2008年12月02日

D-WARS ディー・ウォーズ

D-WARS ディー・ウォーズ

【映画的カリスマ指数】★★☆☆☆

 嘆くなり、憐れなモンスターパニック
 
  

監督:シム・ヒョンレ
出演:ジェイソン・ベア,アマンダ・ブルックス,ロバート・フォスター,エイミー・ガルシア,クレイグ・ロビンソン
製作年・国:2007/韓
鑑賞日:2008/12/01:新宿東亜興行チェーン
系統:SFアクション
配給:ソニーピクチャーズジャパン

ストーリー:ロサンゼルスで起きた地面陥落事件を取材していたりポーター・イーサンは、そこで鱗状の化石を発見する。それは、彼が少年時代に聞いた『世界を危機に陥れる伝説』を裏付けるものだった。イーサンは、世界を救う宿命を背負った少女サラを追って奔走し、ついに彼女を見つけ出す。しかし、イーサンと同様にサラを追う巨大なモンスターがロサンゼルスの街で大暴れしながら、2人に襲い掛かってくるのが・・・・・。


評:『怪獣大決戦 ヤンガリー』のシム・ヒョンレ監督が脚本も兼任した最新作。
『スパイダーマン』や『トランスフォーマー』などを手がけたスタッフによる、最新のCG技術を駆使したモンスターパニックアクションである。


       物語の舞台はロサンゼルスで、役者もアメリカ人がメイン。

    一見すると、すっかりハリウッド映画のような装いではあるが・・・・
               本作は正真正銘の韓国映画。

それもそのはず。
本作は、35億円という巨額を投じ、本気でマジで正気で世界配給を狙ってしまったれっきとした大作映画なのだっっ!!


これは、第21回TIFFで上映されていたときからずっと気になっていた作品だった。
なにやら、『GOZIRA』や『クローバー・フィールド』を思わせるような大規模な怪獣映画風味に期待をそそられて、公開を楽しみにしていたのである(笑)。

 にも関わらず、世間の評判はズタボロの腐れ雑巾のような言われっぷりで(苦笑)。
すでに鑑賞済みの知人に聞けば皆、口をそろえて「あれはヒドい・・・」ともらす始末。

ここまでにけなされる映画も実に久々とばかりに、逆に俄然ヤル気になってしまった私は・・・・冷やかし半分、怖いもの観たさ半分で劇場に足を運んだのだった(爆笑)。





     うーん(苦)、たしかにヒドい。決して世間の評判は大げさではない。

鑑賞中、後ろの席から「ヒデぇ・・・こんなヒドいの観たことねえ。」という嘆きの声が聞こえてきて、思わず私は泣きそうになってしまった(汗)。


アジアに古くから伝わるドラゴン伝説が現代に再び舞い降りるというプロットそのものは悪くはないが・・・・何がヒドいって、物語の編集・構成があまりにもずさんで滅裂甚だしい。

   『ツッコミどころが多い』のではなく、『ツッコミどころしかない』のだよ。

その唐突な展開、納得できない状況、ありえない設定の数々には、怒りでモロに頭に血が上ってきて、本気で劇場を去ろうと思った瞬間もあったほどだったが・・・・。


しかし。
それも峠を越えると・・・・まるでクライマーズハイのごとく感性が麻痺し、一種の陶酔状態にでも陥ったかのように、逆にこの作品が面白くみえてきてしまったのだから驚きだ(爆笑)。


     はっきり言って、どんなに褒めようが、どんなにフォローしようが、
    2つ★以上はあげられないヒドい映画であることはたしかだが(苦笑)。

  どうも憎めない。こんなにヒドい映画だけど、なにやら憐れみと同情すら覚える。

   きっと、本作のシム・ヒョンレ監督には決して悪意などなかったはずだっ(涙)
しかし同時に、残念ながら彼にはクリエーターとしての才能もなかったのだよ(大泣)



映像そのもの・・・・特に後半のアクションは非常に見ごたえがあって楽しめる。
ビルに巨大蛇が巻きつくシーンや、ラストの巨大蛇バトルなどはなかなか良く出来ていて、作り手の熱意や頑張りがひしひしと伝わってくるようだ。

序盤は、映像のあまりのクオリティの低さにもゲンナリさせられるかもしれないが・・・まあ、それも観ているうちに慣れる。必ず慣れる。ってか、慣れなきゃ観ちゃいられない。



「お金を払って観てください」だなんて決してオススメはしないけれど、でも不思議と飽きずに最後まで観れてしまえるし、なにげに劇場だからこその迫力(?)もある1作。


あらゆる意味で相当クオリティの低い映画だけれども・・・・。
広域でこんなB・C級映画が公開できてしまえる奇跡を、前向きに楽しんでみるのもまたオツだ(苦笑)。

            さすがソニーピクチャーズさまさまです(苦笑)。


clockworkorenge at 13:14│Comments(7)TrackBack(4)clip!映画論 た行 

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2. D-WARS ディー・ウォーズ−(映画:2008年63本目)−  [ デコ親父はいつも減量中 ]   2008年12月02日 21:56
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「D-WARS ディー・ウォーズ」、観ました。 500年の時を経て善龍と悪龍の争いがロサンゼルスで勃発する。戦いの鍵を握る男女が運命に抗おうの..
4. 韓龍大決戦 シム・ヒョンレ 『D-WARS』  [ SGA屋物語紹介所 ]   2008年12月15日 13:18
本日は韓流ムービーの新たなる挑戦、『D-WARS』を紹介いたします。 むかしむか

この記事へのコメント

1. Posted by はらやん   2008年12月02日 19:32
睦月さん、こんばんは!

本作、世間の評判もズタボロだったのですねー。

>『ツッコミどころしかない』
自分ところの記事でもいちいちつっこもうかと思ったのですが、多すぎて覚えられなかったので、ちょっとだけにしました(笑)。

>シム・ヒョンレ監督には決して悪意などなかったはずだっ
そうなんですよね、本人はA級の怪獣映画を目指していたはず!
でも結果的にC級に・・・。
怪獣映画の文化がなくキワモノと思われる韓国でここまでお金をかけて作ったのは評価できるんですけれどねー。
2. Posted by Longisland   2008年12月03日 23:58
本作品観たんだ、ゲテモノ好きだね(苦笑
何ぞ韓国の観客動員数一番にして米国上映、それも2300スクリーンで公開したんだとか・・・信じられん。
聞いたところによると韓国映画製作配給興行会社最大手のショーボックスの世界戦略作品だったんだとか。監督は韓国の有名お笑い芸人さん、日本に置き換えるに東宝が北野監督で怪獣映画を撮り米国進出をもくろんだ?
TIFFでの舞台挨拶は杉本彩も登場。マジに舞台挨拶の方が映画より面白かった。
韓国怪獣物としては「グエムル」には及ばず、北朝鮮の珍作「プルガサリ」に比べても劣る。つうかさ主演者(米国俳優)が稲川素子事務所所属タレント級。正直今年観た映画のワースト5に入る愚作。


ところで、今年の睦月のバカンスはブラジル圏?
3. Posted by ノラネコ   2008年12月08日 00:01
あ、観たんですね(笑
私としてはこの映画の事を書くと、どうしても酷評になってしまい、しかし心情的には貶したくない、というあたりで結局記事を書かなかった作品です。
正直、シム・ヒョンレ監督は才能に恵まれた人ではないと思うのですが、どうしても「ハリウッド」で「怪獣」なのだという心意気は買います。
私の知り合いにも、駄作ばかり撮っていたのに、いつしか少しづつ良い映画を撮るようになっていった監督もいます。
シム・ヒョンレもいつか凄い映画を撮らないとは言い切れませんからね。
4. Posted by SGA屋伍一   2008年12月15日 13:16
睦月さん、こんちは
見ちゃいました・・・ この映画

いや、面白かった(笑) いろんな意味で

こんな映画に35億円もぶっこんだんだ・・・ 睦月さんがマカオでお別れした金額なんて、それにくらべれば無いも同然だろうね〜

そしてこんな大珍作が全国のシネコンで普通に見られるなんて、これはもう奇跡ですよ、奇跡。映画ファンとしてはこのミラクルを体感しないわけにはいかんでしょう!

>『ツッコミどころしかない』のだよ。

お笑い志望の人はツッコミの練習に最適ですよね!

と、まあいろいろ褒めちぎって?しまいましたが

>「お金を払って観てください」だなんて決してオススメはしない

これには激しく同意(笑) ウィキぺディアにはさらに痛い情報がいろいろありました・・・・

ただ、これだけメタクソにやっつけられていながら「それでもオレは見る!」という人、わたしは好きです!
5. Posted by SGA屋伍一様へ   2008年12月15日 15:48
■SGA屋伍一様へ
コメントありがとうございます。

≫見ちゃいました・・・ この映画

怪獣好きのSGA屋さんなら、きっと観ちゃうだろうなあと思っておりましたよ(苦笑)。

≫いや、面白かった(笑) いろんな意味で

同感です。私もいろんな意味で面白かったですもん(涙)。

≫こんな映画に35億円もぶっこんだんだ・・・ 睦月さんがマカオでお別れした金額なんて、それにくらべれば無いも同然だろうね〜

こんな映画に35億ぶっこんで、こんな映画のくせに堂々の広域公開。しかも配給はソニー。
映画はギャンブルだとよく言いますが、こんなデカイ賭け方は私には決して出来ません。

≫映画ファンとしてはこのミラクルを体感しないわけにはいかんでしょう!

こんな奇跡を目の当たり・・・いや、あえて、奇跡を体感しにいった我々の度胸と勇気に乾杯しましょう。カンパーイ★

≫お笑い志望の人はツッコミの練習に最適ですよね!

アハハハ。

≫これには激しく同意(笑) ウィキぺディアにはさらに痛い情報がいろいろありました・・・・

ウィキペディア、読みました。
ここまでけなされる映画もここ近年では『デュエリスト』以来だったのでは?と個人的には思っております。『エド・ウッドの再来』には大ウケしました(泣笑)。

≫ただ、これだけメタクソにやっつけられていながら「それでもオレは見る!」という人、わたしは好きです!

んじゃあ・・・私のこと、好きなのね(笑)
フフフフフフフフフ・・・・・・

6. Posted by み   2008年12月17日 00:39
こんばんは♪

>広域でこんなB・C級映画が公開できてしまえる奇跡

ですよね〜
こんなんフツーDVDスルーかキネカ大森あたりで2週間限定公開ですよ…
また惹句が素晴らしいじゃないですか!
「たった一人のために全人類は壊滅するのか」
壊滅させられたわー!ヒョンレイズムに(笑)

永ちゃんにも言って欲しいものです
「世界のソニーっていうじゃない。だから、本当にぶっちぎった珍作を作ってよ。世界一の珍作を。これがソニーだっていうやつをさ」
うん、本作かなり良い線いってたと思うわー(笑)

個人的には大好きだけど決して人には勧めない作品に追加ですねー
『ダンジョン&ドラゴン』や『サウンドオブサンダー』と同カテ(笑)
7. Posted by み様へ   2008年12月17日 16:30
■み様へ
コメントありがとうございます。

≫こんなんフツーDVDスルーかキネカ大森あたりで2週間限定公開ですよ…

キネカ大森、ツボりました(爆笑)。

≫壊滅させられたわー!ヒョンレイズムに(笑)

ヒャーハハハハハ!!!ヒョンレイズム!!
いやあ・・・この壊滅度の衝撃は、『デュエリスト』を観たとき以来ですよ(苦笑)。

≫「世界のソニーっていうじゃない。だから、本当にぶっちぎった珍作を作ってよ。世界一の珍作を。これがソニーだっていうやつをさ」
うん、本作かなり良い線いってたと思うわー(笑)

ウハハハハ!!!!
どうやらソニーは大幅な人員削減をするらしいですが、それって本作の大コケのせいって噂もありますね(←ウソ)。

≫個人的には大好きだけど決して人には勧めない作品に追加ですねー

誰かにオススメしたら抹殺されそうな気がします。
でも、「この映画を1週間以内に5人以上にオススメしなければ、お前は死ぬ」とかいう悪魔のメールとかきたら・・・・オススメしちゃいそうですけど(苦笑)

≫『ダンジョン&ドラゴン』や『サウンドオブサンダー』と同カテ(笑)

うっわー!!なんか既に懐かしいタイトルですわ〜。
でも『サウンドオブサンダー』は2つ★つけたけど、個人的には結構好きだった(苦笑)

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