中国MBA(長江商学院MBA2010)留学ブログ

アジアで最も成功した企業家として知られている李嘉誠氏が創立者である長江商学院のMBA留学ブログです。 北京での1年間の奮闘生活を綴っています。

2011年01月

MBA志願者からの質問へのご回答

MBA志願者の方から長江商学院MBAに関するご質問をいくつか受けましたので、
そのご回答を共有させていただきます。

質問1.金融業界等の中国ビジネスネットワーク構築可能性
ClassmateやAlumniのバックグランドの金融出身比率の高さは感じられますか?
また、今年度からスタートしたMentorship Programは、具体的にはどのような交流が予定されていますか?
その他、大学が提供するネットワーキングの機会はありますか?


回答1.
長江商学院は中国大陸の中ではトップクラスのビジネススクール(2010年フォーブズランキング(香港除く)でMBA5位、EMBA1位)で、一般のビジネスマンの間では評価はすこぶる高いです。
特に、長江商学院MBAは金融に強い実績、EMBAはトップマネジメント教育に定評があります。
クラスメイトの金融出身者は20%弱とそれほど高くはありませんが、卒業後のキャリアとして金融を目指す人は多いです。MBA08年生は半数が卒業後、金融関係の仕事に就いたと聞いています。
 
教授陣は欧米のトップビジネススクールと比べても遜色ないレベルで、十分な質は確保できていると思います。長江商学院は潤沢な資金を活用し、世界中から中国人のトップクラスの教授を招き、教授の質を確保しています。
 
毎年1月に開かれる当校主催の三亜フォーラムでは、長江商学院卒業生(EMBA、MBAなど)や中国経済界トップが約1000人集まるなど、長江商学院の中国でのビジネスネットワークは他のMBAを凌駕しています。
EMBA卒業生は設立8年にかかわらず、既に5000人を超えており、これからさらに拡大していきます。
このネットワークに日本人がアクセスできるのは本当に大きな強みで、将来のビジネスポテンシャルを強く感じざるを得ません。
 
今年のMentorship Programは12名のEMBA出身者から構成され、どの方も企業の社長やトップの方ばかりです。金融、消費財、エナジー、起業家などバラエティに富んでおり、自分の好きなメンターを選ぶことができます。(英語が話せないメンターは中国人クラスメイトのみとなりますが)
私のメンターはアメリカのM&Aブティックで有名なラザードの中国大陸の総責任者で、月に1回ディナーに行ってビジネスやプライベートの話などをしています。
 
長江商学院からもネットワーキングの機会の提供は頻繁にあります。
ただ、今は授業やクラスメイトとの交流などで忙しく、あまり積極的には参加していませんが。
 
 

質問2.授業における議論の質
授業の議論の質はいかがでしょうか?
また、中国の法制度や慣習等の事情を加味した議論など、具体的又は実践的な議論が展開されるのでしょうか。


回答2.
中国人クラスメイトの議論の質はかなり高いと思います。
特に私は英語で苦戦していますが、中国人クラスメイトは英語ネイティブレベルが多数おり、授業での発言や議論の活発さは、私が想像していたレベルを超えています。

今は基礎的な科目が中心のモジュール1、2が終了した段階で、
モジュール3以降の選択科目に入ってくると、さらに議論の質は上がってくると思います。

中国の法制度や慣習等の事情を加味した議論は、モジュール5(チャイナモジュール)で行われると聞いております。
 


質問3.日常の過ごし方
1年MBAはスケジュールが厳しいイメージがありますが、カリキュラム以外の自由時間はどの程度あるのでしょうか?中国語学習や対外交流にあてる事を想定しています。


回答3.
忙しさは、どれだけ授業に真剣に取り組むかで大きく変わってくると思いますが、基本的に忙しいです。
私の場合、モジュール1、2は朝9時から夜の12時まで授業の予習、復習をして(もちろんランチやディナーで休みを取りつつ)、その後、中国語の勉強をしたりしていますので、日本で働いていた時とあまり変わらない日々です。(もちろん仕事のプレッシャーに比べれば、楽ですが)


卒業生からはモジュール4以降から比較的自由時間が増えていき、授業以外の勉強や交流にも精力が出せると聞いています。

対外交流に関しては、私は北京で働く日本人ビジネスマンに会うようにしています。
北京ではエネルギッシュな日本人が多く、皆ここ中国で夢や希望を描き、奮闘されている方ばかりですので、とても良い励みになります。
北京での日本人ネットワークは広いので、自分次第でいくらでも人脈を広げることができると感じています。



質問4.中国語学習に関して
中国語の学習開始時期や勉強方法、学校が提供する中国語講座について教えてください。


回答4.
中国語はできるだけ早めに開始し、入学までにある程度中国語が話せる状態までもっていくことをお勧めします。
北京といっても、町中では英語はほとんど通じません。
日常会話の際、中国人クラスメイト同士では中国語を使いますし、中国でビジネスをするなら中国語は必須ですので、中国語のプレッシャーを痛いほど感じる毎日です。ただ、うまくこのプレッシャーを武器に、この1年間のMBAの間に、英語と中国語を同時マスターしようと狙っております(とても大変なのは身にしみて分かっていますが、挑戦しがいがあります)。
 
私は昨年5、6、7月に中国語を全くの初心者から日本で始め、8月から北京入りし、北京語言大学で1ヶ月中国語集中コース、9月から別の私立の中国語学校で1ヶ月勉強しました。
 
学校が提供する中国語講座はモジュール3(2月半ば)からスタートし、10月終わりまで続きます。毎週水曜日に3時間あり、レベルによって3クラスに分かれ、会話を中心に学習します。

 

質問5.選考プロセスでの面接
選考過程の中で、面接があると思いますが、日本人出願者は、北京まで行く必要があるのでしょうか?
また、面接はどの程度の時間を要するものでしょうか?
 
回答5.
私の場合は、面接は電話で20分程度行われました。書類通過後、1週間後でした。確か5人ぐらいの面接官がおり、以下のような質問をされたと記憶しています。
 
・自己紹介(主に履歴書やエッセイで書いた内容から、強調したい内容をアピールしました)
・なぜ中国MBAなのか、なぜ長江商学院なのか
・卒業後の進路を現在どのように考えているのか
・特に中国語を話せないと中国で働くのは難しいが、どう中国語に取り組むのか
・質疑応答
  
 
質問6.他校のプログラムの検討について


回答6.
私は、会計士、外資投資銀行、ベンチャーという経験ですので、2年のプログラムは長いと感じ、1年プログラムを探していました。
リーマンショック後、世界は一気に中国に注目が集まり、その流れに乗って、私の関心も欧米MBAから中国MBAに移っていきました。
中国MBAの中では実質1年のプログラムは長江商学院だけだと思います。
 
それ以上になぜ長江商学院に魅力を感じたかというと、ベンチャー精神というか学校の勢いというかウェブサイトや学校案内のパンフレットからだけでも強く感じました。実際にキャンパスビジットをした際も感じました。
私はMBAの前職はベンチャーで働いていましたので、このベンチャー的なノリが大好きです。

また、他のマンモス校と比べて、ファミリー的要素が強く、約60名というクラスの規模も繋がりが強く保てると考えました。
実際、私のクラスメイトはみないいやつで、とても尊敬できますし、信頼しています。お互い助け合い、バカできる仲間で、本当に長江商学院を選んでよかったと感じています。

遠藤教授のブログより 「上海訪問記」

長江商学院の遠藤教授のブログに「上海訪問記」がありましたので、転載します。
今の上海の様子やMBA学生たちの日本企業への関心の高さがこのコラムから読み取れます。

上海訪問記(1):http://isaoendo.com/column/76.html
上海訪問記(2):http://isaoendo.com/column/77.html

上海訪問記(1)

 10月12日から5日間、中国・上海に行ってきました。今回の主目的は私が客員教授を務めている中国のビジネススクール、長江商学院での集中講義です。2回に亘って、上海の印象をお届けしたいと思います。
 先週から中国各地での反日デモのニュースが報じられていますが、上海はまったくそうした様子はありませんでした。上海万博もまだ開かれているので、警備も厳しく、とてもデモができるような状況ではありません。その分、警備の手薄な地方で、意図的にデモが仕掛けられているのでしょう。
 上海の勢いは相変わらずです。但し、どうもその充満したエネルギーの中に、不健全なものを感じます。粗々しいというか、ギスギスしているというか鬱積した不満みたいなものがここかしこに露呈しています。
 たとえば、もともと中国の車の運転の荒っぽさは定評がありますが、今回は滞在中の5日間に3回も交通事故を目撃しました。私自身が乗っている車も「あわや!」ということが何度もありました。

 中国における「格差」の拡大は、近い将来深刻な社会問題になることが必至です。富める者はどんどん豊かになり、貧しい人たちとの格差は日本では想像できないほど大きくなっています。こうした不満が反日デモとなって表れていることは否定できません。
 反日デモが起きようとも、日本及び日本人は冷静に対処すべきだし、すくなくともビジネスの世界ではそうした対応がなされています。13億人の民を抱えるState Capitalizm(国家資本主義)という人類史上初の「実験」が行われている中国で、今後何が起こるかは予測できません。しかし、中国抜きの世界経済、日本経済がもはやありえないのもまた事実なのです。
 上海総領事館の影山剛士領事からお伺いしたところ、上海に長期滞在する日本人は約4万8千人(2009年10月時点)。2003年と比べると倍増し、ニューヨークを抜いて世界一の規模になったそうです。
 上海に2校ある日本人学校の生徒数も約2500人。来年には日本人学校として初めての高校が開校するそうです。

 地道ですが、ビジネスでのつながり、教育でのつながり、人と人とのつながりを通して、ひとつずつ「信頼」を積み重ねていきながら、未来志向で付き合っていくしかありません。私が上海で講義を行うのも、ささやかですがそのひとつだと思っています。
 3日間の講義の最終日、有志の学生たちが私の慰労会を開いてくれました。場所は上海の人気観光スポット、豫園にある中華料理店。その後、最近オープンしたThe Cool Docksという西洋風レストランやバーが集まるスポットに連れていってくれました。豫園は人が溢れていましたが、こちらは外国人旅行者がちらほらいる程度。庶民にとっては、まだまだ高嶺の花なのでしょう。しかし、近い将来、ここも中国人の人たちでごった返すようになるのは間違いないでしょう。

 日本への帰りは、浦東空港からのフライトだったのですが、空港の出国審査(パスポートコントロール)のところで面白いものをみました。それは「大変満足」「満足」「普通」「不満」という4つのボタンがついた器具です。出国審査を受けた人はそのボタンを押してから、通過します。こんなヘンテコなものを見たのは、初めてです。
 中国での役人の横柄な態度は以前から評判が悪く、私も昔空港の出国審査でパスポートを投げ返された経験があります。上海万博で外国人旅行者が押しかける中で、少しでもマナーをよくしようとこうした器具を設置したのでしょうが、教育を施すのではなく、こうした器具を設置して強制的に役人の対応を変えさせようとするのもいかにも中国的と言えます。
 それにしても、判子をもらうだけの出国審査で、「大変満足」のボタンを押す人がいるのでしょうか?謎です。


上海訪問記(2)

 先週に続いて、上海訪問記の第2弾です。今回の訪問の主目的は私が客員教授を勤めている長江商学院という民間のビジネススクールでの集中講義でした。
 長江商学院は2002年に香港の大富豪・李嘉誠が巨額の私財を投じて設立したビジネススクールです。設立して10年足らずの新興校ですが、特に経営者育成のためのエグゼクティブMBA(EMBA)プログラムは毎年400名もの卒業生を送り出し、中国経済界で大きな力を持ち始めています。アリババの馬雲会長もここのEMBAの卒業生で、長江の卒業生ネットワークに加わりたくて入学する経営者が後を絶ちません。
 私は3年前から長江商学院で授業を担当するようになりました。そのきっかけも、いかにも今の中国を表しています。長江のEMBAの学生たちが日本を訪問した際、早稲田で講義をお願いできないかという依頼が舞い込み、私が半日担当することになりました。その時は、長江商学院の名前さえ知らず、興味本位で引き受けたのです。

 その学生たちはどうも私の授業を気に入ってくれたようで、帰国後直ちにカリキュラム編成を担当する副学長(Associate Dean)に、私の授業をカリキュラムに入れるよう進言したのです。数日後、彼からいきなり客員教授就任要請のメールが来て、その数日後には電話がかかってきました。私が早稲田で講義を行ってからわずか2週間で、私の客員教授就任が決まりました。
 なんともすさまじいスピード感です。早稲田で客員教授就任を検討するには、そのプロセスには1年かかります。このスピード感の違いが、中国と日本の勢いの違いを表しています。
 それ以来、上海や香港でEMBAの講義を担当してきましたが、今回はEMBAではなく、通常のMBAの学生たちに対する3日間の集中講義でした。長江のMBAで教えるのは、初めての経験でした。
 受講生はインドやスペインなどからの交換留学生も含め、約35名ほど。1学年60名なので、半数ぐらいの学生が履修してくれました。実際には、科目登録をした学生はもっと多かったようなのですが、ちょうど就職活動の時期と重なり、受講できなかった学生もいたようです。中には、北京での就職活動を終え、3日目の朝に夜行列車で駆けつけ、最終日の講義だけわざわざ聴きに来てくれた学生もいました。
 朝9時から、毎日90分の講義を4コマ。もちろん英語です。これを3日連続で行うのですから、相当タフです。そして、3日間とも約1時間半の昼休みは学生たちの要請に応えてランチに付き合いました。ランチの時も質問の嵐で、休む暇もありません。
 夕方5時過ぎに授業を終えると、もうクタクタ。そのままホテルへ戻って、カフェかルームサービスで簡単な夕食をとり、翌日の講義の準備をして、早く寝るという繰り返しです。

 ちょうど上海万博をやっている時期だったので、私がまだ万博を見ていないことを知った学生たちは、どこからかチケットを入手し、私にくれました。「夕方からなら空いているから、行ってきてください」というわけです。しかし、疲労困憊の私は結局、万博には行かず、チケットは記念に手元に残っています。
 私が担当した授業は、「Growth Strategy of Japanese Firms」です。日本企業の今後の成長戦略を、日本的経営の特徴を織り交ぜながら話すというものです。
 中国人学生が日本的経営にどこまで関心を持つか不安でしたが、彼らの「食い付き方」は私の想像以上でした。ある学生がこう言っていました。「欧米のビジネススクールから教えに来ている教員がすべからく強調するのは、“Shareholder’s Value”(株主価値)。現場や人の話にフォーカスするこのクラスはとても新鮮だ」。
 海外のビジネススクールで教えるには、相応の準備と高いエネルギーレベルが求められます。しかし、「教える」以上に「教えられる」ことがたくさんあります。新聞などのメディア報道だけで今の中国を理解するのと、中国人学生たちと向き合い、話すことによって体で実感するのとでは雲泥の差です。
 私にとって教室は「現場」です。やはり、「現場に立つ」ことが、何よりの学びの場であり、発見の場であると再認識しています。

謹賀新年

明けましておめでとうございます!

2010年は海外進出(留学)という大きな目標を突破した飛躍の年になりました。
年齢も30歳になり、人生の面白さが加速していく30代に突入し、ワクワクしています。
2011年は中国と日本を舞台とした私の人生ドラマの脚本作りに専念したいと思います。

さて、昨日の夜は「NHK紅白歌合戦」を北京から視聴しました。
あゆの「Virgin Road」、植村花菜の「トイレの神様」、小林幸子の母鶴の巨大衣装、桑田佳祐の復活劇などなど興奮の連続でした。日本のテレビ番組を見たのは8月に北京に来て以来5か月ぶりで、本当に楽しかったです。
紅白歌合戦の後は、恒例の「ゆく年くる年」を見ながら「日本」の新年を迎えました。日本各地の新年を祝う様子は北京から見るととても新鮮で、日本がとても恋しくなりました。

そして、日本のテレビで新年を祝っても、北京は日本より1時間遅いのでまだこちらは23時過ぎ。クラスメイトが集まる部屋に移動し、クラスメイト数十人とともに「北京」の新年を迎え、お酒やワインで「A Happy New Year!」と叫んで乾杯しました。その後、カードゲーム、ダーツ、任天堂のWii Sports、その他ゲームで遊びつつ、4時ごろまでどんちゃん騒ぎでした。みんな酔っ払って、「クラスの女性で誰が一番かわいい」などのトークで、中高生にタイムスリップした感じでした。あー、楽しかった!

学校が始まって2カ月半が過ぎ、残すところ後10カ月になりました。
課題は山積みですが、「一期一会」を大事にし、「今」を精一杯楽しみたいと思います。

さてさて、これからどんな出来事や出会いがあるか本当に楽しみです!

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