2012年02月10日

ドラゴン・タトゥーの女

B003Y5H5HYThe Girl With the Dragon Tattoo (2011) [Blu-ray]
2011年 アメリカ
監督:デヴィッド・フィンチャー
原作:スティーグ・ラーソン
出演:ダニエル・クレイグ
   ルーニー・マーラ
   ロビン・ライト
   ステラン・スカルスガルド
   クリストファー・プラマー
by G-Tools


レザー、鋲、ピアス、小柄、手負いの獣。

ネタバレ有りです。

世界的ベストセラーをフィンチャーが映画化。
既に『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』としてスウェーデン版が作られており、比較するのも一興。
そちらのレビューにストーリーを書いているので今回はほぼ割愛。

見るべきは、最高にかっこいいオープニング。
特報で流れていた"Immigrant Song"にのせて、タールのようなレザーのような漆黒に呑まれて、リスベットとミカエルらしき人物の顔と体躯がそれに塗れ、あるいは壊され、あるいは恋人同士のようにひきつけあう。
さすがPV畑出身のフィンチャーの真骨頂といえる映像。
脳天直撃されて、涙まで出てきた。

残念だったのは、最後らへんにかけての冗長さ。
殺されたと思っていたハリエットが実は生きていて(ここはスウェーデン版と一緒だね)、実は彼女がロンドンでアニタとして暮らしていた、というオリジナル展開まではまだいい。
でもその後、ヴェンネルストレムを破滅に追い込むところが長すぎて、大金を掻っ攫っていずこかへと消えたスウェーデン版リスベットと比べるとスマートさに欠ける気がした。

あと、細かいところでは、スウェーデン版では、リスベットが助けられた筈のマルティンをそのまま見殺ししたのに対し、今回はその選択の前にマルティンは火だるまになって死んだこと。
前者ではそんなリスベットにミカエルが
「僕なら助けた」
とひとりごちるのに、
後者ではリスベットの「(マルティンを)殺していい?」
と訊くのに対してミカエルはわずかながらも頷くという正反対の描写となっている。
ただの色男なだけでなく、なぜ皆ミカエルに魅かれるのか、そのひととなりが判るシーンだっただけにここも残念。

でも後はほぼ満足。
特にアメリカ版ではミカエルとリスベットの関係にもう少し踏み込んだ感じで良かった。

初めは顔を近寄せてPCを見る仕草だけで警戒していたリスベットが、ベッドの上で撫でてくる彼に対して
「もっと触って」
とねだるところなんか悶えるほど可愛らしかった。

元後見人に
「友人ができたの」
といつもと少しだけ柔らかな表情で報告するところも良かった。
これはのちの二作目で
「友達でいてくれてありがとう」
とリスベットがミカエルに送るメッセージと呼応しそう。

でも、クリスマスプレゼントなのか、リスベットが服を包んでもらい、ミカエルの元へ行く途中、彼がエリカと仲睦まじそうに寄り添って歩く姿を見て、その包みを捨て、その場を去るというせつないこのシーンがラストときた。
この辺りは原作通りなんだろうか?
リスベットのミカエルへの思慕はこちらの方がはっきり描かれている分、このラストがますます彼女を孤高の存在へと追いやっている。
というわけでエリカ憎し。
あんな不倫ババアよりリスベットの方がずっと魅力的だろうよ……!

そのモテモテ男ミカエル役のダニエル・クレイグはまさにハマり役。
とにかくハンサムで女性に優しく、危機に陥ればオタオタして弱音も吐く、そんな007とはかけ離れた人物像がいかにも人間臭くて良い。

そして最大の収穫、リスベット役のルーニー・マーラが実に良かった。
正直、スウェーデン版のノオミ・ラパスには及ばないだろうと高を括っていたら、あの凶暴で、でも哀しい、とっても愛しいリスベットにどんぴしゃだった。
線の細さも、全世界が敵といわんばかりの孤独さも、それを具現化したファッションも、ときおり見せる警戒を解いた表情も、ノオミ・ラパスと甲乙つけがたい(ノオミは骨太な感じだけれど。それもまた良い)。

あの胸糞悪くなるレイプシーンをまた観るのは辛かったけれど、ソフトさを排してルーニー・マーラ、よくやった。
女性とのラブシーンも雰囲気出ていて素敵。
ただこれは役者は全然悪くないけれど、リスベットとミカエルのベッドシーンでのモザイクはどん引き。
あれだけでもの凄く画が安っぽくなってしまった。

とにかくトータルではやっぱりスウェーデン版に軍配が上がるけれど、アメリカ版もかなり良い出来。
二作目以降の伏線もいくつか出てきていたし。
リスベットとミリアムの出会いと関係。
リスベットの父親に纏わる過去の告白。
ミカエルの弁護士の妹の登場。
主演二人は三作目まで続投らしいし、できればこのままフィンチャーが監督してほしい。

2012年02月04日

【番外】劇場で観た映画感想ちょこっと PART27

Paul - Limited Edition Steelbook Triple Play (Blu-ray, DVD + Digital Copy)[Region Free]
……新しいプロフィール画像がえらいことオタくさくなってますが……
あ、いや、あたしオタクだった(←あたし云うな)。
(また変えるかもしれないので一応書いておくと、リボルテックウォーリーとリボルテックダンボーミニとけいおん!唯フィギュアの三つ巴。ちなみに前の画像は、こねこのぴっちのCAT,CAT,CAT!バージョン)

まあそれはともかく。
最近ゲイ新作がちらほらお目見えで嬉しい日々を送っています。
この前観た『J・エドガー』もそうですし。
あとアカデミー賞俳優部門ノミネート作『裏切りのサーカス』、『人生はビギナーズ』もゲイ要素あるらしいですね。

そして日本の作品では、高村薫の「黄金を抱いて翔べ」の映画化が進められているとか。
キャストは、幸田が妻夫木聡(ベビーフェイスだけど……演技力あるからいいか!)、北川に浅野忠信、春樹に溝端淳平(これいいぞ!!)、野田に桐谷健太、あと安心の西田敏行という面々。
そして肝心のモモ役は…… チャンミン。
え…えーと…… どなたですかね……?
東方神起の方?ということはアイドル?
そんな方に原作のあんなこんなシーンをさせられるのでしょうか……。
というわけで、またもごっそり同性愛要素がそぎ落とされる可能性大なので期待はできなさそうです。

と、前置きが長くなりましたが、いつもの劇場鑑賞ちょこっと感想です。
今回9作品中、2作品、ほのかなゲイ要素あり。

以下の作品すべてネタバレ有りです。

宇宙人ポール』 『ゴーストライター』 『麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜』 『ALWAYS三丁目の夕日'64』 『ロボジー』 『フライトナイト』 『friends -フレンズ- もののけ島のナキ』 『聯合艦隊司令長官 山本五十六』 『源氏物語 千年の謎

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cocoroblue at 04:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!ミニレビュー 

2012年02月01日

J・エドガー

B006UIYXL8J. Edgar
2011年 アメリカ
監督:クリント・イーストウッド
出演:レオナルド・ディカプリオ
   ナオミ・ワッツ
   アーミー・ハマー
   ジョシュ・ルーカス
   ジュディ・デンチ
   デイモン・ヘリマン
by G-Tools


食事を共にするということ。

ネタバレ有りです。

FBI初代長官J・エドガー・フーバー。
そのパーソナルな面に焦点をあてたイーストウッドらしい映画。

もちろん時代背景も並行して描かれる。
リンドバーグ愛児誘拐殺害事件。
ジョン・F・ケネディ暗殺。
ジョン・デリンジャーやアルビン・カーピスらパブリック・エネミーズの逮捕。
でもそれらはあくまでエドガーの生きた時代の軌跡と「フーバー長官」としての功績であり、事実真犯人があやふやだと囁かれているリンドバーグの事件はハウプトマンの処刑で終わりを告げ、ここでは掘り下げられることはない。

そう、これはフーバー長官でなく、「エドガー」の物語。

歴代大統領たちは、彼らの秘密をしたためてある機密ファイルを作成したエドガーを恐れていた。
科学捜査の導入を進めたのも彼だ。
でもそんな凄い人物が、実はゲイで女装癖があり、しかもマザコンだったという面は大変興味深かった。

それ以外にも、公民権運動が共産主義を助長させるものと危惧し、キング牧師を忌み嫌い、彼がノーベル平和賞を辞退するように中傷の手紙を送りつけたり、数多の名高い犯罪者を逮捕したと豪語するも、実際は現場にいなかったりと、そんな矮小さも見せ付けてくれる。

でもやっぱり着目すべきは彼の同性愛の相手クライドと、モンスターのような母親との関係だろう。

捜査員として抜擢されたクライドとエドガーはほとんど一目ぼれ状態だったと云っていい。
「これからずっと昼食か夕食を一緒にとること」を願い出たクライドのそれは立派なプロポーズだ。
車の中でそっと手を握ったり、一緒に休暇をとって競馬に赴いたり、直接的な言葉や描写がなくても、この二人の昵懇ぶりは感じ取ることができる。

けれどその直接的なものが介在した途端、関係があやうくなるのも面白かった。
ホテルのスイートルームで見つめあう二人。
満を持してクライドが「愛している」と告げる。
でもエドガーはそれに返さず、女友達と肉体関係を持った話をする。
激昂するクライド。
そして二人は殴りあい、床に倒れる。
そこでエドガーに唇を押し付け、そのまま長いキスをするクライド。
多分ここが映画のハイライトだろう(個人的趣味・見解ではあるのは承知)。
そのまま出て行く彼に縋るエドガー。
クライドの姿がドアの向こうに消えたときにようやく「愛している、クライド」と口に出して云える彼の姿は、多くの人が恐れ、または畏れた偉業を成し遂げた男の影はない。

こうして本来の自分=同性愛者であることを封じ込めたその原因は彼の母親だろう。
息子を溺愛した母は、常に「強くおなり」と云い含め、女性に誘惑されて言葉をうまく発せなくなったエドガーを奮い立たせ、かつて女装癖のあった「水仙」とあだなのついた少年が自殺するという末期を話してきかせ、女々しさを払拭させようとする。
この呪縛の権化のような母に一度も逆らうことのなかったエドガーの憐れさが痛ましい。
彼女が死んだ時に、その衣服を身につけて泣くエドガー。
暗喩でも、直接的な意味でもクローゼットを開けた彼の姿が印象深い。

そんな彼の秘書をずっと務めてきたヘレンという女性は、上記の二名の存在が強烈すぎたために薄れてしまったのが残念。

年をとって、互いにおじいちゃんになっても、変わらず食事を共にし続けたエドガーとクライド。
エドガーがクライドの額にキスするシーンは、かつてのホテルでのそれと対比するかのように穏やかで慈愛にあふれていた。

レオナルド・ディカプリオとアーミー・ハマーのキスシーンを撮影したというニュースを聞いてから、ずっと公開を心待ちにしていた作品。
でも同性愛シーンがばっさりカットされたとか、そんな要素もなくなったとか噂もきき、一体どんな形で編集されたのだろうかと危惧していたら、けっこうモロに描いてくれていて安堵。
老人のメーキャップはちょっと笑ってしまう出来だけれど(フィリップ・シーモア・ホフマンかと思ったよ)、落とした感じの照明、脚本の良さ、俳優陣の好演に満足できる一本。

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2012年01月26日

パーフェクト・センス

B005X7AB9UPerfect Sense [DVD]
2011年 イギリス
監督:デヴィッド・マッケンジー
出演:ユアン・マクレガー
   エヴァ・グリーン
   ユエン・ブレムナー
   コニー・ニールセン
by G-Tools


シェービングクリームと石鹸は旨いのか

ネタバレ有りです。

遊び人のシェフ、マイケル。
感染症専門の科学者スーザン。
二人が恋に落ちたとき、世界に異変が起きていた。
人々は先ず嗅覚を失い、その次に味覚、聴覚がなくなっていった。
五感が喪失していく中で、彼らが思うこととは。

なかなか面白い題材だった。
それぞれの感覚が失われる前に、予兆として感情の爆発があるのもユニークだ。
嗅覚の時は「哀」が。
味覚の時は「怒」が。
聴覚の時は食欲が。
そして視覚の時には愛が。
その感情のままに動く人間たちの動向を、主人公たちの周囲だけに絞ったミニマムな世界で展開させているのはいかにも寓話的。

そう、これは寓話なのだと思う。
だからリアリティを求めてはいけない。
一応ナレーションで、感覚が失われていくたびに、世界で狂乱が起こる映像が幾度も流れはするし、実際主人公たちが暮らす街でも暴動や略奪が行われたりもするけれど、時間がたつにつれて彼らは日常へ回帰しようと誰もが一歩を踏み出す。

それが端的に表れているのが、マイケルの勤めるレストランだ。
嗅覚と味覚がなくなって客足が途絶えたそこで、スタッフは味が判らなくとも、歯ごたえで、または熱さ冷たさで客を楽しませようとし、それは成功を収める。
聴覚を失っても、皆が即興の手話でおしゃべりを楽しむシーンも盛り込まれている。
どんな時で人生の楽しみをあきらめない人間の強さがその一角に集中している。

そしてマイケルとスーザンは何回も何回もキスをし、体を重ねる。
今残っているもの=触感に縋る、ということだろうか。

さて、この触感が問題。
映画では、主人公二人が仲違いをし、再び会って抱き合う刹那、視覚が失われてしまったところで終わっている。
4つの機能が失われて、残っているものは相手に触れるぬくもりのみ。
最後に愛が残ったのだとポジティブに考えられなくもない。
でもこの後物語では語られなかった触覚も失われてしまったらどうなるのか。
そこには絶望しか残っていないのだと暗に匂わせているのかもしれない。
だから今まで執拗に描き続けた「触れ合うこと」=セックスがずいぶん残酷なもののようにも思われる。

主役の二人、ユアン・マクレガーとエヴァ・グリーンはいつものように脱ぎっぷりがよくて楽しませてくれた。
が、画一的すぎて後の方になると飽きてくる。

世界のパニックと人間の醜悪さを描いた『ブラインドネス』や『コンテイジョン』とくらべると、アプローチの仕方が違っていて面白い。

2012年01月18日

スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団

B004U4QVJGスコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団 The Ultimate Japan Version [Blu-ray]
2010年 アメリカ
監督:エドガー・ライト
出演:マイケル・セラ
   メアリー・エリザベス・ウィンステッド
   キーラン・カルキン
   クリス・エヴァンス
   アナ・ケンドリック
   ジェイソン・シュワルツマン
by G-Tools


男には、戦わなくてはならない時がある。

ネタバレ有りです。

スコット・ピルグリムは、ある日ピンクの髪をした不思議な魅力を持つ女の子ラモーナと出会い、恋に落ちた。
けれどその時から、彼女の元カレたちが前に立ちはだかる。
彼ら7人を倒さなくてはならなくなったスコット。
さらにスコットにふられたチャイニーズ系の女子高生ナイブスが、彼を諦めきれずに出没するようになる。

コミックが原作とあって、擬音が文字として飛び出したり、キスをしたらハートマークが散ったり、元カレを倒すたびに賞金ゲット額が出たりと、マンガ的、ゲーム的エフェクトが楽しい

その元カレたち(一部カノジョも)も個性的で、ベジタリアンになることで超能力を得、でも実はチキンやジェラートが禁止だと知らないおつむの弱い子だったり、ナルシストでマッチョなアクション俳優だったり、まるでオースティンパワーズさながらの容姿と身のこなしのセレブだったりと、その顔ぶれだけでもやっぱり面白い。
そうそう、台詞はなかったものの、斉藤慶太・斉藤祥太が双子の元カレに扮していて、日本人の顔をここで見られたのがなんだか嬉しかった。

スコット・ピルグリム役には『JUNO/ジュノ』で冴えない男の子そのまんまで印象に残ったマイケル・セラ。
今回もその風貌は変わっていなかったけれど、さすがゲームオタクというべきか、最初っからけっこう戦闘力が高いことが意外性があって良かった。

でもその彼が一目で魅了されてしまったラモーナが、それほど素敵に見えなかったのが残念。
目がとても大きくて美人は美人なんだろうけれど……。
エキセントリックさも奔放さも中途半端。
これだったらスコットのストーカーとなって、男に殴られ蹴散らされ、でも最後まで戦うナイブスの方がよっぽど魅力的。
まあ一番かわいかったのはスコットの妹役のアナ・ケンドリックだったということで、これに異論はない筈(強気)。

さて、ここで出てくるゲイはスコットの友人役のキーラン・カルキン。
スコットに男同士でセックスしているところを目撃されたり、隣で寝ている男の数が次第に増えたり、スコットの妹の彼氏を奪って熱烈キスをしているところなんかは笑った。

こうしたキャラと演出を楽しむ映画で、なぜ元カレたちと戦うことになるのかとか理屈を求めると楽しめないかも(一応ラスボスが招集したと説明はあるけれど)。
あっけらかんとした明るさが凄く良い。

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2012年01月16日

【番外】前売り特典他非売品映画グッズ その39

ドラゴンタトゥーグッズ1ゴールデングローブ賞が発表されましたね。

受賞作品、それぞれ気になります!

中でも『アーティスト』。
この時代にモノクロ・サイレントなんて素敵!

ミシェル・ウィリアムズの『マリリン 7日間の恋』も。
彼女の力演がまた観てみたいです。

とりあえずこの二作は近日前売り券を購入する予定です。

ドラゴンタトゥーグッズ2さて、恒例映画グッズ紹介です。

ひとつめは『ドラゴン・タトゥーの女』の前売り特典。
ポストカード&ブラックノートです。

今一番楽しみにしている映画です。
発売日当日に前売りを買いに行きました〜。
無料チケット持っているんですけどね。
特典につられてしまいました。

このブラックノート、名の通り中は真っ黒です。
かっこよすぎます。

どうやら内容も原作&オリジナルと変えたラストのようですし……
期待は高まるばかりです。

それでは他のグッズは以下からどうぞ。
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cocoroblue at 19:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!映画グッズ 

2012年01月11日

B005BXSD32Yumurta (Egg) (2007) [DVD]
2007年 トルコ・ギリシャ
監督:セミフ・カプランオール
出演:ネジャト・イスレーシュ
   サーデット・イシル・アクソイ
   ウフク・バイラクターシュ
   トゥリン・ウゼン
by G-Tools


今度は卵を割らないで。

ネタバレ有りです。

ユスフ三部作の第一作目。
蜂蜜』 『ミルク』の主人公の壮年期を描く。

イスタンブールで暮らすユスフに、母の死を知らせる電話がかかってくる。
葬儀にかけつけた彼は、そこで母の面倒をみていたという若い親戚の女性アイラと知り合う。
すぐに故郷を離れるつもりだったユスフは、色々な手続きやトラブルに巻き込まれ、そこに滞在せざるを得なくなった。

冒頭、老女がまっすぐこちらに向かってやって来て、そして不思議そうに辺りを見渡しながら、別の道で戻っていくシーンがある。
あれはユスフの母親が黄泉に向かって歩く様子だろうか。
あの魅力的な母親が死んでしまったことにショックを覚えた。

大好きな母と離れて暮らすユスフに『ミルク』からどんな心境変化があったのか。
詩人にはなれたものの、今はスランプで古本屋で仕事をしているユスフ。
三作を通して彼の薄幸な風情は相変わらず。でも年をとって落ち着いたやさしい態も見られ、その神に見捨てられたままではなかった人生に安堵する。

そう、こんなごくごく平凡でこれといった取り得もない(詩人は凄いことだけれど何せスランプ中)人物の地味極まりない人生模様を映画として完成させてしまったのは凄い。
しかも時代を遡って描くという手法で。


わたしは日本公開された時と同じ、つまりユスフの少年期から見たけれど、壮年期や青年期で見られる数々の伏線をちゃんと拾っていることに感心した。
ユスフの障害のあらわれだとか。
役柄は違うけれど、女優は同じアイラ役の人が『ミルク』でユスフと会っていたりとか。
逆に『ミルク』や『卵』でほぼ存在しなかった父親(まあ死んでいるから当然だけれど。言及も殆どなかった)が、『蜂蜜』で驚く存在感を示していたのも嬉しい驚きだった。

ユスフとアイラの間には、親密なものが形成されつつあり、アイラに横恋慕する青年が嫉妬してユスフの車のワイパーを折ってしまったりもする。
けれどそれは恋愛には見えず、まるでユスフが母親との絆をアイラとの間で取り戻したようでもある。

それが暗示されているのは、ラストにアイラからユスフに手渡される卵。
初めの方で、ユスフは卵を故意になのか、下に落として割ってしまう。それは母の葬儀の前後のことだ。
一度母の死によって壊れた関係を、ラストではしっかり卵を手に包むことによって取り戻したのだと。そう解釈した。

屠られし羊の儀式等、やはり宗教的なものをにおわせるのも三部作に共通する。
第一作目としても、ユスフの成長の物語としても感慨深い一作だった。


2012年01月10日

ミルク

B005SE476QSut (Milk) [DVD]
2008年 トルコ・フランス・ドイツ
監督:セミフ・カプランオール
出演:メリフ・セリチュク
   バシャク・コクルカヤ
   リザ・アキン
   サーデット・イシル・アクソイ
by G-Tools


ミルクを配らなかった理由。

ネタバレ有りです。

蜂蜜』のユスフは青年となり、母親と牛乳配達をしたり、乳製品を売ることでかろうじて生計を立てていた。
ユスフは詩人を夢見て雑誌に投稿。果たして掲載されども、それで食べていくことはできなかった。
そんな折、母親は町の駅長と親しくなる。
二人の関係に不審と不安を覚えるユスフ。
だんだん彼はメンタル面でもフィジカル面でも不安定になっていく。

『蜂蜜』と同様、台詞はきわめて少なく、状況説明もほぼないままで、それでも美しい風景と人物の哀しそうな瞳を長まわしで見せることでゲージュツ的な何かを訴えてくる作品。
でももうハッキリ云う。
この作品はタイクツだ。


それでも、なぜか無駄な鑑賞時間だったと罵る気持ちはまったくなく、あの少年が成長した姿は感慨深く、退屈なシーンも目を離すことができなかった。

全体的・表面的なストーリーはほぼ平坦であるけれど、逆に内に秘められたものはけっこう濃いと思う。

母親への思慕と、彼女に恋人ができたことへの不安はさまざまなシーンで現れてくる。
母が牛乳配達をしていた筈のお得意さんに、牛乳が届いていなかったこと。
見知らぬ車に乗り込むのを目撃したこと。
テーブルの上の客用のカップ。
まるで聖母のように思っていた母が「女」であることを認識させられるできごとだ。

冒頭、女性(ユスフの母?)が木の上に吊り上げられて、口から蛇を吐き出すショッキングなシーンがある。
あれはユスフの夢だろうか。
姦淫の罪を唆した蛇が母親の体内に巣食っていたのだと。
そうユスフは感じていたのかもしれない。


そしてラストシーン近く。
まるで天使の羽のように羽毛が舞う中で、聖母のようにほほえむ母親をユスフが見るシーン。
一見とても清らかで美しいその姿を見て、おなじく微笑するユスフ。
でも実は彼女は鳥をしめて羽を毟っているだけだった。
その現実に、息子はショックを受けたような表情をする。
マリアであった母親の偶像が完全に破壊されたシーンで印象深い。

こうして密な二人の親子の糸が途切れる形で第二作目は終わる。
ラストシーンの長まわし、ヘルメットライトが観客側にずーっとあてられるシーンにいたっては、何が言いたいのかさっぱりで、それぞれのシーンの意図を汲み取ろうとがんばると、かなりしんどい作品でもある。
でも決して嫌いではない。

2012年01月08日

蜂蜜

B005OMJQ9U蜂蜜[DVD]
2010年 トルコ/ドイツ
監督:セミフ・カプランオール
出演:ボラ・アルタシュ
   エルダル・ベシクチオール
   トゥリン・オゼン
by G-Tools


ミルクが飲めるようになるまで。

ネタバレ有りです。

ユスフは森の中の家で両親と暮らす幼い少年。
養蜂家の父親の仕事を手伝い、眺めることがとても好きだった。
けれどある日その父親が森で忽然と姿を消してしまう。
その日を境に、ユスフは言葉を失ってしまう。

体感時間がひどく長く感じられる映画で、退屈だと云ってしまえばそれまでだけれど、観念的で、美しい一枚画のようなシーンが多く見られるこの作品は、決して駄作ではない。

学校で上手く教科書を読むことができた子に与えられるバッヂがどうしてもほしい件は、少年期の瑞々しさが活きている。
吃ってしまい思うように音読できないユスフをみんなが笑う。
唯一彼を嗤わなかった隣の席の少年はとても良い子でありユスフの味方だ。
でもそんな彼を、自分の父親が目をかけたからといって宿題を横取りしてしまう。
その後後悔したと見られるユスフは宝物の船の模型をそっと彼に贈る。
そんなユスフが最終的に、やはり吃音を発しながらもバッヂを与えられるシーンは、少年の成長の象徴のようだ。

けれどユスフは神に見放された子供でもある。

先ず親が生計をたてている養蜂に欠かせないハチが森から姿を消し、ついで父親も失踪してしまう。
冒頭、父親が木から落ちそうなシーンがあり、ユスフは夢の中で、父親が墜落するのを目撃する。
最愛の父親とすごした森は、その大切な父親を奪う地でもあった。

鈴をかきならす聖なるユスフの姿は、泥にまみれた赤茶けた水溜りに映る影になり、バケツの中の水に映る月はどうやっても手で掬い上げられない。
少年のまっすぐなまなざしは受け入れられないかのように。

気丈な母親も、夫の死を予感し、うちのめされる。
そんな母を気遣い、それまで飲むことのできなかったミルクをユスフは飲み干す。
それさえも一瞥されない少年の孤独はここに極まれる。

父親の死が判明し、ユスフは森に入る。
そこはいつしか父と一緒に見たスミレや神々しい姿をした鹿は存在せず、まるで『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『アンチクライスト』のような鬱蒼とした森だ。
決して聖地とは呼べないそこで、まるで贄のように木の股で横たわる少年。
そうして『ミルク』で彼は成長した姿を見せる。

2012年01月06日

永遠の僕たち

B0055E54HARestless
2011年 アメリカ
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ヘンリー・ホッパー
    ミア・ワシコウスカ
    加瀬亮
    シュイラー・フィスク
    ルシア・ストラス
by G-Tools


ガス・ヴァン・サントが監督したとは思えない出来。

ネタバレ有りです。

両親を事故でなくし、自らも生死の境をさまよったイーノック。
彼は日本兵の幽霊ヒロシだけが友人で、見ず知らずの人間の葬式にもぐりこむことを日常にしており、死に取り付かれていた。
そんな時、彼はある葬式の場でアナベルという少女と会い恋に落ちた。
でも彼女もまた余命わずかという運命を担っていた。

主演の二人、特にミア・ワシコウスカはベリーショートがとてもよく似合い、容姿は魅力的。
幽霊役の加瀬亮もユニークな役どころで、準主役の位置にたつ大事なポジション。
でもそれ以上のものが何もなかった。

死というものを重いとも軽いともつかない扱いで、どう鑑賞したらいいのか判らなかった。

両親の死、せっかく恋をした大事な相手も余命いくばくもない、という設定はまちがいなく重い。
でも少女の病気に苦しむシーンはほとんどなく、彼女はほぼ最後まで元気に走り笑いセックスだってする。
そういう手法で貫くなら良いけれど、ところどころ少年の心の傷を描いて、「普通の」難病もの仕立て風にもするものだから、そのどっちつかずの演出に戸惑ってしまう。

そう、演出の方法が一番の難だったかも。

イーノックとアナベルがデートを重ねるシーンがいくつかあるんだけれど、そこで二人はまるでパリっ子のような瀟洒なファッションできめている。
そのおしゃれさがどうも陳腐でならない。感動がそがれてしまった。

ヒロシがイーノックの前から完全に姿を消したような展開も、後半に2回も3回も繰り返されるとげんなりする。
最終的にアナベルを迎えに来た彼がシルクハット姿で現れたシーンはもうギャグにしか見えなかった。

あとはヒロシの手紙がイーノックの手元から消えるときにかすかに鈴の音を鳴らしてみたり、アナベルの葬式でスピーチに立ったイーノックが、彼女との思い出を走馬灯のようにフラッシュバックさせるところなんか演出がダサすぎた。

もの凄い偏見であるとは思うのだけど、ガス・ヴァン・サントは正統派ラブストーリーに向かない気がする。

昨年中に観ていたら、2011年のワーストに挙げていたかもしれない。
次回作に期待。

2012年01月01日

【2011 マイベスト&ワースト】

イリュージョニスト

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

恒例マイベスト&ワースト2011年版です。

この年は、劇場で117本、レンタル・テレビ等で125本、計242本を鑑賞しました。

その中から2011年に日本公開された作品に限って選出しました。

この年はミニシアター系が充実していた感じです。
もちろん大作でも目を瞠り、ハラハラドキドキもさせられたものもありましたが、どちらかというと静謐で、せつなく、それでも激しく情感を突き動かされるものに心魅かれました。

それではいってみます。

続きは以下からどうぞ。

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2011年12月27日

みんな元気

B00472MEOCみんな元気 [DVD]
2009年 アメリカ
監督:カーク・ジョーンズ
出演:ロバート・デ・ニーロ
   ドリュー・バリモア
   ケイト・ベッキンセール
   サム・ロックウェル
   メリッサ・レオ
by G-Tools


家路へ。act2。

ネタバレ有りです。

オリジナルは未見。
それにしても、これだけのキャストがそろって日本では劇場未公開だったことが驚かされる。
しかもけっこう良い出来だというのに。

週末を子供たちと過ごすために、庭を整えたり、ワインを選んだり、バーベキュー用のゴツい機械を600ドルで買ったりして準備を進めるフランク。
でも4人の子供たちは、それぞれ理由があってすべて帰省をキャンセル。
そこでフランクはサプライズとして、それぞれ遠くに暮らす彼らに会いに行くことにした。

なんだかツボにはまってしまい、号泣してしまった作品。
フランクが子供たち一人ひとりに会うたびに、昔の姿で駆け寄ってくるシークエンスが、これが何回もやられても涙腺直撃されてわんわん泣いた。
親にとっては、子供っていくつになってもいとけない存在のままだということがよく判る。

でも子供たちは父親に秘密を抱えている。
だからフランクに何かと理由をつけて長期滞在を断るようにしている。
でもそれは年老いた父を邪険にしているのでは決してなく、長男のデイヴィッドがドラッグ絡みのトラブルで外国に拘留されていることを秘密にするためだった。

それだけでなく、プライベートでもそれぞれ問題を抱えているのが垣間見えるのが興味深かった。

長女は広告代理店の重役として成功をおさめ、聡い息子にも恵まれ、幸せに暮らしているかにみえて、実は夫とは別居しており、その理由も彼の浮気によるものだった。

次男はオーケストラでコンサートに忙しい身。
でも父親が期待していたような指揮者でなく、パーカッション担当。

次女はベガスでダンサーとして成功、昔からの夢を実現させていた。
でも実は父親に秘密で赤ちゃんを産んでおり、今のパートナーは女性だった。

誰もが父親に心配させたくないから、失望させたくないから嘘をつく。
そしてその嘘をすべて父親は見抜いていた。
その打ち明け話を、発作を起こして意識が朦朧とする中、昔の子供のままの姿の息子や娘たちと交わすシーンは上手かった。
寂寥感がありながら、大人独特の生々しさをうまく緩和させている。

そして目が覚めたときに突きつけられる現実。
デイヴィッドは結局薬物の多量摂取によりメキシコで死亡していた。
彼だけ現在の姿をそれまで映さなかったけれど、フランクの夢の中ではじめて大人の彼の姿がワンシーンだけ現れ、結果それが強く印象に残るようになっていた。

電線のコーティング業で4人の子供を立派に育てたと自負していたフランクが、亡きデイヴィッドの絵画を見るシーンがまた良かった。
そこには白い背景に、くっきり電柱と電線を黒で描いた父親に対する愛があふれた作品があった。
ここでまた泣かされた。

そして秘密を打ち明けあい、何もかもわだかまりを解いた家族は、クリスマスに一同に介する。
ファーストシーンで成されなかったことがラストシーンで成就する何とも嬉しい演出。
繰り返すけれどこれが未公開なことが信じられない。

2011年12月24日

クリスマスのその夜に

クリスマスのその夜に2010年 ノルウェー=ドイツ=スウェーデン
監督:ベント・ハーメル
出演:トロン・ファウサ・アウルボーグ
   クリスティーネ・ルイ・シュレッテバッケン
   フリチョフ・ソーハイム
   サラ・ビントゥ・サコール


家路へ。

ネタバレ有りです。

冒頭、子供とその母親の頭部に狙いを定めて引き金を引こうとしているスナイパーのシーンで始まって、その意外性にまず驚かされた。

あとは何組かのカップルや家族の話で展開される。

別れた妻と子どもたちにどうしても会いたい男。でも妻には既にパートナーが。
その彼を殴打し、サンタの扮装をして家族と触れ合う。

クリスマスも顧みず仕事をする医師。
あるコソボ出身のカップルの出産に立ち会う。
祖国に帰れば殺されるという彼らに医師は車を与える。

イスラム教徒だからクリスマスを祝えない黒人の少女。
彼女と一緒にいるために、自分もそうだと嘘をついて家族とのディナーより少女との時間を優先する少年。

クリスマスには妻と別れるといった甘言にのぼせあがって情熱的なセックスをする不倫カップル。
でも男は妻と愛人両方を愛しているとのたまう。

かつてサッカーの名プレイヤーだった男は、今では故郷に帰る電車賃さえなく、路頭をさまよっていた。
そして偶然トレーラーハウスで昔の恋人と遭遇する。

こうした群像劇に必要なのはある程度の上映時間だと思う。
それを90分程度にしてしまったのは無理があった。


ベント・ハーメルはまだ2作品しか観ていないけれどけっこう好きな監督さんで、お得意の北欧の寒々とした風景、それに反するようなほのぼのと暖かい人々の挙動やふれあいの描き方が好みだった。
この作品でもそれは存分に発揮されているものの、各エピソードが短すぎて、消化不良になってしまった感がある。

妻と愛人に同じ赤いストールを贈って、それを身に着けた二人が教会ではちあわせ(愛人が乗り込んでいったのだけど)した何ともユーモアラスなシーンは気に入った。この監督さんらしい。

あとはほぼ哀愁の残るエピソードばかりで、故郷にようやく迎えた元サッカー選手が電車内で死亡するところは若干唐突感があった。
でも年老いた二人の両親がいるということが判る終盤、あの写真立ての伏線に気づかなかったのは愚かだった。
ちゃんと初めのシーンで、彼がウィンドウケースに飾られたサッカーユニフォームに自分の姿を照らし合わせていたヒントがあったというのに。

よく判らなかったのがコソボの夫婦の妻。
彼女がファーストシーンに出てきたスナイパーであることがラストに明かされる。
そして彼女は結局引き金をひかなかったということも。
何の職業についていて、どうして夫と知り合ったのか。故郷に帰ると殺されるのはなぜなのか。
アルバニア人とセルビア人ということから、対立している民族だということはわかるのだけど、そこにスナイパー要素が出てきて少し混乱した。
でも結局子供を撃たなかった彼女だからこそ、異郷の地で自分の子供を無事に生めたということなんだろうか。

まあ色々書いてきたけれど、クリスマスはやっぱり特別な日なんだろうと認識させられた。
特別な日だからこそ、愛する人に会いたい。家族に会いたい。
そんな普遍性が素敵。   

2011年12月22日

【番外】劇場で観た映画感想ちょこっと PART26

Mission: Impossible - Ghost Protoco

今年もあとわずかになりましたね。

映画鑑賞も今日で年内終了となりそうです。
というか、終了しなくては。

『クリスマスのその夜に』
で打ち止めかな。

本当は『永遠の僕たち』をいち早く観に行きたいところだけれど、ちょいと難しいかな。
大掃除が毎回全部終わらないんですよねえ……。
しかもなぜかクリスマスイヴがお休みという皮肉なシフトですが。
こんな日は仕事に入りたい〜。

というわけで(どんなわけだ)、恒例ちょこっと感想です。

以下の作品、すべてネタバレ有りです。

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』  『リアル・スティール』 『ステキな金縛り』 『アントキノイノチ』 『タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密』 『カイジ2』 『カウボーイ&エイリアン』 『インモータルズ -神々の戦い-

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2011年12月16日

【番外】WALL・E/ウォーリーのフィギュア


リボルテック ピクサーフィギュアコレクション No.002 ウォーリー

人生初のフィギュアを買いました!

大好きな映画『WALL・E/ウォーリー』の新作フィギュア。
昨日発売されたばかりです。
つぶらな瞳、汚れたボディ(ウォーリーはこの汚れがないと!)と造形も完璧ながら、劇中で大切な役割を果たす小物までついてきています。

ウォーリーフィギュア8ウォーリーフィギュア9
ウォーリーフィギュア6ウォーリーフィギュア3


あ〜、かわいい。かわいすぎる。
で、小物の中にはこんなのも。

ウォーリーフィギュア4
うははははは。
ハルですね。
ウォーリーの最初の良きお相手の。
劇中では微妙でしたが、このフィギュアを見ると、やっぱりはっきりゴ○キブリですね。ハル。
これが単体で枕元にあったら悲鳴をあげて飛び上がる自信があります。





ウォーリーフィギュア5ウォーリーフィギュア13
ウォーリーフィギュア12ウォーリーフィギュア7


とりあえず、フィギュア用のケースを買ってこようと思います。
めちゃくちゃお気に入りです。
海洋堂、いい仕事してるわ〜。

cocoroblue at 00:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!映画グッズ 

2011年12月15日

映画「けいおん!」

B005XUJHCO映画「けいおん!」
2011年 日本
監督:山田尚子
声の出演:豊崎愛生
     日笠陽子
     佐藤聡美
     寿美菜子
     竹達彩奈
     真田アサミ
by G-Tools


あずにゃんぺろぺろ。
あずにゃんぺろぺろ。

ネタバレ有りです。

ここまで男性キャラを介在せず成功した萌え系アニメがあっただろうかと(いや実際あるのかもしれないけど)、思いを馳せずにはいられない女の子だらけの世界。

そこには女同士の嫉妬だとか、いじめだとか、ケータイ小説御用達の売春も悲恋も死も存在しない。
軽音楽部の5人が、部活という名のティータイムを楽しみ、亀を構い、旅行を計画し、たまに演奏する日常をほぼ緩急なく追うだけ。
彼女たちはけっこうなリア充で、でも前述したような黒さがまったくない分ファンタジーな世界ではあるんだけれど、そこかしこに非リア充でも体験したことのある学生生活の甘酸っぱさが懐旧の情を掻きたてられることになる。
いやそんな大げさなのでもないけど。

まあなんだ。
とりあえずあずにゃん可愛い。
これに尽きる。


唯の思惑が判らず毎晩煩悶するところとか、ロンドン旅行のためガイドブックを買いため、そこに付箋を無数に貼り付けて頑張っちゃうところとか、唯に抱きつかれると思って思いっきり突き飛ばして、誤解だと判るとふとんに隠れちゃうところとか、卓球のシーンで「う〜ん」と首を傾げる計算されていない媚態とかもう可愛いったらありゃしない!つーかこれを書いてるわたしも気持ち悪いな!

他のキャラ、唯にしても他の三人にしても(ごめんなさい。未だに個別の名前が覚えられない)、少女特有の明るさ、無邪気さ、年相応の脚の太さ、むやみに大きくない胸等身近に感じられる挙動や体格が愛らしくてたまらない。
部屋着にしても、ちょっとこじゃれたドラマやアニメだったらジェ○ートピケのようないかにも可愛い服を着せるんだろうけれど、けいおんの彼女たちは、半纏だったり、トレーナーだったり、ただのパジャマだったりとその姿は庶民的で実に良い。

小ネタもところどころ仕込んであって、唯の描いた鳥獣戯画と、ヨーロッパのお面と、あずキャットいてには笑わせてもらった。

卒業する前に、あずにゃんに歌を贈ろうとする先輩たちの姿はいじらしいし、その歌を聞くあずにゃんの反応は原作でのボロ泣きを彷彿とさせられて(ここのシーンは映画では描かれなかったけど)、思わず涙がこぼれてしまった。

ただ、やっぱり全体的にゆるいので、観ている体感時間が凄く長く感じられた。
ここはファンかどうかで感覚が分かれるんだろうなあと思う。

まあ相変わらずキャラは立ってるし、なにしろ絵が可愛いし、声優さんたちの声もステキだし、ロンドンの風景も緻密だし、ストーリーもないわけではないし、映画としてまあまあ楽しめる一作だった。

2011年12月09日

コンテイジョン

B005UJSH0Q【初回限定生産】コンテイジョン ブルーレイ&DVDセット(2枚組)
2011年 アメリカ
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:マット・デイモン、
   マリオン・コティヤール
   ローレンス・フィッシュバーン
   ジュード・ロウ
   グウィネス・パルトロウ
   ケイト・ウィンスレット
by G-Tools


2日目からはじまる恐怖。

ネタバレ有りです。

新種のウィルスが巻き起こすパニックを描いた群像劇。
と言っても大仰で劇的なところは極力抑えた人々の描写が、逆にリアルで面白かった。

マット・デイモンはグウィネス・パルトロウとそれぞれ子持ち再婚をした男の役。
メインのキャストでありながら、彼は別にヒーロー的アイコンではありはしない。
けれど娘を心から愛し、それを守り抜く信念を持つ“普通の”男だ。
人々が足りない食料を略奪する中、盗られた女性の分を取り戻してやる人間性を持ち合わせている。
でも妻がこのウィルスの第一感染者であり、なおかつ出張の合間に元彼と浮気していたことを知る何とも同情できるという意味で情けない立場でもある。

グウィネスは開始10分で死亡するという『冷たい月を抱く女』以来の早死にっぷりを見せ、大物に似つかわしくない扱いで笑う。
しかも頭皮をべろんと剥がして脳を診られるという仰天シーンもあり。

ジュード・ロウは一番クソ野郎として登場。
フリージャーナリストという名のただのブロガーなのに、アクセス数を稼ぐため、また市場を混乱させ自らに利益をもたらせるためにそこで嘘の治療薬を公表し、親しい人物まで見殺しにする。
そんな彼の信奉者が、逮捕された彼の保釈金を払うエピソードは皮肉だ。
どこでもカリスマ扱いされる一般人というのはタチが悪い。
彼が何らかの罰を受けないのもリアルな結末だ。

逆に、自分の身を顧みずに動く人たちもいる。

医学会の大物マリオン・コティヤールは、治療薬を優先してまわしてもらうために誘拐されるも、最後にはそこにいる恵まれない人々、殊に子供たちに情が移り、無事解放されても、元の世界に背を向ける。

ドクターのケイト・ウィンスレットは、身を粉にして働き、でもそんな中自分も感染してしまい、被害を最小限に留めようとパニックの筈なのに手筈を整える。
そんな彼女が今わの際で、隣で寒さを訴える患者に、自分のコートを差し出そうとしてこときれるシーンは涙なしでは見られない。

博士のローレンス・フィッシュバーンも、治療薬のために奔走し、でもどうしても愛する者に生きてほしくて情報を流す一面も垣間見せる。
それも人間としてはどうしようもない行為で、それを責めることはできない。
でも最後は自分の治療薬を貧しい清掃人の子供に与えてやる。

数々のパニックの中で、前述したブログだとか、ツイッター、フェイスブック等が混乱の一手を担うエピソードが組み込まれ、“現在”のリアルな恐怖を感じずにはいられない。

そしてファーストシーンが、感染の始まる「2日目」であったので、これはラストに「1日目」をもってくる手法かなと予想はついたけれど、果たしてそのラストシーンを見ると、凄くスタイリッシュに皮肉にまとめていて、ソダーバーグの手腕とセンスに唸らせられる。

2011年12月05日

ラブ・アゲイン

B0060V1WJ6Crazy, Stupid, Love
2011年 アメリカ
監督:グレン・フィカーラ/ ジョン・レクア
出演:スティーヴ・カレル
   ライアン・ゴズリング
   ジュリアン・ムーア
   エマ・ストーン
   ジョン・キャロル・リンチ
   マリサ・トメイ
   ケヴィン・ベーコン
by G-Tools


ものすごくいとしくて、ありえないほど遠い。

ネタバレ有りです。

ああ、これ好き!
ものすごく好き!

冴えない中年男キャルは、ある夜妻から離婚話を持ち出される。
しかも彼女は会社の同僚デイヴィッドという男と浮気までしたというのだ。
すっかり気を落としたキャルは、毎夜バーで飲んだくれ、相手かまわず愚痴をたれるようになった。
それを聞いていた、毎日女性を取っ替え引っ替している伊達男ジェイコブが彼に助言をする。
どうしたら女性にモテるようになるか。
そして妻の心を取り戻せと。
かくして妻しか女を知らない男の変身が始まった。

これがメインのストーリーで、そこにキャルの長男ロビーと、彼が恋をするベビーシッターのジェシカ(彼女はキャルが好き!)、のちにジェイコブと結ばれる魅力的な女性ハンナ、キャルがナンパした第一号女性のケイト等さまざまなキャラクターとエピソードが入り混じっていて、その枝葉の分かれの多さに、ちょっとまとまりがないかなと(群像劇というスタイルでないから)思わせておいて、終盤に実はこれがひと家族の物語であったことが判明して唸らせられる。

ケイトがロビーの担任教師であったり。
ハンナが実はキャルの娘だったり。
一見バラバラに見えたピースがひとつの家族につながっていくさまは見事。
特にハンナの件は、それまでもキャル夫妻が意味深に「ナナ」という女性の名を出していたという伏線をちゃんと敷いている。ナナ=ハンナのことだとは、鈍いわたしはちっとも気づかなかったので驚嘆した。

ジェイコブによるモテ男指南も面白い。
お酒をストローで飲むなとか。
「スニーカーはスティーブ・ジョブズでなければ履くな」とか。
バリバリ音のするマジックテープ財布は取り替えろとか。
女性との会話のとっかかり、お持ち帰りするための駆け引き、それをマスターしたキャルがどんどんスマートに女性をテイクアウトする様は痛快。

でもどんなにモテても、人間の本質は変わらない。
キャルには妻だけがソウルメイトだという結末も好きだ。


このソウルメイトという言葉、実際に信じて使っている人は到底お近づきになれないけれど(色んな意味で)、映画の中だけではアリだな。
恋する人は、たとえそれが中年男だって可愛らしい。それに尽きる。

あと、ジェイコブがハンナに教える「女をその気にさせる最後の手段」が『ダーティー・ダンシング』ごっこなのは笑った。
つい最近『ハートブレイカー』でもロマン・デュリスとヴァネッサ・パラディがやっていたっけ。
ひそかに流行りなのか?

妻と夫、キャルに振り向いてほしくて自分の全裸ヌードを撮った写真を送ろうとしていたジェシカ、それを知ったジェシカの両親、傷心のロビー、妻の浮気相手、長女とその恋人、つまり登場人物が一同に会して、殴り合い、罵りあい、泣き、なだめ、また暴れるクライマックスは最高!
こんな面白い場面、滅多に見られるもんじゃない!

キャストも全員素晴らしい。
キャル役のスティーヴ・カレルは相変わらず軽やかだし。
妻役のジュリアン・ムーアはいつもより抑えた演技でそれが調和していて良い感じ。
最近なんだか恵まれない役の多かったライアン・ゴズリングはハンサムな男にハマっていてびっくり。ただモールでサンドイッチを食べているだけでスローモーション多用の大仰な音楽をかけ流しているシーンは大笑い。
教師役のマリサ・トメイはなんだかめちゃくちゃ楽しそうに演技していて嬉しくなってしまう。
ハンナ役のエマ・ストーンはとてもきれい。でもその友達の方がキャラが立っていた。彼女、好きだ。
ジェシカ役のアナリー・ティプトンはもう可愛らしいったらない。あの写真の小道具の使い方、上手い!
映画の最後の最後のカットに映るロビーは凄く魅力的でなおかつ儲け役。
そしてお前がデイヴィッドか!と出てきたときにめっちゃテンションが上がったケビン・ベーコン!
これはかなりハマったラブコメ。
多分今年のマイベスト10内に入る。

2011年12月01日

50/50 フィフティ・フィフティ

B005VC5CIW50/50 [DVD]
2011年 アメリカ
監督:ジョナサン・レヴィン
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット
   セス・ローゲン
   アナ・ケンドリック
   ブライス・ダラス・ハワード
   アンジェリカ・ヒューストン
by G-Tools


生きる希望は、50%

ネタバレ有りです。

27歳でガンを宣告されたアダム。
恋人のレイチェルは、ショックを受けながらも彼の看病を請け負い、母親はますます過保護となり、同僚たちは「大丈夫。治るから」と誰もが口にする。
セラピストになったのは研修中の24歳の女性キャサリン。そのやり方になかなか馴染めないアダム。
そんな中、友人のカイルだけは変わらずにアダムを遊びに誘い、軽口を叩いていた。
次第に病魔に冒され弱っていくアダム。
そして生死をかける手術の日がやってきた。

難病ものにしては珍しくそれほど悲壮感のない作品。
アダムは恋人と別れてから、カイルにそそのかされてではあるけれど、バーへ飲みにでかけ、ナンパだってする。
スキンヘッドにした頭を見せつけ、女性の興味をひきつけるところは斬新なエピソードだ。
普通だったらなくなっていく髪というのは難病もの(フィクションに限る)だったら、悲哀を煽るエピソードとして定番だろう。けれどこの映画ではそれをしない。
そこには病気を抱えながら今を生きている人間のリアルな面が映し出されている。

リアルといえば、浮気をしてアダムに見限られるレイチェルの存在もそうだ。
浮気の件は論外だけれど、彼氏がガンになり、初めは献身的を装い、その実病院にも付添わず、送迎もいい加減で口先だけそのことを謝る様子は、その年代の普通の女の子であったら仕方ないとも言える。
まあ彼女はその前から人の部屋を片付けないわ、3週間もセックスをおあずけさせているわとけっこうなクソ女として描写もされているんだけれど。

その対比のように新たに登場するキャサリンは、真摯な姿勢でアダムに接する魅力的な女性に徹していて、ここはさすがにフィクション色が強い。

わたしが一番心を打たれたのは、悪友カイル。
いつもと同様にアダムとつるんで、時にはそのアダムに「女をひっかけることしか考えていない!」とキレられるほど能天気で楽観的に見えた彼が、実はガン患者とどう向き合うかのハウツー本を読んでいたことが判るシーン。
もちろん彼だって平常心でいられなかった筈。
でも腫れ物に触るような周囲と違って普段どおりの交流を持とうとした彼の意思は強く美しい。

アダムが手術を受ける当日、友人との、家族とのこれが最後かもしれない遣り取りと抱擁には涙が出た。
この時だけ不安そうな顔を見せ、最後になんて言葉を発してよいのか判らないようなカイルの姿が印象的。

わたしはこの映画が「ガンを克服した脚本家の実体験に基づく物語」であることをまるで知らなかったので、彼が死んでしまうのかどうか判らずもの凄くどきどきした。
だから彼が助かったと知った時は、完全に家族とカイルとケイティの喜びに心がリンクして嬉しくてたまらなかった。

アダム役のジョセフ・ゴードン=レヴィットは、セクシーとキュートが融合した(あ、これ別の映画だ)態が素敵。
あの眇めた目つきが最高。
キャサリン役のアナ・ケンドリックは『マイレージ、マイライフ』に通じる青臭さが良い感じ。
アダムの母親役のアンジェリカ・ヒューストンはさすがの存在感。
月初めに良い映画を観られた。満足。

2011年11月23日

【番外】切り貼りの時間

アルバム素材
さて、映画とまーったく関係のないただの日記ですが。

最近、アルバムを作っていました。

父親の古希のお祝いに、姉と相談して、温泉宿一泊と、記念品をプレゼントすることに。
そのプレゼントの方を任されたのですが……。

とりあえず一着服を選び。
そしてもうひとつ何か記念になるものを……
と思って、今までの写真とともに、父にあてたメッセージを散りばめた記念アルバムを制作することに。

何か今はスクラップブッキングというそうですね。

画像検索をして他の方の作品を見てみましたが、
一目見てこんなクオリティのものを自分が作れる筈がないと自覚し。

だったらもう好きに作ろうと思って、テキトーに切り貼りはじめました。
BlogPaint
人の顔が写った(写真なんだから当然ですが)ものばかりなので、
中身はほぼアップできませんが……

1ページだけ、歴代飼い猫の数匹を載せたものを。
本当は全匹載せたかったけれど、なにせデータがなく。

地元を離れてしまっていることもあって、写真がなかなか集まらず。
なので当の父親本人にデータを依頼してしまいました。
「思い出として持っておきたいから」
と苦し紛れの言い訳をしましたが、どうやらバレバレのようです(笑)。

アルバム漫画
最終頁に編集後記(?)を。
文章とともに、ちょこっとマンガを載せてみました。

すっごい久しぶりに絵を、しかも下書きなしフリーハンドで描いたので、
下手なのはご愛嬌で。

他の頁もセンスないわ雑だわ……。

それでも何か創作するということがやっぱりとても楽しく、
大変でしたが充実した一週間を送ることができました。

映画もちらほらと観ているのですが、そんなこんなで感想が遅れています。

とりあえず今月末、このアルバムを渡してきます。
喜ばれると良いな。

cocoroblue at 22:08|PermalinkComments(2)TrackBack(0)この記事をクリップ!【番外】雑記