カテゴリ: 千葉

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千葉県のほぼ中央に位置する外房・茂原市。

都心への通勤圏にありながら、天然ガスの生産量が日本一…また、戦闘機を隠していた掩体壕(えんたいごう)が数多く残っており里山へ入れば現役の素掘りのトンネルもたくさんあります。


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特に茂原駅の北西にあたる押日(おしび)地区には、1km四方に複数のトンネル記号が記載されておりまさに隧道天国。


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今回アップするのはその中でもフォルムが美しい細田隧道と、その旧道にあたる切り通しの廃道です。


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雨上がりの早朝…茂原街道(R14)から住宅街へ入り八幡神社前の三又。

右へ進めば細田隧道、神社の方へ進めば切り通しの廃道があります。


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まずは細田隧道へ。


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地図上では南側の坑口。

長さは約50m、横幅は車1台分。

よく見かける形状の坑口ですが、とても丁寧に作られているように感じます。


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振り返って…曲がり具合がいい雰囲気。


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この隧道の最大の特徴は内部のフォルムと天井の低さでしょうか。


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凹凸の少ない壁面と流線型を描く緩やかなS字カーブ…しかも未舗装。

そして最新のLED照明が備えられています。


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そしてその天井高は2mほど…

手を伸ばせば届く低さでありながら不思議と圧迫感は感じられませんでした。


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そして北側の坑口…こちらも曲がっています。


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良いですね…角の少ない滑らかな曲面。


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車で通り抜ける気にはなりませんが、歩くには最適の空間。

湿気も少なく水滴の音もしない、光量があるので足元も安心。とても自分好みの隧道でした。


八幡神社前の三又に戻り、切り通しを見てみます。


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神社の横だけに、社叢林(しゃそうりん)が多い切り通しで、山奥にでも入ったような雰囲気に変わりました。

切り通しは左に急カーブしており入口からは先は見えません。

道幅は隧道と同じくらいで、足元は長年にわたる崩土や落ち葉が堆積しておりふかふかしていて歩きづらい。


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カーブを曲がると意外な深さに驚きました…


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左の崖はオーバーハング気味でとにかく高い。


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振り返ってみると反対側の崖は低く、太い社叢林が壁の代わりになっています。


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そしてこの部分の真下は、細田隧道の北側にあたるというから…驚きですね。

ちょっとやそっとでは驚かなくなった房総の土木ですがほんとうに魅力は尽きません。


他にも1km圏内に、たくさんの素掘りのトンネルがありますがこんな隧道がありました。


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住宅地側の坑口の形状は観音掘りでやはり天井は低め。


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抜けて農地側の坑口はこんな形状…道祖神を祀るための窪みでしょうか。

茂原の素掘りのトンネル群は総じて湿気が少なく個性的な作りが多いようです。機会があれば1日かけてじっくり探索してみたいと思います。

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全国各地のダム湖周辺では、旧道が湖底へと沈んでしまうという光景を見かけますが、房総にもあります。今回は話しのネタです。


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とあるダム湖畔の廃道。

近くには道の駅があり、観光客が大勢訪れるスポットもあり、地元の方々も釣りを楽しんでいたりします。

雨上がりの朝はアスファルトがよく滑る…


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400mほど歩くと…

侵入者を防ぐように、丸く束ねた枯れ木を意図的にポンっと交互に置いた感じ。


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この辺りは自然の藪に閉ざされつつあります。


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湖側の視界が開けてくると、路面には倒木やら落石が目立ちます。


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歩き始めから800mほど…歩いてきたアスファルトの道は、ガードレールごと湖へと緩やかに沈んでいました。


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道を閉ざす、流木にコンクリートの側溝蓋。


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落ち葉が多い…この辺りは吹き溜まりになっているようです。


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この道は旧県道。

湖に沈む前はちゃんと機能していた道。

今ではガードレールと共に水の中へと沈んでいます…この先にはどのような人の暮らしがあったのでしょう。

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一度見たら忘れられない隧道…


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茂原市といすみ市を結ぶ快走路・南総広域農道から、ちょっと脇に入ったところにあるのがこのノッポな隧道。


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東側の坑口…深い切り通しで、ご覧のように勾配はなかなかのものです。


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坑口の左上に、ごっつい大木がありますね…


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隧道の長さはおよそ60m、1車線しか通行できませんが意外と交通量の多い道で、反対側の坑口の見通しはあまり良くない…

それでも、利用者は地元の人だけだと思うので勝手知ったるという感じだと思います。


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それにしても風通しの良い隧道です。


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中央部から東側を振り返ってみると、やはり対向車が来るのがわかりづらい。


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西側の坑口。

東側よりノッポ感はありません。


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ちょうどワンボックスが通ったので、ギリギリまで待って撮った画像。


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掘られた当初は今ほどノッポではなく、出入り口の勾配が急な罰ゲームのような形状だったものを、両側からの見通しの悪さを解消するために、下へと削っていったらノッポさんになった…というのが皆さんの見解です。

勾配を完全になくすとしたら…今よりもっとノッポになる…それはそれで楽しみです。

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前回アップした“開墾場の滝の川廻し”の後、素掘りのトンネル巡りをしようと小湊鉄道の月崎駅へ向かいました。


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いつもは三連隧道のある林道を車でながしていますが今回は月崎駅から飯給駅まで歩いてみました。


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小湊鉄道イルミネーションはスタートしたばかり。


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まずは、将棋の駒のような観音掘りの永昌寺トンネル。


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坑口も坑内も南側の方が荒々しさが残っています。


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永昌寺トンネルを抜け、小湊鉄道と並走する手前あたりで、木にくくられた白い案内板に目が止まりました。


「浦白川のドンドン」?…太鼓?

さらに手書きで(生きている川廻しの傷跡)とも書き加えられています。川廻し?。

浦白川は、すぐそばを流れる養老川の支流の一つ。


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その場で国土地理院地図を確認してみると…

川廻しのトンネルでした。


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しかもちょうどこの真下…長さは100m以上…

ここは小湊鉄道との並走ポイントで季節によっては撮り鉄さんで賑わうところ…びっくりです。


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切り通しを抜けて見えてきたのが柿木台第二トンネル。この隧道…苦手です。


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ワームホールのような形状もさることながら、滴る水音の反響と抜ける風が独特。


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最後は柿木台第一トンネル。


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美しい観音掘りのトンネルです。

ここまでは以前にもアップしたことがあります。飯給駅まで歩く予定を変更して、ここで引き返し、川廻しのトンネルへ向かうことに。


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林道からトンネルまで500m、事前情報がないので踏み跡だけが頼りです。


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森を抜けると放棄されたような荒れた農地が広がっていました。川廻しによってつくられた農地です。


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沢の音が聞こえてきたこの辺りが迷うところ。

微かな踏み跡を見つけ右下へ降りて行きます。


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するとすぐに沢が見えてきました。


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藪を抜けて目に入るのは、蛇行した下流側。

キレイだねぇなんて言いながら上流に目を移すとびっくりしました。


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洞窟?

こんな巨大な素掘りのトンネルが100m以上も続いているなんて信じられないというのが第一印象。本当かなぁ…


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洞内から聞こえてくるのは、地鳴りのような滝の音。その音の大きさは会話がまったく聞こえないほどです。


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上流側とここ下流側では、どのくらいの高低差があるのだろう。


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トレッキングシューズではここまでが限界。

左奥から光が漏れているように見えるのですが…


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洞内や上流側がどうなっているのか気になりますが、沢歩きのスキルがある方々にお任せします。

掘られた時期や当時の大きさや形状はまったく想像つきませんが、案内板に『傷跡』と書き加えられているのを推測すると、

素掘りゆえに時を経て川の流れに削り取られ徐々に大きくなっていった…、

ないしは、住民に忘れられた遺構…の可能性がありそうです。

全国各地にも『~のドンドンの滝』というのがあります。

その名の由来のほとんどが、水が勢いよく流れ落ち、岩にあたって太鼓を打つような「ドンドン」という音がするから…

ここ『浦白川のドンドン』は太鼓を通り越して地鳴りです。

房総の魅力は尽きることありません。

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何度かアップしている『三島湖の隧道群』から数km上流の奥米集落に開墾場の滝があります。

自然の滝ではなく、房総特有の川廻しによってつくられた素掘りの穴から流れる滝。


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川廻しに関しては以前、『亀岩の洞窟』の時にふれましたが、江戸時代から明治末までにさかんに行われた房総特有の河川短絡工事のことです。

蛇行する川の曲がった川筋をトンネルや切通しを開削することでまっすぐにし、元の川筋は水田などに活用するという…画期的かつ大胆な工事。

房総には数え切れないほどの川廻しがあるといわれていますが、亀岩の洞窟のように、元の川筋を遊歩道にして観光地化されたケースは稀だと思います。


10年ほど前に、下流側から滝と穴を見上げたことがありますが、上流側からのアプローチは家族共々今回が初めてです。


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びっくりしたのはピンクテープが付けてあったこと…初めて訪れた方でも迷子になることはなさそうです。


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入渓しました、上流側…静か過ぎる…


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洞門のようになっている下流側からは光芒が…

スパイク長靴を履いて下流に向かって沢歩きです。

ここからなら、概ね平らで歩きやすいのですが、場所によっては30cmぐらいの甌穴(おうけつ)や苔むした滑る岩があったりしましたので、ズルっと転けて脚を挫いたり、カメラを落としたり…なんてこと防ぐためにも、トレッキングポールor 一脚があると便利です。


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2~3分歩いて上流を振り返ってみた画。

洞門のようになっています…そしてレンズがくもるほどの湿気。


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水路隧道もありました。


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さらに下流に向かうと沢の右側に大きな岩壁があらわれ、川の流れが速くなってきます。


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着きました…開墾場の滝の川廻しです。


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デカい…そしてキレイにくり抜かれています…見事なものです。


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穴に向かってみます。


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養老渓谷の弘文洞のように突如崩落なんてこともありえます。


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穴の先は垂直の壁…開墾場の滝です。


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これでも高さは8m以上あります。


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振り返ってみると、地層がくっきり見えますね(上部の黒い亀裂?部分が気になります…)。


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奥さんと娘が元の川筋を探し始めました…


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裏手にあったのは、紅葉の水鏡が美しい放棄された沼でした。

増水時などに水が流れ込んでしまい最終的に放棄されたのかもしれません。ここは植林用地確保の為の川廻しだったそうです。


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自然に人の手が加わることによって、見た目の景観がスケールアップした場所。

房総の地質は適度に柔らかくて掘りやすい。

人が掘りやすいということは水も掘りやすい。

トンネル内を流水がどんどん掘り削って、落盤した岩片も水が運んで、これからもっと大きな空間ができあがっていくのかもしれません。

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