先進各国ともリーマンショック後に財政出動をしたが景気の回復の足取りは遅い。そして、各国とも財政赤字が足かせになり非常に重要な政治上のテーマになりつつある。

欧州ではギリシア・アイルランド・ポルトガルが救済され、スペイン・イタリアへも火の手が回ろうとしている。何気に騒がれてないが、フランスの財政の状況も非常に悪い。アメリカでも財政赤字削減への議論が高まっているが、オバマと共和党は政争に明け暮れているようである。

小学生でも理解できそうな単純なケインズ的な考え方に犯されている人々は政府が財政出動をしなければ景気が悪化しもっと状況が悪くなると主張する。本当に正しいのだろうか?多くの人は一方で政府による財政出動が非常に非効率であることを知っているにも関わらずである。
本日はRahnカーブというのを紹介したい。


最近のスウェーデンの学者の研究の結果このような結果が出てきたらしい。


The most recent studies find a significant negative correlation: An increase in government size by 10 percentage points is associated with a 0.5 to 1 percent lower annual growth rate. We discuss efforts to make sense of this correlation, and note several pitfalls involved in giving it a causal interpretation. Against this background, we discuss two explanations of why several countries with high taxes seem able to enjoy above average growth: (i) that countries with higher social trust levels are able to develop larger government sectors without harming the economy, and (ii) that countries with large governments compensate for high taxes and spending by implementing market-friendly policies in other areas. Both explanations are supported by current research.
                (http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=1734206&download=yesより)

政府支出の規模が10%大きくなるごとに国家の成長率は0.5-1%押し下げられるという。財政政策の問題点に関しては、僕自身がいつも説明しているし、多くの人が指摘するとおりだが、簡単になぜそうなるのかを改めて説明してる。

*財政政策は非効率
お役所仕事というと非効率である。政治家といえば金食い虫である。などといえば多くの人が納得するように官製のビジネスあるいは財政支出は非効率になりや すい。そもそも利益が期待できるのであれば、政府がやらずともすでに民間がやっていると考えるのが普通だからだ。当然ながら、政府の財政出動は利益が期待 できない分野に回っていく。それは当然非効率でありムダを作り出すからだ。

*資源の効率的配分を妨げる
前者とも大きく関わるが、政府の財政支出は非効率な分野につぎ込まれるのみならず、モノ・カネ・ヒトといった貴重な資源の市場機能を通した効率的な配分を 妨げる。政府の財政政策によって生きながらえているような企業・業界の存在を考えてみれば容易にわかるはずだ。そういった企業は早々に市場から退出し、従 業員は新しい業界・企業で働くほうが効率的であるのは言うまでもない。

*財政赤字のツケは将来埋めなければならないと多くの人は分かっているからその分消費を控える。すなわち財政出動は民間の経済活動を縮小させるから効果がない。

*そして、政府による財政出動は多くの人の努力しようというインセンティブを削ぐ。南欧の国々でなにが起こっているかを見ればこれも容易に理解できるだろう。

理由はまだまだあるが簡単にあげただけでも政府の財政出動に意味がないことは容易に理解できる。

もちろん、ここで取り上げた論文で筆者は国民の間の信頼が高い場合や政府支出が税金できっちりとまかなわれており政府が市場機能を重視した政策を採っている場合には当てはまらないとも述べている。これも納得である。


New Study from Swedish Economists Allows Us to Quantify the Cost of the Bush-Obama Spending Bingeで取り上げられているのが以下の表



spending-growth-studies


政府の規模と成長率に関する研究結果がだ、あらゆる研究において政府支出の規模の小ささが成長に有利との結果が得られているという。そして、この関係をRahnカーブと言っている。



現在の日本の財政規模はGDPの40%弱程度である。もし、この研究結果が正しければ20%程度に下げれば日本の成長率は2%ほど上がる計算になる。

いずれにしても、政府による財政支出は民間の活力を削ぐ。政府機能を拡大させ、人々の自助努力の精神を退廃させ、しがらみによって政治の硬直性を作り出す。短期的な財政支出による一時的な成長率のかさ上げは我々が思っているよりも実は恐ろしいものなのかもしれない。

そして、同時にGDPというまやかしの数字に基づいた判断というのもそろそろ止めるべきときなのかもしれない。

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