ダイヤモンド一人旅

2019年01月21日

答えは相手が持っている(その2)

今日の担当は山村です。

前回からの続きです。(前回のコラムはこちらから→☆

しばらくするとお母さんの相談時にAさんが一緒に学校にやってきました。
「お母さん、Aさんをさそっていらしたのですか?」とたずねると、Aさん自身が
「いえ、私も先生と話がしてみたいと思って一緒に来ました。」
隣でお母さんは、うっすら目に涙をうかべていました。

初めての相談はほぼ雑談でした。
最近見ていたドラマの話、好きな歌手やよく読む雑誌の話、お菓子は何が好きかなど、Aさん自身のことをインタビューするような時間でした。
私自身も自己紹介を兼ねて、見ているドラマや好きな歌手、お菓子の話を楽しくしました。
帰り際、「先生、また来て良いですか?」そういってAさんは帰っていきました。

Aさんは次の日にも話をしに登校してきました。
何も聞かなくてもAさんは自分がどうして学校へ行けないかを話し出しました。
「え?ちょっとまって。でも今日も学校来てるでしょ。」
と、こうやって相談しに学校に来ていることを伝えると、

「あ、そうですね。私、学校に来ているんだ!」

と笑顔になり、「私が教室へ行けないのは…」と話を続けました。

実は「学校へは来ているけれど教室には入れない。」
この違いはとても大きいのです。
お休みが続いている子どもは、まじめであればあるほど
「教室へ入らなければ学校へ行ったことにならない。」と思っていることが多いのです。

しかし私は教室へ入らなくても相談に来ているだけでも
「学校へ登校できたね。」
ときちんと言葉にして子ども達に伝えることにしています。

これは、「あなたは学校に来るということを一つクリアしているんだよ」ということを伝えたいからです。
自分の意思で学校という場所に来ていることは、ずっと欠席が続いていることから比べたら、雲泥の差があることをもっと周りは評価して欲しいと思います。
もちろん教室へ行く、授業に参加する、友達と仲良く遊べる、などクリアすべきことはまだまだたくさんありますが、出来ていることを言葉にして伝えることは、
これから出来ることを増やしていく第一歩なのです。

相談の中では、少しずつ部活動の友達との関係を取り戻す方法を探っていました。
私から提案しなくても、Aさんからいろいろなアイディアが出てきます。
友達に渡す手紙もどう書いたら良いか一緒に考えました。
どうやらメールで他の友人にも相談しているようでした。

部活動の先生とも話をすることを希望し、行動に移していきました。
すっかりお母さんのアドバイス通りの展開です。

Aさんは、以前のお母さんのアドバイスを聞いていなかったのではありませんでした。
聞いていたけれど、そのときにはそれが出来るようなエネルギーが無かったのだと思います。
回数を重ねる毎に、声は大きく、表情も穏やかに、いつも通りの元気なAさんになっていました。
休み時間には部活動の友達が手紙の返事を持ってきてくれて、会うことも出来ました。

その頃はお母さんよりAさんと会うことが多くなっていたのですが、
送り迎えをしてくれていた強力なサポーターのお母さん。
帰りの車の中では、Aさんはお母さんにいろいろ報告や相談をしていたようです。 

冬休みになる前、Aさんを迎えに来たお母さんに、私はこう伝えました。

「お母さん、Aさんは3学期は教室へ行けるような気がする。だから、いつも通りに楽しく冬休みを過ごしてください。」と。

普段はこんな予言的(?)なことは言いませんが、このときはなんとなく3学期からは教室へ行けるだろうなあという予感がありました。
言葉にはしていなかったけれど、Aさん自身も3学期から教室へ行こうと思っていたようです。

そして、3学期の始業式。
Aさんはお母さんの車では無く、電車に乗り、登校して教室へ入っていきました。

数回、お休みがあったりしてお母さんといっしょにハラハラしましたが、
Aさんはみんなと一緒に進級しました。


私がお母さんとAさんに継続的にかかわっていたのは、最初に出会ってから、約4ヶ月間でした。
Aさんとは約1ヶ月でした。
さて、皆さんはどんなことをお感じになりましたか?


つづく…。


※ご本人の了解を得ていますが、個人が特定できないように内容を一部改変して記載してます。


お待たせしました!
『コミュニケーション広場6』開催のご案内です。

◆あなた自身は、人との関わり方やコミュニケーションについて、うまくいっていると感じていますか?

「コミュニケーション広場」は、集まった人と一緒に創っていく体験と学びの空間です。

毎回のプログラムもコーチングなどのコミュニケーションスキルや、実際に会話をしながら体験的に関わり方のコツや考え方、新たな視点などを身に付けられる内容で構成されています。参加されたみなさんからは、
「心の美容室に通っているようだ」「たくさん話せてけっこうおもしろい」「いろいろな年齢の方とも話せてうれしい」「心の中にあったことが話せて、スッキリできた」「すぐ使えそうなことがたくさんある」「否定されないから、会話がはずんで楽しい」 
などの声とともに、日常生活や子育て、仕事の場での関わり方の課題に関して、様々なリクエストが寄せられてきました。

「困っていることがあります・・・」「こんな時はどうしたらいいの?」
という具体的な課題をもとに、人との関わり方や伝え方についても深め、ともに考えていく時間を毎回設定する予定です。

子どもは大人の、後輩は先輩の関わり方をよく観て、まねをしています。いろいろなコミュニケーションスキル、参加される方々がシェアする体験談、そこから得られる知恵や視点などを活用することで、あなたがさまざまな人と関わる時にも必ず役立つヒントが見つかることと思います。
高校生以上なら、どなたでもご参加になれます。

次回「コミュニケーション広場6」は、1月27日(日)10時〜12時に東京ウィメンズプラザで実施します。
今回のテーマは、(1)今年の私を、漢字一字であらわすと・・・ 新年に向けて、何か目標を決めましたか?「今年はこんなことをしてみたいな」とか、「こんな私でいたい」など、いろいろとお考えかもしれません。2019年最初の時間は、「漢字1文字」です。お話ししながら、今年の私をイメージしましょう。
(2)変えるとしたら、やめるとしたら・・・ 学ぶことに一生懸命な時、人によっては、自分のやることばかり増やして負担を感じたり疲弊することがあります。自分に変化を起こすためのSSC(Start, Stop, Change)について、一緒にお話ししましょう。
どうぞ、あなたのお悩みを教えてください。今後のテーマになるかも・・・

なお、「コミュニケーション広場7」は2月17日(日)、「コミュニケーション広場8」は3月24日の予定です。                     

 <開催概要>
◆日 時 1月27日(日)10:00〜12:00(受付開始9:45)
◆会 場 東京ウィメンズプラザ(JR渋谷駅徒歩12分、メトロ表参道駅徒歩7分)
◆参加費 大人2,000円、学生1,000円(当日受付にてお支払いください)
◆定 員 20名(申込先着順)
◆お申込み ホームページのお申込みフォームからエントリーをお願いします
◆お問い合わせ 担当:河本

☆★あなたのご参加をお待ちしています。 お気軽にご参加ください ★☆


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共育コーチング研究会
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info@ciie.jp
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schoolcoach at 05:00│Comments(0)山村 真理子 

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