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神奈川県の真鶴に残る廃線跡。

レールはとうの昔に撤去されていますが、3つの隧道と架線柱は今もひっそりと残っています。


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東海道本線の根府川駅~真鶴駅間は、現在、真鶴隧道で結ばれていますが、1972年(昭和47)まではもう少し海寄り(R135の崖の上あたり)を走っていました。

この旧線区間には、1926年(大正15)に開通した赤沢隧道・八本松隧道・長坂山隧道の3つのトンネルがあり、50年近く利用されてきましたが強度的な問題で廃止されてしまいました。 


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箱根登山バスの石名坂バス停横の林道を下り、さらに畑へ入る道へ。


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数分で海が見えてきます、ここを左へ。


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みかん畑などによくあるレール沿いに、細くて急な石畳の道を下っていくと、コンクリートブロックがあります。ここから竹やぶの中へ。


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竹藪をくぐり抜け、この堰を乗り越えると廃線跡。


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建設から92年、廃止されてから46年経つ東海道本線旧線跡……トトロが出てきそう……

ここに脚を踏み入れて、すぐ右側(真鶴駅方面)に見えるのが長坂山隧道。


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2007年(平成19)に白骨遺体が発見された長坂山隧道。ちょっとだけ覗いてみます。


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隧道内は真っ暗資材置き場として利用されているようです。


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長坂山隧道の先は現在の真鶴隧道・南口。


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正直、あまり長居したくない隧道根府川駅方面へ向かいます。


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数分で八本松隧道、100m弱の短い隧道です。

赤錆びた架線柱がいい味。碍子も残ってますね。


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隧道に入って振り返ってみると、複線だったので横幅が広いことに気づきます。


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度重なる災害によって補修したり繋げたり

短いながらも、歴史を感じる隧道です。


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八本松隧道・北口には銘板が残っていました。


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蔦が絡まった架線柱が続いていますここから赤沢隧道までの雰囲気が、廃線跡だということ実感できる場所かもしれません。

やっぱりトトロが出てきそう


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赤沢隧道が見えてきました。

錆びたオレンジ鋼板は橋梁ここからの眺めはたしかに素晴らしい。


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赤沢隧道。

相模湾の断崖にあって、せっかくの眺望を楽しんでもらう為に、わざわざ多数の大窓を開いた隧道。

通称、海の見えるトンネルというか覆道ですね。


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実は陽の光が射し込む廃覆道って大好きです。


北海道の栗山トンネルや、

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▶︎http://blog.livedoor.jp/club007/archives/17421832.html


廃覆道ではありませんが、隧道に興味を持つきっかけとなった新潟の東赤谷隧道とか。

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▶︎http://blog.livedoor.jp/club007/archives/3549231.html


覆道は、やっぱり空気が澱んでないし、陽の射し込み具合によってはアートになります。

でもここの廃線跡は複線なので広い神殿のようで圧倒されてしまう。


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真鶴っていうと、例の廃墟、ブロックアートが有名?ですけど

こちらの落書きは統一感があるかも?

残念ですがこういう輩は絶対いなくならない


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十字架?


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ご覧のようにけっこう長い覆道。

でも、単調な景色でないので全然飽きがこないんです。

ここを電車が走っていたと思うと、なんだか不思議な気分になります。


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赤沢隧道を抜けて振り返ってみると、また全然違う景観。レールが残っていたら、気絶してしまうかもしれない


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現在の東海道本線と合流して散策は終了です。


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ここを訪れるのは3度目。

自然に呑み込まれつつありますが、とてもクリーンで、架線柱が残る貴重な廃線跡。

けっして廃墟とかではなく、未来永劫残して欲しい遺構です。