2008年03月12日

ペネロピ

B001AZGRMOペネロピ
クリスティーナ・リッチ, ジェームズ・マカヴォイ, キャサリン・オハラ, リチャード・E・グラント, マーク・パランスキー
ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント 2008-09-17

by G-Tools


魔女によって呪いをかけられた名家ウィルハーン家、その一族の娘のペネロピはブタの鼻をもって生まれてきた。
その呪いを解くためには、同じく名家の者が彼女を本当に愛することが必要。
かくして娘を溺愛する両親はペネロピのため、日々お見合いを画策する。
けれど彼女の姿を見た男たちは悲鳴をあげて逃げてしまうのだった…。

ネタバレ有りです。

もうなんてかわいい映画なんだろう。
長いマフラーの模様だとか、部屋の中のブランコだとか、蝶の形のアクセサリー、部屋の小物に至るまでとてもポップで目を奪われてしまう。
そんな中で醜いと自身が嘆くペネロピのブタ鼻も、見慣れていくうちにとてもキュートに思えてくる不思議。
でもこれは彼女のひたむきさ、明るさがそうさせているに他ならない。


娘を好奇の目から隠そうと、完全に社会からシャットアウトさせてしまった両親。
大事に大事に育て、花婿を必死で探すその姿は滑稽ですらあるものの、やっぱり家族の愛をひしひしと感じる。
事実最後まで愚かしい言動をする母親は、全く憎むことのできないキャラクターに仕上がっていて好感が持てる。

でもそんな繭の中からペネロピは自分の足で飛び立つ。
外に出て、パブへ行き、ショッピングをして、友達をつくる。
そこに至るまで、幾人もの見合い相手に化け物扱いされたり、恋をした男性に裏切られたりとさんざんな目に遭っていながら、前を向いて外に足を向けた彼女を無条件に応援したくなってしまう。

ついに大衆の前にブタ鼻を晒してしまった後の展開も面白い。
いくつものフラッシュを浴びて
「いつもなら皆逃げるのに」
と意外がるペネロピは、好奇の目に物怖じしない。
だから世間は彼女を受け入れた。
それまで目から下に巻いていたマフラーをとっぱらった彼女の活き活きとした顔はひときわ輝く。
ここまでくると完全にその鼻が魅力的に思えて仕方がない。

と、実はそこがテーマであったという巧妙さ。
「今のままの自分が好きなの!」
と叫んだとたん、呪いは解ける。

『自分に呪いをかけていたのは、自分自身の心だった』
このシーンに涙、涙。
そのままの自分を受け入れること。
それをしなかった過ちを詫びる母親の姿がまた良い。

そう、これはペネロピのかわいらしい恋よりも、彼女と親との関わりの方が深く描かれている。
守ることに必死だった母は、彼女を隔離していたために娘の心を閉ざさせていた。
でもそれも母の愛であったことには変わりがない。

そんな家族はもとより、ウィルハーン家につきまとった隻眼の男や、ペネロピにプロポーズするどうしようもないエドワードでさえ、完全な悪役に描いていないところもやさしさが溢れていた。
特にエドワードが、最後ペネロピからの真摯な手紙を受け取って、何か大事なものを失ってしまったことに気づいたシーンを入れてあるところが丁寧だと思った。

ペネロピ役のクリスティーナ・リッチは、ちょっと浮世から離れたような幻想的な作品のヒロインによくハマる。
製作のリース・ウィザースプーンはでしゃばらない程度の脇役にまわっていて良。
母親役のキャサリン・オハラは昔からちっとも変わっていないキュートなおばちゃんを好演。
かわいい映画に飢えている人におすすめ!


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1. ペネロピ を観ました。  [ My Favorite Things ]   2008年03月23日 00:28
時間がぴったりだったのと、観るのなら軽いのがいいなぁって…
2. ペネロピ PENELOPE  [ JUNeK-CINEMA in the JUNeK-YARD ]   2008年03月24日 09:46
「生きる」ことの意味の一つが「幸せさがし」だとしたら、この映画にヒントがあるかもしれません。 トレーラーを見たときは「クリスティーナ・リッチの鼻が・・・絶対見たくないかも」嶺とおもったのですが、マカヴォイさん@タムナスさんに釣られて見に行ったら...
3. ★「ペネロピ」  [ ひらりん的映画ブログ ]   2008年03月26日 01:55
今週の平日休みは「109シネマズ川崎」で2本。 その1本目。 熱烈?なペネロペ・クルスのファンのひらりんとしては、とっても気になるタイトル。 もちろん彼女とは全く関係ない作品で・・・ 怪演技が続くクリスティーナ・リッチが主演。
4. 「ペネロピ」感想 可愛らしいミニシアター系映画  [ ポコアポコヤ 映画倉庫 ]   2008年04月25日 08:51
なかなか可愛らしくて、面白い映画でした。 クリスティーナ・リッチは、こういう役に、すごくハマる。
5. ペネロピ(^0_0^)女は顔じゃないよ!ハートだよ!!  [ 銅版画制作の日々 ]   2008年05月10日 23:11
  顔じゃないよ だよ でも第一印象で決めるのはやっぱり・・・・。顔が綺麗可愛いっていうのがありなのかも世の女性の皆さん、これを観てどう思われるでしょうか?何か勇気が持てそうな感じが???? 5月3日、連休真っ只中、「ペネロピ」を京都みなみ会館にて鑑賞。...
6. ペネロピ  [ ★YUKAの気ままな有閑日記★ ]   2008年12月10日 09:10
レンタルで鑑賞―【story】魔女に呪いをかけられ、豚の鼻と耳を持って生まれた裕福な名家の娘ペネロピ(クリスティナ・リッチ)。マスコミと大衆の目から身を守るため、屋敷の中だけで生きてきた彼女は、永遠の愛を誓って呪いを解いてくれる男性を待ち続けていた。そんな中、...
7. むかしむかしあるところに  [ MESCALINE DRIVE ]   2009年02月02日 16:09
「ウォンテッド」を観て「つぐない」を観た。ジェームズ・マカヴォイ祭りを続行するならば、これを観なけれ...
8. ペネロピ  [ むーびーふぁんたすてぃっく ]   2010年01月15日 19:18
「ペネロピ」 感想 ペネロピ 好きになりたい。 豚の鼻を持って 生まれてきた私は 夢見ていた── 恋することを。 裕福な名家に生まれた...

この記事へのコメント

1. Posted by jester   2008年03月24日 09:45
こんにちは。
jesterともうします。
この映画、トレーラーを見たときはあの鼻で「いやかも」と思っていたけれど、見たら、とても良かったです。

>『自分に呪いをかけていたのは、自分自身の心だった』
このシーンに涙、涙。

わたしもここで、泣けました。
判っているけど、なかなか自分の心を解き放つのは難しいですよね。

TBさせていただきました。
2. Posted by リュカ   2008年03月24日 21:07
jesterさん、はじめまして。
TBとコメントをありがとうございます。

呪いが解けたシーンはやっぱり泣きますよね〜。自分を好きになるという普遍的なことが心に浸みました。
とは云え、やっぱり誰もができるかというと、難しいことですよね…。
だからそれができたペネロピが愛しいのかもしれません。

これからそちらにおじゃまさせてもらいます♪
3. Posted by latifa   2008年04月25日 08:55
リュカさん、こんにちは〜!
私もリュカさんと同じ部分に反応して、ほろっとしたり、良いな♪って思ったりして、この映画を見ました。

そうそう・・最後の方で、全員が悪者じゃない・・って気を配っている処も良かったですよね。

私もこの映画を見る前は、あの鼻が気になっちゃうんじゃないかな・・・?って思っていたのですが、実際見たら、全然平気でした。
この役は、クリスティーナ・リッチじゃなかったら、こんなに可愛らしく見えなかったかも・・って位、ハマってました^^
4. Posted by リュカ   2008年04月26日 16:47
latifaさん、こんにちは。
あの鼻、それほど気にならなかったですよね。あの男どもが窓ガラス破って逃げるってどれだけかと思いきや(笑)。
リッチはこういう役にもハマるんですね。
そういえば『キャスパー』なんてファンタジックなものも出ていたっけ…。
最近『ブラック・スネーク・モーン』を見て、またまた違ったリッチの姿に度肝を抜かれました。

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