2009年05月28日

曽田正人という漫画家さんがいらっしゃいます。
春に『昴』という映画が公開されたんで、ご存知の方がいるかもね。
あの映画の原作コミックスをビッグコミックスピリッツに描いてた人。

少年チャンピオンで連載デビューしたんだと思います、たしか。
『シャカリキ』っちゅう自転車レースのお話。(あるよ、ウチに)
ほんで、その次が少年サンデーに移って『め組の大吾』。
これはTVドラマ化もされたからね。(あるよ、ウチに)
で、次は月刊少年マガジンで『capeta』、これはカート&レースの話。
並行して前述の『昴』と、こんな感じでしょうか。
(両方あるよ、ウチにw>もお、ええって)
sax199

曽田正人は、乱暴に言うけど、【天才】を描く人だと思います。
そこには天賦の才能という意味の天才だけではないものがあるのですね。
彼の描く天才は、自分の欲求に対して正直であり、欲求を叶えるための
困難を、困難と感じない人、といったらいいでしょうかね。
自転車でできるだけ高い山に上りたいという欲求だったり、
燃え盛る業火の中から人を助けたいという欲求であったり、
とてつもなく早く車を走らせたいという欲求であったり、
体の中に澱のように積もった鬱積を、踊ることで開放し表現したい
という欲求だったりするのですが、それらはすべて自分の中に
向けられているのですわ。どうすれば、その欲求を満足させることが
出来るのかを内向しているわけですね。それが時に不器用で言葉足らずの
言動になったり、他人と相容れない表現になったりするわけです。

彼の描く【天才】は、それが出現するまでの世界の秩序というか
予定調和の部分をことごとく破壊していきます。まあ、こんなもんだろう
という無意識のストッパーがかかることで、社会の秩序は守られていて、
それ以上の欲求や才能の露出は、秩序を乱すものとしてバッシングされる。
出る杭は打たれるというやつですが、打ち込めないほどでかい杭は
果たして、どう扱われるのか?そしてその、天才の原石に出会ったとき、
人はどのように感じるか。自分にはまったく持ち得ない才能に羨望するか、
対抗意識を燃やして敵対するか、はたまたその天才の成長を助けようとして、
その成果を自分のものとして達成感を得るか…。
カテゴリー分けすると「ライバル」とか「師」とかになるかもね。
曽田正人は、その「周辺」を描くのが、非常にうまい作家さんです。

競技であれば勝ったとか負けたとかの結果が必ず付いてまわるし、
そうでなくても、人は欲求のままに行動した結果には、必ず達成感と
いうものが付いてまわると思います。曽田正人の描く主人公の怖さは
その達成感を感じる瞬間が非常に高いレベルにあるということでしょう。

そのあたりをよくあらわしている主人公のセリフがあります。
『め組の大吾』のラストで、主人公の一番の理解者であるライバルが
言うセリフから抜粋。(長いよw)

***
なァ……朝比奈よ、"目的"を…"夢"を実現する人間って
いったい何が違うと思う?

なんでもいい、例えばさ……
サッカーで国の代表になり、ワールドカップで得点王になった英雄…
何万、…いや何億分の一かの確率かもしれないな、
オレはずっと興味があった、
彼らは一体いつの時点で自分がそうなれると思ったのか…

……でも、それは違うのかもしれない。
ある時に『俺はそうなれるかも』と気付くんじゃなくて…
『俺はワールドカップの得点王になれないかも…』なんて、
最後まで考えたことすらない奴が……
本当にワールドカップの得点王になってしまうんじゃないかって…!!!

人間は成長していくにつれ、いろんな現実を思い知らされる。
『う〜ん、現実は意外と理想通りには進まないぞ』
そして…、
『もしかしたら自分の夢はかなわないかも』
『そうはなれないかも』と思う。

そう思った人間から本当にそうなれなくなっていくんだよ…。

でも、世の中には少数だが、どんなに大人になっても、
いつまでたってもそう思わない人間がいる。

朝比奈、これだけオレが今回の崩落事故救出作業の困難さを説いても、
オマエ、
『きっと何とかなる』って思ってるだろ?

オマエの最大の才能はそれさ、消防に入って今日まで…
"もうダメだ""しんどい"と口では言っても、
実は本当に"もうダメだ"と思ったことがない。
"自分はそうなれる"と信じているうちは、
どんなことだって、"可能性"だけは常に残されている。
***

どうだ、読みたくなったかいw?貸すよw>誰に言ってる?

同じく「周りと相容れないが、不思議な強い吸引力を持った天才」を
描く漫画家に、村上もとかさんがいらっしゃいますが、
両氏に共通するのは「個人競技」に限定されてて、
団体競技を描かないっちゅうとこかな。
>では、次回「村上もとか」編でお会いしましょう…w>次回て?

saxでした、

天才にはなれへんけど、その暴走する天才の才能を理解し、サポートし、
バックアップできる才能を持った人間になりたいと思うね。

…追記、
5月26日、作家の栗本薫さんがお亡くなりになられました。
中学時代より、彼女の著書は私の読書人生を実り多いものに
してくれました。グイン・サーガ、魔界水滸伝、伊集院大介…。
享年56歳、謹んでご冥福をお祈りいたします、合掌…。



(17:00)

この記事へのコメント

1. Posted by turbo   2009年05月29日 22:59
携帯でちょっとだけ拝見しましたが(^^;)
いつものように、
字の群れに襲われ、読むのを、断念!

今、やっとPCの前に座り、
ブログを見させていただきました。
何度も、うなずきました。
ええ話や!!
ちょっと見たくなりました。

2. Posted by うさぎ   2009年05月30日 05:15
saxさん
Long writerの神
降臨デスネ♪

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