本日限定で高野秀行さんの「ワセダ三畳青春期」が54%OFFの199円になっています。更に今回はAmazonポイントが20%分付く太っ腹販売です。56件のレビューで4.5星の高評価作品です。私は小説は基本的に読まないのですが、この高野秀行さんの作品はどうもAmazonではことごとく高評価を得ている様子です。

文庫版だと605円のままです。Kindle版だと199円になっています。




●トップカスタマーレビュー

5つ星のうち 5.0 著者はこうして大人になったのだな、と思わせる痛快青春記

投稿者 yukkie_cerveza #1殿堂トップ500レビュアー 投稿日 2004/8/28
形式: 文庫
 1989年から2000年まで東京・早稲田のボロアパート野々村荘で暮らした著者の摩訶不思議な青春記です。
  早稲田大学探検部員として世界の秘境に身を投じてきた著者ですが、一番の秘境は自らの下宿にあったと思わせる内容に驚きます。そこに住むのは個性的という よりは奇人と呼ぶべき面々ばかり。40歳の司法試験浪人生ケンゾウさん。奇妙な食べ物の腐臭をアパート中に垂れ流す通称・守銭奴。幻覚物質を著者と共に体 を張って試してみる探検部の後輩イシカワ。大家さんは齢七十にして卓球で学生と互角に戦う剛の者。
 著者も風呂がわりに区立プールへ通い、俄か占い師になり、さらには流しの三味線引きを目指すなどハチャメチャな日々を送るのです。

  私も東京で家賃1万9千円/月の四畳半で80年代前半に学生生活を送った口です。西日が厳しく、夏ともなると机の引き出しにしまってあるだけの体温計の目 盛りが40度を指してしまう下宿部屋でした。そこで私は友人と酒を酌み交わし、薄い壁を通して聞こえる両隣の住人の不思議な生活に目を丸くし、大家さんが かつて味わった姑による陰惨ないじめの体験談に耳を傾けたものです。他人との距離が今よりも近かった時代の良き思い出です。

 ボロアパー トに愛着が湧くのは、住めば都の言葉通りだからなのか、それとも出来の悪い子ほど可愛く感じる愛情の類いなのか。いずれにしろ、著者ほどのスケールではな いにしても、古びたアパートの小さな一室で何年か暮らした経験のある私には、この本に書かれている挿話の数々には甘酸っぱい懐かしさを感じるのです。

 著者が野々村荘を「卒業」するに至る経緯を綴った第六章は出色の出来です。
 大人になるとは企業に就職するというようなことではなく、このように安住の地に背を向けて新たな旅に出ることなのだ。そんな風に感じさせてくれる好編です。

 「その人」(265頁)の言葉通り、「粋な文章」で綴られた清々しい一冊です。


5つ星のうち 5.0  すとん、と落ちた

投稿者
カスタマー
投稿日 2005/1/20
形式: 文庫
爆笑の前半中盤、そして切ないけどあったかな後半。
その中でもこの「すとん、と落ちた」というのがあまりにも印象的でダイスキです。本当に著者はすとんと落ちたのでしょう。
わたしも人より多くの学生生活を送り、今も自営業で右往左往しているので、友人たちがきちんと社会に出ていってしまい、自分だけが遅れを取っているような、でもこの暮らしをやめられないような。。。そんな気持ちを共有しました。
野々村荘をあんなに愛してやまなかった人が野々村荘を出るまで、ノノコンを卒業するまでの成長物語といっていいでしょう。
ち なみに高野さん、ちゃんと「その人」と結婚したらしいです。今は立派なマンション暮らしらしいですよ。その話をたまたま聞いてしまったのですが、なおさら うれしくなってしまいました。是非多くの人に楽しんでもらいたい。ただ楽しいだけではなく、何度読んでもたくさんの気持ちを感じさせてくれる一冊です。



形式: 文庫
船戸与一はじめ数多くの命知らずたちを輩出した早稲田大学探検部に所属する作者が、早稲田大学徒歩5分の路地裏にある三畳のアパート、野々村荘(家賃1万2千円!)にいたころの思い出を語る。
各章のタイトルからして
「飯作りは危険がいっぱい」
「人体実験で15時間、意識不明」
「三味線修行」
と、おもしろエピソードを期待するなというほうが無理なナイスフレーズの連発。
そして早稲田大学7年生の作者とその仲間たち、ホントに何も考えてなくて素晴らしすぎ。思いつきで占いの屋台を出してみたり、ベニテングダケを食おうとしてみたり、ほんと無茶苦茶。
奇跡的な(笑)卒業のあとに就職した会社も10日でやめてしまい、三十代になった作者は、それまでほとんど縁のなかった恋に落ちる。そして彼女のことを考えて悩んだ末に出した結論は、11年住んだ野々村荘を出ることだった…。
前半のバカ話から一転して終盤はちょっと切なく、いい感じの終わり方。
この人の本は全部初版限りで店頭から吹っ飛んじゃったみたいで見つけるのは難しいけど、見つけたらぜひ読んでください。というか買ってください。こんな人を真っ当な職につかせるのは惜しすぎる。