2018年11月12日

◎香港の陳日君枢機卿が教皇に中国地下教会への弾圧強調

CJC18328=UC1109◎香港の陳日君枢機卿が教皇に中国地下教会への弾圧強調

《配信番号CJC18324、追加差し替え》

 【CJC】カトリック通信『UCAN』の報じるところでは、香港教区の元司教、ヨセフ陳日君枢機卿は、教皇フランシスコに中国政府非公認の「地下教会」が直面している危機に注意を払うよう訴えた7ページにわたる書簡を手渡すため10月29日から11月1日までバチカン(ローマ教皇庁)を訪問した。

 陳枢機卿は8日、『UCAN』に、司教任命問題でバチカンとの暫定合意後、中国の地下教会の神父らからの「叫び」が届いている、と語った。「神父たちは、地下から出て、中国天主教(カトリック)愛国会に加盟し、暫定合意に教皇が署名したことを理由に、司祭認定を受けるよう当局に強制される」という。

 枢機卿は、合意の中のいくつかが公表されていないので、地下教会の兄弟姉妹はどうすべきかが分からない、と述べた。

 枢機卿は、中国の教会は新たな迫害に直面しており、『聖座』(バチカン)は中国共産党が地下共同体を抑圧するのを助けている、と語った。「わたしは今回も教皇に話そうとした。彼がもう一度考えてくれると期待した。しかしこれが最後かもしれない」と言う。

 書簡で、枢機卿は、どのようにして地下教会が資金を没収され、親族の中に、信仰を理由に投獄されたり、生命まで奪われた聖職者もいる、と伝えた。「しかし『聖座』は聖職者を支持しないで、彼らを問題だとした。問題を起こし、一致を支持しないと見ている。このことが彼らを最も苦しめている」と枢機卿。

 書簡は、中国の教会には司教を選出する自由もないとも指摘している。「教皇は、中国教会の会員は預言者であるべきで、時には政府を批判する、と語った。教皇が中国教会の事情を理解していないことに、非常に驚かされた」と枢機卿。

 9月26日、暫定合意への署名4日後、教皇は中国教会とさらに全教会に向け、合意に署名した理由を、福音宣教を推進し、中国のカトリック共同体に一致をもたらすためだとするメッセージを著わした。

 さらに9月2日から25日までリトアニア、ラトビア、エストニアのバルト3国に司牧訪問を行った際、教皇は専用機内でのメディア会見で、「信仰のために苦難にさらされた人たちに敬意を払うべきだ」、特にナチと共産党に残酷に踏みにじられた今回訪問した3国を、と語った。

 陳枢機卿は、『UCAN』に、教皇の言葉は「彼が3国の歴史が中国教会の歴史と現状でもあることを知らないのだ」と感じさせられたと語った。

 枢機卿は、中国教会の直面している実情を話さない周囲の人たちに教皇がだまされている、と推測する。

 枢機卿は、中国政府との交渉に当たったバチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿を批判した。

 「彼は非常に経験豊かだ。中国の醜い面も見ており、彼らが妥当でないことも分かっている。実際、中国側を信頼していない。外交関係樹立という目的を達成するために利用しているだけだ」と陳枢機卿。

 枢機卿は、教皇ベネディクト16世の在位下に中国教会に送られた書簡(複数)が、文脈を無視したものであり、特に地下教会の存在についてはその通りだった、と強調する。

 「ベネディクト16世は、地下教会自体の異常性について語ったのではない。中国の状況が正常ではなかったのだ。政府介入の意味は、教会が潔白ではありえず、異常な状況に導かれる。そうなれば、司教、司祭、信仰者は地下に行くことになる」と陳枢機卿。

 中国政府が教会に介入し続け、教会員が信仰を純粋に守ろうとするなら、公認教会と地下教会の合同は不可能だ、と枢機卿は語る。

 「わたしたちが死守すべきは教皇だ。彼を攻撃は出来ない。今回、教皇が誤っているなら、彼が過ちを認めてほしい。もしも認めないのなら、未来の教皇が過ちを指摘してほしいと思う。しかし、結局は教皇の最終決定だ。もしもあなたが従えないのなら、無原則が残るだけ。本土の兄弟たちは反抗すべきではない」と枢機卿。

 陳枢機卿はこの1月にもローマを訪問、教皇に書簡を手渡している。今回の懸念の焦点は、中国で公認教会の「違法司教」2人を承認するため、『聖座』が教皇が認知している司教2人に退任を求めたことにあると見られる。□



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