安倍政権の経済政策は巷では"アベノミクス"などという名称を与えられて持ち上げられているが、簡単に言えば「社会主義」以外の何物でもない。 民主党という社会主義らしい社会主義政党から自民党という保守っぽい社会主義政党に変わっただけのことである。 アベノミクスの全ては社会主義政策らしく、政府が権力と官僚機構の機動力を行使して個人や企業の活動を制御し、より良い方向に操作し、それらの結果に対する責任を負うべきだ、とする考え方に基づいている。
歴史上、様々な社会主義的政策が試みられてきた。 高き志と清き心と熱き情熱が高度な専門知識によって政策化され、実施されてきた。 それらの政策はことごとく最終的に失敗へとたどり着いた。 政策立案者や支持者が失敗を認めることは無くても悪しき結果は隠しようのない事実である。 最低賃金制度は労働者の生活を守りたいという理念から生まれたが、結果は失業の増加であった。 週休二日制度は労働者のワーク・ライフバランスを守りたいという理念からうまれたが、結果はコスト増による産業空洞化であった。 労働基準法・最低年齢は子供を搾取から守りたいという理念から生まれたが、貧乏人が収入を得る機会を奪われる結果となった。
社会主義政策というものは、いかに高邁な理想と高度な知識によって制度化・実行されようが、必ず失敗するという運命にある。 何故かといえば、当然といえば当然だが、少数の集団が何千、何万、何百万、何千万という人々に代わって意思決定をし、良い結果を生み出すのは不可能だからである。 鍛冶屋には鍛冶屋の、木こりには木こりの、油屋には油屋の、駄菓子屋には駄菓子屋の、積み上げた歴史と経験による知恵がある。 東大・京大・慶応早稲田を出ても、そこからハーバードやプリンストンやケンブリッジに留学しても、鍛冶屋にも木こりにも油屋にも駄菓子屋にもなれないのである。
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