2015年08月

  求人広告を眺め、手当たり次第電話をしたとあくまで仮定して、面接を歓迎して行ってくれるところは何社あるだろうかと予測を立ててみる。思うだけで行動には移さない。自己主張もなければ働く意欲も乏しい。人間関係の構築も不器用な自分が地域社会で社会的に活躍できる可能性など皆無に等しい。おまけに障害者年金を受給してもらっている身分だ。目立って障害らしい障害は現れていないが、良治は躁うつ病とてんかんを併発している。病名は「てんかんに伴う精神疾患」となっている。その精神疾患が躁鬱と確信したのは気持ちの変動が激しいからだ。一定の周期でジェットコースターのように気分が上がったり下がったりを繰り返している。それをなんともないと言い聞かせ、冷静さを装うのは過度に神経を摩耗してしまう。表面的には平然としているが、胸中は穏やかではない。不規則な感情の波を整理できずに不安に苛まれることは以前よりは頻度は減ったが、それでも時折津波のように襲ってくる。

  永遠に抜け出せない底なし沼に嵌っていくような、そんなどうしようもなく救えない気持ちに縛られる。これをあと何度体感したらいいのだろうかと思うと途方に暮れる。もう心身ともに疲弊していると、だからこそ癒しが欲しいと切望する。

禁煙していたが、どうも口が寂しくなり、コンビニで買った煙草に火を点ける。手の中で弄んでいたライターはほんのりと熱を帯びていて温かい。久し振りに吸うので咽た。禁煙体質になろうとしていたのだと気付く。
 だがたった一本吸っただけで、身体は煙草を際限なく欲しがるだろう。どうして国はこんな身体に有害な商品を堂々と売っているのだろうか。吸いながら、不意に舌打ちが漏れる。
 煙草を毒だとふたたび認識した良治はまだ一本しか抜き取っていない煙草のケースを握り潰しそうになる。指先に力が入り、心底から煙草を憎いと思う。潰せない代わりに、違う行動を選ぶ。「次こそ禁煙」と、A4の紙に黒マジックで大きく縦書きにし、押しピンで壁に貼り付ける。押しピンの先端が、すっとなんの抵抗もなく刺さった感覚は、思いのほか心地良い。

 煙草はあっという間に灰になった。少し眩暈がしたのでベッドに横になった。呼吸が乱れていたので深呼吸をした。そのまま目を瞑ると海の底に沈んでいく光景が浮かび上がってきた。どこまでも透き通る海の青さは、雲一つない夏の午後の空を想わせた。

認知行動療法について。

短気な性分を治したい。と、いうわけで支援員に相談しました。

自分が「そのこと」に、どう感じたかを記録する。

返ってきた答えは明確だった。 

それにしてもひさしぶりに投稿します。

小説は書けないけど、でもなにかを書きたい。

飢え。 


空腹は満たされましたが、想像力の欠如は満たされない。どうやらそろそろ潮時かな。

無力。 

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