
読了日:2013年4月30日
課長 島耕作(7): 7 (モーニングKC (197))
弘兼憲史 / 講談社 (1990-01-23)
読了日:2013年4月30日
中国英雄伝 (1) (講談社漫画文庫)
久保田 千太郎 / 講談社 (1997-06)
読了日:2013年4月30日
張騫と高仙芝を取り上げた巻。他の巻も王昭君、李広利、班超と渋いラインナップ。中国の北方、西域と深く関わった人々ということか。高仙芝は、高潔でぶっきらぼうで勇猛。パミール高原遠征で功をあげ、節度使になり、皇帝の命で咎なきタシュケントを討つことに苦悩し、タラス河畔の戦いに破れ、対安禄山戦で、長安攻防時に、讒言により斬首されるまでを描く。辺令誠は、最後の讒言にはかかわっていなかったことにされているのが史実との違いか。
弘兼 憲史 / 講談社 (1989-04)
読了日:2013年4月29日
弘兼 憲史 / 講談社 (1988-06)
読了日:2013年4月29日
図書館の主 5 (芳文社コミックス)
篠原ウミハル / 芳文社 (2013-04-16)
読了日:2013年4月29日
十五少年漂流記をそっと読み返してみたくなる一編、タチアオイ図書館館長の若かりし頃の、お話。そして、全方位隙なしにみえたスーパー司書御子柴の、大学の同期の登場、果たして、恩師の思いを裏切ったといえるのかどうか。つづきが気になる。
課長島耕作 (3) (講談社漫画文庫)
弘兼 憲史 / 講談社 (1995-02)
読了日:2013年4月29日
課長島耕作 (4) (講談社漫画文庫)
弘兼 憲史 / 講談社 (1995-02)
読了日:2013年4月29日
最初っからどうしょうもないなぁ、そんなわけないだろう、男の妄想ファンタジー、とツッコミながら読んでいたはずなのに、いつのまにかハマって4巻まで。ファンタジーを求めている人が多いから人気シリーズになって続いているのかな。泊まったホテルのフロントでずらりと無料貸出ししていたのが運の尽き。社内不倫はするわ、上司の愛人の動向さぐるように派遣されて、逆に食べられちゃったりとか、知り合う女知り合う女耕作に惚れてアプローとかけてくるわ、しまいには男の同僚にも告白されるは、寝物語のせいで会社の機密もらしちゃうわ、同僚の横領は見逃すわ、給湯室に盗聴器しかけちゃうわ、顧客からあずかった1万ドルをすられたからといって起死回生ラスベガスのカジノで取り戻そうとしたりとか、とかとか。宇佐見常務の、ものごころついてから一度も会ってない実子との再会と引き際のシーンや、どこの派閥にも属さずに大きな力のもとには組したくないんだなんて啖呵きったところに「じゃあお前はどうして社員数6万人の大企業に入った」と指摘されるシーンとか、ぐっとくるところもあったのだけど。
札幌市教育委員会文化資料室 / 北海道新聞社 (1986-01)
読了日:2013年4月29日
和田由美「狸小路グラフィティ」に関連して。ちょうどすっぽり抜けていた、昭和60年ごろのことを知ることが出来て興味深かった。
課長島耕作 (2) (講談社漫画文庫)
弘兼 憲史 / 講談社 (1994-12)
読了日:2013年4月29日
課長島耕作 (1) (講談社漫画文庫)
弘兼 憲史 / 講談社 (1994-12)
読了日:2013年4月29日
大泉エッセイ ~僕が綴った16年 (ダ・ヴィンチブックス)
大泉 洋 / メディアファクトリー (2013-04-19)
読了日:2013年4月29日
備忘録的に。さあ青だ いやもう一度 右左、という祖父の俳句。エスカロップ:タケノコ入りのバターライスに薄切りのトンカツをのせ、デミグラスソースをかけた根室独特の料理。安田さんの荷物の少なさ:二泊三日に荷物は手塚治虫、人間昆虫記のみ。鈴井さん:もし結婚式によんだら、というわけで、いよいよ新婚旅行ということですねー、そのてにはさいころが、なんて。藤村さん:会費と祝儀払ってしまいスピーチで高らかに。釜山国際映画祭で、無名なのに、有名そうにふるまい、歓喜の渦。ベトナムの、ギターソロもひいちゃうピアニスト。現状維持めざして現状維持出来るか。
企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン〜新しい統治者たちの素顔 (アスキー新書)
松井 博 / アスキー・メディアワークス (2013-02-28)
読了日:2013年4月29日
帝国とは、1:ビジネスの在り方を変えてしまう 2:顧客を「餌付け」する強力な仕組みを持つ 3:業界の食物連鎖の頂点に君臨し、巨大な影響力を持つ / 全面的な委託生産の開始、サクラメント工場の閉鎖は会社の意識を変えるという意味では、「帝国」化への大きな第一歩となった(アップル)/ 1:得意分野への集中 2:小さな本社機能 3:世界中から「仕組みが創れる」人材を獲得 4:本社で「仕組み」を創り、それを世界中に展開 5;最適な土地で最適な業務を遂行 /「グーグルアカウント上のファイルは確かに自分の資産かもしれません。しかしアクセスできなければ自分のものでないのと同じことです。」/Kindle」は、あくまで「コンテンツ」を視聴する権利を貸与されただけ/「これから必要な能力は、高い専門性に裏打ちされた創造性です。暗記能力ではありません」/ナラティブ・サイエンス社:同社が開発したソフトウェアが必要な記事を生成し雑誌等に供給。/コールセンターのロボット化は10年以内に実用化するのではないか/「誰かの行動様式を模倣する」という発想そのものを捨てるときが来ているといってもいい/古典にふれる。自らさまざまな体験を重ね、物事を多面的に観察し、理解する能力を獲得していくこと。自らの手でさまざまなものを創る訓練をしていくこと/他者との差別化を本質的なレベルで図れる「何か」はアートではないのか。/「私が考える絶対に欠かせないスキル、それは自分の意見を簡潔に伝える能力、そして他人と議論して新しい知見にたどりつく能力です」/
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
村上 春樹 / 文藝春秋 (2013-04-12)
読了日:2013年4月22日
人生は回収されない伏線に満ちあふれている。ミステリー小説でもない。だから、謎がすべて解かれないことは、ある意味リアルさを表現しているともとれる。前作と同様に。誰かが離れて行く時、親切に理由を教えてくれるとは限らない。黙って、すっと離れていったり、離れていくことのみ宣言されたり。それが自分が親しく大事に思っていた存在から突然突きつけられたら、ふつう痛みは深く大きく尾を引くだろう。知り合ったひとりの女性のアドバイスで、十六年の時を経て、自分を切り捨てた親友たちをめぐる巡礼。誰かが離れていった時、生身の自分がしたことではなくても、強烈な思いが、夢の中の自分が、渦のように湧き上がった無意識が作用していたのかもしれない。思うことが、あるいは無意識が見せたものまで罪だというなら、そこまでは責任負えないよと思うけど。何もできなかった、という無力感の言い換えぐらいにはなるのかもしれない。最後は、「ノルウェイの森」の最後を思い出させた。大事な人を手に入れることができたのだろうか。希望を持ちつつ本を置く。
松田優作物語―ふりかえればアイツがいた! (00) (ヤングチャンピオンコミックス)
宮崎 克 , 高岩 ヨシヒロ / 秋田書店 (2000-11)
読了日:2013年4月21日
ブラック・レインでの飛躍からその死。時代が撒き戻って、太陽にほえろ!でのデビューからその後の人気スターへとかけあがる過程を描いた感。写真からとったのかてぐらいリアルな絵柄で、文章の評伝からは読み取れないものまで伝わってくるところがいい。なかなか許可のでないロケ地のなか、ようやく後楽園球場から時間限定で許可とりつけたのに、優作がケンカしたせいで遅れて、球場の廊下で裕次郎とすれ違うシーンが一番おもしろかった。遅れたことを責めるでなく、「それでケンカは勝ったのか?」て。
トルコで私も考えた トルコ料理屋編 (トルコで私も考えた トルコ料理屋編)
高橋 由佳利 / 集英社 (2013-04-18)
読了日:2013年4月21日
息の長いシリーズ。もう20年近くやっているとか。神戸にトルコ料理やさんを開いていたとは知らなかった。もし近くにいることがあったら寄ってみたい。飲食店稼業はたいへんそうだけど。トルコ人でも、トルコの濃い人間関係に嫌気がさしてロンドンに住んでいる、という親戚のことが書かれていて。そりゃあ、陰気なアメリカ人も、はっちゃけた日本人もいるわけで、とは思うけど。あと、マルちゃん正麺は、塩味だけがハラルフードだそうな。豆知識。


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2013年05月07日

2013年04月に読んだ本 その3

期間 : 2013年4月16日 〜 2013年4月20日
読了数 : 24 冊
キングダム 30 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2013-04-04)
読了日:2013年4月20日
函谷関の背後をとった楚軍への王翦の反撃。李牧の南道からの進撃。鑣公による追撃が、龐媛により破られ、討ち死に。秦王政の咸陽からの出陣にて、この巻は終了。
ドン・キホーテ (まんがで読破)
セルバンテス , バラエティアートワークス / イースト・プレス (2009-03-31)
読了日:2013年4月19日
酔狂に思われるも、実は最初から正気。何事もなしていない自分に焦燥し、騎士道の旅にでるが、いざ騎士の位を授けられてみると、自分のまわりにいた人や環境のかけがえなさに気づく、青い鳥。さて、原作ではどう描かれているのか。
越境者 松田優作 (新潮文庫)
松田 美智子 / 新潮社 (2010-06-29)
読了日:2013年4月18日
「このときの私は二十一歳。貧しく、無名で、ただ希望だけが大きい若者だった」p.33 松田優作の最初の妻による、死後二十年を経たあとの、評伝。映画スターとしてのヒーロー的な部分しかしらない試聴者に、タフでかっこいい以外の側面を知らせてくれる。仕事には純粋で情熱をもってとりくむが、行き過ぎて付いて行けない人を置いて行き、また振り回し疲弊させる。極まると暴力に訴え、何度も事件となり、粗暴と言われても否めない面も。色街での私生児としての出生、在日韓国人としての国籍へのコンプレックスと元妻への帰化申請がスムーズにいくことへの依頼。家族を非常に大事にする反面かえりみないところもあったというアンビバレンツ。最後は、宗教にたよりあやしげなビジネスにたより、死を予感しつつ受け容れず倒れた感。巨大なエネルギーだったと思う。スクリーンを通してすらそれを感じさせて、人々を惹きつけて、それゆえに、身近にいた人々には時に火傷を起こさせる。
リアルタイム「北海道の50年」 すすきの風俗編 上
財界さっぽろ編集局 / 財界さっぽろ (2013-02-01)
読了日:2013年4月17日
下巻と違って、こんな店ができた!地方から続々とすすきのに乗り込む!という記事が多くて、60〜70年代の活気を感じられる。
アフリカンネイバーズ
中尊寺 ゆつこ / 木楽舎 (2002-05)
読了日:2013年4月17日
モロッコ、ケニア、ナミビア、ザンジバル。パリから見たアフリカ。ナミビア観光はダイナミック。自然とふれあい、起伏に富む砂漠に圧倒され。ちょっとの滞在のザンジバルも活き活きとしていて。アフリカのセレブについての章は興味深く。サリフ・ケイタの歌声、聴いてみたくなった。
キングダム 22 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2011-05-19)
読了日:2013年4月16日
キングダム 18 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2010-06-18)
読了日:2013年4月16日
キングダム 29 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2013-02-19)
読了日:2013年4月16日
攻める六国連合軍と守る秦の、函谷関をめぐる攻防戦も四冊目。楚の手勢が函谷関の裏手に精鋭を送り込んだところまで。このペースだと、政が中華を統一するのは何巻になることやら。
キングダム 26 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2012-05-18)
読了日:2013年4月16日
キングダム 20 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2010-11-19)
読了日:2013年4月16日
キングダム 25 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2012-02-17)
読了日:2013年4月16日
キングダム 15 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2009-09-18)
読了日:2013年4月16日
キングダム 23 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2011-08-19)
読了日:2013年4月16日
キングダム 24 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2011-11-18)
読了日:2013年4月16日
キングダム 28 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2012-11-19)
読了日:2013年4月16日
キングダム 27 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2012-08-17)
読了日:2013年4月16日
キングダム 21 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2011-02-18)
読了日:2013年4月16日
キングダム 17 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2010-03-19)
読了日:2013年4月16日
キングダム 19 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2010-08-19)
読了日:2013年4月16日
廉頗の出陣、信の千人将としての進撃。
キングダム 16 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2009-12-18)
読了日:2013年4月16日
起業家
藤田 晋 / 幻冬舎 (2013-04-12)
読了日:2013年4月16日
広告事業主体で利益をあげていたが、早晩どうなるかわからない。次の柱になる事業を。メディア企業になる。しかし先行投資ばかりで成果があがらず。内製化できるための技術者招聘。ほかの事業は他の役員に任せ、社長自ら陣頭指揮をとってのアメーバ事業への傾注。誰も相手にしてくれなかった事業が、最後には会社の柱に。/アメーバの転換点は、幹部三人を更迭したこと。けど三人は三人とも優秀だった。真因は幻冬舎の見城社長の言葉で気づかされた「全ての創造はたった一人の「熱狂」から始まる」「新しいことを生み出すのは、一人の孤独な「熱狂」である」。「絶望しきって死ぬために、今を熱狂して生きろ」を胸に刻んで。/「名乗りを上げるのはただ(無料)これは発見だったよ。」(堀江貴文)。「新しいサービスやデバイスを自分で使って試さないのは、ネット業界の経営者としては失格です。」 
COMIC CUE Vol.300!
福島 聡 , 羽海野 チカ / イースト・プレス (2003-05-31)
読了日:2013年4月16日
ドラえもんの秘密道具を使ったアンソロジー。羽海野チカ「星のオペラ」(暗記パン)をハチクロの最終巻で見かけて、出典の雑誌を探して購入。個人的には、SLえんとつの話しが好き。もらえるものなら欲しいもんだ^^。タケコプター、どこでもドア、タイムマシンから、なじみのないマイナーな道具まで。
神曲 (まんがで読破)
ダンテ / イースト・プレス (2008-10-01)
読了日:2013年4月16日
ヴェルギリウスにみちびかれて、地獄、煉獄、天国をめぐるダンテの足取りが、簡潔にまとめられている。愛、光、神が初動の源と。ならば、道は一つではないとも言えそうとも思ってしまうが。
リアルタイム「北海道の50年」 すすきの風俗編 下
財界さっぽろ編集局 / 財界さっぽろ (2013-02-01)
読了日:2013年4月16日
1980年代から現在まで。割烹、クラブ、キャバレー…倒産、閉店と暗い話題が多い。けど、つぼ八創業者みたいに、イトマンに乗っ取られた、というニュースの続報が知りたくて、ネットで調べたら、ちゃんと別のチェーン創業して復活していたりして、そういうのは読むとうれしい。”オジン”とか当時の言葉遣いを懐かしんだり、今は無い店の栄枯盛衰をながめたり。札幌の現代史の一側面。


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2013年05月06日

2013年04月に読んだ本 その2

期間 : 2013年4月14日 〜 2013年4月15日
読了数 : 16 冊
俺物語!! 3 (マーガレットコミックス)
アルコ / 集英社 (2013-02-25)
読了日:2013年4月15日
この巻もまっすぐな気持ちぶつかりあい、全開。ピクニックからの遭難も、猛男のたのもしさで乗り切り。一緒の大学に行こうと勉強に猛進したり。いつも支えてくれる砂川をふたりでサプライズ誕生祝いしたり。
キングダム 13 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2009-03-19)
読了日:2013年4月15日
蒙武の進撃と、趙本軍の後退。龐けんの単身での秦陣地への登場。
キングダム 14 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2009-06-19)
読了日:2013年4月14日
キングダム 12 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2008-12-19)
読了日:2013年4月14日
秦左軍の進軍と趙将憑忌の誤算、信の側面からの進撃。
キングダム 11 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2008-09-19)
読了日:2013年4月14日
趙の反撃と王騎将軍の出馬、両軍の対峙。
キングダム 10 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2008-06-19)
読了日:2013年4月14日
丞相呂不韋の登場。六大将軍の提言。「確実のどこが面白いのじゃ」。貂の軍師修業の開始。信の王騎将軍への弟子入り。それにしても、なぜ六大将軍がそれほどすごかったのに、秦は昭王の時代に中華を統一できなかったのだろう、というのが素朴な疑問。類書で当時の時代背景に当たりたくなってきた。
キングダム 9 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2008-03-19)
読了日:2013年4月14日
キングダム 8 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2007-12-19)
読了日:2013年4月14日
趙兵四十万を生き埋めにした長平の戦い。敵国趙で産まれ、その憎悪を一身に浴びた幼少を語る政。そして、現に、再び政を狙う勢力が。
キングダム 7 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2007-10-19)
読了日:2013年4月14日
王騎に将の心得を説かれる信。乱戦に乗り込む信。鑣公の突撃と秦軍の勝利。
キングダム 6 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2007-07-19)
読了日:2013年4月14日
キングダム 5 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2007-05-18)
読了日:2013年4月14日
政の王座への復活。信の初陣。
キングダム 4 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2007-02-19)
読了日:2013年4月14日
王宮に乗り込み、王弟勢との戦い。
キングダム 3 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2006-11-17)
読了日:2013年4月14日
山の民の王への助力願い。信の、無念というなら夢見たことが幻に終わったことだろ、奴らの見た夢を現実のものにかえてやれよ、という檄が決め手に。咸陽への進軍。
キングダム 2 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2006-08-18)
読了日:2013年4月14日
俺物語!! 1 (マーガレットコミックス)
アルコ / 集英社 (2012-03-23)
読了日:2013年4月14日
見た目はイカついけど純情でまっすぐで正義感あふれる猛男と、見た目はすごくイケメンでクールだけど友情に厚い砂川。そんな猛男を好きになった大和。まっすぐすぎる二人の気持ちのぶつかりとそれをそっとささえる砂川のやりとりが、ほほえましく、可笑しい。お礼に、私たち幸せですケーキ渡すって。
俺物語!! 2 (マーガレットコミックス)
アルコ / 集英社 (2012-08-24)
読了日:2013年4月14日
問題ない!心配するな!大丈夫だ!猛男、まっすくすぎて、力強すぎて、かっこいいよ。そしてそれに応えるまっすぐでいいこな大和。クールだけどきちんと勘所おさえてみまもる砂川。ああ続きが気になる。


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2013年05月05日

2013年04月に読んだ本 その1

期間 : 2013年4月1日 〜 2013年4月13日
読了数 : 14 冊
松田優作、語る (ちくま文庫)
松田 優作 / 筑摩書房 (2001-08)
読了日:2013年4月13日
探偵物語をモチーフとしたカフェ工藤珈琲事務所に触発されて手に取った一冊。インタビュー集だから、内容が重複する点は致し方ないが、生に近い松田優作の声を聴くことができる。これを読んで「探偵物語」「ブラック・レイン」「ア・ホーマンス」をたまらなく観たくなり、レンタルしてきてしまう。「ア・ホーマンス」の独特のサウンドトラックはぜひ手元に置きたいと思った。/「おれは若い人に、自分のなかの変化と重ね合わせて映画を見てもらいたいんだ(略)。劇場のあの暗がりのなかに入ったら、自分の過去や未来がいろんなかたちで浮かんでくる。そんな世界があるってこと、知ってほしいですね。p.109/「ハリウッドも日本の映画もなにも変わらない。ただ違うのは映画に対する尊敬の念だ」p.362
キングダム 1 (ヤングジャンプコミックス)
原 泰久 / 集英社 (2006-05-19)
読了日:2013年4月12日
王弟の反乱に遭い、逃げ出した少年時代の秦の始皇帝。付き従うは、平民出身の信。
信長のシェフ 6 (芳文社コミックス)
梶川卓郎 , 西村ミツル / 芳文社 (2013-01-16)
読了日:2013年4月12日
森長可の戦死、比叡山包囲、天皇の御前での料理対決。ケンの素姓を知るものの登場。
信長のシェフ 5 (芳文社コミックス)
梶川卓郎 , 西村ミツル / 芳文社 (2012-10-16)
読了日:2013年4月12日
堺と千利休との出会い、本願寺との開戦、未来から来たと思われる本願寺の女料理人、森可成の居城の包囲。意志を汲み、意志を伝えるケンの、料理。顕如と利休の対面は緊張感に満ちたシーンだった。信長こそ王なり、王法成為本が仏法の教えならずや、と。
信長のシェフ 4 (芳文社コミックス)
梶川卓郎 , 西村ミツル / 芳文社 (2012-06-16)
読了日:2013年4月12日
姉川の戦い。家康に振る舞った姉川ホルモン焼き、食べてみたい! 共について行こうと思っていても、理解が届かなければ、不安に蝕まれ、ついには袂を分かつ。信長についていけなかった浅井長政と、信長の意志を料理で具現化していくケンの対比。
信長のシェフ 3 (芳文社コミックス)
梶川卓郎 , 西村ミツル / 芳文社 (2012-02-16)
読了日:2013年4月12日
食べるとは生きること。金ヶ崎の退き口を描く巻。
モロッコで断食(ラマダーン) (幻冬舎文庫)
たかの てるこ / 幻冬舎 (2004-02)
読了日:2013年4月12日
いきなり飛び込んでみたら、ラマダーンの真っ最中で、現地の人といっしょに断食することで一気にとけこみ、イフタルをごちそうになり、いろんなことを質問して。そのなかでも、町であっただけなのに、親切に丁寧に質問に答えてくれたカリッドとなかよくなり、ついには彼の実家への里がえりについていくことに。交わるごとに家族のようになじみ、ゆったりとした暮らしぶりはうらやましくも。帰還時の事故で絆はぐっと深まり、ずっと一緒にいたいとまで思い窮めたけど…。後日談も描かれて、そうだろうなという所に落ち着きはしたけど。/インシャアッラーについて。「イスラムの世界では、変わりゆく状況に対してもっと臨機応変なのかもしれない。なんかそれって、いい加減というよりは、”良い加減”って感じがしていいな。p.65/「ケンカってさ、お互いの良いところも悪いところもよく知ってるからするもんなんだよ。全然知らない相手とは、ケンカのしようがないからね」p.73
住んでみたカムチャツカ (ユーラシア・ブックレット)
広瀬 健夫 / 東洋書店 (2010-02)
読了日:2013年4月7日
意外と近くにあるのに、意外と知られていない、カムチャッカ。観光的にはあまり見るところなさそうだけど、のんびりしてて素朴でよさそうなところである、という感触は得た。大学教員生活は、安い給料と学長専制体制なところがあってたいへんそうだが。
向田邦子の恋文 (新潮文庫)
向田 和子 / 新潮社 (2005-07-28)
読了日:2013年4月7日
前半が、向田さんの恋文と、N氏の日記。N氏の死の直前まで四ヶ月ほどの。人に見せるつもりでなく書かれたものだからこそ、ふとこぼれる真情のようなものが伺い知れて。妹さんによる解題。当たり前のように向田の家を支えてくれて、だから何もかも振り捨てて姉はN氏に走ることができなかったのだろう、と。そして、その思いはきっと死ぬときまで引き継がれたに違いない、と。爆笑問題太田氏による解説の、向田にとっては幸せな世界が、N氏にとっては向田が側にいても生きているのが辛い世界だ、と断言されたに等しい否定、それをのりこえ、私は生きるという思い、生きて欲しいという願いがこめられた作品群だったというのは、なるほど、と。
ソーシャルデザイン (アイデアインク)
グリーンズ / 朝日出版社 (2012-01-10)
読了日:2013年4月7日
社会をかえる、小さなことからでいいから、自分ごととして。楽しいをデザインする。自分が好きだった自分はどんな自分か。それは本当にやりたいことか。斜に構えれば、青臭く響く言葉も、日々、何かビジネスに結びつけなければ、マネタイズしなければ、という視点とは別の切り口を与えてくれる。パンダのコスプレで、一枚のパンフを使いまわして、28万人にアピールとか、ほんとクール。/非喫煙者も、あたかも喫煙者のようなコミュニケーションをシャボステーションで、と東京シャボン玉倶楽部。/無いもの探しをしない、最初は隙だらけに決まってる、でもストーリーを共有できれば、共感できる。/トラクター×男前で「トラ男」/スピードを守った人に宝くじがあたる「スピード・カメラ・ロッタリー」/大切にしている問いかけはという問いに、山口絵理子さんの「生きる意味って何だろう?」「好きだった自分ってどんな自分かな?」という答え/途上国の電力不足を解決する自家発電型サッカーボール「ソケット」/アイデアを実行に移す上で大事なのはないものねだりをしない、お金あれば、有名人が強力してくれたらなんて条件付きアイデアはいつまでも実現しない。あるものでやる。/「時間が経つのも忘れてしまうくらい、熱中していたことは何ですか?他人に譲れない、人任せにできないと思えるものは何ですか?あなたが幸せになってほしいと思う身近な人は誰ですか?」ソーシャルデザインは、そんな「自分ごと」から始まるのです(p.44)という言葉を軽やかに受け止めて。
夏期限定 トロピカルパフェ事件(後)(完) (Gファンタジーコミックス)
米澤 穂信 / スクウェア・エニックス (2011-02-26)
読了日:2013年4月7日
考えることができるだけ、共感することができない人、のこったのは傲慢な高校生、と。封じ込めようと、お互いを納得ずくで利用しようとしたけど、結局は、状況を動かせている。そして、まったく楽しくないわけではない、ということが残す後味。I know you,I believe you,That's why...
アフリカ大陸一周ツアー―大型トラックバスで26カ国を行く (幻冬舎新書)
浅井 宏純 / 幻冬舎 (2011-05)
読了日:2013年4月7日
モロッコからアフリカ西部を南下し、南アフリカ共和国を折り返しに、アフリカ東部をエジプトまで北上する、8ヶ月におよぶトラックツアー旅。宿は出来る限りのキャンプ。多国籍老若男女な乗客たちとは生きた英語学校、そして多様性に触れることができる、と。デビ「自分がちっぽけで弱い、それでも大丈夫だということを知ることができたら、自殺なんてしないんじゃない?それにはアフリカを体験するのがいいかもね。悩まず、生きることだけを考えるから。それにしても日本の自殺者は多すぎる。なぜなの?」/わずか10分の雨で砂漠の表面にたくさんの川ができ、水は砂に染み込まず、川になる、というのは意外な印象。/ぼくたちは毎日違うメニューを食べようとするが、アフリカ人、とくにサブサハラの人たちは、ほぼ毎日同じものを食べているようだ、と。
カワイイ地獄 (講談社文庫)
ヒキタ クニオ / 講談社 (2013-03-15)
読了日:2013年4月7日
全編に登場するのが、バー寒猫の小夜子ママ七十歳。きっと夏木マリみたいなシャンとした年上の姐御なんだと思いつつ。カワいいにとりつかれた、あるいは身近な人がとりつかれた世界を描く連作短編集。時には「あんたらは、何もわかってないんだよ、水商売ってのを。イカれた透明な水を売ってんだよ、非道い商売だってことをわかってない」とピシャリと言い放ち。うわべだけのカワイイをすくってみても、虚しく、儚く、脆い。けど、渦中にいるとわからないし、渇望せずにはいられない。男にとってのカワイイにあたるのは、何だろうね、と思いつつ本を置く。
思い出トランプ (新潮文庫)
向田 邦子 / 新潮社 (1983-05)
読了日:2013年4月3日
もう何度読んだかわからないけど、cakes連載のfinalvent氏の向田邦子の没後明らかになった人生を作品の中に読み込んだ書評にふれて、あらためて読み直してみようかと。やはり感じるのは、時代背景の道具立ては違えど、物語仕立てで描かれる、ふとした生活のなかに浮かび上がる、普通の人々が抱く悪意、あるいは自覚がないだけたちのわるいずるい思い。底に流れているものは古くなっていないんだろうな、と。


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2013年04月07日

2013年03月に読んだ本 その5

期間 : 2013年3月28日 〜 2013年3月31日
読了数 : 7 冊
アライバル
ショーン・タン / 河出書房新社 (2011-03-16)
読了日:2013年3月31日
Cafe et craft yueにて、再読。妻と幼い娘を残して、移民として、異国に旅立ち、住処を見つけ、土地の人と交わり、来し方行く末を語り合い、ささやかな晩餐に招かれ、働き口を見つけ、全く異なる文化にも馴染み、根をおろし妻子を呼び寄せ、最後に娘が、新たにやってきた人に道案内をするところまでが描かれる。台詞なしでも伝わってくる、一編の映画を観終えたかのような味わい深さ。あとがきによると、移民した時の絵は、エリス島移民博物館の収蔵写真などが参照されているらしい。
逃北~つかれたときは北へ逃げます
能町 みね子 / 文藝春秋 (2013-02-22)
読了日:2013年3月31日
グリーンランドと稚内のみ読了。グリーンランドの最大都市ヌークの案内なんて、邦文ではくっと初だろうと思う。住んだならどこを回るかで綴られる旅行記は楽しく。稚内も、ツイッターでのつぶやきがもとで知り合った地元の方とあちこちまわり。どちらも行ってみたい心をくすぐられる。
鎧光赫赫 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
久慈光久 / エンターブレイン (2010-04-15)
読了日:2013年3月31日
「狼の口」の作者による短編集。戦国と鉄砲、あるいは女武士に焦点を当てた作品と、「エマ」のファンサイトの作品と。戦時の中立など、自立する力のないものには双方からの敵対と見なされると喝破し小さな村に冷徹に思い知らせる鈴木孫一、信長を狙撃して果たせなかった杉村善祥坊の最後の矜恃など。
濹東綺譚
永井 荷風 /
読了日:2013年3月31日
昭和初期の、東京の下町、特に墨田区あたりの情景をありありと目の前にみせてくれるような一品。老境にさしかかった作家と、ふと傘にいれたことから縁ができた芸伎とのやりとりや気持ちの行き来が描かれる。
ツァラトゥストラ〈上〉 (光文社古典新訳文庫)
フリードリヒ ニーチェ / 光文社 (2010-11-11)
読了日:2013年3月31日
「俺は、自分の身につけた知恵に飽きてきた。蜂蜜を集めすぎた蜂のように。俺の知恵を求めて差し出される手が、必要なのだ。(略)そのためには、俺が下まで降りていくしかない! (略)俺はお前の真似をして、沈まねばならない。俺が降りていこうとする連中の言い方を借りれば、没落しなければならない。」p.14/創造という遊びのために、兄弟よ、神のように肯定することが必要なのだ。自分の意志を、こうして精神は意志する。p.49/そんなお説教よりも、兄弟よ、健康なからだの声を聞いたほうがいい。連中の声よりは、純粋で誠実な声だぞ。p.62/書かれたもののなかで、俺が愛するのは、血で書かれたものだけだ。血で書け。すると、血が精神であることがわかるだろう。知らない血を理解するのは、簡単にできることではない。読書する怠け者を、俺は憎む。p.77/愛することには、いつも狂気がちょっとひそんでいる。しかし狂気にも理性がちょっとひそんでいる。p.79/蝶とか、シャボン玉とか、蝶やしゃぼん玉のような人間とかが、幸せのことを一番よく知っているようだ。p.79/ダンスのできる神だけを俺は信じるだろうp.79/ものごとに最初に価値をくっつけたのは、人間である。(略)価値評価をすることは、創造することだ。(略)価値評価すること自体、価値評価されるものごとにとっては貴重な宝なのだ。p.118/だから、友よ、俺は忠告する。罰への衝動が強い人間を、絶対に信用するな!p.204/生は自分で、柱を立て、階段をつくって、自分を高くしようとする。はるか遠くをながめ、至高の美を見ようとする。--そのためには、生には高みが必要なのだ!そして生には高みが必要だから、生には階段が必要であり、階段と階段をのぼる者との矛盾が必要なのだ!生はのぼろうとし、のぼりながら自分を克服しようとする。p.206/
やまもといちろう 野球観戦日記 開幕版
山本 一郎 / プチ・レトル (2013-03-20)
読了日:2013年3月28日
あとがきで触れられる、あつい野球観戦熱の吐露が、いくたのブログ記事となって昇華したのだと思った。大沼愛にあふれた、野球観戦記。大沼をはじめとした大沼的なものへの愛惜にあふれている。炎上上等、ネタ投下上等。そこまで語れるということが、すべてを示しているのだろう。馴染みの無い統計的数値も,馴染みのない選手名もふっとばすおもしろさ。
戦争と平和 (まんがで読破)
トルストイ / イースト・プレス (2007-11-01)
読了日:2013年3月28日
ナポレオン戦争の頃のロシアを背景に、軟弱な貴族ピエールの成長物語、というようにすっきりと刈り込まれたストーリー。原作はもっと複雑にからみあい、深く語られているのだろうか。その入口としての一冊、というところか。


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2013年04月06日

2013年03月に読んだ本 その4

期間 : 2013年3月21日 〜 2013年3月27日
読了数 : 16 冊
猫町
萩原 朔太郎 /
読了日:2013年3月26日
ぼくのBBBつながりで。直接的には、三半規管のゆらぎが見せた化学反応なのかもしれないけれど、そこからつむぎだされる、普段見慣れた街がぐにゃりと違ってみえる、奇想的な味わい。
佐々木壮一、松尾泰宏 /
読了日:2013年3月26日
札幌のゲストハウス特集。札幌にある4つのゲストハウスを紹介。マンションの一室にあったり、すこしはずれた東札幌にあったり、WORLD BOOKS CAFEのオーナーがやっていたり。繁華街にちかいと、終電のがしたひとがすべりこみで、みたいなこともあるとか。たしかに、ちょっと遠ければ、タクシーより安上がりかもしれない。どこも外国人でいっぱいというわけでもないようだ。ただ、ちょっと一歩ふみだせば、近くで触れられる異国があるというのはいいな、と思った。
山賊ダイアリー(3) (イブニングKC)
岡本 健太郎 / 講談社 (2013-03-22)
読了日:2013年3月26日
これを読むたんびに、野性味むおんむおんの、血抜きとかあんましてなくて生臭い野趣あふれるジビエ料理たべたい!と思ってしまう。鴨も鳩も鹿も。食べたいから,捕る。シンプル。個人的には、以前、沖縄でたべた、野性味むおんむおんのヤギの血入ヤギ汁とヤギのキンタマ刺しのインパクトが忘れられない。
投資家が「お金」よりも大切にしていること (星海社新書)
藤野 英人 / 講談社 (2013-02-26)
読了日:2013年3月26日
貧しいこと自体は正義でもなんでもない。豊かになるためには、理念を捨てて汚れなければいけないわけでもない。/社会貢献とは、新しい何かをつくりだすことだけではなく、消費することによってもなし遂げられる。そういった意味では「人は、ただ生きているだけで価値がある」。/職業に貴賤などない、求められて存在する限り、虚業などひとつもない(IT、金融、コンサルを虚業と批判する人に向けて)。/消費者がより安いものを望んでいる、という状況が、従業員に過重労働を強いる「ブラック企業」を生み出しているという側面もある。まず一消費者である自分から変わる。自分が応援したいと思っている大将を意識的・積極的に応援していくことの大切さ。たとえば、自分におきかえるなら大好きなカフェや古本屋。/「本来あるべき金融教育とは、働くことに価値があり、その価値ある労働の延長に企業の利益があり、その利益の将来期待が会社の価値を形成していると理解することです。」/「スタートトゥデイの社是は、「カッコいいこと」」/投資とはエネルギーの投入。情熱×行動×時間×回数×知恵×体力×お金×運。お金だけではないのだ。ひいては、人のため、社会のためとなることが幸せという考え方。きっと根っこに骨太の思想がなければ、いつまでも金に支配され、自分だけの閉じた貧しい人生を送ることになりますよ、と。示唆に富む一冊だった。
TOKYO GIRL’S LIFE〈2〉絶対に後悔しない夢の諦めかた (メディアワークス文庫)
菱田 愛日 / アスキーメディアワークス (2013-02-23)
読了日:2013年3月25日
この巻では、店長と遥希の関係、あいだにいた共通の大事な人のことが語られ、それはますます舞衣を落ち込ませるが、それは変化のきっかけ、前を向くことにもつながり。そして、プロサックス奏者の夢のキップを手に入れたと思えた佳奈子だったが、その選考の過程で得たのは、覚悟の無さと苦悩と迷いだった...。/恋愛至上主義で、私と違う世界を生きて、違うものを見ているオンナノコ。私とは違う生き物。わがままで強引。だけど、その強引さがなければ、私たちがこんなに仲良くなることもなかった。それを思うと、そんな性格さえも魅力に変わってくる。p.246/憧れた人は思ったより格好良くないし、格好わるいという自分は、思った程格好わるくないよ、と言える関係っていいな、と思う。結局は、友情も深まりつつなエンディング。さて、続きがあるなら、読みたいなと思いつつ。
諸井 誠 / 音楽之友社 (1974)
読了日:2013年3月24日
高校生の時にはじめて読んで以来もう何度読み返したことだろう。クラシック喫茶を舞台に繰り広げられる、ミューズとスノッブな作曲家と、山羊鬚の皮肉屋さんと、自称評論家のでぶっちょさんの音楽談義と恋の鞘当て。これを読んで激しくピエール・ブレーズ「ル・マルトー・サン・メートル」を聞いてみたくなったことを覚えている。今回の再読で、マーラーの第九、嘆きの歌、バレンボイム指揮のドイツ・レクイエム、バーンスタインのミサ曲、バルトークのオーケストラのための協奏曲、弦チェレ、ブルックナーの四番「ロマンティック」、モーツァルトのピアノ協奏曲27番あたりを聞いてみたくなる。荻原朔太郎の猫町を読んでみたくなる。
少女地獄 (まんがで読破) MD107 (まんがで読破 107)