2018年01月08日

≪連絡≫2017年「世界のキリスト教・注目ニュース」

≪連絡≫2017年「世界のキリスト教・注目ニュース」

 CJC通信を発信する『世界キリスト教情報』は1月8日、2017年の「世界のキリスト教・注目ニュース」をまとめました。

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◎ポピュリズムは「ヒトラー生む」と教皇
 教皇フランシスコは1月21日付のスペイン紙『パイス』に掲載されたインタビューで、ポピュリズム(大衆迎合主義)がナチス・ドイツの独裁者ヒトラーのような「救世主」を生み出すと警告した。
 教皇は「欧州のポピュリズムの例は(ナチス政権が誕生した)1933年のドイツだ」と指摘。「ドイツはアイデンティティーを取り戻す指導者を求め、そこに現れたのがヒトラーだった。彼は国民に選ばれ、国民を破滅させた」と述べた。
 さらに、当時のドイツがアイデンティティーを守るために「壁と有刺鉄線」で自国を防衛しようとしていたと語り、メキシコとの国境に壁を建設し不法移民の流入を阻止しようとするトランプ大統領の構想を批判した。
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◎クムランで60年ぶり12番目の洞窟発見、写本は見つからず
 イスラエルの国立へブライ大学は2月8日、死海の北西岸に位置するクムラン西部の岸壁で、死海文書が保存されていたとみられる12番目の洞窟を発見したと発表した。死海文書の洞窟が発見されるのは60年ぶり。ただ写本自体は20世紀中頃の鉄製のつるはしが2本見つかったことから、アラブの遊牧民族が写本を奪い去った可能性が高い。
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◎司祭不足に教皇が既婚男性の聖職者任命検討へ
 教皇フランシスコが、司祭の不足に対処するため既婚男性の聖職者就任を前向きに検討する方針を示した。米メディア『CNN』が3月11日、ドイツ週刊紙『ディー・ツァイト』とのインタビューの中で明らかにしたと報じている。
 教皇は、聖職者の不足が教会にとって大きな問題になっていると指摘したうえで、聖職者就任資格をめぐる規則の改正に前向きな姿勢を示唆したもの。
 「ビリ・プロバティ(ラテン語で『信頼できる男性』を意味する言葉で、信仰や美徳の面で優れた既婚男性のこと)が選択肢となり得るか検討する必要がある」と教皇は述べた。
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◎エジプトのコプト教会連続爆発、『イスラム国』が犯行声明
 エジプト北部ガルビーヤ県の県都タンタと地中海沿岸のアレクサンドリアで4月9日、コプト教会で相次いで爆発が起き、少なくとも44人が死亡、100人以上が負傷した。過激派組織『イスラム国』が犯行声明を出した。
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◎ファティマの牧童フランシスコとジャシンタ聖人に
 教皇フランシスコは5月13日、ポルトガル訪問の目的地ファティマでミサを捧げ、同地での聖母出現100年を祝うと共に、聖母の出現に会ったフランシスコ・マルトとジャシンタ・マルトの牧童2人を聖人の列に加えた。
 カトリックの教会暦で「ファティマの聖母」を記念するこの日、ファティマの聖母巡礼地には、世界中から熱心な信者らが集い、教皇と共に聖母への崇敬を新たにし、フランシスコとジャシンタ兄妹の列聖の喜びを分かち合った。
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◎教皇が途上国からも含め新枢機卿5人指名
 教皇フランシスコは5月21日、5カ国から新たに5人、ラオス、マリの途上国とスペイン、スウェーデン、エルサルバドルから各1人の枢機卿を指名したと発表した。
 欧州中心主義のカトリック教会の改革を目指す教皇は、伝統に縛られず多様性を重んじた教会改革を推進し、これまでにもアジアやアフリカ、中南米などの出身者を重用している。
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◎教皇が『貧しい人たちの日』を制定
 教皇フランシスコが6月13日、カトリック教会の記念日として、「貧しい人のための世界祈願日」を新たに制定した。
 教皇は、『いつくしみの聖年』の終了後も、全世界のキリスト教共同体が、最も貧しく助けを必要とする人たちへのキリストの愛をより具体的に証しすることを願った。
 「貧しい人のための世界祈願日」は、典礼暦の年間第33主日に定められた。
2017年度は11月19日。
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◎中国の民主活動家でノーベル賞受けた劉暁波氏が死去
 中国の民主活動家でノーベル平和賞受賞者の劉暁波氏が7月13日、多臓器不全のため遼寧省・瀋陽の病院で死去した。61歳。
 劉氏は妻、劉霞さんや兄、弟など親族に見守られて亡くなった。その際、劉氏は霞さんに、「幸せに暮らしてほしい」との言葉を残したという。
 劉氏は、「非暴力」を貫きつつ、中国共産党の独裁を批判し、民主化運動の象徴となっていた。
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◎福音宣教省長官フィローニ枢機卿が日本を司牧訪問
 バチカン福音宣教省長官のフェルナンド・フィローニ枢機卿が9月17日から26日まで日本を司牧訪問した。
 10日間の日程で各地を訪れ、聖職者・修道者・神学生・信者ら、日本のカトリック共同体と交流しながら、日本の教会の今日の状況に接した。
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◎ICANがノーベル平和賞、WCCと共同記者会見
 ノルウェー・ノーベル委員会は10月6日、今年の平和賞を2007年発足した国際NGO『核兵器廃絶国際キャンペーン』(ICAN)に授与すると発表した。賞金900万スウェーデン・クローナ(約1億2400万円)。
 ノーベル委員会のベリト・レイス=アンデルセン委員長は、核兵器を条約で禁止しようとするICANの「画期的な努力」を授賞理由に挙げた。
 「私たちは、核兵器使用の危険が、ここしばらくなかったほど高まっている世界に生きている」と委員長は述べ、北朝鮮危機に言及した。そして核保有国に対して核兵器の段階的な廃絶に向けた交渉を開始するよう呼びかけた。
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◎米テキサス州の教会で礼拝中に銃乱射27人死亡
 米テキサス州南東部サンアントニオ郊外にあるサザーランドスプリングスの『ファースト・バプテスト教会』で11月5日、日曜礼拝中に、ライフルで武装した男が歩いて教会に入り銃を乱射、少なくとも27人が死亡、24人以上が負傷した。同教会の朝の礼拝には、普段約50人が参加している。
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◎バチカンで核兵器廃絶と軍縮をめぐる国際シンポジウム
 11月10日、バチカンのシノドスホールで「核兵器の無い世界と統合的な軍縮に向けての展望」をテーマに、国際シンポジウムが2日間の日程で開催された。
 7月7日にニューヨークの国連本部で開かれた会議で「核兵器禁止条約」(核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約)が、国連加盟国193カ国のうち、124カ国参加のもと、賛成122票、反対、棄権各1票で採択されている。
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◎シナイ半島でモスク襲撃され184人死亡
 エジプト東部シナイ半島北部アリーシュ近くで11月24日、武装集団がモスク(イスラム礼拝所)を襲撃し、少なくとも184人が死亡、120人以上が負傷した。国営テレビなどが伝えた。金曜礼拝に訪れた人々を狙ったとみられる。
 シナイ半島では過激派組織『イスラム国』の傘下の武装組織が活動しているが、これほどの規模の襲撃事件が起きるのはまれ。
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◎トランプ米大統領の「エルサレム首都」認定に世界は戸惑いと反発
 ドナルド・トランプ米大統領が12月6日、エルサレムをイスラエルの首都と認定したことに、世界は戸惑い、反発している。
 中東のイスラム諸国などで8日、「一方的な決定」「撤回せよ」と対米批判が噴出、抗議デモが相次ぎ発生した。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教全てにとっての聖地エルサレムでもイスラム教徒の反発が強まった。
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◎教皇が長崎原爆後の写真「焼き場に立つ少年」配布指示
 教皇フランシスコが12月30日、バチカン広報事務所やバチカン放送など関係メディアに向け、1945年に原爆投下を受けた直後の長崎で撮影された写真入りのカードを配布するよう指示した。
 教皇が年末にカード配布を指示するのは異例。「核なき世界」を訴えてきた教皇が示した強いメッセージと見られる。□



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