ここからが本番だ!特に例題があついぜ!
すでに読むのをあきらめた人は残念だ!
3:リンパーがいる状態での投機的なハンドのプレイ
以下に頻繁に起こる状況を記す。
あなたはプレミアではないが、それなりのハンド(AhKsQc3hのような)を持っており、
一人、もしくは数人のリンパーがいる。参加するには十分なハンドではあるが、
レイズする必要はない(もちろん3ベットもやらない)と考える。
しかし、スチールエクイティーをあげる為にレイズすれば、
ショウダウンなしに勝つ可能性もあると考える。
プレミアハンドでなくても、リンパーにプレッシャーをかける為にレイズをし、
フロップ以降でポットスチールする可能性を高める為にもレイズをすべきだろうか。
言い変えれば、アイソレートレイズをするか、オーバーリンプするか考えるだろう。
では、この決断をする前に何を考える必要があるのだろうか。
では、今から考えるべき事をリストアップし、さらに例を挙げていく。
3.1レイズかリンプかを決める要素
・自分のポジション
一般的にアイソレートするにはMPからよりもCOからの方がよいし、
COからよりもボタンからの方がいい。
自分の後ろにプレイヤーが少なければ少ないほど、レイズしてアイソレートした方がいい。
・リンパーの数
ポットに参加するリンパーが多ければ多いほど、ショウダウンとなる確率が高くなる為、
スチールエクイティーは低くなる。なので、マルチウェイポットでのレイズは少なくした方がいい。
このような状況下でアイソレートしようと弱いハンドで頻繁にレイズすれば、
フロップで降りるべきハンドでポットの大きい勝負を
何度もしなければいけなくなる(プレミアよりも弱いハンドの方がフロップでヒットする傾向がある為)
・リンパーのポストフロップの傾向
フロップ以降でかみあったかかみ合っていないかでプレイを決めるプレイヤーだった場合、
アイソレートレイズを多くすべきである。C-betでポットを得る回数が増える為、
スチールエクイティーが増加するからである。逆に、やりづらい相手や
ブラフを多用する相手にはレイズの回数を減らした方がよい。
・自分より後ろのプレイヤーの傾向
例えば、あなたがCOで一人リンパーがいるとする。この状況下では頻繁にレイズすべきである。
しかしボタンやブラインドにルーズなプレイヤーがいたら頻度を下げるべきである。
もし後ろのプレイヤーが頻繁にコールしてくるのであれば、
マルチウェイポットの状況が多くなる。
なので、クズ手や投機的なハンドのレンジを狭め、レンジをプレミアよりにすべきである。
・自分のスターティングハンドのタイプと強さの評価
以前、投機的なハンドかマージナルなハンドで参加すると記載した。
そして、アイソレートレイズするかオーバーリンプするかを選ぶ前に、
まず考える事が一番重要な要素であるという事も記載した。
次からはスターティングハンドをもう少し詳しく見てみよう。
3.2アイソレートレイズするかオーバーリンプするかはスターティングハンドで判断する事。
自分のハンドはリンパーが多いほうがいいか、少ないほうがいいか。
正確に書くと、リンプして多くの相手と勝負する方がいいのか、
もしくはレイズして相手を少なくする方がいいのかという事である。
・自分のハンドがナッツになるか、ナッツにはなりそうにないか。
ナッツになりえるハンドは「ナッツ」という強力な可能性を秘めている。
それゆえ、マルチウェイポットでプレイするべきで、
相手が1人であるのと同じぐらい簡単に5人を相手に勝つことが出来る。
ハンドが弱くてもナッツになる可能性があるのであれば、IPからリンプした方がいい。
このように、オーバーリンプに頼る事が出来るのである。
もし自分のハンドが弱ければ、オーバーリンプする事が
複数人のリンパー相手と勝負するベストな方法であり、
それがもしナッツになり得るハンドであるなら、ヒットさせるのは難しいが、
ヒットした際には恐るべき効果を発揮する。
例えば、あなたのハンドがハイペア+ドライなカード2枚、
弱いAスーテッド、レインボーのランダウンだったとする。
こういうハンドでは、セット・フラッシュやレインボーでのナッツストレートを望むだろう。
頻繁に起こるわけではないが、もしそうなればあなたのハンドは非常に強くなるのである。
上記のハンド例はKsKd8c3h、AhJs6h2c、Th9c7s5d等のハンドである。
これらのハンドはプリフロップでポットが大きくなる事はあまりなく、
またあなたにとっていいフロップになる事も少ない(いいフロップになればとんでもなく強いけれども)。
なので、複数人のリンパーを相手にした時は、ショウダウンエクイティーと
インプラインドオッズを考えて、プリフロップでは少ない投資で
オーバーリンプする事がベストである。
ナッツになりえないハンドはよく考える必要があり、アイソレートレイズ出来ない際は
オーバーリンプの様にナッツを目指すということも出来ないので利益が出るわけではない。
なので、アイソレートレイズかオーバーリンプかを選ぶというよりも、
それにフォールドを加えて選んでいかなければならない。
ここで、以前紹介したプリフロップ戦略での投機的なハンドとマージナルなハンドは、
任意の数のリンパーを相手にしている時はオーバーリンプした方がいいという事を付け加えておく。
しかし、利益を上げるためにルーズになった方が良く、プリフロップの選択肢を
広げた方がいいという事も学んできた。
なので、ここではオーバーリンプが一番の悪手であり、
アイソレートレイズかフォールドかの選択をしなければならない状況であるというのを記載する。
まず、ナッツになりそうにないハンドは相手が少ない方がいいという事を前提とする。
それゆえ、リンパーをアイソレートする方がいい状況に思えた場合、
ナッツになりえないハンドはアイソレートに行くべきである。
しかし、弱いハンドであれば、アイソレートレイズが好ましくない状況では
ショウダウンエクイティーを考慮に入れてレイズを少なくすべきである。
つまり、ここではオーバーリンプかフォールドを選択することが多くなる。
そして、もしハンドが弱くてナッツにもなりそうにないのであれば、
多くの相手と一緒に参加するのは悪手で、オーバーリンプよりもフォールドを選択した方がいい。
では、アイソレートレイズ・オーバーリンプ・フォールドの選択を2つの投機的でナッツになりそうにない
ハンドで説明しよう。
ハンド1:Ts9h8s5h(参加していいプリフロップに含まれる)
ハンド2:Qs9h5s3h(参加していいプリフロップには含まれない)
上記2つのハンドはダブルスーテッドで、プレミアではないハンドである。
そしてナッツになりそうなハンドではない(ただ、ハンド2よりハンド1の方がナッツになる可能性はある)。
あなたがボタンでリンパーが1人、もしくは数人いたと仮定して、これらのハンドをどうするだろうか。
ハンド1(ダブルスーテッドで投機的なランダウン)はリンパーの数に限らずプレイできそうである。
さらに言えば、このタイプのハンドはレイズしてもよさそうなハンドである。
ダブルスーテッドのランダウンはフロップでヒットする事が多く(詳しくは第三部を見てね)
これはフロップ以降も充分プレイしていい事を意味する。
このようなハンドは、正確にはレイズしてプレイしたいタイプのハンドである。
フロップで当たる可能性の高いハンドはポストフロップで諦める可能性も低くなり、
プリフロップで大きく投資したポットを捨てる必要もなくなる。
つまり、ハンド1はアイソレートレイズをするのに最適である。
参加者を間引き(少なくし)、ポットを大きくし、主導権を与えてくれる。
これらの事は我々にとっていい事である。このいい事は具体的には下記。
1.相手を間引けば、フロップをヒットした際によりハンドを持ちこたえる事が出来る。
2.プリフロップでポットを大きくすれば、フロップでヒットした際に残りのスタックを
入れる戦略で利益を得る事が簡単になる。
3.主導権を握ればフロップで相手がチェックする確率が高くなる。
これによりフロップでミスをしたとしてもC-betを打つか、フリーカードを得る事が出来る。
ハンド1は、我々がレイズした後に何が起こるかそれほど関係ない。もし間引く事が出来ていれば、
それはいいことだ。そしてフロップ以降でスチールする事が簡単になる。もしコーラーが
多々いて、フロップがマルチウェイになれば、それはそれでいい。その際はスチールする作戦から
フロップがかみあったかかみ合ってないかで参加するかどうかを決めれば、
より低いSPR(のちのち紹介)+いいポジションがあるので、利益を出す事は比較的簡単である。
ということで、リンパーがいたとしてもTs9h7s5hや、それに似たハンドでレイズする事が出来る。
レイズで誰も降りないとしても、レイズした事により優位に進める事が出来、
レイズ後に何が起こるかに関わらずビッグポットを得る事が出来る。
なお、ここでは3ベットされるという事は想定していない。
さて、ハンド2(Qs9h5s3h)をハンド1と比較すると、本来よりもハンド2が良く見えてくる。
(ダブルスーテッドの為)。このハンドはハンド1とは同格でないし、
フロップでラップにもならない。良くてもオープンエンドストレートドローぐらいだ。
そしてフロップフラッシュ・フラッシュドローでも決してナッツにはならない
(ハンド1も同じだが、ハンド1はストレートの可能性が高く、フラッシュの可能性も少し後押ししている)。
という事で、このクズハンドをリンパーがいる際にレイズしてプレイするのは、
フロップで利益と結びつかない。
ハンド1とは逆である。フロップでヒットしても、どの段階でも弱い状態であり、
ナッツにならないハンドはマルチウェイポットでベットする事は出来ないのである。
そして、フロップでフリーカードを得るオプションがあっても利益は少なくなる
(フロップでかみ合わなくても、ターンでまくれるわけではないので)。
アイソレートレイズはスチールエクイティーに基づいているものの、1人もしくは複数人のリンパーがいれば
スチールエクイティーはそこまでないのである。
では、ハンド2はアイソレートレイズせず、オーバーリンプすべきだろうか。いや違う。
フロップ以降のポテンシャルが低すぎる為、オーバーリンプはいくら安くてもポットに寄付するだけである。
フロップ以降が非常に難しくなり、またインプイドオッズは低くなり、頭痛を伴うだけである。
これらの理由により、ハンド2はリンパーがいてもフォールドすべきである。コンディションがいい時には
IPからルーズにレイズしてもいいが、フロップを見る為だけに焦点を当てる為だけにそんな事をすべきではない。
例3.1
$10PLO 6-handed
プリフロップ
UTG($10)リンプ、あなた($10)はCOでKhKs9d3sを持っている。
後ろのプレイヤーはアンノウンである。さてどうするか。
アイソレートレイズが明白のように見える。ポジションがあってリンパーが1人おり、数人コールしても
レイズして戦えるハンドである(3ベット来たらフォールドすべきだが)。もしアイソレートレイズが
成功すれば、フロップがチェックで回ってきた際にC-betを行なう事で、スチールエクイティーを乱用できる。
フロップでこれらのポットを多く得る事が出来るだろう。
もし3ベットされればドライなペアハンド(第五部で話すよ)はフォールドすべきである。
もし何人もコールすれば、フロップ以降のプランを、ショウダウンエクイティーを上げて
スチールエクイティーを下げるようにすればよい。
(C-betを少なくしてかみあったかかみあってないかで判断すべき)
2人以上コールすればかみあったかどうかでプレイすべきで、
フロップでヒットしていないのにチップを出さない方がいい。
例3.2
$10PLO 6-handed
プリフロップ
UTG($10)リンプ、MP($10)リンプ、ボタン(あなた$10)KhKs9d3s、ブラインドはアンノウン。
さてどうするか。
例3.1と同じハンドだが、シナリオは違う。例3.1ではスチールエクイティーを高める為、
1人のリンパーをアイソレートしようとレイズした。しかしここでは既に2人のリンパーがおり、
それゆえスチールエクイティーは低くなる。ハンドは弱いものの、
ナッツになる可能性を秘めており、多くの相手と戦う為にリンプするのが良い。
前回の例でも触れたが、KhKs9d3sはレイズする方がいい。しかしこれは、
オーバーリンプ以上のアドバンテージが得られない場合という意味ではない。
この状況で弱いけれどもナッツになる可能性があるハンドはマルチウェイポットに進んだ方がよく、
その為にはオーバーリンプが一番最適なのである。
そう、ショウダウンエクイティーとインプライドオッズの為にプレイするのである。
フロップでトップセットになる事を望むが、もちろんフロップ以降でスチールする機会もあるわけだ。
もしブラインドの1人がレイズした場合は、コールしてトップセットになる事を望むだろう(
KKxxはシングルレイズに参加してもOK)。
フロップでフリーカードを得るアドバンテージはKhKs9d3sの様なハンドでは
ほぼ存在しないという事を伝えておく。
もしフロップでトップセットのようないい手を作れなければ、
ターンで手が改善するという事はほぼないのである。
なので、このプリフロップでのレイズのアドバンテージは消え、
オーバーリンプと比較してレイズは機能しないのである。
例3.3
$10PLO 6-handed
プリフロップ
UTG($10)リンプ、ボタン(あなた$10)AcKhQc6s、ブラインドはアンノウン。さてどうするか。
あなたはハイカードを含んだ投機的なハンドを持っており、ナッツスーテッドを持っている。
リンパーが1人いて、ここはアイソレートレイズをする絶好の機会である。
非常に強くナッツになる可能性もあるのでへッズアップも望ましいが、マルチポットも同様に望ましい。
ナッツになる可能性がある為、オーバーリンプしてマルチウェイにするのもよい。
しかし、アイソレートレイズはこのケースだと多くのスチールエクイティーを与えてくれ、
そしてオーバーリンプよりも非常に積極的だ。
例3.4
$10PLO 6-handed
UTG($10)リンプ、MP($10)リンプ、CO($10)リンプ、ボタン(あなた$10)AhTc7c4hで、ブラインドはアンノウン。さてどうする。
例3.3と同じようにAスーテッドがあり、2つ目のスーテッドもある。しかしナッツでないスーテッドは
3人のリンパー相手にレイズするという事にはならない。
また、このハンドはコネクターではなく、Aスーテッドの為に
いちかばちかやってみるという訳にはいかない。
言い換えれば、ハンドは弱いがナッツになる可能性があるマルチウェイを目指すべきである。
ということで、オーバーリンプでショウダウンエクイティーとインプライドオッズを得る方がよい。
(そして、IPからスチールできるチャンスも残っている)
例3.5(本文は3.6になっていますが、恐らく3.5の間違いでごわす。)
$10PLO 6-handed
プリフロップ
UTG($10)リンプ、MP($10)リンプ、ボタン(あなた$10)Jh9s8h6s。ブラインドはアンノウン。
さてどうする。
ダブルスーテッドのランダウンなので、少しバラバラでギャップがあったとしても
アイソレートレイズが出来る。
前述のように、この手のハンドをレイズするのはアドバンテージがある。
・ナッツにならないハンドだから、相手を間引く
・フロップで当てた際には低いSPRで利益を取りにいける
・望めば、フロップでフリーカードを得る事が出来る
もしコーラーが多くても、大丈夫。その場合はフロップ以降のスチールを少なくし、
かみ合うかかみ合わないかでプレイすればよい。
そしてフロップの3ベットをコールするのもありだ。
もし3ベットされた場合はコールし、フロップ以降で何か当てた場合に
全部突っ込む事も視野に入れてよい(詳細は第五部で)。
例3.6
$10PLO 6-handed
プリフロップ
UTG($10)リンプ、ボタン(あなた$10)Ks8h4s2h。ブラインドはアンノウン。さてどうする。
これはフォールドである。ダブルスーテッドがあるが、つながりがないハンドであり、
基本的にはクズ手である。ダブルスーテッドのクズ手はいい感じに見えてしまうが、
プリフロップのスチールエクイティーを除けばそれ以外何もないのである。
ボタンでスチールしたい場面ではあるが、この様なクズ手でフロップを見るという事はしたくないのである。
注意
多くの人は、このハンドがリンパーのいる際にレイズしたいハンドではない事が分かるとは思うが、
私の意見を参考にすれば、オーバーリンプをするだろう。
なぜならダブルスーテッドだからである。しかし、ダブルスーテッドのクズ手は、所詮クズなのである。
ナッツになりえないクズ手でオーバーリンプしても、
フロップ以降もいい手は出来ず、その上マルチポットである。
言い換えれば、ナッツになり得るハンドのプレイヤーに
インプライドオッズを寄付しているのである。なので、これのハンドは参加してはいけない。
助言(TIP)
このような手でオーバーリンプすると、フロップ以降のシナリオが非常に難しくなる。
なぜなら、我々にとって一番いいフロップというのを考えて欲しい。
ナッツフラッシュとなるのはほとんどなく、フルハウスやクワッドもない。
これは、プリフロップでの投資を失う事を恐れているということではなく、
フロップ以降を失う事を恐れているのである。
すでに読むのをあきらめた人は残念だ!
3:リンパーがいる状態での投機的なハンドのプレイ
以下に頻繁に起こる状況を記す。
あなたはプレミアではないが、それなりのハンド(AhKsQc3hのような)を持っており、
一人、もしくは数人のリンパーがいる。参加するには十分なハンドではあるが、
レイズする必要はない(もちろん3ベットもやらない)と考える。
しかし、スチールエクイティーをあげる為にレイズすれば、
ショウダウンなしに勝つ可能性もあると考える。
プレミアハンドでなくても、リンパーにプレッシャーをかける為にレイズをし、
フロップ以降でポットスチールする可能性を高める為にもレイズをすべきだろうか。
言い変えれば、アイソレートレイズをするか、オーバーリンプするか考えるだろう。
では、この決断をする前に何を考える必要があるのだろうか。
では、今から考えるべき事をリストアップし、さらに例を挙げていく。
3.1レイズかリンプかを決める要素
・自分のポジション
一般的にアイソレートするにはMPからよりもCOからの方がよいし、
COからよりもボタンからの方がいい。
自分の後ろにプレイヤーが少なければ少ないほど、レイズしてアイソレートした方がいい。
・リンパーの数
ポットに参加するリンパーが多ければ多いほど、ショウダウンとなる確率が高くなる為、
スチールエクイティーは低くなる。なので、マルチウェイポットでのレイズは少なくした方がいい。
このような状況下でアイソレートしようと弱いハンドで頻繁にレイズすれば、
フロップで降りるべきハンドでポットの大きい勝負を
何度もしなければいけなくなる(プレミアよりも弱いハンドの方がフロップでヒットする傾向がある為)
・リンパーのポストフロップの傾向
フロップ以降でかみあったかかみ合っていないかでプレイを決めるプレイヤーだった場合、
アイソレートレイズを多くすべきである。C-betでポットを得る回数が増える為、
スチールエクイティーが増加するからである。逆に、やりづらい相手や
ブラフを多用する相手にはレイズの回数を減らした方がよい。
・自分より後ろのプレイヤーの傾向
例えば、あなたがCOで一人リンパーがいるとする。この状況下では頻繁にレイズすべきである。
しかしボタンやブラインドにルーズなプレイヤーがいたら頻度を下げるべきである。
もし後ろのプレイヤーが頻繁にコールしてくるのであれば、
マルチウェイポットの状況が多くなる。
なので、クズ手や投機的なハンドのレンジを狭め、レンジをプレミアよりにすべきである。
・自分のスターティングハンドのタイプと強さの評価
以前、投機的なハンドかマージナルなハンドで参加すると記載した。
そして、アイソレートレイズするかオーバーリンプするかを選ぶ前に、
まず考える事が一番重要な要素であるという事も記載した。
次からはスターティングハンドをもう少し詳しく見てみよう。
3.2アイソレートレイズするかオーバーリンプするかはスターティングハンドで判断する事。
自分のハンドはリンパーが多いほうがいいか、少ないほうがいいか。
正確に書くと、リンプして多くの相手と勝負する方がいいのか、
もしくはレイズして相手を少なくする方がいいのかという事である。
・自分のハンドがナッツになるか、ナッツにはなりそうにないか。
ナッツになりえるハンドは「ナッツ」という強力な可能性を秘めている。
それゆえ、マルチウェイポットでプレイするべきで、
相手が1人であるのと同じぐらい簡単に5人を相手に勝つことが出来る。
ハンドが弱くてもナッツになる可能性があるのであれば、IPからリンプした方がいい。
このように、オーバーリンプに頼る事が出来るのである。
もし自分のハンドが弱ければ、オーバーリンプする事が
複数人のリンパー相手と勝負するベストな方法であり、
それがもしナッツになり得るハンドであるなら、ヒットさせるのは難しいが、
ヒットした際には恐るべき効果を発揮する。
例えば、あなたのハンドがハイペア+ドライなカード2枚、
弱いAスーテッド、レインボーのランダウンだったとする。
こういうハンドでは、セット・フラッシュやレインボーでのナッツストレートを望むだろう。
頻繁に起こるわけではないが、もしそうなればあなたのハンドは非常に強くなるのである。
上記のハンド例はKsKd8c3h、AhJs6h2c、Th9c7s5d等のハンドである。
これらのハンドはプリフロップでポットが大きくなる事はあまりなく、
またあなたにとっていいフロップになる事も少ない(いいフロップになればとんでもなく強いけれども)。
なので、複数人のリンパーを相手にした時は、ショウダウンエクイティーと
インプラインドオッズを考えて、プリフロップでは少ない投資で
オーバーリンプする事がベストである。
ナッツになりえないハンドはよく考える必要があり、アイソレートレイズ出来ない際は
オーバーリンプの様にナッツを目指すということも出来ないので利益が出るわけではない。
なので、アイソレートレイズかオーバーリンプかを選ぶというよりも、
それにフォールドを加えて選んでいかなければならない。
ここで、以前紹介したプリフロップ戦略での投機的なハンドとマージナルなハンドは、
任意の数のリンパーを相手にしている時はオーバーリンプした方がいいという事を付け加えておく。
しかし、利益を上げるためにルーズになった方が良く、プリフロップの選択肢を
広げた方がいいという事も学んできた。
なので、ここではオーバーリンプが一番の悪手であり、
アイソレートレイズかフォールドかの選択をしなければならない状況であるというのを記載する。
まず、ナッツになりそうにないハンドは相手が少ない方がいいという事を前提とする。
それゆえ、リンパーをアイソレートする方がいい状況に思えた場合、
ナッツになりえないハンドはアイソレートに行くべきである。
しかし、弱いハンドであれば、アイソレートレイズが好ましくない状況では
ショウダウンエクイティーを考慮に入れてレイズを少なくすべきである。
つまり、ここではオーバーリンプかフォールドを選択することが多くなる。
そして、もしハンドが弱くてナッツにもなりそうにないのであれば、
多くの相手と一緒に参加するのは悪手で、オーバーリンプよりもフォールドを選択した方がいい。
では、アイソレートレイズ・オーバーリンプ・フォールドの選択を2つの投機的でナッツになりそうにない
ハンドで説明しよう。
ハンド1:Ts9h8s5h(参加していいプリフロップに含まれる)
ハンド2:Qs9h5s3h(参加していいプリフロップには含まれない)
上記2つのハンドはダブルスーテッドで、プレミアではないハンドである。
そしてナッツになりそうなハンドではない(ただ、ハンド2よりハンド1の方がナッツになる可能性はある)。
あなたがボタンでリンパーが1人、もしくは数人いたと仮定して、これらのハンドをどうするだろうか。
ハンド1(ダブルスーテッドで投機的なランダウン)はリンパーの数に限らずプレイできそうである。
さらに言えば、このタイプのハンドはレイズしてもよさそうなハンドである。
ダブルスーテッドのランダウンはフロップでヒットする事が多く(詳しくは第三部を見てね)
これはフロップ以降も充分プレイしていい事を意味する。
このようなハンドは、正確にはレイズしてプレイしたいタイプのハンドである。
フロップで当たる可能性の高いハンドはポストフロップで諦める可能性も低くなり、
プリフロップで大きく投資したポットを捨てる必要もなくなる。
つまり、ハンド1はアイソレートレイズをするのに最適である。
参加者を間引き(少なくし)、ポットを大きくし、主導権を与えてくれる。
これらの事は我々にとっていい事である。このいい事は具体的には下記。
1.相手を間引けば、フロップをヒットした際によりハンドを持ちこたえる事が出来る。
2.プリフロップでポットを大きくすれば、フロップでヒットした際に残りのスタックを
入れる戦略で利益を得る事が簡単になる。
3.主導権を握ればフロップで相手がチェックする確率が高くなる。
これによりフロップでミスをしたとしてもC-betを打つか、フリーカードを得る事が出来る。
ハンド1は、我々がレイズした後に何が起こるかそれほど関係ない。もし間引く事が出来ていれば、
それはいいことだ。そしてフロップ以降でスチールする事が簡単になる。もしコーラーが
多々いて、フロップがマルチウェイになれば、それはそれでいい。その際はスチールする作戦から
フロップがかみあったかかみ合ってないかで参加するかどうかを決めれば、
より低いSPR(のちのち紹介)+いいポジションがあるので、利益を出す事は比較的簡単である。
ということで、リンパーがいたとしてもTs9h7s5hや、それに似たハンドでレイズする事が出来る。
レイズで誰も降りないとしても、レイズした事により優位に進める事が出来、
レイズ後に何が起こるかに関わらずビッグポットを得る事が出来る。
なお、ここでは3ベットされるという事は想定していない。
さて、ハンド2(Qs9h5s3h)をハンド1と比較すると、本来よりもハンド2が良く見えてくる。
(ダブルスーテッドの為)。このハンドはハンド1とは同格でないし、
フロップでラップにもならない。良くてもオープンエンドストレートドローぐらいだ。
そしてフロップフラッシュ・フラッシュドローでも決してナッツにはならない
(ハンド1も同じだが、ハンド1はストレートの可能性が高く、フラッシュの可能性も少し後押ししている)。
という事で、このクズハンドをリンパーがいる際にレイズしてプレイするのは、
フロップで利益と結びつかない。
ハンド1とは逆である。フロップでヒットしても、どの段階でも弱い状態であり、
ナッツにならないハンドはマルチウェイポットでベットする事は出来ないのである。
そして、フロップでフリーカードを得るオプションがあっても利益は少なくなる
(フロップでかみ合わなくても、ターンでまくれるわけではないので)。
アイソレートレイズはスチールエクイティーに基づいているものの、1人もしくは複数人のリンパーがいれば
スチールエクイティーはそこまでないのである。
では、ハンド2はアイソレートレイズせず、オーバーリンプすべきだろうか。いや違う。
フロップ以降のポテンシャルが低すぎる為、オーバーリンプはいくら安くてもポットに寄付するだけである。
フロップ以降が非常に難しくなり、またインプイドオッズは低くなり、頭痛を伴うだけである。
これらの理由により、ハンド2はリンパーがいてもフォールドすべきである。コンディションがいい時には
IPからルーズにレイズしてもいいが、フロップを見る為だけに焦点を当てる為だけにそんな事をすべきではない。
例3.1
$10PLO 6-handed
プリフロップ
UTG($10)リンプ、あなた($10)はCOでKhKs9d3sを持っている。
後ろのプレイヤーはアンノウンである。さてどうするか。
アイソレートレイズが明白のように見える。ポジションがあってリンパーが1人おり、数人コールしても
レイズして戦えるハンドである(3ベット来たらフォールドすべきだが)。もしアイソレートレイズが
成功すれば、フロップがチェックで回ってきた際にC-betを行なう事で、スチールエクイティーを乱用できる。
フロップでこれらのポットを多く得る事が出来るだろう。
もし3ベットされればドライなペアハンド(第五部で話すよ)はフォールドすべきである。
もし何人もコールすれば、フロップ以降のプランを、ショウダウンエクイティーを上げて
スチールエクイティーを下げるようにすればよい。
(C-betを少なくしてかみあったかかみあってないかで判断すべき)
2人以上コールすればかみあったかどうかでプレイすべきで、
フロップでヒットしていないのにチップを出さない方がいい。
例3.2
$10PLO 6-handed
プリフロップ
UTG($10)リンプ、MP($10)リンプ、ボタン(あなた$10)KhKs9d3s、ブラインドはアンノウン。
さてどうするか。
例3.1と同じハンドだが、シナリオは違う。例3.1ではスチールエクイティーを高める為、
1人のリンパーをアイソレートしようとレイズした。しかしここでは既に2人のリンパーがおり、
それゆえスチールエクイティーは低くなる。ハンドは弱いものの、
ナッツになる可能性を秘めており、多くの相手と戦う為にリンプするのが良い。
前回の例でも触れたが、KhKs9d3sはレイズする方がいい。しかしこれは、
オーバーリンプ以上のアドバンテージが得られない場合という意味ではない。
この状況で弱いけれどもナッツになる可能性があるハンドはマルチウェイポットに進んだ方がよく、
その為にはオーバーリンプが一番最適なのである。
そう、ショウダウンエクイティーとインプライドオッズの為にプレイするのである。
フロップでトップセットになる事を望むが、もちろんフロップ以降でスチールする機会もあるわけだ。
もしブラインドの1人がレイズした場合は、コールしてトップセットになる事を望むだろう(
KKxxはシングルレイズに参加してもOK)。
フロップでフリーカードを得るアドバンテージはKhKs9d3sの様なハンドでは
ほぼ存在しないという事を伝えておく。
もしフロップでトップセットのようないい手を作れなければ、
ターンで手が改善するという事はほぼないのである。
なので、このプリフロップでのレイズのアドバンテージは消え、
オーバーリンプと比較してレイズは機能しないのである。
例3.3
$10PLO 6-handed
プリフロップ
UTG($10)リンプ、ボタン(あなた$10)AcKhQc6s、ブラインドはアンノウン。さてどうするか。
あなたはハイカードを含んだ投機的なハンドを持っており、ナッツスーテッドを持っている。
リンパーが1人いて、ここはアイソレートレイズをする絶好の機会である。
非常に強くナッツになる可能性もあるのでへッズアップも望ましいが、マルチポットも同様に望ましい。
ナッツになる可能性がある為、オーバーリンプしてマルチウェイにするのもよい。
しかし、アイソレートレイズはこのケースだと多くのスチールエクイティーを与えてくれ、
そしてオーバーリンプよりも非常に積極的だ。
例3.4
$10PLO 6-handed
UTG($10)リンプ、MP($10)リンプ、CO($10)リンプ、ボタン(あなた$10)AhTc7c4hで、ブラインドはアンノウン。さてどうする。
例3.3と同じようにAスーテッドがあり、2つ目のスーテッドもある。しかしナッツでないスーテッドは
3人のリンパー相手にレイズするという事にはならない。
また、このハンドはコネクターではなく、Aスーテッドの為に
いちかばちかやってみるという訳にはいかない。
言い換えれば、ハンドは弱いがナッツになる可能性があるマルチウェイを目指すべきである。
ということで、オーバーリンプでショウダウンエクイティーとインプライドオッズを得る方がよい。
(そして、IPからスチールできるチャンスも残っている)
例3.5(本文は3.6になっていますが、恐らく3.5の間違いでごわす。)
$10PLO 6-handed
プリフロップ
UTG($10)リンプ、MP($10)リンプ、ボタン(あなた$10)Jh9s8h6s。ブラインドはアンノウン。
さてどうする。
ダブルスーテッドのランダウンなので、少しバラバラでギャップがあったとしても
アイソレートレイズが出来る。
前述のように、この手のハンドをレイズするのはアドバンテージがある。
・ナッツにならないハンドだから、相手を間引く
・フロップで当てた際には低いSPRで利益を取りにいける
・望めば、フロップでフリーカードを得る事が出来る
もしコーラーが多くても、大丈夫。その場合はフロップ以降のスチールを少なくし、
かみ合うかかみ合わないかでプレイすればよい。
そしてフロップの3ベットをコールするのもありだ。
もし3ベットされた場合はコールし、フロップ以降で何か当てた場合に
全部突っ込む事も視野に入れてよい(詳細は第五部で)。
例3.6
$10PLO 6-handed
プリフロップ
UTG($10)リンプ、ボタン(あなた$10)Ks8h4s2h。ブラインドはアンノウン。さてどうする。
これはフォールドである。ダブルスーテッドがあるが、つながりがないハンドであり、
基本的にはクズ手である。ダブルスーテッドのクズ手はいい感じに見えてしまうが、
プリフロップのスチールエクイティーを除けばそれ以外何もないのである。
ボタンでスチールしたい場面ではあるが、この様なクズ手でフロップを見るという事はしたくないのである。
注意
多くの人は、このハンドがリンパーのいる際にレイズしたいハンドではない事が分かるとは思うが、
私の意見を参考にすれば、オーバーリンプをするだろう。
なぜならダブルスーテッドだからである。しかし、ダブルスーテッドのクズ手は、所詮クズなのである。
ナッツになりえないクズ手でオーバーリンプしても、
フロップ以降もいい手は出来ず、その上マルチポットである。
言い換えれば、ナッツになり得るハンドのプレイヤーに
インプライドオッズを寄付しているのである。なので、これのハンドは参加してはいけない。
助言(TIP)
このような手でオーバーリンプすると、フロップ以降のシナリオが非常に難しくなる。
なぜなら、我々にとって一番いいフロップというのを考えて欲しい。
ナッツフラッシュとなるのはほとんどなく、フルハウスやクワッドもない。
これは、プリフロップでの投資を失う事を恐れているということではなく、
フロップ以降を失う事を恐れているのである。