2005年11月09日

タブロイド (試写会)

タブロイド


【映画的カリスマ指数】★★★★☆

 真実の追究の果てにあるもの・・・。

監督:セバスチャン・コルデロ
出演:ジョン・レグイザモ,アルフレッド・モリーナ,レオナール・ワトリング,デーミアン・アルケザー
製作年・国:2005/メキシコ・エグアドル
鑑賞日:2005/11/7:イマジカ第2試写室
系統:サスペンスドラマ

ストーリー:エグアドルのある村に、幼い子供をレイプ・暴力の末に殺す、゛モンスター゛と呼ばれる連続殺人犯の取材にきていた売れっ子報道リポーター・マノロ一行。その取材の最中に、ベニシオという男が車で子供をひいてしまう。それを見ていた住民達は暴徒と化し、ベニシオを激しくリンチし始めた。一方、マノロ達はその様子をカメラに収め番組で流し、大きな反響を呼んだ。多大な影響力のあるマノロ。監獄に入れられたベニシオは、゛モンスター゛の特ダネ情報と引き換えに自分を取材して、助けてくれとマノロに懇願する・・・・。

評:2006年1月に公開予定の作品。特定の試写会にて、チラシはおろかポスターなどの予習素材なしに鑑賞しました。
日本ではおそらく初めての上映ではないですかね?エクアドル映画。本作の監督、セバスチャン・コルデロの作品もこれが日本上映初作品となります。

       
      ・・・冒頭からいきなり強烈な描写が続きます。

その過激なシーンのために本国ではR指定がついているようです。(←日本でもつくんでしょうか?・・つくだろうね。)
個人的にはこういった南米の映画を観るのは(たぶん)初めてなのですが。お国柄的なものもあるのか・・・ぶっちゃけ、あの湿度の高い、生臭い感の映像には少し嫌悪感を感じてしまいます。


過剰な報道や執拗なマスコミというのは、直接その記事の当事者でさえなければ、なんら迷惑をこうむるものではなく、むしろ世の中を知るための情報源として大いなる影響力を持つものです。
その影響力とはまさしく絶大で・・・・。
全く無関心で見過ごすものもあれば、時にそれを利用するものも、逆にそれにより傷つき犠牲となるものもありで・・・さまざまな波紋を起こしますね。


人気報道レポーターとして国民的ヒーローであり、同時に大きな影響力を持つマノロ。彼が、゛モンスター゛と呼ばれる連続殺人犯を追跡調査することからこの物語は始まります。そこで偶然にも遭遇した、一人の男に対する壮絶なリンチ行為。
連続殺人事件の追跡と、リンチを受けたベニシオという男への取材とが徐々に交差し、物語はある一定のテンションを保ったまま、しかしとてもスリリングに展開していきます。

この作品は、報道の現場を実にリアルに映し出し、それと同時にエクアドル=南米の社会背景的なものも如実に描き出した、ずいぶんへヴィーな内容となっているような気がしました。

そして、真実を追究したいがためのレポーター魂いわばマノロのその『エゴ』が、結果生み出してしまった更なる狂気。
彼の報道への情熱と真実への探求は、実に淡々と・・・なのにすさまじい結末へとつながっていくのです。


この映画にね。
派手などんでん返しや、素晴らしい謎解きはありません。
ぶっちゃけ。観ていくうちに、キーマンとなる人物の正体はだいぶ早い段階で分かっちゃうんですね。手に汗を握っていろいろ思考をめぐらせながら観る作品ではないんです。

      ゛ドライな緊張感゛を保ったまま終焉を見守る・・・・。
             そういう作品です。


この映画を観て、甚だ落ち着いてはいられないような結末に・・・物思うところはたくさんあります。

        この作品から、あなたは何を感じますか?



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21. タブロイド  [ 映画をささえに生きる ]   2006年06月03日 21:38
3 ”タブロイド”は通常、大衆向けゴシップ系新聞を指しますが、今回登場するのはテレビ局。煽情的な内容に走るマスメディアを意味してると思われます。
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「タブロイド」★★★★ (盛岡フォーラム1)2004年メキシ
23. 映画「タブロイド」  [ しょうちゃんの映画ブログ ]   2006年09月23日 20:35
DVDで観ました。セバスチャン・コルデロ監督デビュー作品。連続殺人事件を追うTVレポーターがスクープ欲に駆られて突き進んだ果てに、抜き差しならない状況に追い込まれるさまをスリリングに描き出す。冒頭で少年が車にひかれて、運転していたビニシオが車が邪魔というこ...
24. タブロイド  [ シナリオ3人娘プラス1のシナリオ・センター大阪校日記 ]   2006年12月16日 17:02
「タブロイド」というメキシコ映画をDVDで見ました。 東北新社 タブロイド マノロはタブロイド番組の超人気レポーター。取材チームであるプロデューサーのマリサとカメラマンのイバンと共に、子供ばかり狙う連続殺人犯“モンスター”をおってエクアドルにや...
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(1から) つづいてエクアドル映画『タブロイド』も見る。 過激な映像をウリにしているニュース番組のレポーターが エクアドルを中心に起こっている連続少年レイプ殺人事件の犯人モンスターを突き止めようとする……。 これに冒頭で起こる交通事故犯の冤罪が事件と徐...

この記事へのコメント

1. Posted by Ren   2006年01月17日 07:18
TBありがとうございます☆
エクアドルの街の雰囲気と音楽がとてもよかったです。
途中から想像できますがラストは最悪で後味悪かったです。
2. Posted by まき   2006年01月21日 16:05
TBありがとうございました。
よくある分かりやすい善悪の区別が
この作品にはまったくなく、
人間のもつ嫌な部分を見せつけられた感じがしました。
3. Posted by まき様へ   2006年01月22日 00:50
■まき様へ
コメントありがとうございます!
そうですね。善も悪もすべてごちゃ混ぜのなあなあになっていた感がありますよね。
ひどく不安で、陰湿な気持ちになってしまった作品でした。
4. Posted by Puff   2006年01月24日 22:09
ドモドモー♪
今日観て来ましたですよー!!
いやー、激しく後味が悪い映画でしたね。
>あの湿度の高い、生臭い感の映像
ワ、ワタシもあの泥と薄汚さにはちと引いてしまいましたですよ。汗
主人公のジョン・レグイザモ・・・
去年の「ランド・オブ・ザ・デッド」のゾンビがまだ記憶に新しく、真剣な映画なのに、ふと思い出しちゃって困りましたです。笑
5. Posted by Puff様へ   2006年01月25日 01:06
■Puff様へ
コメントありがとうございます!
ねえ・・・ちょっと後味悪すぎよねぇ。それでも睦月はなにげにすんごい作品だなぁなんて思ったんですけどね。いまだに残ってるもん、あのいやーな感じ。
レグイザモは「ランド・オブ・ザ・デッド」に出てたのね。一度借りたものの観ずに返してしまった作品だわ・・・。観れば良かった・・・。

しかし。ウ○コかぶってるシーンとか、ハエとか・・・なんかやっぱ小汚かったねえ・・・。
6. Posted by 隣の評論家   2006年01月26日 00:19
4 睦月すわん。
観て来たぞな。よーーやく記事も書き終わり。昨夜の「B型の彼氏」とは比べものにならないくらい、まとめるのが難しかったよ。コレこそ『映画鑑賞の醍醐味』って事ですわ。観に行って良かったです。
この作品のチラシに出ていた「シティ・オブ・ゴッド」は、ご覧になりまして?私は、「ホテル・ルワンダ」並みに衝撃を受けたんだわさ。何か、鈍器でガツンと頭を殴られたみたいな気分だった。本作は、そういう感想でもなかったけれど。印象に残る作品でしたね。
「ブラック・キス」は観るんだね?予告編を見て、草刈正雄の老けぶりに驚ちまっただよ。そろそろ、おじいちゃんなのね。「アブノーマル・ビューティー」ってーのは観るの?あちきは、来週「ジャーヘッド」の試写会に当選して、ご満悦。ルン。
7. Posted by 隣の評論家様へ   2006年01月26日 22:01
■隣の評論家様へ
ようこそ!観てきましたか!!待っておりましたぞ!
以前、記事にしたように。この作品の宣伝実習をしてましたのでそれがきっかけで『シティ・オブ・ゴット』を知りました。レンタルまでしたのに観ないで返却してしまった。やっぱ観ときゃよかったああ!!
ちょっとすごかったでしょ、この映画。いまだにあの後味の悪さが残っているけれど、睦月もすごく印象に残る作品だったと思ってます。なかなかに良くできた作品だったと思う!
ええっ!!『ジャーヘッド』当たったの?!それは素晴らしい!というか、うらやましい・・・。よいなあ・・。
睦月も『ジャーヘッド』は絶対外せないと思っているから、その前に隣の評論家さんの記事に期待ですわ。
ねえ、『アブノーマルビューティー』って何?初めて聞いた。『トカゲ女』なら知ってるけど・・・(笑)
8. Posted by ノラネコ   2006年01月30日 23:33
とうとう見ました。
報道の正義とエゴに関する映画だと思ってたんですけど、実際にはここで描かれてる事って報道に限った話じゃないですよね。
私的には、人間の内包する業と、キリスト教的な原罪の話だと思いました。
まあその象徴的なものとして、報道の持つ矛盾を持ってきたのかなと。
とても見ごたえのある作品だったんですけど、ちょっと言いたい事がクリアではなかった気がします。
ラストの後味の悪さも、そのあたりのモヤモヤ感が増幅してるような。
見終わって思ったんですけど、これの売り方って「ホテルルワンダ」よりずっと難しいですね。
あちらは気の利いたコピーが幾つも思い浮かびますけど、この映画は宣伝で内容を的確に表現するのが難しい。
そう考えると「ホテルルワンダ」がオクラになりそうだったのは、権利料の問題が大きかったのかなあと思いました。

9. Posted by ノラネコ様へ   2006年01月31日 01:12
■ノラネコ様へ
いつも思うんですが・・・ホントにノラネコさんの解釈の仕方っていうのはすごいですよ。
この作品の映画論は非常に書きにくくて・・・。参ってしまいました。なかなかに面白かったのに、一体どう表現すればよいのか分からない・・。今自分の記事を読み返すとかなり恥ずかしいです。
通っている学校でこの作品の宣伝実習をしましたが、かなり難しくて大変でした。特別に売りに出来る部分がなくって。しかもラストはあの後味の悪さ・・・。
それでも、やはり確実にずしんと感じるものはあった作品です。その表現方法が明確に出来ないだけで、最近にはあまりない雰囲気の作品だったなあ・・・と思いましたね。
10. Posted by ノラネコ   2006年01月31日 18:16
そうですねえ、この映画って言い表すのが凄く難しいと思います。
私はこの映画に凄くカソリック的人間観を見て、罪深き人間そのものがテーマだと思ったんですけど、報道の正義とエゴっていうテーマも同時に描かれていて、ちょっと後者が前者を隠してしまってる様なところがあったと思います。
ちょっと自分のブログでも触れたんですけど、「殺人の追憶」を思い出したんですね。
あの映画も謎解きミステリじゃなくて、殺人事件をめぐる人間の内面のドラマでしたけど、脚本は「タブロイド」ほど重層的でも象徴的でも無いんです。
でもその分心情がストレートにドーンとぶつかって来るんです。
その意味では、「タブロイド」はちょっと策に溺れてるところがあって、それが観る方にもクリアでない印象を与えてるのかなと思いました。
「どういう映画?」って聞かれたときに考え込んじゃいますよね。
11. Posted by ノラネコ様へ   2006年02月01日 00:06
■ノラネコ様へ
ノラネコさんの記事にもあった『殺人の追憶』。睦月はまだ未見です。ぜひ観てます。
大変に奥の深い作品でした。ノラネコさんの見解を知らなかったら、睦月はひどく表面的な部分でしかこの作品を解釈できなかったでしょう・・・ありがとうございます。
そういった深い一面を理解することが困難な人たちの方が多いような気がするので、あんまり大衆受けする作品ではないかもしれませんね。少し残念な気がしますが。
表現の方法にもよるんだと思いますが、この作品、確かにもう少しクリアに見せてくれても良かったかもしれません。
それでも、やはり理解者はいる・・・それによって、映画というのは深みを増すものだと思うのです。
12. Posted by CINECHAN   2006年02月01日 02:09
睦月さん、こんばんは。コメントありがとうございました。
私もこの映画の雰囲気に酔ってしまいました。
容疑者が記者と話す作品と言えば、「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」を思い出しました。こちらは記者が必死で容疑を晴らそうというものだったけど、これも後味は悪かったですね。でも後味の悪さは「タブロイド」の方が・・子供がねぇ・・・
確かに睦月さんとは映画の趣味は近いかも。
私は「変態村」も「トカゲ女」も「アブノーマル・ビューティ」も観ますよぉ!(予定)
 それではまたお邪魔します。
13. Posted by chatelaine   2006年02月01日 04:27
睦月さん、こんばんは。
これ、宣伝実習されたんですね。宣伝という目線で見ると、たしかにひとことでは表現しづらい内容でしたね…。予告編も見なかったので、どういう風にまとめたのか気になるところです。
私は報道の部分にばかり目がいってしまったのですが、上のノラネコさんの書き込みを読むと、キリスト教的な考え方もできるのですね。
…ハエの音は、映画でもやっぱりイヤです…。
14. Posted by カオリ   2006年04月09日 23:18
本日見ました〜。
聖書の言葉の意味がもっとわかれば・・・と思ったんですが。
帰りは足取り重くなってしまいました。
15. Posted by カオリ   2006年04月09日 23:21
本日見てきました。聖書の言葉がもっと理解できれば・・・とまたしても思いました。

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