今回の記事は、茶道の歴史についての連載記事、前回の続きです。

前回までの記事はこちら → ①★★★★★★★★★★★★★★★ ⑥★★★




今日は、茶の湯のはじまり第6回。

前回からやっと茶の湯がはじまり、

今回は、茶の湯をはじめたとされる、

「珠光」という人物を見ていきます。









珠光について、以前の見方では、

茶の湯のリーダーというのは、

珠光→武野紹鴎→千利休

とつながっていて、

この順番で、侘び寂びの美意識は深まり、

侘茶が大成したとされていました。



そのはじめの珠光は、

若いうちに所属していた寺を出て、還俗し、

(還俗して姓がつくということで、「村田珠光」と、私の時代の教科書なんかではなっていました)

商人として大成功し、財を成し、

多くの唐物名物を収集し、

また、茶室も書院造りの立派なものであった、

とされていました。




珠光がやっていた茶の湯とは、ほんとうにそのようなものだったのだろうか、

というところを見ていきましょう。




①経歴



まず、珠光の経歴として、史料で確かなことは、

1502年に80歳で没したということです。

これは、寺の過去帳にあるようです。



そして、僧になり、早くに寺を出たようですが、

その後も還俗はせず、一生を僧として過ごしたようです。

これは、珠光が注文した袴の購入記録が残っており、

そこに記載された名に「珠光坊」など、

還俗しての姓がついてないことから、分かるそうです。


(ですから、「村田珠光」とするのは間違いで、姓はなしで「珠光」とするのが正しいことになります)




珠光のこの経歴を見ると、

その暮らしぶりは、以前紹介した(→★★★)、

「おようのあま」絵巻の、草庵に住む遁世僧の姿に近そうです。




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また、彼が所属したのは、

称名寺という、浄土宗の道場といわれています。



浄土宗は、現世を穢土とする考えがあって、

世を離れるという思想に結びつきやすい部分があって、

特に、1467年からは応仁の乱がはじまり、

不安定な時代であって、そういう雰囲気は濃かったでしょう。



珠光の、寺を出て、そのまま遁世僧として一生を過ごした、という足跡と、

浄土宗を背景に持つことは辻褄があいます。



彼の背景にあったのは浄土宗で、禅ではありませんでした。



ですから、彼の茶の湯も、現世から離れる、

というニュアンスを持っていたと考えられるのではないでしょうか。




②弟子たち


珠光の弟子たちを、その所有したとされる道具(『山上宗二記』)とともに挙げていきます。


松本珠報(名物は、瓢箪茶入、松本茶碗の2点)
 奈良。山名氏に使え、その後隠棲。


志野宗信(ぬるき道具ばかり)
 京都。裕福な商人。香道志野流の祖。


石黒道提(四十石の茶壷の1点)
 元奈良の僧官で管領畠山氏に属したが、のちに隠棲。


粟田口善法(名物は持たず)
 京都。侘茶人。


古市播磨(30以上の名物)
 奈良。豪族。戦乱の中自らの勢力を拡大し活躍。


興福寺最福院(三日月茶壷の1点)
 奈良。住職。法相宗。


興福寺尊教院(小茄子と石昌の絵の2点)


引拙(30以上)
 堺、奈良。天王寺屋一族(津田氏)の商人か。




珠光の弟子たちということは、初期の茶の湯の中心メンバーだったはずですが、

それにしては、大量の名物を持っているのは2人のみと、少ないです。


実は、珠光についても、

1555年に記録された『清玩名物記』において、所持を伝えられるのは、

4点の珠光茶碗のみです。



このことから、初期の茶の湯においては、

大量の道具を持っていることが一流の茶人の条件ではなかったようです。




また、系統をみると、

僧侶、豪族、商人、隠棲者、という人々で、

のちの時代のような、

豪商たちのこぞっての参加や、

有力大名・武将たちの参加は、まだのようです。



特に、隠棲者が多い印象を受けます。

初期の茶の湯は、

現世を離れて遊ぶことを目的とされていたのかも、と思わされます。








今回は、ここまでとします。

以前は、珠光ははやくに寺を出て、商人として成功し、

将軍家から引き継ぐ形で茶の湯をはじめ、

そのため、

唐物名物で並びたてたような茶の湯をしていたと考えられてきました。



しかし、実際は、

珠光は寺を出ても還俗せず、一生を僧として過ごしたため、

考えられていたほど裕福ではなかったでしょう。

そのため名物とされるもほとんど持たず、

弟子たちも同様でした。



なので、

初期の茶の湯は、大量の名物を持つことが一流の茶人の条件ではなく

現世を離れることを目的としたものが

初期の茶の湯だったのかもしれません。






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