MBA志願者の方から長江商学院MBAに関するご質問をいくつか受けましたので、
そのご回答を共有させていただきます。
質問1.金融業界等の中国ビジネスネットワーク構築可能性
ClassmateやAlumniのバックグランドの金融出身比率の高さは感じられますか?
また、今年度からスタートしたMentorship Programは、具体的にはどのような交流が予定されていますか?
その他、大学が提供するネットワーキングの機会はありますか?
回答1.
長江商学院は中国大陸の中ではトップクラスのビジネススクール(2010年フォーブズランキング(香港除く)でMBA5位、EMBA1位)で、一般のビジネスマンの間では評価はすこぶる高いです。
特に、長江商学院MBAは金融に強い実績、EMBAはトップマネジメント教育に定評があります。
クラスメイトの金融出身者は20%弱とそれほど高くはありませんが、卒業後のキャリアとして金融を目指す人は多いです。MBA08年生は半数が卒業後、金融関係の仕事に就いたと聞いています。
教授陣は欧米のトップビジネススクールと比べても遜色ないレベルで、十分な質は確保できていると思います。長江商学院は潤沢な資金を活用し、世界中から中国人のトップクラスの教授を招き、教授の質を確保しています。
毎年1月に開かれる当校主催の三亜フォーラムでは、長江商学院卒業生(EMBA、MBAなど)や中国経済界トップが約1000人集まるなど、長江商学院の中国でのビジネスネットワークは他のMBAを凌駕しています。
EMBA卒業生は設立8年にかかわらず、既に5000人を超えており、これからさらに拡大していきます。
このネットワークに日本人がアクセスできるのは本当に大きな強みで、将来のビジネスポテンシャルを強く感じざるを得ません。
今年のMentorship Programは12名のEMBA出身者から構成され、どの方も企業の社長やトップの方ばかりです。金融、消費財、エナジー、起業家などバラエティに富んでおり、自分の好きなメンターを選ぶことができます。(英語が話せないメンターは中国人クラスメイトのみとなりますが)
私のメンターはアメリカのM&Aブティックで有名なラザードの中国大陸の総責任者で、月に1回ディナーに行ってビジネスやプライベートの話などをしています。
長江商学院からもネットワーキングの機会の提供は頻繁にあります。
ただ、今は授業やクラスメイトとの交流などで忙しく、あまり積極的には参加していませんが。
質問2.授業における議論の質
授業の議論の質はいかがでしょうか?
また、中国の法制度や慣習等の事情を加味した議論など、具体的又は実践的な議論が展開されるのでしょうか。
回答2.
中国人クラスメイトの議論の質はかなり高いと思います。
特に私は英語で苦戦していますが、中国人クラスメイトは英語ネイティブレベルが多数おり、授業での発言や議論の活発さは、私が想像していたレベルを超えています。
今は基礎的な科目が中心のモジュール1、2が終了した段階で、
モジュール3以降の選択科目に入ってくると、さらに議論の質は上がってくると思います。
中国の法制度や慣習等の事情を加味した議論は、モジュール5(チャイナモジュール)で行われると聞いております。
質問3.日常の過ごし方
1年MBAはスケジュールが厳しいイメージがありますが、カリキュラム以外の自由時間はどの程度あるのでしょうか?中国語学習や対外交流にあてる事を想定しています。
回答3.
忙しさは、どれだけ授業に真剣に取り組むかで大きく変わってくると思いますが、基本的に忙しいです。
私の場合、モジュール1、2は朝9時から夜の12時まで授業の予習、復習をして(もちろんランチやディナーで休みを取りつつ)、その後、中国語の勉強をしたりしていますので、日本で働いていた時とあまり変わらない日々です。(もちろん仕事のプレッシャーに比べれば、楽ですが)
卒業生からはモジュール4以降から比較的自由時間が増えていき、授業以外の勉強や交流にも精力が出せると聞いています。
対外交流に関しては、私は北京で働く日本人ビジネスマンに会うようにしています。
北京ではエネルギッシュな日本人が多く、皆ここ中国で夢や希望を描き、奮闘されている方ばかりですので、とても良い励みになります。
北京での日本人ネットワークは広いので、自分次第でいくらでも人脈を広げることができると感じています。
質問4.中国語学習に関して
中国語の学習開始時期や勉強方法、学校が提供する中国語講座について教えてください。
回答4.
中国語はできるだけ早めに開始し、入学までにある程度中国語が話せる状態までもっていくことをお勧めします。
北京といっても、町中では英語はほとんど通じません。
日常会話の際、中国人クラスメイト同士では中国語を使いますし、中国でビジネスをするなら中国語は必須ですので、中国語のプレッシャーを痛いほど感じる毎日です。ただ、うまくこのプレッシャーを武器に、この1年間のMBAの間に、英語と中国語を同時マスターしようと狙っております(とても大変なのは身にしみて分かっていますが、挑戦しがいがあります)。
私は昨年5、6、7月に中国語を全くの初心者から日本で始め、8月から北京入りし、北京語言大学で1ヶ月中国語集中コース、9月から別の私立の中国語学校で1ヶ月勉強しました。
学校が提供する中国語講座はモジュール3(2月半ば)からスタートし、10月終わりまで続きます。毎週水曜日に3時間あり、レベルによって3クラスに分かれ、会話を中心に学習します。
質問5.選考プロセスでの面接
選考過程の中で、面接があると思いますが、日本人出願者は、北京まで行く必要があるのでしょうか?
また、面接はどの程度の時間を要するものでしょうか?
回答5.
私の場合は、面接は電話で20分程度行われました。書類通過後、1週間後でした。確か5人ぐらいの面接官がおり、以下のような質問をされたと記憶しています。
・自己紹介(主に履歴書やエッセイで書いた内容から、強調したい内容をアピールしました)
・なぜ中国MBAなのか、なぜ長江商学院なのか
・卒業後の進路を現在どのように考えているのか
・特に中国語を話せないと中国で働くのは難しいが、どう中国語に取り組むのか
・質疑応答
質問6.他校のプログラムの検討について
回答6.
私は、会計士、外資投資銀行、ベンチャーという経験ですので、2年のプログラムは長いと感じ、1年プログラムを探していました。
リーマンショック後、世界は一気に中国に注目が集まり、その流れに乗って、私の関心も欧米MBAから中国MBAに移っていきました。
中国MBAの中では実質1年のプログラムは長江商学院だけだと思います。
それ以上になぜ長江商学院に魅力を感じたかというと、ベンチャー精神というか学校の勢いというかウェブサイトや学校案内のパンフレットからだけでも強く感じました。実際にキャンパスビジットをした際も感じました。
私はMBAの前職はベンチャーで働いていましたので、このベンチャー的なノリが大好きです。
また、他のマンモス校と比べて、ファミリー的要素が強く、約60名というクラスの規模も繋がりが強く保てると考えました。
実際、私のクラスメイトはみないいやつで、とても尊敬できますし、信頼しています。お互い助け合い、バカできる仲間で、本当に長江商学院を選んでよかったと感じています。