May 18, 2007

ボラット

BORAT映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習('06/"Borat: Cultural Learnings of America for Make Benefit Glorious Nation of Kazakhstan")の試写会に行ってきた。

カザフスタン国営TVの看板レポーター、ボラット(サシャ・バロン・コーエン)が、アメリカ文化を母国に伝えるべく、NYからLAへと旅しながら方々で取材しまくる(しかも、取材される側は、コトの真相を知らない・・・)という、なんちゃってドキュメンタリー。
監督は、人気TVシリーズ『となりのサインフェルド』や映画『ボブ・ディランの頭のなか』のラリー・チャールズ。製作は、『オースティン・パワーズ』、『ミート・ザ・ペアレンツ』のジェイ・ローチ
脚本にトッド・フィリップスが名を連ねてますけど、元々は彼が監督することになってたんだそうです(IMDbのトリビアより)。ロデオ会場のシーンでサシャ・コーエンと意見が対立して辞めたんだとか・・・。



まずは、説明。
ボラットは、ユダヤ系イギリス人の人気コメディアン、サシャ・バロン・コーエンが、自身の人気番組「Da Ali G Show」のために生み出したキャラ。たどたどしい英語でアブナイ差別発言や無礼・無粋な言動を繰り返すという、大胆不敵かつ風刺のきいたギャグが売り。

イギリス人の笑いには自虐ネタが多い、と知ってはいても、ボラットのユダヤ人攻撃の痛烈さにはギョッとする。「ユダヤ追い祭り」で産み落とされた卵までボコボコにしたり、ユダヤ人を撃つのに適した?銃を物色したり、ユダヤ人夫妻の宿から逃げ出したり。(←ここのゴキブリネタ可愛いw)

ロデオ大会での過激すぎるアジテーション&国歌・・・等々、イキオイで笑かされた後に、「あれ、ここで笑っちゃっていいんか?」と思わされるネタ多数。危ねぇ罠に引っかかるトコだったゼ・・・と思たり、あーもー罠にハマってもいいから笑っちゃえーと開き直ってみたりw

ぃやホント、これまでに観たことがないような映画でした。
"どっきりカメラ" や『ジャッカス』みたいな "リアルへんてこ映像" をただ繋いだモンかと思てたら、ちゃあんと大まかなスジ(流れ)あってミョーに感心w 分かっちゃいたけど、思てた以上に、ものスゴ知能犯/確信犯的なんやなーと、さらに感心。

・・・なのに、全然インテリ臭が鼻につかないばかりか、とにかくボラット、憎めないキャラなのがスゴイ!!!
(サシャ・コーエンには若干の?悪意があるにしても)ボラットからは全く悪意が感じられない、のは、悪意以前の問題ってくらい無知なキャラ設定にしてるのがポイントか。(あ、あの毒々しいようでピュアな笑顔も高ポイントねw)

あと、サシャのボラットなりきりっぷりがスゴイ!!!本当、身も心もカザフスタンからの愛すべき使者に変身、っつかボラットというキャラ(存在)、正直、演じられてるように見えないっ!!!コラ周りがそうと信じ込むのも当然よなぁ。

皮肉テンコ盛りで、ストレートな笑いの方が少ないくらいなのに、存外ガハガハ笑える。これ全てボラット(サシャ)の力量、すっっっげえーーー!!!!!とまぢ感服いたしました。

その他。
・ニワトリの存在がCUTE☆こーゆーの激ツボですw
・っつか、まさかクマも出てくるとはねww
・ボラット一目ぼれ相手のパメラ(TVシリーズ『ベイウォッチ』etc.)のサイン会・会場が "Virgin"(CD店)てのがナァーイス☆(パメラが処女かどーかって話をしてましたから。)
・ボラットの相方(Ken Davitian)もすげえよね!2人素っ裸でくんずほぐれつシーンのまぢ迫力ったらw
・アイスクリーム屋の車、可愛い♪
・「ヤグシェマシュ!」と「チンクイェ!」はちょい恥ずかしいけど、「ハイ・ファイブ!」と「ナァーイス!」は流行らせたいと思います。(とりあえずウチん中だけでw)



そうそう、試写会冒頭、デイブ・スペクター氏によるトークショー有。
開口一番、「『ゲゲゲの鬼太郎』試写会によーこそ。ウェンツです」w
実はデイブ・スペクター大好きなんですけど(照)、TVで見るよか更に面白かった〜!!!

この日「ボラッ党」党首に就任したデイブ氏が公式HPの中で上手いこと書いてたんで(しかも、真面目にw)、
シメにこれ引用さして貰います。
今の世の中、何に関しても、気を使いすぎて、自粛して、何も茶化したりできない時代(特に発展途上国についてや、日本における韓国・中国についてなど)の中で、リスクを恐れず、この映画をよく作ったと感心します。
ある種時代に逆行しているのですが、異文化に対する配慮がないことをあからさまにすることが逆に気持ちが良いのです。
この映画は、もしかするとそういう規制の中での反動から生まれた映画かもしれません。20年前ならこの映画は絶対に生まれていないだろうと思います。


cite at 19:44│ │映画 | 映画--ハ行

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製作:2006年アメリカ  監督:ラリー・チャールズ 出演: サシャ・バロン・コーエン、ケン・ダヴィティアン 他 【STORY】 カザフスタン国営テレビの看板レポーターのボラットが、“祖国”カザフスタンの発展のためにアメリカの文化を学び、カザフスタン国民へ向けてレポー...

この記事へのコメント

1. Posted by Michara   May 19, 2007 19:44
citeさん、こんばんは〜。試写会でデーブ・スペクターまで拝めちゃったんですか? すごー、うらやましー。

citeさんのレビュー読んで、『ボラット』がますます楽しみになりましたが、こっちでは公開されるかどうか。でも、危ぶまれてた日本公開が実現しただけでもメデタイ!!
2. Posted by pskenji   May 21, 2007 21:45
ボラットご覧になったんですね!

High faaaive!

普段フラットパックの映画をみてるとこういう攻撃的な
コメディが新鮮に感じますw
ホントに広意義に考えればジャッカス系ですからねぇ
韓国で日本人が同じような映画を作ったら恐ろしい事に
なりますし、ある意味アメリカの懐の大きさを知れますよね。(FBIまで出動しましたけどw)

劇場にも行こうと思ってますが、日本語訳はNaaaaiceでしたか?
3. Posted by cite   May 22, 2007 01:47
◆Michara姐さん
生デーブ、見ちゃいましたよ、うふふー♪
でもでも残念なことに、2階に座ってたんです私。(1階がフラットな会場だったんで。)1階の人は一緒に "ボラットひげ" 付けて写真撮ったりと楽しそうで、、、くやしぃーーー!!!

映画はほんっと、めたくそ面白かったです!!!!!
ボラット、エグエグなキャラかと思てたら、存外かわいーんですよー☆ とんでもない行動・言動のオンパレードやのに、ぜんぜん憎めないんです。そんなボラットをカンペキに演じきった(ぃや本当!演じてるように見えないんですよぅ!)サシャ・バロン・コーエン、何かまぢスッゲーーーナァーーーイス!!!!!といまだ興奮冷めやらぬ状態の私w
4. Posted by cite   May 22, 2007 02:38
◆pskenjiさん
High faaaive!! (=゚ω゚)人(゚ω゚=)

> 普段フラットパックの映画をみてるとこういう攻撃的な
> コメディが新鮮に感じます
たしかに。(モンティパイソン直系の)イギリス人の笑いは、アメリカーンなおバカ・コメディとは自虐・皮肉っぷりが違うなぁと、改めて。
つかSNLも当初はモンティパイソンをお手本にしてたそうで、実際、初期のSNLは今と違って相当に毒があり過激だったと言いますよね。
デーブ・スペクター氏が書いておられるように、「ある種時代に逆行」「規制の中での反動から生まれた映画」だからこそ新鮮なのであって、(差異/差別を笑うという)根本はシンプルでオーソドックスという気もします。そしてソコをこのタイミングで突いたのが実にナァーイス!といたく感心!!!

> 日本語訳はNaaaaiceでしたか?
ヒアリング不得手ゆえ、訳の正確さについては??ですが、とりあえず、「ナァーイス!」「ハイ・ファイヴ!」みたく、どーにも上手く訳せそうにないのは、まんまカタカナにしてくれてて良かったです♪
5. Posted by Michara   July 16, 2007 15:02
3連休最終日にようやく感想アップしました。
すっかり忘れちゃってて、ボラットとアザマットの全裸相撲しか実は思い出せません...(笑)。

6. Posted by cite   July 18, 2007 00:29
◆Michara姐さん
> 3連休最終日にようやく感想アップしました
おぉ姐さま、お待ちしておりました♪
> ボラットとアザマットの全裸相撲しか実は思い出せません
またまた、ご冗談を!ってかレビュー拝見しましたよう〜。しっかりきっちり書かれてるぢゃないですかっ☆