2008年06月23日

屋敷女

屋敷女

【映画的カリスマ指数】★★★☆☆

 血まみれ妊婦VS凶暴ハサミ女

 

監督:ジュリアン・モーリー,アレクサンドル・バスティロ
出演:ベアトリス・ダル,アリソン・パラディ,ナタリー・ルーセル,フランソワーズ=レジス・マルシャン,ニコラ・デュヴォルシェル
製作年・国:2007/仏
鑑賞日:2008/6/21:ライズX
系統:スリラー
配給:トルネードフィルム

ストーリー:4ヶ月前、交通事故で夫を失ったサラ。彼女とお腹の子供は助かり、出産を目前に控えた彼女だったが、夫を亡くした悲しみからは立ち直れずにいた。そんなクリスマスの夜、謎の女がサラの自宅を訪ねてくる。女は突然サラに襲いかかり、サラが呼んだ警察も、彼女の家に訪ねてきた客も全て殺してしまう。理不尽な恐怖に陥れられたサラはついに陣痛を起こしてしまうのだが・・・・。


評:本作で長編映画デビューを飾るジュリアン・モーリーとアレクサンドル・バスティロ監督による戦慄のフレンチスプラッターホラー。


本作公開初日。
渋谷シネマライズの前で、トルネードフィルム代表取締役の叶井さんを目撃した(笑)。公開初日というのは配給会社にとってドッキドキのハラハラもので、客入りや鑑賞後の反応などがとても気になるのは当然のこと。

落ち着かない様子でタバコをふかす叶井さんや、トルネードスタッフの様子が妙に可笑しく切なくて・・・・チケット売り場でこれみよがしに「屋敷女一枚ください!」と声を張ってみた(苦笑)。

だってえ・・・今ライズでは、大評判の『ぐるりのこと。』を公開しているので、チケ売り場に並ぶほとんどの人がそちらを購入しているんだもの(苦)。

でも。
『屋敷女』も負けてませんぜ。予想以上にお客さんがたくさん入っていました♪


  
   しかしながら・・・・うーん(汗)。この映画って、倫理的にOKなのか?

つうか、現在妊娠中の方は絶対に観ちゃいけない映画だ!と声高に言いたい(涙)。



スプラッター映画としては申し分のない血糊量・・・そりゃあスゴイ。
そのエグさ、グロさはハンパないので、このジャンルのファンたちを十分に満足させられる1作に違いないとも思う(苦笑)。

出産間近の妊婦を、突然謎の女が襲う(クリスマスの夜に、しかも理由も分からず・・・苦)という設定はあまりにも理不尽極まりなく。
デカいハサミを振り回して、次々とエゲつない殺人を繰り返しながら、サラを追い詰めていく様子はもう恐怖恐怖のこのうえなさ(泣)。

サラの大きくなったお腹に、尖ったハサミをプツッ・・・と突き立てる様子なぞ、普通の女性ならちょっと直視出来るものじゃないだろう。

           おおーい!これ、マジで倫理的に大丈夫なのかあ!?

血肉が飛び散り、体液がしたたり・・・暗闇からヌッと姿を現す黒づくめの女と、絶叫発狂の妊婦。もう本当に尋常じゃあない。


          第一に妊婦をスプラッターネタにするのは反則だろ(苦)。

これがまだ妊婦VS女だったからこそかろうじて観ていられるものの、これがもし妊婦VS男だったらはっきり言って製作者の道徳観念を疑ってしまう(汗)。


とはいえ、物語自体はとても哀しくやるせないものなのだ。
このまま理不尽フルスロットルで収束するのかと思いきや・・・結末には、実はキチンと根拠も理由も用意されている。
冒頭の伏線がしっかりと活かされていて、この物語自体がなにげにちゃんとした形になっていることが意外だった。

それにしたって、あのラストは凄まじさ極まりないのだよ(大泣)。
なんだか『ドッグ・バイト・ドッグ』のオチを思い出したぞ・・・。
でも本作の方が、ムチャクチャでグチャグチャですこぶる後味も悪い。

          こんなの絶対に妊婦さんは観ちゃいけないよお(涙)!!

さんざんあんな残虐なことをされながら、赤ん坊が生きていることもいささか信じがたいし・・・たかが女一人に警官さえも太刀打ちできないという状況にも不満が残る。

しかもねえ・・・劇場のせいなのか、作品自体のせいなのかは分からんが、とにかく映像が暗すぎて、ぶっちゃけほとんど何も見えなかったんだよなあ。これにはイラついたさ。


あれこれ言いたいことはあるにせよ、たった85分の尺の中でここまで徹底的なスプラッター映画を作っちゃったってあたりはすごいと思うし、さすがフランス製作なだけあって、そこここにエスプリが感じられるのもイイ。

     少なくとも、同じフランス原産のスプラッター『ハイテンション』よりは
              ずっと発想も演出も好みでございました。



ところで。
襲われる妊婦サラを演じ、本作が映画デビューとなるアリソン・パラディ。
彼女、ヴァネッサ・パラディの実妹・・・ってことは、ジョニー・デップの義妹(でいいのか?あの2人結婚してないしね・・・どうなんだろう?)だけれど、全然アネキに似てなかったな(苦)。

    しかも、顔面血まみれの傷だらけでほとんど原型とどめてなかったし(苦笑)。


そして凶暴ハサミ女を演じたベアトリス・ダル。
不気味なほどに美しい人なもんだから、余計に今回の役にハマっていたように思う。
刺されても、口唇噛み切られても無敵・・・狂乱したうめき声を出しながら、猛烈に暴れまくる様子など・・・はっきり言って鳥肌立ちます(怖)。

        この人、『ベティ・ブルー』のときもすごかったもんなあ・・・・
          感情的で執拗な女性を演じさせたらピカイチだわ。



              いずれにしろ、妊婦さんの車の運転は、
   とてつもなくリスクがデカいということを再認識させられた映画だった(恐)。




※グロやスプラッターが苦手な人はもちろんのこと・・・・何度も言うけど、女性とりわけ妊婦さんには、絶対に鑑賞をオススメしません!!


clockworkorenge at 13:13│Comments(10)TrackBack(4)clip!映画論 や行 

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2. 屋敷女  [ 江戸っ子風情♪の蹴球二日制に映画道楽 ]   2008年06月29日 00:54
 フランス  ホラー&サスペンス  監督:ジュリアン・モーリー  出演:ベアトリス・ダル      アリソン・パラディ      ナタリー・ルーセル      フランソワーズ=レジス・マルシャソン 【物語】 クリスマス・イブの夜。4ヵ月前に事故で夫を亡くし....
3. 屋敷女  [ スワロが映画を見た ]   2008年07月16日 22:34
原題:AL' INTERIEUR 製作年度:2007年 製作国:フランス 上映時間:83分 監督:ジュリアン・モーリー 原作:―― 脚本;アレクサンドル・バス...
4. 屋敷女  [ Memoirs_of_dai ]   2008年07月20日 08:38
この妊婦最強(死なない)につき・・・ 【Story】 クリスマス・イブの夜、出産を翌日に控えた妊婦サラ(アリソン・パラディ)の家に、黒い殮.

この記事へのコメント

1. Posted by かつを   2008年06月23日 14:41
こんにちわ。

この映画、事前に輸入版で鑑賞したのですが光度調整したわけでも、特別クリアに映るテレビを使ってるわけでもなかったのですが、リージョン1のDVDではあまり暗さを感じることはなかったんですよ。

映画館で鑑賞したという他の方のブログなどを見てもみなさん、画面が暗くて何がなんだか・・・という感想だったようで。

やっぱり規制なのでしょうか、それとも単純に映画館の仕様なのでしょうか?

上映してくれるのは嬉しいけど、なんだかそのような仕様の映画が多いですよね・・・。

「ヒルズ・ハブ・アイズ」も日本版はカットがあるとかなんとかそんなのばかりで。。
2. Posted by かつを様へ   2008年06月23日 21:34
■かつを様へ
コメントありがとうございます。

≫リージョン1のDVDではあまり暗さを感じることはなかったんですよ。

げえ!んじゃ、あの暗さは映像加工だったのかなあ!?断りなしに規制かけないでほしいっす(苦)。そうじゃなくてもR-18ついているんだし、全部堂々と見せてくれ!!・・・全く見えませんでしたよお(涙)。

『キャプティビティ』の時には、上映前にキチンと映像規制のテロップが流れたのに!!

なんか、そういうのばっかりだと、純粋に映画を楽しめなくて苦しいです(涙)
3. Posted by み   2008年06月26日 02:16
こんばんは♪

竜巻邦題キターー!!
このタイトルのネタ元はきっと望月峯太郎氏の漫画『座敷女』なんでしょうね

>交通事故で夫を失ったサラ
ところで、あらすじのココ見て思い出しませんか?アレを…
そう!『ディセント』ですよ!
トルネードってば「交通事故で家族を亡したサラという名の女性が女vs女の阿鼻叫喚の血糊地獄に叩き込まれる映画ひとつください」つって買い付けてきてるのかよと(笑)

でも…、もぎゃー!く、暗い!
やぱし規制なんですか
もういっそのことtaspoカードみたいに「わたしは妄想と現実の区別のつく分別ある成人です」てな妄現区カードとか作っちゃえよ!こーんにゃろめ!と軽キレ
窓口で提示すると規制なしで血飛沫祭り映画鑑賞できるの(笑)

『JUNO』と本作の記事を並べてくるあたりに睦月さまの非凡なセンスを感じましたわ(ニヤリ)
4. Posted by み様へ   2008年06月26日 23:27
■み様へ
コメントありがとうございます。

≫ネタ元はきっと望月峯太郎氏の漫画『座敷女』なんでしょうね

アハハハ!!たしかにそうかも!
トルネードの邦題って、『〜女』とか『〜男』とかそういうのが最近多いですね。『トカゲ女』のノリでつけちゃったって気がしないわけでもないけど・・・。

≫そう!『ディセント』ですよ!

ああああ!!!!たしかにそうだ!うわー!なんて偶然なんだ!・・・いや、計算通りなのか!?

≫妄現区カードとか作っちゃえよ!

みさん、発想力&企画力抜群ですよお!私、タスポは作ってませんけれど、妄想区カードなら積極的に作ります!

≫『JUNO』と本作の記事を並べてくるあたりに睦月さまの非凡なセンスを感じましたわ

ね(苦笑)。
私、性格悪いんですよ(苦)。どちらも妊婦ネタなのに、対極にありますからねー。
あ・・・でもジュノにしろ、黒づくめの女にろ、どっちもイカれっぷりは一流だなあと感じました(苦笑)
5. Posted by CINECHAN   2008年06月28日 03:36
睦月さん、こんばんは。
「屋敷女」
この邦題からして、ちょっと不安はあったんですが、全くそんあ不安も吹き飛ばしてくれるようなスプラッターでした。
内容は満足だったんですけどねぇ・・

あの映像、絶対調整してますね。
観ていても、どっちがどっちやらわからないシーンもあって、もどかしさ一杯でした。
内臓や脳味噌も見てみたかった。見えました?
6. Posted by 風情♪   2008年06月29日 01:00
こんにちは♪

さすがの睦月さんも本作の凄惨さには
鳥肌もんだったようですな。
映像の暗さは観辛くあって確かに難儀
しましたが、もっと酷いものを観なく
て済んだかなとも思ってます。
暴動少年が何か一番可哀想な存在でな
りません…。
何か今年は個人的に「THEM」「フィー
スト」やら「ミスト」とホラーの当り
年です♪ (゚▽゚)v
7. Posted by CINECHAN様へ   2008年06月29日 20:10
■CINECHAN様へ
コメントありとうございます。
お返事遅くなってすみません・・・。

≫ちょっと不安はあったんですが、全くそんあ不安も吹き飛ばしてくれるようなスプラッターでした。

ねー。
これ、予告編の時点からハンパなかったですもんねー・・・。配給がトルネードってこともあって、冷やかし半分で観に行ったんですが、見事に怖がらせてもらいましたです(苦笑)

≫あの映像、絶対調整してますね。
≫内臓や脳味噌も見てみたかった。見えました?

あの映像調整は『キャプティビティ』と同じ手を使ってますね。でも上映前に一言断りいれて欲しいですよー。
内臓、脳みそ・・・もっと見たかったのに・・・全然見えなかった(涙)
8. Posted by 風情♪様へ   2008年06月29日 20:14
■風情♪様へ
コメントありがとうございます。

≫さすがの睦月さんも本作の凄惨さには
鳥肌もんだったようですな。

襲われるのが妊婦ってのはイヤでした。
映像そのものは、あまりにも暗すぎて肝心のところをほとんどみれなかったので、そんなに言うほどグロさも感じなかったんですが・・・それよりも、妊婦ってのが反則ですよー(苦)。

≫暴動少年が何か一番可哀想な存在でな
りません…。

あれは一体なぜにあんなことになったんでしょう?ゾンビ化したのにはなにか理由があったんですっけ?
9. Posted by swallow tail   2008年07月16日 23:01
睦月さん、こんばんは。

姐さん、スワロもついに見に行っちゃいましたよ。
>第一に妊婦をスプラッターネタにするのは反則だろ(苦)。
同感〜
これは・・・正直歓迎しがたい設定ですよね。
やっぱり生はとても神聖で大切なものだから
無下に娯楽のアイテムと化しちゃいけませんよ。
しかも全くの正反対である「死」の娯楽なんて不謹慎ですよね。

でも、それを除けば結構ホラーとしてはイケていたかなぁ・・・と。
あんなに勢いよく血がぶわぁぁぁぁーーーーっと出る映画なんて久々に見ましたよ。
トルネードさん、ありがとう。

でも、その後『闘茶』も行こうかと思ったけど、これ見て速攻帰ってしまった・・・
変態村村民としてまだまだだわ。
10. Posted by スワロ様へ   2008年07月17日 16:14
■スワロ様へ
コメントありがとうございます。

あ。結局観に行ったんだね(笑)。
かなり凄まじかったでしょう?スプラッターとしてはかなり一流の完成度だと思いますわ()

≫しかも全くの正反対である「死」の娯楽なんて不謹慎ですよね。

うん。
でもさー、『ホステル』シリーズとか『スポーツキル』とか、人の命をオモチャにした題材のホラーとかスプラッター映画って増えてるね。そこまでやらないともう観客は刺激を受けないってことなのなのかな?・・・怖いね(苦)。

≫トルネードさん、ありがとう。

そうそう、感謝してあげて。
私がいつもお世話になっている配給会社さんなので(笑)。

≫でも、その後『闘茶』も行こうかと思ったけど、これ見て速攻帰ってしまった・・・

『闘茶』ってムービーアイ配給でしょう?
トルネード作品よりはずっと良質だと思うわー(笑)。

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