先日、この春大学を卒業して新社会人になる予定の長男から、
「引越しするので少し費用を助けて欲しい…」という電話をもらいました。
一年前から、卒業があやしいという話を聞いていたので、
「引越」=「卒業」だと思い、チョットほっとしながら数分話をしたのですが、
なんか様子がおかしいのに気付きました。聞いてみると、
「卒業できないかもしれない…。」
単位がギリギリの彼は、3月中旬まで卒業か否かの発表を待たなければいけなくなり、
情緒不安定の中、このピンチを切り抜けるべく、一生懸命「良からぬ事」を考えます。
親にも就職先にも内緒にして、簡単に取れる単位を働きながら取って、
何事もなかったように卒業すれば、誰にもばれないかもしれない。
そう結論を出した彼は、何事もないふりをして、
私に引越費用の援助を求める電話をしてきたのでした。
「嘘は必ずばれる」そう言って聞かせてきたはずなのに…、なかなか人は変われません。
彼に二つ質問しました。
「大学を卒業したいか?」
「内定をもらった会社に就職したいか?」
二つともイエスでした。
私はこう伝えました。
「みんなに、正直に、全てを話しなさい。」
「相手に迷惑を掛けることがあるなら、謝りなさい。」
「頼みたい事、お願いする事があるなら、頭を下げて助けを乞いなさい。」
そしてアドバイスをひとつ、
「卒業の結果を待つまで落ち着かないだろうし、身の置き場がないだろうから、
いっそのこと、会社に行って現状の報告しながら、自分の思いを伝えてきたら。」
最初は腑に落ちない様子でしたが、最終的には直接担当者に会いに行ったようでした。
数日後、すっきりした様子で電話をくれました。
「会って話をしてよかった。」
「正直に伝えられてよかった。」
「背中を押してもらってよかった。」
「ありがとうございました。」
結果はどうなるかは誰にも分かりません
でも、あなたの現状は、今まで自身がやってきた結果です。
誰のせいでもありません。自分がやったことの積み重ねでしかありません。
嘘はばれます。誤魔化しもばれます。
でもまれに、思い描いた筋書き通りに事が進むこともあります。
そして、事が進んでしまうと、嘘をついたり誤魔化したりすることに、躊躇しなくなります。
癖になります。繰り返します。最終的には、それを正当化します。
そういう人になってしまいます。
新年度を迎えます。
新たに与えられた役割は、あなたの仕事に取り組む考え方や姿勢、これまで積み重ねた結果を、会社が判断したものです。
もし、より良い結果、今以上の仕事したいと求めるのであれば、
自分考え方や行動を変える必要があります。
しっかり、覚悟を持たないといけません。
誰もやってくれません。
みんな自分のことで精一杯です。
他人になんて構ってられません。
だから、頭を下げてお願いするのです。
他人の時間を使うから。
他人の力を借りるから。
教えてもらうこと、協力してもらうこと、やってもらうこと、
時間をとってもらうこと、話をきいてもらうこと、
すべて、当たり前じゃありません。
「当たり前」という気持ちがなくなれれば、
自然に感謝の言葉になるはずです。
「ありがとう」
10年先、30年先、100年先まで繋げられますか?