去年久々に休眠会社の整理が行われました。

 法務局が、最後の登記から12年経過した株式会社に対して「事業を継続している場合は届出してください」という通知を送ります。スルーすると、平成27年1月20日付けで解散したものとみなされ、職権で解散登記を入れられてしまいます。

 みなし解散の登記後3年以内であれば、株主総会の特別決議によって株式会社を継続することができます。

 今回、みなし解散登記が入れられてしまった会社の社長さんから会社継続登記のご依頼を受けました。

 会社継続登記の前提として法定清算人就任の登記を入れるのですが、定款に清算人を誰それにするという定めはありません、という証明のために定款を添付します。この場合定めがないことの証明なので定款を全部添付することになります。

 ふと疑問に思ったのが、論理的には、平成27年1月20日みなし解散時の定款に清算人の定めがない、ということを証明するため、同時点の定款を添付する必要があるのではないか、定款の証明文言は、「上記は、平成27年1月20日みなし解散時の当会社の定款に相違ない」とすべきなのではないか、いうことです。

 前回の平成14年のみなし解散で継続登記を申請した書類を見ると、最新の定款を添付して「現行定款の謄本に相違ない」と証明していました。

 何が問題かというと、この会社には原始定款しかなく、その後商法改正、会社法改正がなされ、なおかつ今回継続決議とともに任期を10年に伸長するほか、全面定款変更決議をしたことです。

 商業登記には善解の理論というのがあります。定款変更決議に基づく最終的な定款を添付しても、みなし解散時にも清算人の定めはなかったと善解するのではないか、それならみなし解散時の、今となっては意味のない定款をわざわざ作る必要がないと法務局に照会をかけました。

 みなし解散まもなくだったので、調べても解説も先例もなかったからです。

 開口一番登記官から、先例を調べもせずに照会かけるな、と怒られたのには驚きましたが、

 要は、形式的審査権しかないのに推測で登記はできない、みなし解散時の定款を付ける必要があるということでした。

 じゃあ、みなし解散時の定款に相違ありませんという証明文言になるのですかと質問すると、そこは現行定款に相違ないでいいと。それでは、解散時点から現行定款の証明日まで定款内容に変更がないはずという推測になるのではないですかと聞くと、なんでそんなことにこだわるのかと切れ気味でした。そこは推測OKのようでした。

 論理一貫していないので、申請される同業者は、要確認を。ただ、後から聞くと継続登記の研修会があったらしいのでその資料を手に入れられたら確実かと。

 今回は原始定款から定款変更決議を一度もしていなかったので、原始定款をコピーして

 上記は、当会社の平成27年1月20日、みなし解散時の定款の謄本に相違ありません。
 ただし、商法改正に伴う所要の変更が行われたものと読み替えます。

 平成  年  月  日
   本店
   商号 
   代表取締役     印

 としました。

 
 登記の事由は

          平成27年1月20日清算人及び代表清算人の就任
          会社継続
          監査役設置会社の定めの廃止
取締役,代表取締役就任および監査役の変更
株式の譲渡制限に関する規定の変更

 登録免許税 は、金79000円

 添付書面は
          定款               1通
          株主総会議事録        1通 
           就任承諾書     
 株主総会議事録の記載を援用する。
          印鑑証明書           3通
          委任状              1通


 みなし解散とともに取締役会設置会社の定めが職権抹消されているので、定款変更決議で取締役会設置会社の定めを廃止しても登記は不要ということになります。監査役設置会社の定めの廃止はもちろん登記必要。

 ほか、

取締役選任について清算人全員の印鑑証明書が必要なこと
 清算人は氏名のみ代表清算人は住所氏名が登記事項なこと(会社法で変わったところ)
 就任承諾書を議事録援用とする場合、議事録に取締役の住所を記載すること(ほん最近変わったところ)
 印鑑カードが失効するので印鑑カード交付申請が必要なこと
 
 やけにたくさん調べたけれど、多分もう依頼は来ないと思う。

 かなしいから、書いてみました。おしげもなく。