2006年09月30日

<念願犬>線路沿いのわんちゃん。

私はあんまり、こういった話しは好きではありません。「今日、ノラを見かけたんだけど捕まえられなかった。可哀想にどうしたんだろう・・・」本当に聞くだけ胸が押しつぶされそうに痛み、どうすることも出来なくて何もいいことはない。

気が滅入ると身体にも影響します。だから、私も1年以上前から言えなかったワンの話し・・・。


仕事で上京する際に見る線路脇のわんちゃん。単線ローカルでガタゴト行くと段々いてもたってもいられなく、胸が押しつぶされそうになる。私は必ず立ち上がり、1両目の終わりのドアの位置から線路脇を見る。

小さな錆び付いた一軒家の裏庭。壊れかけた縁台に繋がれている1匹のワン。真夏日にハウスもない。縁台は簀の子状態になっているので、大雨の時はその下にいるのだが、足場は水浸しで座ることも出来ない。いる場所の土が当然くぼんでるので雨水も溜まっている。

雨に打たれながら横になることも出来ず、夜中はどうしているのだろう。灼熱の陽射しの中、どうやって我慢をしているのだろう。・・・察するに、わんの気配からすると散歩に行っている様子はない。

あ〜〜、助けてあげたいと思うのに、そのまま電車を降りることも出来ず通り過ぎる。やがて、大きな駅で乗り換える頃はいつも忘れてしまう。そんな自分が卑怯な気がして、いたたまれない。忘れることによって、自分の痛みを消しているのだきっと。でも、そしたらその子はどうなるのだろう。

帰りの電車からも必ず見る。暗くて見えないけど、確かにそこにいるはず。日が経つに連れて、縁台が壊れ、板をかぶせるようになった。木材や板が増えてきてつぎはぎに重ねているだけ。その子が見えないことの方が多くなった。リードの先が隙間に消えている。きっと、僅かな空間に身を潜めているのだろう。

どうにかしなくちゃといつも思っているのに誰にも言うことはありませんでした。言葉に出せない。

お水がないときもあるし、空になったフライパンを見ることもある。死なないから飼い主はいるのだろうけど、人の姿を一度も見たことはない。電車の音もうるさいだろうし、空気も汚れている。昨年の夏も悲惨な光景だった。今年の夏も・・・。

東京へ甥と姪を連れて行ったとき、言おうかどうしようか迷った。言ったところでどうなる。どうして助けないのかと聞かれたらなんと答える。池ワンからはだいぶ遠いので、今の私達では何度も通って飼い主と交渉するだけの時間はない。子供達に見せてなんになる。

でも一応、車両を移って例の位置へ招いた。「何?何が見えるの?」・・・思っていることを隠し、通り過ぎるのは卑怯な気がして言った。「すぐに電車は動き出すから、よ〜く見てね、窓の外にワンちゃんがいるの。」

「あーーっ!いたよ、いたよ、ねぇ!助けてあげて助けてあげて、あれじゃ可哀想だ。ねぇいつ助けるの?」晴樹は眉を寄せて悲しそうな顔をして私を見上げた。子供達は、ことワンにかけては私達をスーパーマンのように思っているので、すぐにでも助けると信じて疑わない。思ったよりも大きな反応に驚いた。

それから2,3日、「いつ行くの?今日行くの?お仕事忙しいの?明日行くの?」と聞かれ続けた。夏休みの終わりが迫り、池ワンを旅立つときにも忘れなかったらしくて「きっと助けるのでしょ?」「うん、助けるから千晴達が沖縄帰っても報告するね。」

子供達も帰り、いつもの忙しさに戻った9月の半ば。又、上京したときにはリードだけでワンの姿は見なかった。何度もそんなことが続いてる。きっと精神が衰弱して縁の下から出る気にならないに違いない。ノイローゼだろう。死ぬことも出来ないのだ。

そんなある日、畠山さんの紹介でアニマルレスキュー HAPPY☆STEPの高橋さんと知り合った。
他の件での話し合いの中、高橋さんの活発で力強い気持ちが伝わってきた。・・・この人にだったら頼めるかも知れない。私がずっと黙っていたのは、こんなチャンスを待っていたのかも知れない。

皆さん、同じ活動をしている人達は忙しいに決まってる。でも思い切って言ってみた。住んでいらっしゃる場所もうちより近い。

高橋さんは快く引き受けて下さり、数日が過ぎた。お互い忙しくてメールでもなかなか返事は書けない。又々、そんなある日のこと、電話があった。「例のワンちゃん、色々な人に声をかけて、20人体制で、探ってる。大体事情も判ってきたから任せてね!」

あああああ〜、なんという奇跡。奇跡じゃないかも知れないけどそれ以外の言葉が見付からない。
にじゅうにんたいせいー?あの子を取り巻き、すっごいことになっている。でも、こうなったらヘンに遠慮しないで思いっきり頼るしかない。

あ〜〜ぁ、もう、あ〜としか言いようがないのだ。連絡があったよー。「来週の月曜日、必ず池田さんの所へそのワンちゃんをお届けしますからねっ!!心配しないで、うまくいったから。」もう、涙がとまらない。ありがとう、ありがとう・・。

その子はかなりの高齢らしい。思った通り、飼い主は散歩に行ってない。どんなに辛い毎日だっただろう。ああああ〜、やっと自由な思いをさせてあげられる。一日でも多く楽しませてあげよう。散歩の楽しさ。生きることとはこう云うことだったんだと判ってもらおう。抱っこして、笑って、美味しいもの食べさせて、残り少ない日々かも知れない。今までの犬生を取り戻せるよね。あ〜〜良かったぁー。

待ち遠しい・・・。沖縄にも連絡しようねぇ〜。

Yasuko(←クリックすれば、メールが送れます)

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