これで最後だ!今更ながら翻訳し終わった後に確認等を一切していないから
何か間違っていても寛大な心を持ってくれ!


4:3ベット戦略の掘り下げ
今まで、プリフロップの戦略としてオープンレイズするかリンプするかを記載してきた。
(プレミアハンドでバリューを得る為にレイズするか、アイソレートする為にレイズするか、
オーバーリンプするか)。
次は3ベットに関しての戦略を記載していく。
3ベットはエッジがあるプレミアハンドでバリューを出す為に行なう事を基準としている。

しかし、スチールエクイティーを上げ、ショウダウンエクイティーを下げる為に
投機的な3ベットを行なう事もある。
そして、時には有利な状況でスチールエクイティーを求めて
弱いハンドでブラフ3ベットをする事もある。

この3つの3ベット例を出して説明していく。
しかし、その前に3ベットのレンジに関して記載していく。
これから3ベットするかどうかを判断する際に考えなければならない事を以下に記載していく。

4.1 3ベットするかどうか決断する際に考慮する要素

・ポジション
IPであれば、多くのハンドで3ベットが可能になる。
ポジションはフロップ以降に多くの選択肢を与えてくれ、
フロップ以降のプレイを操り、スチールのチャンスまで増える。
これは全てのハンドにおいて利益が増える事となり、
つまりスターティングハンドの基準を緩やかに出来るということだ。
また、投機的な3ベットは、ほぼ全てIPから行なう。そして、ブラフ3ベットは
ポジションを頼りにして行なう(加えて、後に記載する有利な状況を頼りにする)。

逆に言えば、全てのハンドをOOPでプレイする事は利益を減らし、
投機的なハンドをより多く降りなければならず、
プレミアよりのハンドレンジに移行しなければならない。
OOPでの3ベットは大部分がプレミアハンドである。

・ポットに参加しているプレイヤーの人数
3ベットはマルチウェイよりも、ヘッズアップで行なうべきである。相手が多ければ多いほど、
スチールエクイティーは下がり、ショウダウンエクイティーを目指してプレイしなければならない。
つまり、3ベットをするハンドレンジがプレミアよりになるという事である。
既にポットに複数の参加者がいれば、バリューを求めて3ベットを行なうだけになる。
ヘッズアップでIPであれば、投機的な3ベットを行なう機会が増えるのである。

・レイザーのレンジ
タイトなレイザーに関しては3ベットをタイトにしなければいけない。
しかし、フロップ以降もタイトな場合、そしてポジションがある場合はこれにあてはまらない。
そのときはそのレイザーをアイソレートする為に投機的なハンドで3ベットを行なうべきである。
逆に、ルーズなレイザーであれば投機的な3ベットがし放題であり、
特に3ベット以降がへたくそな場合は3ベットし放題である。

・ レイザーの強さ
上手いプレイヤーには投機的な3ベットは少なくし、下手なプレイヤーに対しては多くする。

・ あなたのハンド
有利な要素が多くなれば、ハンドの重要性は少なくなる。
例えば、3ベットとは勝負をしたくないルーズなレイザーがいれば、
我々は投機的なハンドで頻繁に3ベットを行なえる。しかし、レイザーがいてコーラーがいて、
我々がブラインドにいた時は、3ベットはほぼプレミアハンドだけになる。

4.2 バリューを求めた3ベット
初めに、プリフロップでポットを大きくする際の重要なルールを紹介しよう。
「フロップ以降で頻繁に降りるのであれば、プリフロップのポットを大きくするな」
言い換えれば、プリフロップでポットを大きくするのであれば、
以下の事に1つでも該当しなければならない。

1. フロップ以降も続けられるいいフロップを期待する
2. フロップ以降でスチールが出来る事を期待する

バリューを求めて3ベットを行なうのであれば、この事を最初に念頭に置かねばならない。
バリューを求めた3ベットはプレミアハンドでの3ベットを意味し、
フロップとかみ合うことが頻繁に起こるハンドもそうである。
そして、フロップとかみ合えば、ナッツが出来る傾向があり、
相手がナッツにならないドミネートハンドで参加してきて、そこからバリューを得る事が出来る。
(たとえば、こっちがナッツフラッシュで、低いフラッシュから金をゲットできる。
また、フロップで相手がドローのないナッツストレートになっても、
こちらにもナッツストレートになるリドローがある。)
第二部で相手のスターティングハンドの強さを勉強した。

1. ハイカードの強さ
2. つながり
3. スーテッドがあるかどうか

なので、バリューを求めた3ベットを行なう際は、スーテッドでコネクターがあってハイカードがいい。
なお、これらの多くのハンドは第二部で定義したスターティングハンドではプレミアである。
バリュー3ベットのレンジは
・プレミアAAxx。最低でもスーテッドが1つあるか、ペアがあるかブロードウェイカードが2枚あるか、
もしくはコネクターであるか。
・プレミアのブロードウェイカードのラップ。最低でもスーテッドが1つあるか、そしてそれがAであるか。
・プレミアのKKxx、QQxx、JJxx。最低でもスーテッドが一つあるか、xxがコネクターか、
他のハイペアがあるか。

例に出すと

AdAsQdQc
AcAhKcJh
AhAdTs9d
AcQsJsTh
KcQhJcTh
KsKhQsJh
KdQdQcJs
QhJcJh9c
KsKdQsQh

最低でもスーテッドは1つ欲しく、ブロードウェイカードのハンドであれば、
Aが欲しく、またAスーテッドが欲しい。


今から下に書く例(例4.1)は、プレミアハンドでの3ベットの例であり、
そして3ベット以外の手はありえない。
全ての例で先ほど出した様々な3ベットの要素(ポジション、相手の数など)を
考慮しながら状況を評価し、そして周りの環境とハンドに基づいて決断を下していく。

例4.1
$10PLO 6-handed

プリフロップ
CO($10)$0.35レイズ、あなたはボタンでQdQhJdThをもっている。COはルーズで、
VP$IP=48 PFR%=29だ。SB($10)はアンノウンで、BBはTAG。さてどうする。

これは3ベットのいいシナリオで、バリューを狙って、
そしてルーズなレイザーをアイソレートする為に3ベットが出来る。
ルーズなレイザーに対してボタンというポジションを持ち、
ダブルスーテッドのプレミアハンドを持っている。
そしてあなたはブラインドが3ベットに対してほとんどフォールドする事を知っている。
ということで、3ベットをしてヘッズアップに持ち込むべきである。
この状況で3ベットを行なうのはバリュー(あなたのハンドはレイザーのレンジに対して、
そしてブラインドのランダムハンドに対して上手く戦える)とスチールエクイティーを高める
(ポジションとルーズなレンジの相手に対して多くのポットを取れる可能性)両方の効果がある。
ショウダウンエクイティーとスチールエクイティーの両方があなたの背中を押している。
ここは3ベットの状況である。

例4.2
$10PLO 6-handed

プリフロップ
UTG($10)$0.35レイズ、CO($10)コール、ボタン($10)コール、SB($10)コール、
あなた($10)はQhQdJhTdを持っている。UTGは26/17のTAGである。残りの相手はアンノウンと
ルーズパッシブな相手がいる。さて、どうする?

例4.1と同じハンドを持っているが、状況は違う。今度はポジションがなく、ポットが大きく、そして
相手が4人いる。もちろんハンドはプレミアだけれども、ここではOOPから3ベットする必要はない。

確かにハイカードでつながりのあるダブルスーテッドである。
しかし、AAxx、KKxxと比較してナッツになる可能性は低い。
そしてダブルスーテッドではあるが、ナッツではない。さらにフロップでQQがセットになったとしても、
それはトップセットではないのだ。これはポジションがあるヘッズアップなら何の問題もないことだ。
しかしながら多くの相手と戦う時には、ナッツになりそうにないハンドでフロップ以降を
引きにいくのは非常に難しい事なのだ。

3ベットをここで行なっても、フロップ以降の決断が、
ポットが大きいだけに非常に難しい。(そしてトリッキーな決断はビッグポットの時にはしたくないものだ)
フロップ以降の決断が難しいという事は、
フロップ以降で相手にチャンスを与えてしまうという事にもなる。
これはビッグポットの時には深刻な問題である。
例えば、果たしてフロップでオーバーペアがあるからとC-betするのは正しいだろうか。
また、オーバーペアや強いドローがこないからと、フロップで諦めるのが正しいのだろうか。

この両方の答えは”NO”であり、フロップ以降続けるのが正しいか、
諦める方が正しいかをOOPの時に導き出すは非常に難しいだろう。
IPであれば相手のアクションを確り確認できるが、OOPであればかなりの推測をする必要がある。
そしてビッグポットの時には、避けられない金のかかるミスをするだろう。
あなたのポジションと相手の数はここでは一番重要な要素であるが、
アーリーポジションから非常にタイトでアグレッシブなプレイヤーから
レイズが来たという事も考えるべきである。
これは、彼のレンジはプレミアよりだという事を意味している。
ルーズなレイザーだった例4.1とは違うのである。
そしてもちろんコールした相手がプレミアを持っているという事も考えられるのだ。

ということで、ここではコールが正解であり、ショウダウンエクイティーと
インプライドオッズを得る作戦を取るべきである。
このシナリオではナッツになり得るウルトラププレミアのみで3ベットをすべきである 
(覚えておいた方がいいのは、OOPではナッツになるかどうかが非常に重要である)。
もしAAxx(xxがいいカードで、最低でも1つスーテッドがある)で
3ベットを行なうのであれば、それは問題ない。

このようなウルトラタイト3ベットは、我々の情報を多々与える事になる。
しかし第五部を見てもらえば分かるように、ここで相手からむしりとる事は簡単ではないのだ。
その理由は、プレミアハンドはビッグポット時にスタックを全て投げ出せる事になるような
フロップヒットというのが難しいからだ。(詳しくは第三部を見てね)

まとめると、説明したこの例のような場合、ナッツペアやプレミアを除いて
ビッグレイズをするのに注意深くなる必要がある。
特にOOPの場合や相手が多い場合にはそうである。

この規則が正当化される理由として、ペアハンドはペアでないハンドよりも
フロップで当たる可能性が低いからである。
そして、AAxxと戦うには非常に弱く、4ベットされた際に大きな問題になる。
ということで、この例ではジャストコールが正解で、フロップを見にいくべきである。

例4.3
$10PLO 6-handed

プリフロップ
ボタン($10)$0.35レイズ、SBフォールド、あなた($10)はBBでAsKhJhTsを持っている。
ボタンはアンノウンである。さてどうする。

ここはプレミアでありダブルスーテッドのブロードウェイハンドなので、3ベットすべきである。
OOPではあるが、ボタンのルーズなレンジ(予想)に対しての3ベットはOKだ。

例4.4
$10PLO 6-handed

プリフロップ
CO($10)$0.35レイズ、ボタン($10)コール、SB($10)コール、あなた($10)はBBで
AcAdJcThを持っている。全てのプレイヤーはアンノウン。さてどうする。

プレミアであるAAxxは、自動的に3ベットを行なう、
C-betを行なえるだけのナッツがあり、フロップ以降でスタック全部を突っ込む事も出来る。
しかし、もちろんフロップ以降は自動的に参加するわけではない。
フロップに関して、また相手の多さとフロップ以降のプランを考慮していかねばならない。

ただ、そういった決断は後でするとして、
プリフロップの3ベットはバリューを得る為に自動的に行なってよい。

例4.5
$10PLO 6-handed

プリフロップ
UTG($10)0.35レイズ、MT($10)・CO($10)コール、あなた($10)はブラインドで
AcAh8c2hを持っている。タイトアグレッシブなプレイヤーとルーズパッシブな相手が混じっている。
さてどうする。

あなたはダブルスーテッドのAAxxを持っており、例4.2や例4.4と似たような状況である。
例4.2ではプレミアでコールする事を選んだが、これはナッツになりそうなではなかったからだ。
例4.4ではプレミアのAAxxであったのでバリューを求めて3ベットをした。
さあ、ここではどう決断するだろうか。

このハンドは例4.2や例4.4の中間ぐらいである。ナッツになりえる
プリフロップと2つのナッツスーテッドがあり、3ベットが正しく見えそうである。
しかし、xxがコネクターではなく、いちかばちか参加する為の他の要素がない。

これにより、AcAh8c2hは3ベットするには若干弱く、
コネクターではない為に、スタックを全て出す為には
フロップを見なければならない。
(覚えておいて欲しいのは、バリューに基づいてプリフロップを大きくした際は、
参加し続ける為に頻繁にフロップでヒット出来る様なハンドが必要であるということだ)

その為、いくらダブルスーテッドのAAxxといういいハンドであっても、
コネクターでなければプレミアのカテゴリーからは外れるのである。
なので、OOPで3人の相手がいるこの場面では、3ベットは適切ではない。

もしこれが、あなたがボタンにいてレイザーが1人だったら、
バリューとアイソレートを求めて3ベットするのが基本である。
この状況では3ベットや投機的な3ベットを厳しくした方がよい(AcAh8c2hがいくら
プレミアに近いといってもね)。

覚えておいて欲しいのは、プリフロップ戦略の目的は信頼できるガイドラインとしての意味があり、
トラブルを避ける為に設定されたものである。
プリフロップ戦略で詳細に議論されていないグレーな部分によく直面するだろうが、
こういった状況では、経験と状況判断に頼らなければならない。
なお、プレイすればするほど、この経験と状況判断は身につく。


例4.6
$10PLO 6-handed

プリフロップ
UTG ($10)$0.35レイズ、MP ($10)コール、あなた($10)はボタンでAsAh8c3sを持っている。
相手は全てアンノウンである。さてどうする。

ここでは3ベットすべきではない。ポットがマルチウェイであり、
数人の相手と戦えるフロップになる事はまれであるクズAAxxなのである。
ここでの最良の方法はコールすることであり、フロップとかみあったか
かみ合ってないかで考えていけばよい(特にトップセットが望ましい)。
ただ、ブラインドから3ベットが来たら4ベットをしてスタックを全て投げ入れるチャンスである。

ここでは、ドライなKKxxと同じようなプレイを選ぶ質の低いAAxxを持っている。
インプライドオッズがあるトップセットを狙う為にコールをし、その他も狙える。加えて、
4ベットをするチャンスまであるのだ。

第二部でOOPからクズAAxxを3ベットする事という事は、ある意味病気であると話した。
この例ではポジションはあるが、同じロジックが当てはまる。

例4.7
$10PLO 6-handed

プリフロップ
UTG($10)レイズ$0.35、MP($10)コール、あなた($10)はボタンでAsKhKsJhを持っている。
UTGは超タイトであり、VP$IP=15でPFR%=2.1だ。彼がレイズしてショウダウンまでいった時、
AAxxだったというのを二度も見ている。その他の相手はアンノウンだ。さてどうする。

UTGがレイズするレンジはAAxxに非常に近いと分かっており、
そしてAAxxでないレイズで参加してきたハンドも、我々のハンドと同格であると分かっている。
このようなケースでは、それほどエッジがなく、3ベットしてもすぐに4ベットが返ってくるだろう。
4ベットされたAAxxと戦うのは避けたほうが良いのだ
(我々のハンドはランダムのAAxxと戦って34%の勝率しかない)。

ここではOOPでコールするのが正しく、インプライドオッズを失わないようにし、
フロップ以降で利益を出せるシナリオを見つけ出そう。


例4.8
$10PLO 6-handed

プリフロップ
UTG($10)$0.35レイズ、MP($10)コール、あなた($10)はボタンでAsKhKsJhを持っている。
UTGはルーズアグレッシブで、VP$IP=42のPFR%=28である。MPはルーズパッシブである。
さてどうする。

例4.7と同じハンドを持っているが、今回はレイザーがルーズアグレッシブであり、
彼のレンジは広いと想像できる。
我々はプレミアハンドであり、広いレンジの相手2人に対してIPから
ダブルスーテッドのKKxxを持っている。
これはバリューを得る為に3ベットする絶好の機会である(そしてアイソレートする為にも)。

4.3投機的な3ベット

投機的な3ベットの原則は非常に簡単である。

スチールエクイティーが高い時は、ショウダウンエクイティーに頼る事は少なくなる。
これは、スターティングハンドの条件を緩めてくれる。
例えば、COがレイズした後のボタンだったとする。
あなたは彼がCOから広いレンジでレイズする事を知っている。
そして彼がポジションのある相手から3ベットを受けた際は非常にタイトで
読みやすいスタイル(下記)でプレイする事も知っている。

・彼が4ベットをコールした際は、AAxxならフロップ以降でプッシュしてくる。
・その他のハンドであれば、フロップでかみあったかかみ合ってないかでプレイする。

この分かりやすい戦略は、IPからの3ベットでつけこむ事が出来る。
これは、彼にフロップでもフロップ以降でも多くのポットを諦めてもらう事になる。
そして、この増加したスチールエクイティーによって、プレミアハンドと
投機的なハンドで3ベットを行なえば利益が出てくるのである。
ではこの投機的なハンドというのは何が含まれるのだろうか。見てみよう。

・いいハンドで、スーテッドランダウン
・Aスーテッドのいいランダウン

言い換えて、例を出すと


QhJsTh9c
9c8h7c6h
QhTs9h8s
Js9s8h7c
Td8d7s5s

AcTc9s8h
Ah9c8h7c
AsJs9h8h
Ad8s7d6h

この二つのタイプのハンドは、ちょっとしたギャップのあるランダウンの方が好ましい。
もしギャップがあれば、ボトムカードのランダウンが好ましい。
また、もちろんダブルスーテッドの方がスーテッド1つよりも好ましく、
低いランダウンより高いランダウンが望ましい。

このハンドで一番見て欲しいのはQhJsTh9cやAsJs9h8hである。
用心して、スーテッドが1つの低いランダウンや荒いランダウンは除いた。
7h5h4c3dやAs8s5d4hがその例である。

最初のポイントとして、IPからの投機的な3ベットはスチールエクイティーだけを考慮すべきである。
投機的な3ベットで完璧なのはボタンからで、ウィークタイトなプレイヤーや、
3ベット後が読みやすいルーズなプレイヤーがいた方が完璧である。
もし彼らがAAxxのみで4ベットを行なうのであれば、それはまた
完璧である(これで彼のハンドの情報が丸分かりであり、簡単に勝負が出来るからである)。
もし彼がプリフロップで頻繁にフォールドする、もしくはフロップ以降をかみ合ったか
かみ合ってないかでプレイするのであれば、それもまた望ましい。

ここに投機的な3ベットの例を出す。

例4.9
CO($10)レイズ$0.35、あなたはボタンでTs9h8s6hを持っている。COはアンノウンで、ブラインドは両者ともOOPではタイトアグレッシブである。さてどうする。

COのレンジや傾向は全く分からないが、投機的な3ベットをするには充分な要素がいくつかある。
そして早く相手を知るテストでもあるのである。この為、ダブルスーテッドのプレミアランダウンで
3ベットするいいチャンスのなのである。

もしブラインドがフォールドしてCOがコールすれば、ほぼ全てのフロップでC-betを打つべきである。
もしプリフロップでコールした相手が何人かいればC-betの頻度を低くすべきだが、
フロップでスチールする計画がいい。

もし4ベットをされれば、コールする。相手はほぼAAxxであり、
AAxxの4ベットと戦う完璧なハンド(ダブルスーテッドでランダウン)である。
もし4ベットのポットでヘッズアップとなりフロップを見る事になれば、
我々のプランを、フロップを“cherry picking”すればよいのだ。
この意味は、フロップをヒットしなくてもC-betをコールするという事である。
ほぼ毎回AAxxであるが為に、フロップエクイティーを見積もるのが簡単なのだ。
後はポットオッズをエクイティーと比較し、コールかフォールドを選択すればよい。
(※cherry pickingはこの後数回出てきます。詳しい例もあります。
訳すとすれば「いい所取り」「収益を上げる為の作戦」といった風になります。
C-betをコールする事にかけてCherryをpickingするって事なのでしょうが、
訳すと意味が分からなくなるのでそのまま使用しております。最後にまとめとして出てきますが、
100BBでは、4ベットをコールした方が、4ベットをフォールドした時よりも金が減らないという内容です。)

例4.10

$10PLO 6-handed

UTG($10)レイズ$0.35、MP($10)コール、あなたはボタンでAc9s8c7hを持っている。UTGは
TAGであり、UTGからはプレミアハンドでしかレイズしない。MPも同じくTAGであり、
SBはアンノウン、BBはルーズパッシブである。さてどうする。

投機的なハンドが来た。という事で、フォールドはない。TAGのUTGとTAGのMPという
信頼できるレンジの2人がいて、BBにはルーズなプレイヤーがいる。
ここで3ベットをすればポットが大きくなり、投機的なハンドでマルチウェイを戦わなくてはならない。

・プリフロップでのスチールエクイティーは0
・フロップ以降のスチールエクイティーはほぼ0
・相手のレンジを想定すると、エクイティーのエッジはない
・誰かがAAxxを持っている重要なチャンスである

このポットは恐らくスチールは出来ず、GOODだけどGREATなハンドではない為、
コールがベストだ。
我々の作戦としてはナッツになりえるハンドで安くフロップを見ることで、
レイズされたマルチウェイポットでは、この投機的なハンドはいいインプライドオッズとなっている。
また、フロップ以降にスチール出来るチャンスもある。
覚えておいて欲しいのは、3ベットをせずコールし、相手がフロップでチェックした場合、
フロップでヒットしなかったシグナルであるということだ(もしここであなたが3ベットすれば、
今回3ベットした相手が自動的にチェックする気になるだろう)。

4.4ブラフ3ベット
ブラフ3ベットは、3ベットをする事でスチールエクイティーを得られる状況下で、
投機的な3ベットをする為に単純にプッシュするだけだ。
もし状況がいいのであれば、スチールエクイティーだけを基に3ベットをする事で利益に繋がり、
そしてハンドをこなす必要もない。しかしクズ手では3ベットに行くべきではない。
せめてプレイ可能なハンドを待って3ベットした方がよい。

このブラフ3ベットは非常に控えめに行なうべきで(乱発はいけないよ)、
有利な状況のみで行なうべきである。特に、以下の場合はブラフ3ベットをしてはいけない。

・OOPである
・ポットに参加しているのが2人以上である
・数人のコーラーがついてきそうな場合

レイザーが弱い方が好ましく、また判断しやすい相手である事、
そして自分がボタンである事が望ましい。
これらの状況下でブラフ3ベットを行なえば、ヘッズアップで、IPで、
そしてフロップ以降のスチールエクイティーが高いままフロップを見に行く事が出来る。

では、ブラフ3ベットの例を出そう。

例4.11
CO($10)レイズ$0.35、あなたはボタンでQs9h6s5cを持っている。さてどうする。

何の情報もなければ、これはフォールド一択である。しかし、下記の状況がいくつか重なった場合、
ブラフ3ベットを考える事が出来る。

・レイザーのレンジが広い
・レイザーが3ベットの後、非常にタイトになる
・AAxxでしか4ベットしてこない
・OOPで3ベットをコールした場合、フロップがかみあったかかみあってないかでプレイする
・ブラインドがルーズではない
・あなたは堅い印象を受けている

この3ベットの主となる考えは、プリフロップでポットを獲得する事、
もしくはフロップでC-betを行なってスチールする事である。しかし一応はハンドのバックアップがある。
なので、本当のクズ手では3ベットはしないでおこう(我々のハンドにはスーテッドとつながりがある)。
ハンドがフロップでよくなる事もあるし、スチールしなくても勝てることだってある。

もしヘッズアップとなり4ベットがきたならば、自分のハンドでコールして
利益が出せる可能性があるかどうか判断する必要がある。
もしコールを選べば、COの4ベットはAAxxと判断するだろう。もしこのような場合が起きたら、
投機的、そしてペアではないハンドという広いレンジでコールする事が出来、フロップで
cherry pickngする作戦でよい。
(相手はAAxxなのだから、オッズとエクイティーを比較して判断すればよい)
最低でも若干のコネクターとスーテッドが望ましいのだが、この手は両方ある。
なお、ここではコールかフォールドかの決断はやらない。第五部で答えを教えよう。
AAxxとQs9h6s5cのエクイティーをコールするかどうか決断する為にフロップで考え、
フロップでAAxxに対して充分なエクイティーがあればQs9h6s5cでオールインすればいいだろう。

注意
ブラフ3ベットは状況が非常にいい時だけに限られる。控えめに行なう事で、
レイトポジションで利益を上げることが出来、読みづらくし、相手に苦戦をさせることになるだろう。

4.5 3ベットを行なって4ベットが来た時
4ベットに対する戦略は非常に簡単である

4ベットがきたら、AAxxだと断定し、それに応じてプレイしろ

100BBの時にAAxx以外で4ベットするプレイヤーは非常にまれである。
上手なプレイヤーは3ベットレンジがルーズな相手に対して4ベットレンジを広くして調整するが、
アンノウン相手にそのような事はしない。
という事で、もし4ベットした相手がいつもAAxxを持っていると判断するのであれば、
それは一応間違っているという事にはなる。

そこで質問:100BBでAAxxから4ベットが来たらどうすればいいのか

ここでは、この質問に対して確りと答えるのだが、深堀りをして系統的に考えていくのは第五部からである。
ただ、簡単にまとめると、100BBの際にAAxxで4ベットをされた場合の対策は下記の2つである。

1:AAxxで5ベットオールインを行なう。
2:コールしても充分利益が出そうなハンドで4ベットをコールし、フロップでcherry pickingを行なう。

1つ目は非常に明白だが、2つ目は説明が必要である。
しかし、主となる考え方は、プリフロップの4ベットを投機的なハンドでコールすれば
利益になるということであり、フロップのポットオッズと比較して充分なエクイティーがある場合は、
フロップのC-betに対してオールインする作戦があるという事である。
4ベットを行なった者がAAxxを常に持っているのであれば、
フロップでのエクイティーを計算するのは簡単な事である。

第三部で、KsKh7d2cのような全然コネクションのないハンドで
3ベットや4ベットを受ける事は大きな問題になるという事を話した。
理由は、フロップでエクイティーがよくなることがまれだからである。
ドライなペアは、AAxxに対してフロップでエクイティーがよくなるという事は
非常に狭いレンジでしか起きず(フロップでセットになった場合か2ペアになった場合ぐらい)、
ミラクルフロップにならない限りは良いエクイティーが得られないのである。

それゆえ、このようなハンドで4ベットを受けるという事は、
フロップのC-betでいつもフォールドすることになるのだ。
これではプリフロップの投資が返ってこず、
ただ単に4ベットをコールしてチップを寄付しているという事になる。

ビッグポットでAAxxと戦った際のKsKh7d2cのフロップエクイティー図が下図であり、
いかに問題があるかを示している。
フロップエクイティーのほとんどがごく少数のフロップに偏っているのが分かる(フロップの15%程度)。
その15%から外れると、我々のエクイティーはいつも残念なものとなっている。

1


反対に、9s8h7s6hの様なダブルスーテッドでランダウンのプレミアを持っていた際の
フロップエクイティーは、手を作る為のコンビネーションがフロップで多々あり、
C-betをコールするだけの利益となるのである。下がその図であり、
むらなく分布しているのが分かる。そしてフロップの〇%を我慢するといった事はない。

2


これは、9s8h7s6hの様な手は、フロップで利益を出すには充分なハンドという事である。
フロップでのC-betを期待して4ベットをコールすれば、2:1以上のエクイティーを得る事になる。
つまり、必要なフロップエクイティーは33%以下となるわけである。
これは、我々のハンドがフロップの広いレンジで33%以上有利であればいい事を示しており、
それは全てのフロップ内で見ると約60%となっている。

この事に関してはこれ以上深く議論しないが、いいガイドラインにはなるだろう。
この2つのエクイティーの図から、一般的にこのような事が言える。

AAxxの4ベットをコールしてフロップがcherry pickingできるようであれば、
正確なフロップエクイティーが出せるスーテッドでコネクターのあるハンドがいい。

下が例である。

例4.12

$10PLO 6-handed

プリフロップ
CO($10)レイズ$0.35、あなた($10)はボタンでTs8d7c6sを持っている。
あなたはCOが3ベットを評価するルーズレイザーである事を知っており、
そして彼はOOPで3ベットをされた場合はタイトにプレイする傾向がある事も知っている。
ボタンでありスーテッドなので、投機的な3ベットを行なおうと$1.20をポットに入れたら、
COは即座に$3.75の4ベットを行なった。さてどうする。

あべし!(Oops!)これは、どうもAAXxとぶつかったと推測しなければいけない。
しかし、まだ負けてはおらず、我々のハンドはAAxxをクラックするハンドである事には間違いない。
我々には41.54%のプリフロップエクイティーがあり、
そしてAAxxと戦った際のフロップエクイティーは非常に滑らかである。
下図を見てね。

3


ポットはフロップの時点で$7.65であり、まだ$6.25残っている。
COがフロップでスタック全部を突っ込んだ場合、ポットオッズは(7.65+6.25):6.25=2.22:1となる。
なので、我々はコールする為には1/(2.22+1)=0.31=31%のエクイティーが必要となる。

グラフから、フロップの60%以上で最低でも31%のエクイティーがある事が分かる。
なので、フォールドを選択する以上にコール(そしてプリフロップの投資を回収する)
するだけのエクイティーが発生する事になるだろう。
これは、我々がアウツとエクイティー、そしてフロップのエクイティーを
即座に計算できることが前提となっている。しかし、これは非常に簡単な事である。

ここで、コールが利益となるフロップの例を紹介しよう。

フロップ:Ks6d4h($7.65)
CO($6.25)がプッシュした。我々のハンドTs8d7c6sが最低でも31%のエクイティーがあるのだろうか。

では、アウツを計算してみよう。

・ペア+3キッカー(2+9=11アウツ)→ペアがセットになるアウツ、キッカーがペアになるアウツです。
・ガットショト(4アウツ)
・バックドアフラッシュ(1アウト)

ガットショットとバックドアフラッシュドローのアウツである5つは確りとしたアウツであり、
もちろんトリップスに発展しても勝てるだろう。しかし2ペアとなるアウツでは、
引く必要のあるアウツがある。
ターンでツーペアとなっても、COはトップセットかツーペアになる8アウツ
(2枚のエース、3枚のキング、3枚の4)があるからだ。
8アウツはチャンス約1/5に相当する。なのでツーペアのアウツは9から9(4/5)=7.2となる。

7.2を7と四捨五入しよう。もちろんCOのサイドカードは分からないが、
彼の方が恐らくリドローが多いのでもう1枚アウツを引いて、結果6枚となる。

ということで、我々のアウツは

・ペア+3キッカー(2+6=8アウツ)
・ガットショット(4アウツ)
・バックドアフラッシュ(1アウツ)

となる。AAxxと戦う為に、合計で13アウツある事が分かる。
これは3×13+9=48%のエクイティーに相当する(アウツが0~9枚だと×4の法則を使用するが、
10枚以上のアウツでは×3+9のルールを適用している)。
ProPokerToolsCalculation(エクイティー計算君)では正確なエクイティーは47%と計算しており、
なかなかいい計算であった。

つまりこれは、フロップでcherry pickingを行なう為にコールするエクイティーがあるという事だ。
そしてコール後は、我々のやる事は済んでおり、結果を待つだけである。


AAxxの4ベットをコールする収益性

第三部でAAxxの4ベットと戦う方法を議論した。我々が3ベットを行い、
相手から4ベットが返ってきてAAxxを持っていると最初から分かっている設定でプレイする話を行なった。

100BBで4ベットポットのAAxxとプレイするのは、AAをクラックする為の最高のハンド
(ダブルスーテッドでランダウン)であっても利益を出す為に
プレイ出来ない事は既に分かっている。
いくらコーラーがフロップで最適なプレイを行なったとしても、
100BBでAAxxとプレイするのは難しいと結論付けた。
しかし、それは4ベットにコールして利益が出ないという事ではないのだ!!

現実では、我々が3ベットを行なった際に(3ベットしなかった際も)相手が
AAxxを持っているなんて知っている訳がない。
相手のハンドの情報は既に大きくなったポットだけで分かる事であり、
その時には既にポットに投資したお金は、我々の物ではなくなっているのだ。
これは、相手のハンドが最初からAAxxだと分かっていて、
100BBで相手が4ベットをしてきたポットをプレイしても利益にならない事が分かっていたとしても、
4ベットをコールする方が(4ベットをフォールドするより)収益性が高いということだ。

ポットに最初にチップを投げ入れた瞬間から、我々は金を失っているのである。
しかし、4ベットをコールする事で収益性を上げる事が出来る。
言い換えると、我々が全ての金を失ったとしても、フォールドするよりコールした方が金は減らないのだ。

第五部ではAAxxの4ベットをコールする事が出来るハンドが重要な論点となる。

5.まとめ

3ベットの戦略を話す為に、プリフロップの戦略を深堀りした。
また、アイソレートレイズとオーバーリンプの話も行なった。

そこで我々はプリフロップの戦略をほぼ完璧に得て、
残りの議題は3ベット/3ベットされた時、4ベット/4ベットされた時であった。
これらは3ベット・4ベットのポットで、フロップ以降を上手くプレイしてくれるガイドラインとなり、
そしてポストフロッププレイに議題を移行したポイントでもあった。

第五部ではプリフロップのプレイを完璧にし、ポストフロップのプレイを議題とする。
第六部以降ではポストフロップの話を行なっていく。

GOOD LUCK!!

Bugs

P.S.今日から3ベットしてね!