気候変動・千夜一話

地球温暖化の研究に真面目に取り組む科学者たちの日記です。

2010年12月

寒い! 温暖化なんかしてないだろう ... という議論について

この冬は、西ヨーロッパや北アメリカ東部で、平年よりもだいぶ寒かったり、雪が多かったりするようですね。そういうとき、専門知識のない人が、「地球温暖化は止まったのか、もしかしたら始めからなかったんじゃないか?」と思うのも無理もないかもしれません。そういう発言がブログやツイッター(twitter)で広まることがあります。とくにツイッターは字数制限がきびしいので、根拠不明でも結論が鮮明なものが一見もっともらしく思えて広まってしまうようです。

しかし、残念ながら、たとえ西ヨーロッパとか北アメリカ東部とかの地域で、ひと冬、精密な観測をして、その地域のその季節が寒いことが疑いえないとしても、それは全地球規模の数十年間の気候変化傾向としての地球温暖化の否定にはなりません。とても残念ながら、だれも全球平均や全球合計の量を直接経験できません。そして、全球平均の量の変化は各地で観測される量の変化に比べてわずかです。また数十年間の変化傾向は1年あたりにすれば年々変動に比べてわずかで感覚にかかりにくい量です。地球温暖化の正確なところは専門知識をもってデータを集めて集計する必要があるのです。各国気象庁の観測現場は国際的に決められた方式に従って観測の質を保つようにつとめています。集計を行なうチームは複数あって競争的関係にあり相互に結果をチェックします。

昼と夜、夏と冬の気温の違いくらいは常識としてよいでしょうか。午前中には気温が上がり、夜の間には気温が下がるのがふつうです。常にそうとは限りませんが、風の弱い晴れた日ならばそうなることが多いです。毎日、午前中には温暖化、夜には寒冷化が起こっている、と言ってもよいのですが、ふつうそう言いませんね。日本とアメリカで時間を合わせて情報を交換してみれば、一方で温暖化しているとき他方では寒冷化しているので、「地球」(これは英語のglobalに相当し「全球規模の」という意味です)温暖化や寒冷化でないことは言えます。また、温帯で季節変化を考えれば、毎年、春には温暖化、秋には寒冷化が起きていると言ってもよいのですが、ふつうそう言いませんね。これも、日本とオーストラリアで同時に見れば、一方で温暖化しているときに他方で寒冷化しているので、「地球」温暖化や寒冷化ではありません。

年々の天候変動でも、平年よりも温度が高いところがあれば低いところもあります。気象庁の「世界の天候」のページhttp://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/monitor/や、「気候系監視速報」http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/diag/sokuho/を見るとよいと思います。この2010年12月の場合、西ヨーロッパや北アメリカ東部では寒くても、もっと高緯度のグリーンランドやカナダ北極圏諸島では平年よりも温度が高くなっています。

全球、全季節で集計すると、今年は過去約百年のうちで暑い年であることは確かです。たとえば日本の気象庁の集計http://ds.data.jma.go.jp/tcc/tcc/products/gwp/temp/ann_wld.htmlによれば、2010年は(まだ12月の観測値がそろっていないので暫定値ですが) 1891年以来のうち、1998年についで2位の高温だそうです。NASA GISSの11月までの集計http://data.giss.nasa.gov/gistemp/2010november/では、1880年以来のうちで最高だが2005年との違いはほとんどないそうです。集計を行なっているグループによってどの年が上位にくるかは少し違いますが、それは観測が乏しいところをどう推定するかに関する不確かさからきています。

気候変化の議論に慣れていないかたが、ひと冬、ある地域で寒いことから、地球温暖化が起きていない(あるいは止まった)のではないかと思うのは無理もありません。しかし、たとえ温暖化論に懐疑的なかたでも、何年も気候変化の話題につきあっているかたならば、そのような理屈が成り立たないことはわかっているはずです。温暖化論争のベテランがこの論法をとる場合には、ご本人は違いを承知のうえでしろうとの感覚を利用して温暖化論に対する疑いを振りまこうという策略か、あるいは年季ははいっていても付和雷同を続けていただけで知識はしろうとのレベルなのだろうと推測します。

masudako

植物は(健在ならば)温暖化をいくらか緩和するらしい

ほかのブログのコメントとして書いた件ですが、少し整理して述べます。

菊池誠さんのkikulogの「地球温暖化懐疑論批判(2)」の記事に、「気弱な物理屋」となのるかたから、2010年12月10日に次のようなコメントがありました。

NASAが新しい気候モデルを提出しました。
http://www.nasa.gov/topics/earth/features/cooling-plant-growth.html
植物の生育がパラメーターとして入ったようです。

これに対して、「地球温暖化問題つづき」の記事に、12月14日と12月19日に、わたしがコメントした内容を少し編集して以下の本文(1)(2)とします。

(1)

気弱な物理屋さんのご紹介の論文を読んでみました。
    L. Bounoua, F.G. Hall, P.J. Sellers, A. Kumar, G.J. Collatz, C.J. Tucker and M.L. Imhoff, 2010: Quantifying the negative feedback of vegetation to greenhouse warming: A modeling approach. Geophysical Research Letters, Vol. 37, L23701, doi:10.1029/2010GL045338.


雑誌のウェブサイトのこのページに要旨があり、購読者は本文も読めます。著者がアメリカ連邦政府公務員なので論文はパブリックドメインのようですが、本文が無料でアクセスできるところに置かれているかどうかはわかりません。

これは「新しい気候モデルを提出した」というような論文ではありません。(「モデル」という用語の使いかたが分野によって違うかもしれませんが、気候の基礎科学では物理法則に基づいて対象をシミュレートする計算機プログラムをさします。) この論文では、既存のモデルを使っています(使われたSiB2というモデルを以前に作った人でその後宇宙飛行士になったSellers氏も共著者になっていますが)。目的は生態系を含む気候システムの中で起こるフィードバックについて理論的に理解することであり、そのための手段として仮想的な数値実験をしているのです。

大気中のCO2濃度が高くなると、植物は同じだけのCO2を得るのに気孔の開きかたが少なくてすむので、水の蒸散を少なめにすることができます。ここまでは以前の研究がありました。ところが、この状況では、土壌の水が不足していないとすれば、植物はもっと多くの葉を茂らせることができます。もし実際に葉がふえたとすれば、蒸散量は減らず、植物の状態が変化しなかった場合に比べて地上気温が低めになります。

ただし、実験結果によれば、この地上気温が低めになる効果は、二酸化炭素濃度倍増に対して全球平均地上気温が1.94℃上がるところが1.68℃上がることに変わるにすぎません。温暖化の大筋を変えるものではありません。また、CO2増加に伴って葉が茂るための条件がそろっている必要がありますし、条件がそろっていても森林の応答にはなん十年かの時間がかかることはこの著者も認めています。植生に温暖化の緩和の向きの働きがあることを示したとは言えますが、温暖化の心配はしなくてよいという主張の根拠にはなりません。

このように研究所のプレスリリース(報道発表)がマスメディアにとりあげられてニュースになることがありますが、たいていは画期的な論文というほどのものではなく、作動中の科学のひとコマにすぎません。科学的認識は、そういった論文をたくさん合わせた大きな流れとして進んでいきます。ジャーナリズムは大きな流れを伝えることが苦手で、報道されるのは個別の論文の紹介になってしまうのです。それでも科学が無視されるよりは報道されたほうがよいと思います。しかしそのような個別の報道に一喜一憂するのはつまらないことです。新しい成果の意義を評価するには、その分野の10年の時間スケールでの進展を教科書的文献やレビュー(総説)論文などによっておさえたうえで、その中に新しい成果を位置づける必要があるのです。

(2)

この論文の情報が、「最近のNASAの研究によれば温暖化はCO2倍増に対して1.6℃にすぎない」という形で広まっているようです。
イギリスの新聞GuardianのブログのPeter Hadleyさんの記事によれば、この誤報のおもな源はThe Registerという報道ウェブサイトにLewis Pageという人が書いた記事です。Page氏は5ページの短い論文さえ読まずにプレスリリース(報道発表)だけを読んで記事を書いたにちがいないです。植物の効果を入れた場合の気候感度[注]の値を、論文には1.68℃と書かれているのですが、Page氏は1.64℃としています。プレスリリースにあった「植物の効果を入れないと 1.94℃、植物の効果を入れると約0.3℃低くなった」という数値からひき算したにちがいないです。もっと重要なことは、論文の著者が主張したいのは約 0.3℃という植物の効果による差であって、気候感度全体の数値の評価は保留しているのです。しかしPage氏の記事は「前よりも正確なモデルによって気候感度の値が従来言われている値(Page氏は直接書いていませんが2℃から4.5℃の間)よりも小さい1.64℃だとわかった」という論旨になっています。さらに気候感度が1.64℃からさらに0.3℃低くなるようにも思える(しかしそう明言はしていない)書きかたになっています。

[注(2011-01-12): 気候感度という用語は、ここでは、二酸化炭素倍増に対する気候システムの定常応答という意味で使われています。二酸化炭素濃度が2倍と1倍の状態がそれぞれ長期間続いた場合どうしの全球平均地上気温の差です。]

論旨が変わってしまったことの、どの部分が意図的なものであり、どの部分はたまたまなのか、よくわかりません。ともかく、このような不正確な情報伝達はたびたび起こるので、新しい科学的知見に関する伝聞情報はにわかに信じてはいけません。この例では原論文との対比がわりあいしやすいので、どこで情報が化けたのかわかるのですが、もっと複雑な場合もあります。

(3) [2010-12-30補足]
この実験で使ったモデルでは、木や草の光合成活動は光やCO2などの条件によって変化しますが、葉の量はモデル内で変化するのではなく、実験者が与えます。Bounouaさんたちが行なった植物の効果を入れた実験では、葉の量を、水・光・CO2などの条件(CO2は実験者が与えたもの、土壌水分や地表に達する太陽光は気候モデルの計算結果)に適応して生育したと仮定して更新していき、植生と気候の相互フィードバックが落ち着いたところを見ることにしたのです。(「気弱な物理屋」さんの「植物の生育がパラメーターとして入った」という紹介は、「パラメーター」という用語がわたしが想定しているのと同じ意味に使われているのならば、正しいです。) 現実には、ここで考えなかった条件によって、植物がここで想定したほど生育しない可能性もあります。

もうひとつ大事なことは、この実験ではCO2濃度は700 ppm (倍増)と350 ppm (現状)という固定した条件を与えています。植物の効果といっても、光合成が大気中のCO2濃度に及ぼす効果は論じられていないのです。もし植生のCO2濃度に及ぼす効果を考えるならば、光合成だけでなく、植物自体や動物や微生物による有機物の分解も含めて扱う必要があります。

masudako

ひどい日本語題名「地球の『最期』を予測する」がつけられてしまった本

本屋さんで、「地球の『最期』を予測する」という本を見ました。地球は、なん十億年かの未来に、太陽が赤色巨星となるときに、消滅するかもしれないが、消滅はしないかもしれないと言われています。ところが、この本の話題はそのことではなく、地球温暖化の話なのです。この日本語題名は内容に合っていません。

地球温暖化は対策を必要とする問題ですが、その脅威を科学的に予測できるレベルを越えて強調する議論は困ります。それに従って政策をたてれば国の支出にも社会の活動にも不適切な重みづけがされることになります。

この本の日本語題名はあしき温暖化脅威論ですが、内容は(わたしから見て)基本的にはまともな温暖化の見通しを語るものです。日本語題名にまどわされると、IPCCが予測しているならば地球の終わりが近いのだろうと思うかたもあるかもしれず、著者やIPCCは脅威論をあおるひどい連中だと思うかたもあるかもしれませんが、どうか落ち着いてください。

この本は英語から翻訳されたもので、わたしは英語版で読んで[読書ノート]を書きました。日本語版では読んでいないのですが、本文の翻訳が題名ほどひどくなければ、お勧めできると思います。

アメリカのHenry Pollack (ヘンリー・ポラック)さんという地球科学者が書いた本で、英語の題名を直訳すると「氷のない世界」です。地球上とくに南極や北極に存在する氷について生き生きと語ったうえで、人間が気候を変えているので、このままいくと地表には氷がない時代がくるかもしれない、という話になっています。

ところどころ、温暖化懐疑論者を批判しているところがあります。あなたが自分の頭で考えて地球温暖化について懐疑的になっているのでしたら、その部分の著者の論調には不満を感じられると思いますが、あなたへの批判だと考えないほうがよいでしょう。数年前に言っていたことと今言っていることのつじつまが合わないが温暖化抑制政策に反対することだけは変わっていない人々が、とくに北アメリカでは政策に大きな影響を及ぼしていることに対する批判なのです。

masudako

歌う地球科学者

日本では「歌う生物学者」本川達雄教授が有名ですね。「歌う生物学」のウェブサイト http://www.motokawa.bio.titech.ac.jp/song.html も作っておられます。

Youtubeには「歌う地球科学者」がいます。アメリカのペンシルバニア州立大学(PSU)のRichard Alley (リチャード・アレイ)教授です。気候変化の専門家としても有名です。グリーンランド氷床のコアサンプルから過去の気候の復元推定をした研究者であり、その話題を一般向けの本(日本語版の題名は『氷に刻まれた地球11万年の記憶』、[わたしの読書ノート])として書いた人でもあります。また、その氷の記録に見られたような急激な気候変化が今後もありうるかについて、2002年に報告書([わたしの読書ノート])を出したアメリカ科学アカデミーの委員会のまとめ役になり、その後も検討や発言を続けています。1年前(2009年12月)のAGU (アメリカ地球物理学連合)大会では、地球の気候変化にとっての二酸化炭素の役割に関する講演をしました。今もAGUのこのウェブサイトにビデオがあります。

しかし、Youtubeに出ている歌のビデオは、専門外の学生のための地質学の一般教育の教材の一部として作られたものなので、話題は(気候ではなく)地球の固体部分に関するものです。これがほんとうのrock musicというわけです。(音楽のジャンルとしてもロックに属するものが多いようですが、わたしにはよくわかりません。) 映像を編集しているのは、奥さんで地質学者のCindy Alleyさんで、Youtubeに psucalley という名前で投稿しているので、この名前で検索すると、いくつも見つかります。

[2010-12-28 追記: PSUの広報サイトでも紹介されていますが(2009年1月30日)、残念ながらリンク先のページはその学期限りだったようです。しかし、John A. Dutton e-Education Instituteのウェブサイトは健在で、その中にAlleyさんの担当の授業の紹介もあります。PSUの地球科学科の仕事の一部として、WWWを利用した授業をしているのです。Duttonさんは今は大学からは引退されていますが、この活動を始めた当時の学科長で、気象学者です。]

ただし、Alleyさんの歌は、すでに有名な曲に歌詞をつけなおした、かえ歌です。アメリカ合衆国の著作権法にはfair use (公正使用)という条項があり、その詳しい意味は判例で決まるわけですが、このようなかえ歌のビデオを無料で公開することはfair useとみなされることが多いようです。日本の著作権制度のもとでは、現代のプロ作曲者による曲のかえ歌を公開することは、原作者自身からの積極的応援がなければ、困難でしょう。本川先生のように、歌詞も曲も自作ならば、もんくはないのですが。

* 歌としてよくできていると思ったのは「GeoMan」です。Billy Joelの「Piano Man」のかえ歌で、46億年の地球の歴史を語るとともに、地球科学を学ぶことを勧めているようです。
* 題名をそのまま使っているのは「Ring of Fire」(もと歌はJohnny Cashによる)です。もと歌の題名の意味をわたしは知りませんが、地学者の間では環太平洋火山帯をさします。
* 「Watch the Line」もJohnny Cashのかえ歌、もとは「I Walk the Line」です。地震計の記録(線)をいつも監視する人がいて、(目立たないが)世の中の役にたっているのだという話になっています。
* 「Rocking Around the Silicates」はBill Haley and the Cometsの「Rock around the Clock」のかえ歌で、岩石を構成するさまざまな珪酸塩鉱物の原子配列の説明になっています(速すぎて、ときどき止めないとついていけませんが)。
* 「Down Doo Bee Doo」はNeil Sedakaの「Breaking Up Is Hard To Do」のかえ歌で、地層を見てもともとどちらが上だったのかはどうやってわかるのかという話です。
* 「Rollin' to the Future」は「Proud Mary」のかえ歌で、化石燃料と更新可能エネルギー資源について歌っています。

Youtubeの別のところには、Alleyさんが踊っているというような見出しのついたビデオもありましたが、これは文字通りの踊りではなく、地球の軌道要素の変化による気候の変化(いわゆるミランコビッチ理論)を説明する道具として自分のからだを使ったパフォーマンスをした、というものでした。

masudako

The Scientific Guide to Global Warming Skepticism

11月14日の記事でもとりあげたSkeptical Scienceというウェブサイトを主催しているオーストラリアのJohn Cook (クック)さんが中心となって、「The Scientific Guide to Global Warming Skepticism」というパンフレットが作られました。A4判16ページ、PDF形式のファイルで http://www.skepticalscience.com/The-Scientific-Guide-to-Global-Warming-Skepticism.htmlからダウンロードできます。Creative Commonsの「表示・非営利」ライセンスで公開されています。

いわゆる温暖化懐疑論を批判するという動機から始まっているためその要素もありますが、むしろ地球温暖化入門といった感じのものになっています。Cookさんは大学では物理を勉強したそうですが科学者ではなく、ウェブサイト制作やグラフィックデザインを職業としているそうです。したがって、このパンフレットの文章はしろうとの観点で作られています。ただし、科学者にも見てもらって改良しています。図のくふうやページ割りつけはプロのわざです。

ひとまず英語のまま項目をあげておきます。
What does it mean to be skeptical?
Humans are raising CO2 levels
The evidence that more CO2 causes warming
The evidence that global warming is happening
More evidence of the reality of global warming
Hockey stick or hockey league?
What does past climate change tell us?
How sensitive is our climate?
Impacts of global warming
Shooting the messenger
The scientific consensus on global warming
The consensus of evidence

Human fingerprints on climate change
1. Fossil fuel signals in the air and coral
2. Less heat is escaping out to space
3. The ocean warming pattern
4. Nights warming faster than days
5. More heat is returning to Earth
6. Winter warming faster
7. Cooling upper atmosphere [これは成層圏のことです]

これが作られるきっかけは、オーストラリアの温暖化懐疑論者 Joanne Nova (ノバ)さんによる「The Skeptics Handbook」というパンフレット(ウェブサイトはhttp://joannenova.com.au/global-warming/ )でした。日本語版「スケプティック ハンドブック」も作られています。それについて綾波シンジさんが「環境問題補完計画」の2009年12月26日の記事で論評しておられます。

Cookさんも、Novaさんの言うことを信頼した人に向かって科学的知見は違うのだと説明する必要を感じたのですが、直接の反論よりはむしろ科学的背景の説明に重点を置いて、「A Scientific Guide to the Skeptics Handbook」というパンフレットを作り、今年7月にhttp://www.skepticalscience.com/A-Scientific-Guide-to-the-Skeptics-Handbook.htmlのウェブページで公開しました。分量はA5判で12ページでした。Skeptical Scienceのウェブサイトには記事をいろいろな言語(日本語も含む)に翻訳する人が参加しているので、このパンフレットもいろいろな言語(ヨーロッパの諸言語だけのようですが)の版が作られました。

これへの反響をふまえて、Novaさんの論点に限らず、英語圏でよく聞かれる温暖化懐疑論のおもな論点に広げたのが今回のパンフレットです。

今回もほかの言語への翻訳の準備が始まっており、ドイツ語版担当者によって文章を切り出したファイルが作られました。これに訳文を書きこめば、割りつけはCookさんにまかせられるので、各言語版をつくるのはむずかしくないようです。日本語版について、わたしは翻訳を引き受ける予定はありませんが、どなたかが翻訳されるのであれば訳語の確認などのおてつだいはできると思います。

masudako
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