NZ Coaster'sLife!

雪が降れば板を担いで山へ、春夏は岩を登り、パドルをにぎり川の中へ。地球と遊び、自然の中に生きる。ニュージーランドで山岳ガイド、バックカントリースキーガイドをしています。

カテゴリ: ニュージーランド山岳ガイド協会





あけましておめでとうございます。

もうすっかり1月半ばになりましたが、2015年は様々な変化の年でした。

大きな出来事といえば、まず結婚した事、9年住んだウェストコーストからマウントクックへ引っ越し、新しい仕事とガイド試験など、転機の年でした。




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結婚式は、新雪が降り始める6月に、長年の職場であったフランツ・ジョセフ氷河の上にある山小屋アルマーハットで。 僕ら二人と仲人二人、牧師さんとカメラマンでヘリでハットに向かい、2時間ほど式と記念撮影をして降りてきた。

結婚式をするならここで、と決めていた場所でできて良かった。





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11月の終わりには、ニュージーランド山岳ガイド協会のアシスタント山岳ガイドの試験。

ここ数年、ニュージーランドでは山岳ガイドの人数不足で、各社とも海外からガイドを呼び集めないといけない状態で、僕自身も約5年ぶりの新人ガイドとしての受験だったらしい。

そのおかげが、先輩ガイドやいろんな人達に多大なサポートをしていただいた。





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(レベル2を合格して国際山岳ガイドになったエイドリアンと、試験官の国際山岳ガイドのマーク)





試験期間は10日間。 受験者はレベル2のエイドリアンとレベル1の僕のみ、普段なら最低人数に達していないのでキャンセルとなるけど、ガイド不足と新人ガイドの必要性で試験が決行。 

ただし、受験者二人に試験官二人なので、10日間みっちり常に見られている状態で、かなりハードだった。 普通なら他の受験者のガイドを見れるので、そこで失敗や改善点などを勉強できる。






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(試験官のロイにビレイされ、3ピッチのトラッドルートをガイド中)




試験中に登ったアルパインルートは、グランド・プラトーにある、グレイシャードーム、アンザックピーク、マウントクック東稜、マウントディクソン南稜。どれもマウントクック国立公園でよくガイドが登る山々。

アルパインロックは、Twin Streamというエリアで、クライミングブーツでHungry Heartグレード16、16のトラッドの2ピッチ、クライミングシューズでCentre Fire グレード17、19、20の3ピッチをガイドした。


スキーガイド試験は14日間と長かったけど、内容は圧倒的にクライミングガイド試験の方がハードだった。テクニックの応用や様々な判断がやっぱり断然的に多く、常に頭フル回転の状態。





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(グランド・プラトーからマウントタスマンからマウント・ヘイディンガーまでの景色)



試験は無事合格で、いいフィードバックももらった。 

あとは2年くらい実務経験を積んで、レベル2の試験が待ってる。国際山岳ガイドまでは、雪崩レベル2も含めて後3つ。多分うまくいってあと3年。





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ニュージーランドはいまクライミングシーズンの真っ只中。 アルパインガイズでも、もう試験前から僕用の予約が入っていて、落ちられないプレッシャーがすごかった。 合格後、次の週から早速仕事開始。

ただ見習い期間があるので、初めは先輩ガイドのアシスタント。アルパインガイズには13人もの国際山岳ガイドがいるので、かなり勉強になる。そのあとは、一人でガイドできるようになるが、必ず入山前に計画書をリードガイドに提出、サインをもらってから山に入る。


ともあれ、これでグレードに限りはあるが、ニュージーランドのどの山でもガイドできるようになり、日本人山岳ガイドとしてスタート。







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と、まぁ忙しい日々ではあるけど、休みを見つけては、近くの山と岩を散策中。

マウントクック村には、セバストポールブラフというマルチピッチの岩場があって、家から自転車で10分。とりあえずは今あるルートを片っ端から登っている最中です。





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こないだはマウントセフトンの隣、フットストールという山に一泊二日で登ってきたけど、こんな山が家からさっと行けちゃうのも、やっぱりマウントクックに住んでる魅力の一つ。





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どこの山に登っても圧倒的な存在感なのが、最高峰マウントクック。

ニュージーランドの山と言えば、やっぱりマウントクックとアスパイアリングが有名になってしまうけど、だけどそれだけじゃない、他にもいい山がニュージーランドにはたくさんある。

これからガイドとして、そういった山々も紹介していきたいです。





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(マウント・ウェイクフィールドの通称ガイドルート、1200mの素晴らしいアルパインロック。 マウント・セフトンとフットストールをこっちから眺めるのも良い)









最後の夜は、ダーウィン氷河とタスマン氷河が交わるダーウィンコーナーでビバーク。
ここまでずっと担いできて一度も使ってなかったBivvy Bagを、ちょうど一人分の平らな砂利の上に広げて、これが今日の寝床。ちょっとデコボコしてるけど、雪の上に寝るよりは断然暖かい。



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夕食はエリカが事前に作っておいた、豆カレーの乾燥食品。
有名な山岳ガイドの父を持った彼女は、Alpine Recreationというレイクテカポにあるガイド会社を家族で経営している。お父さんが亡くなった後は、彼女がオペレーションマネジャーを努めていて、えらいしっかりしているニュージーランド女性といった感じ。
マウントクックを14歳くらいの時に父親と一緒に登っていて、当時の最年少登頂記録者でもある。




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明日は、Mt Hamilton (3025m)を目指す。

朝早いので飯食べ終わったら、みんなすぐに寝袋へ入っていく。

寝返りを打つと遠くにマウントクックが見えて、星空を眺めると流れ星が見えた。




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Minaretsに当たる朝日がハンパ無く真っ赤っかだったけど、軽い朝飯とコーヒーを流し込んだら、さっそく出発。





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今日は1400mくらい登る予定。

2つのチームに分かれて、ダーウィン氷河とボニー氷河を別々に登っていく。

運良くダーウィン氷河チームに入ったので、こっちの方が北斜なので雪が緩んでいて、一カ所クランポンとショートロープで登ったけど、ほとんどスキーを履いたままで登れた。




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山頂前の合流地点には、僕らの方が早く着いた。

案の定、ボニー氷河を上がったチームは雪がクラストしていて固く、ほとんどつぼ足で登っていて時間がかかったようだった。

しかも結構、一度転んだら振り出しに戻る様な場所なので、ショートロープとショートピッチングをしていたので、さらに時間がかかる。





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結局、僕らの一時間遅れで上がってきた。

この時点で山頂を目指せば帰りの雪が固くなってしまって滑りが楽しめないので、山頂は諦めて今の5つ星のスプリングコーンを楽しんでしまおうというプランに変更。

ここらへんが、山岳ガイドとスキーガイドの違い。




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絶妙に緩んだスプリングコーン。

もちろんノートラックで高度差1100m。







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最高。




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次の日はまた天気が崩れ始めるので、いい滑りもしたことだしこのままタスマン氷河の下まで降りて山から下りることになった。

また重いザックを担いで、今度は約12kmの超緩斜面を滑る。





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ここがまたすごくて、まるで永遠と続く様な、初心者コース。

誰でも滑れるけど、ゆっくり変わっていく景色が素晴らしい。

目の前のマウントクックがゆっくりと近づいてくる。





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下部の方は、雪がだいぶまばらになってきて、氷と雪をできるだけつなぎ合わせながら、滑れるだけ滑って、そこでヘリを呼んで迎えにきてもらった。




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これで14日間のスキーガイド試験もおしまい。

Unwin Lodgeに戻って、2週間入ってないシャワーと伸び切ったヒゲを剃って、ギアをできるだけ片付けた。

今夜はみんなでチャーリー・ホブスという山岳ガイドが経営するレストランOld Mountaineer's Cafeで夕食をする事に。

きれいな服に着替えて出掛けるその前に試験官から全員合格の通知!

これが先でないと、安心しておいしいビールが楽しめないからね。
ここらへんもちゃんと考慮してくれている試験官がまたいい。

がっつり飲んだ次の日は、試験官と個別にミーティングがあって全試験が終了。

最後別れる時に、みんな口をそろえて今までで一番楽しいコースだったと言っていた。
毎回こんな楽しいなら、もう次のコースが楽しみになってしまう。でもレベル2はもっとストレスだろうけどね。







ニュージーランド山岳ガイド協会 アシスタントスキーガイド 合格!!



















10日目。荷物を全部まとめてタスマンサドルハットへ移動。ザックの重量を極力減らすため、腐らない食料は山小屋に置いていき、他はがっつり腹の中へ突っ込む。 他のメンバーは、ベーコンエッグやフルーツたっぷりパンケーキなど。自分は鍋の残りの大量の肉うどんを朝から流し込んで、30kg近いザックを背負って出発。




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ザックも胃の中も、何もかも重い。

次の山小屋までは距離4km、高低差600mアップ、250mダウン。

普通なら何ともないけど、ザックが重いと結構しんどい。





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ニュージーランド最大のタスマン氷河と第2位のマーチソン氷河を隔てるマーチソンヘッドウォールが最後の登り。

コンディションがまた最悪で、シールで登るにはクラストし過ぎで、つぼ足だと膝ラッセル。しかも斜面の途中にクレヴァスがあるから、またロープ出したりトランジッションが多くてみんなちょっとダウン。リードのグロムとマークが、ほんとがんばってラッセルしてくれたからお客さん役のこっちは快適快適。




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タスマン氷河のてっぺんで一休憩。








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タスマンサドルハットはまた味のある大好きな山小屋のひとつ。

200mくらいの崖の上にぽつんと建ってて、タスマン氷河を眼下にマウントクックやマウントタスマン、南アルプスの中心部がずらっ〜と見渡せる。地形も色んな斜面があって最高。





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次の日は自分のリード。 やっとこの時がやってきた。

スキープレーンの着陸地点から、ウォームアップのやさしい斜面を滑った後、Mt Abel(2688m)の急な方の斜面をショートロープでずっと登っていって、一気にダーウィンコーナーまで滑った。距離4km、高度差800m。

下部は有名なスキー・ザ・タスマンのツアーエリア。




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おなじみのダーウィンアイスフォールでランチを食べ、セラックの間を歩いて散策したり滑ってから、さらにダーウィンボウルへ。





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今日の3本目。完璧に緩んだ春雪の北斜面を300mほど登り滑った。

できるだけ長いピッチで、のんびり流しながら滑っていたら、目の前に急にホライゾンラインが見えて急停止。すぐメンバーに停止サインを出して迂回したら、ちょうどそこしかないアイスクリフの真上に出てた。

上部から切り上がって登っていったから見えてなくてちょっとビックリ。






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次の日は山小屋の近くの通称ワンダーランドで、クレヴァスレスキューの試験。

2つのチームに分かれて試験に適したロケーション探し。

ジョノがロープで確保してから、クレヴァスの中へプローブで雪を確認しながら入っていく。




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こっちのチームはクレヴァスの上、レスキューエリアの確認。

とりあえずプローブで穴が無いか、そこらじゅう突っついてみる。





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要救助者役はロープで15mくらいクレヴァスの中に降ろされて、アイススクリューでセーフティを取ってからそこでひたすら待つ。





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そこに救助役がスキーアンカーを取ってから懸垂下降で降りていって、簡易用ハーネスを要救助者役に取り付ける。




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そこから登攀器を使ってロープを登り、滑車を使ったプーリーシステムで要救助者役を引き上げる。全員がZドラッグとドロップループを使った6:1のシステムを使った。簡単に言えば、一人で6人分の力で人を引き上げられるシステム。 ペツルのマイクロトラクションを使ってる人が多かったけど、値段が高いからねー。





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元々、ラフティングやカヤックでロープレスキューには慣れていたし、今は亡き北原大さんに教えてもらって、中学1年の時にはすでに自分でZドラッグを組んでたなぁ。

そのおかげでクレヴァスレスキューはトップスコア。
全行程22分でレベル2も含めて一番速くできた。

たぶん大さん見ててくれたかもね。







続く






次の日はまたストームで外にはほとんど出られず、ほぼハットの中で一日を過ごした。

もう一人のリマーカブルズパトロール、マークの「雪崩の種類と職業別雪崩のアプローチの仕方」のプレゼンテーション。 コース中、各受験者が20〜60分のほどのプレゼンを行う。テーマは事前に自分で決めて、他の人をかぶらないように試験官に報告する。

彼のトークでは、バックカントリースキーヤー、ヘリスキーガイド、スキーパトロールの3つのチームに分かれて、2つの雪崩のシナリオにどう対処するかを話し合うセッション。みんなバックグランドが違うので、いい話し合いになった。


昼から、少し天気が明けてきたので、ハットの近くでトランシーバーサーチ。

50mx50mのスロープで、4か5つの埋没者を探す試験。10分以内で◎、15分以内で◯、20分以上で落第。4か5かは教えてもらえず、そのエリアで全部見つけた時に「クリア」と呼ぶ。 どうにか9分25秒でパス。 グロムがマムートのパルスの設定を変えてから練習してなくて、操作に戸惑い再テスト。





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その夜の夕食は自分の番で、日本っぽく鍋にした。 8人もいるから、MSRを3台テーブルの上に置き、水炊きにポン酢とゴマだれ、もうひとつはピリ辛キムチ鍋に。 食材は北村家のオーガニック野菜とクライストチャーチで買った豚肉、冷凍揚げ物や練り物系、豆腐やコンニャクなど、ちょっと話題になるものも含めて。

みんな鍋をするのも初めてだから、事前にしっかり説明と各鍋に各奉行を任命し、一皿にドバァーと盛ってグワァーっと流し込むように喰う夕食ではなく、ゆっくりと会話を楽しみながら少しずつ食べ、野菜に始まり肉に行き最後はだしのたっぷりきいた汁にうどんでしめるという、日本の鍋文化をニュージーランドの南アルプスの僻地の山小屋で提供。

ガイド歴20年以上のベテランガイド達から、今まで山小屋の中で食べた夕食で一番おいしいという褒め言葉を頂いた。





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次の日は快晴と新雪で、この日はアダムのリードでMt Phyllis(2444m)へ向かった。

昨日のストームスラブのデブリを避け、アイスフォールから砕け落ちた青い氷塊を避けて、ウィンドパックされたスロープを登っていくと山頂へとつづくなだらかなリッジに出る。




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ウェストコースト側はまだ天気が悪い。南アルプスのこっちとあっちで天気はまるっきり変わってしまう。





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途中、ウィンドパックされて雪が固くスキンが効いてくれない斜面に遭遇。ガイドのアダムはアックスとつぼ足でスキントラックを作って、なおかつ滑落しないようにショートロープでやりすごした。

風の強いニュージーランドでは多いこういうシチュエーション。
雪が良くても、ちょっと斜面が変わるとカリッカリに変化する。




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クラッセン氷河の向こうにも、きれいな山がたくさん。あそこまで滑りに行く人はほとんどいないから、たぶん未滑走の山々。





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ニュージーランドの山とニュージーランドのスキー。
右に広がってるのがマーチソン氷河。タスマン氷河もすごいと思ったけど、こっちもさらにすごかった。山小屋からすぐアクセスできる四方八方にひろがる斜面。ニュージーランドで雪が降るときは必ず風がついてくる。どこから風が吹いているかで滑る場所を選ばなければいい雪は滑れない。ここの地形の豊富さはすばらしい。





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クラッセン氷河へ向かう、ちょうど滑りどきの春雪の北斜面。




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ウェストコーストからちょろちょろ様子を伺って来る雲を気にしつつ。

高度650mくらい滑ってから登り返し。 雲が迫ってきて、また天気が荒れそうな雰囲気。

初めて自分のリードで山小屋まで帰った。今まで見てきたブリーフィングやライン取りを踏まえて、そろそろこうやって自分の番がやってくる。






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吹雪の中、山小屋に戻ってお茶を沸かしていると、他のチームが帰ってきた。

するとなんと今度はマークがスキー板を片方無くして帰ってきた。

マークのリードでMt Richmond (2509m)の東斜面を滑り出して2ターン目、ビンディングが外れて転倒。外れた板にはPlum Guideという自分と同じTLTビンディングがついていて、ブレーキはついていない、しかもリーシュも外していたらしく、そのまま板は遥か彼方の谷底へまっすぐ。

これまた山小屋からできるだけ遠くに行ったところで起きたので、片足で帰ってきたんだけど、マークはなんとスペアのディナフィットのトウピースを、片足の後ろにレザーマンで穴開けてセットし、即席モノスキーを作り上げて帰ってきた。




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マジか!


ひとつのガイドコースで、2回も板をまっぷたつに折ったのと板を無くしたのは前代未聞。
ディーンが2度目の衛星電話でヘリ会社に連絡。今度はマウントクック村のアルパインガイズから板をレンタルしてヘリ会社に届けてもらい、これまた次の天気が良い時にヘリで届けてもらった。

賛否両論あるけど、俺は山で滑るときはブレーキは付けないでリーシュ。
というのは雪崩に合う危険よりも、自分が滑るエリアで板が外れた場合、クレヴァスやクリフでまず見つける事は不可能。これはブレーキがあっても一緒。まず止まらない。板を無くす危険の方が、雪崩に巻き込まれて板のエッジで顔面怪我するよりも高い。

もし、ヘリスキーガイドやスキーパトロールをしていた場合は話は別。
その時は雪崩に合う危険の方が高いし、そこまでリスクのある斜面を滑る事はないので、リーシュよりもブレーキを選ぶ。





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その後は、30分以内に2人分のスノーシェルターを掘る試験があったり。





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スノーアンカーや、Jーラインというテクニック。 ガイドがエベレストでやるフィックスロープを使った方法などを練習した。





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山小屋の目の前に見えるMt Phyllis。今回は反対側の北斜を滑ったけど、こっち側も良さそう。





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9日間過ごしたマーチソンハットもこれで終わり。出発前に記念撮影して、今度はタスマンサドルハットへ荷物をまとめて移動。

8人にはかなり狭いし、料理するとめちゃくちゃ結露するし、トイレのタンクはいっぱいでお尻の位置を毎回ずらしながらできるだけ隙間を埋めつつ用を足してたけど、それでもここにあるロケーションがその何倍も魅力的で、まだまだ時間が足りなかった。

また絶対来よう。






続く









ニュージーランド山岳ガイド協会 スキーガイド資格を取るため、9月20日〜10月3日(14日間)の行程でマウントクック国立公園に行って来た。

今回受けるのはレベル1で受かるとアシスタントガイドの資格がもらえて、数年の研修期間の後レベル2に受かれば本ガイドに昇進。試験自体は一緒に行われるので、レベル1の受験者は2人、レベル2が4人、試験官の2人の計8人がこれからの2週間を一緒に過ごす。


初日はマウントクック村にあるUnwin Lodgeで集合。
一通り顔合わせを終えた後、コースの概要を説明されてから、さっそくとばかりに試験が始まっていく。まずは、天候、積雪、天気予報を踏まえてツアーのプラニング。レベル1受験者の初めの一週間はトレーニングがほとんどで、実際の試験は後半の一週間。なので、基本レベル2がツアーを進めていくのを見ながら勉強。

国際山岳ガイドまで最後の試験となるアダムと、アルパインレクリエーションのエルカがリーダーとなって2週間分の8人の食料、燃料、グループギア、ヘリの手配、入山届け、緊急事態の連絡方法などを手配する。

この日の天気は強い南風と雪でヘリは飛べず、ロッジの外でアダムがショートロープのセッションと各自のスキーを応用した緊急用ソリの試験。



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マウントクック村まで雪が降り続けた夜が明け、次の日の朝は快晴。
昨夜までの降雪予報は約70〜100cm。 試験と言えども、みんな期待が膨らむ。

朝一番のヘリでマーチソン氷河上部にあるマーチソンハットまで飛んだ。




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見渡す限りのパウダー。 魅力的な斜面が限りなく広がる。

景色の写真だけじゃなく、試験で行きそうなエリアのコンディションと土地勘をつかむため上空からできるだけ多く写真を撮っておいた。




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山小屋に着いたら、さっそく2グループに別れ滑りに行く。

僕はアダム、ジョノ、試験官のディーンのチーム。
このディーンがまたスゴい人。エベレスト登頂9回(ガイドとして)、ハリスマウンテンヘリスキーのリードガイドを16年務め、インドのカシミア地方でのヘリスキーのリードガイドを3年。デナリ以外のセブンサミットをすべてガイドとして登ってる。ニュージーランドを代表する山岳ガイド。



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セラック帯を避けて滑るルートを説明するジョノ。






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コース一本目は極上のパウダー。このマナリング氷河はボウル状になってて新雪をキャッチしやすい地形になってる。




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2本目はシークレットスポットへ。より斜度も増し滑りは最高。




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2本目を滑り終えた頃、ちょうど天気が変わってきて、ハットを目指す頃にはすっかり吹雪。リーダーのジョノがハットへと戻るショートカットルートを取ろうとして、ちょっと迷ってしまった。

視界最悪の中トラバースを繰り返して、ようやくハットに戻った。




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ジョノが今夜のディナー担当。 受験者一人一人が8人分の夕食を2日分用意する。
彼は元々オーストラリアでプロのシェフをやっていただけあって腕も確か。
前菜、メイン、デザートと盛りつけもしっかりと考えてあって参考になった。



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メインはレッドカレー。メニューは普通だけど、ライスの盛り方、コリアンダーを上に添えるなど山小屋の夕食といえども見た目もしっかりと。





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2日目はまたジョノのリードで、Whataroa Saddleからウェストコースト側へ滑る。




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Hochester DomeとMt Elie De Beaumontの東側。
こっちから見る景色は初めて。何年か前にここをソロで登ったクライマーがいたけど、いや〜すげぇな。




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昨日からすっかり変わって今日はスプリングコーン。
気温、斜面の向き、時間帯を考慮して滑るタイミングを考えないと、良い春雪は滑れないけど、さすがジョノ、ぱっちり当ててくれた。



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エドモント・ヒラリーがエベレストを登る前のトレーニングとして登ったマキシミリオンリッジを目の前に。






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ここで、まさかのジョノの板がまっぷたつに折れるアクシデント。
サポート品で提供されたダイナフィットの板。マナスルだったかな。
何でもない25度くらいの斜度で目の前でコケたと思ったら、ビンディングの前からボッキリ。しかも、ハットから4時間近く歩いててワンデイツアーで行けるもっとも遠い距離で。

かなり落ち込んでたけど、悪態ついても仕方ない。
すぐに修理キット出して、スキーポールのセクション、クランポンのコネクター、あとはワイヤーとスキーストラップでガチガチにして、どうにか滑れそうな状態までして、あとはスキンを張ってワイヤーが外れないように応急処置。

その間、ディーンが衛生携帯でヘリ会社に連絡して、車に積んであるスペアの板を次の日の朝の遊覧飛行のツアーに載せて届けてもらう手配。 衛生携帯すごい便利。





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片方の板だけ異常に滑らないから手間取ってたけど、結局板を外して一本足でほとんど滑って帰ってきた。しかもこの時にはすっかり雪は腐ってて、ベタベタのグサグサ。リマーカブルスキー場のパトロールとして、シーズン滑りっぱなしの彼でも太ももパンパンになってたけど。

これはかなり考えさせられた。板自体は新品でもしかしたら不良品に当たっただけかもしれないけど。こんな僻地で板やビンディングのトラブルは致命傷。日頃から持っていく修理キットの中身も見直さなきゃ。








続く。

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