November 17, 2009
メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬
映画 『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』 ('05/"The Three Burials of Melquiades Estrada") を観た。製作・主演も兼ねたトミー・リー・ジョーンズの初監督作品。 昔気質の老カウボーイと、罪を犯した未熟な国境警備員が、死者と共に約束の地を目指す姿が描かれている。 ロードムービーとしても秀逸で、2005年カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞と脚本賞に輝いた実力作。 (←Yahoo!映画より引用)
評判良いんでずっと観たかった映画、いゃあーーーーー噂に違わず、素晴らしい!!!!! カンヌで15分間のスタンディング・オベーション、って納得!!!だなぁーーー。 だってそれくらい、すごい、、、何だろう、この、、、映画らしさ! ただ、一人の男が殺されて、その男を故郷まで運ぶっていう、、、ただそれだけなのに "見せる" 力。 セリフだけでなく、映像/圧倒的な力を持つ風景と、音楽(←DVD特典映像見たら、音楽へのこだわり方もハンパなく、感心しまくり!)、そして、構成・展開で、観る者の心をじわじわつかんでくる、この感じ!! この総合力/相乗パワーは、"映画" ならでは、のもの。 その、まさに "映画用" として作られた脚本がまず素晴らしい! トミー・リーが関わってるから(←そもそもこの企画は、脚本家のギレルモ・アリアガとトミー・リーがハンティング仲間で、メキシコとの国境をモチーフにした映画を作ろう、ってことからスタートしたらしい)、尚更そう思うのかもだけれど、ちょっぴり、コーマック・マッカーシーの小説(国境3部作)にも手触りが近いストーリー。(※トミー・リーはマッカーシーとお友達) 国境を越える、ってのは、何か、、、大いなる使命を持って、大きな困難を乗り越えるということ。 そして、その過程で、人が成長していくって点が似てるのか。あと、やや暴力的なところもw それに加えて、この物語が主軸に据えているのは、"男の友情" もしくは "男気" というもの。 それが、たまらなく良くて、泣けるんだ!!!!! 打算も何もなく、ただ、友情のために、約束を果たさんとし、罪を償わせようとする男。 くぅーーーーーっっっ!!!(泣) 死んじまっても、友は友のままで、、、故郷に帰る時ゃ一張羅を着せてやらないかん、アリんこに食われるのも、腐るのも阻止せなあかん、髪もたまにはきちんと梳かして・・・こっけいなまでに、友情のために "義理" をつくす男の姿は、、、こっけいなのに、涙が出る・・・。
その友情をいきなしどかっと見せつけず、、、っつか物語の全体像を、時系列ちゃんぽんにして(わざと)分かりにくく見せていくのも、ものすごく効果的だった。 時系列どおりに並んでたら、単調に感じたと思うし、、、ここまで友情がじわじわ心に沁みたか、事件があそこまで悲劇的なものに感じられたか、どうか。 何つか、、、時おりはさまれる "過去" が蓄積していくことによって、じわじわ、きいてくる感じ。 この "じわじわ感" が、めちゃくちゃ、きいた。
荒涼とした風景と熱い友情、静寂と暴力、不義と男気、国境のあちら側とこちら側・・・って対比も素晴らしく、、、それから、トミー・リー・ジョーンズがとにかく素晴らしかった!!! 共演のバリー・ペッパーも、複雑な内面を持つ難役しかもボコボコにされまくりなのをw よぅ演じきった! 女優陣(ジャニュアリー・ジョーンズ、メリッサ・レオ)は、物語に花を添えつつ、寂しさ、切なさを深める役割も。 それから、印象に残るシーンも沢山あった。 盲目の爺さんが、「ひとつ頼みがある。殺してくれんか」っていう場面や、ピートとメル、女性2人が車から流れる音楽に合わせて踊るシーン、ヒメネスの家をきれいにして、"ここがヒメネス" って小さな看板を掲げるシーン・・・なんかは、今も思い出すだけで涙が出る。
で、そうだ、 "ヒメネス" について。 ヒメネスとは一体、、、何だったんだろう? 本当に(かつて)あったのか? メルの持っていた写真は一体?? それらは最後まで明らかにされない。 でも、それでいいんだよなぁと思う。 全てを描ききる必要はないから。 その部分は(あえて)含みを残して、観客の想像力に委ねられたんだと思う。 物語をさらに豊かに、完結しないものにするために・・・。 そう、だから、観終えてしばらく、ヒメネスは何なのかを考えさせられた。 結論は出ないから、今も考える。 ヒネメスは、、、恐らくメルの「理想郷」で、、、それは、「死んだら天国に連れてってくれ」てのと同じような意味だったのではないか?とか。 まぁ、しばらくは結論を出さず、余韻を楽しみたいと思う。 それくらい、素晴らしい映画。 舞台設定&トミー・リー・ジョーンズってことから、つい比べてしまうけど、個人的に、『ノーカントリー』と匹敵するくらい優れた作品と思う!!! 本当にほんとーーーに、観て良かった!!!!!
※追記:
この映画でも素晴らしい演技を見せていたメリッサ・レオの主演作、『フローズン・リバー』がようやく日本公開決まったとのこと!→■ シネマライズさん、素晴らしいっ!!!!!
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この記事へのコメント
1. Posted by さばく January 09, 2010 15:19
ほんとほんと、見てよかった〜。citeさんの評は見た後に読ませてもらったのですが、すべてまさにその通り!ドワイト・ヨーカム演ずる保安官とピートの関係も好きだったなぁ。ぴちぴちパンツが笑えるし。(コ)も見ながら「ちょっとコーマック・マッカーシーぽくていいね」と言っていて見終わったら「もしかしてこれもciteさんのブログから?」と選択の良さに感動してます。
2. Posted by cite January 10, 2010 10:06
◆さばくさん
見て&気に入って貰えてすっご嬉しーーーい!!!
「ちょっとコーマック・マッカーシーぽくて」って、わおぅ! (コ)さん!! 本当そうですよねー!!!
私もすんごぃそう思ってたんで、さらに嬉しい!!!!
好きな場面がいっぱいあって、いまだにところどころ思い出すたび、じんわり、胸があつくなります。
あぁぁ、もっかい見たくなってきた・・・。
P.S. フラコ・ヒメネスのCDを、映画見たあと思わず衝動買いしてしまいましたw
見て&気に入って貰えてすっご嬉しーーーい!!!
「ちょっとコーマック・マッカーシーぽくて」って、わおぅ! (コ)さん!! 本当そうですよねー!!!
私もすんごぃそう思ってたんで、さらに嬉しい!!!!
好きな場面がいっぱいあって、いまだにところどころ思い出すたび、じんわり、胸があつくなります。
あぁぁ、もっかい見たくなってきた・・・。
P.S. フラコ・ヒメネスのCDを、映画見たあと思わず衝動買いしてしまいましたw









