2009年05月01日

スラムドッグ$ミリオネア

B001S2QNN2スラムドッグ$ミリオネア [DVD]
2008年 イギリス
監督:ダニー・ボイル
出演:デーヴ・パテル
   アニル・カプール
   イルファン・カーン
   マドゥル・ミッタル
by G-Tools


ダニー・ボイル監督、『トレインスポッティング』以来の傑作!

ネタバレ有りです。

何が凄いって、現在のミリオネアで一攫千金を得ようとしている主人公ジャマールの状況のドキドキ感を大きな軸とし、スラムの熱気、疾走するパワフルな映像、子供たちの凄絶ながらも逆境に対して生き延びるしたたかさ、そこになおかつ長年の純愛成就までを一気に描ききった監督の手腕。

無学のジャマールが、なぜインテリたちが辿り着けなかったミリオネアのラスト一問までに上りつめることができたのか。
不正を疑う警察に、その答えは今までの人生から導き出されたのだと、問いに関した過去をフラッシュバックさせる構成が上手い。

ジャマールは天才的な頭脳を持っていたわけではない。
でも過酷な過去のひとつひとつがミリオネアの答えとなって導き出されたのは、それこそが「彼の運命」だったのだろう。

幼くして母親が殺され、兄と子供を搾取する大人たちに拾われる。
そこでは歌の上手い子供は目を潰され(歌手として稼がせるにはその方が同情を誘うから)ることを知り、逃げ出すも、最愛の女性ラティカとは離れ離れに。
タージ・マハルでの勝手にガイド。
成長したラティカを兄に奪われる悲劇。
ずっと彼女を探し、見つけ出すも、ラティカは組織のボスの愛人となっていた。

こうしてみると一見ものすごく悲惨な人生なのだけど、どの状況でも生き抜くパワーは絶大で、そしてジャマールのラティカに対する想いは揺るぎがない。

二人で逃げようと決め、駅でラティカがジャマールを見つけてとびきりの笑顔を見せるシーンは随所にちりばめられる。
その時の本当に輝いた彼女の顔といったらない。
その笑顔を再び自分のところに取り戻すため、ジャマールはクイズに成功し続ける。

そして最後の一問。
三銃士はアトス、ポルトス、あと一名は誰かという問題。
正直簡単な質問すぎて拍子抜けしたものの、ジャマールには答えが判らない。
でも彼はここで微笑む。
もう自分の運命を確信したというように。
ライフラインを使ってラティカと電話が通じた、この時点でそれはゆるぎないものとなっていたのかも知れない。
そして大喝采が送られる結果に。
彼の人生の集大成がすべて報われた、カタルシスあふれるシーンに拍手!

そしてラティカとの再会。
ようやくここでヒロインとキスするジャマールが、唇よりも先に、彼女の傷跡に口付けするのがまた泣けた。

エンドロールではインド映画よろしく皆踊って踊りまくる。
最高!


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2. スラムドッグ$ミリオネア を観ました。  [ My Favorite Things ]   2009年05月04日 09:43
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3. スラムドッグ$ミリオネア-★★★★-  [ not simple. ]   2009年05月07日 23:38
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4. 映画「スラムドッグ$ミリオネア」  [ 茸茶の想い ∞ ??祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり?? ]   2009年05月16日 12:06
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5. 映画:スラムドッグ$ミリオネア  [ よしなしごと ]   2009年07月15日 04:35
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この記事へのコメント

1. Posted by なな   2009年05月03日 21:31
感動も元気ももらえる素晴らしい作品でしたねぇ。
ダニー・ボイル監督作品の「疾走感」が私は大好きなんですが
(その最たるものは「28日後」かも)
この作品でも,「生きる」ために必死で全力疾走する主人公たちの姿が
とても爽快で応援してしまいました。
あれだけのエネルギーとしたたかさを純粋さと・・・
ジャマールの持ち続けたものを考えると
ああいう奇跡ももちろんアリだな,と拍手喝采しましたよ。
観終わって最高にいい気分になる作品ですね。
2. Posted by リュカ   2009年05月03日 23:43
ななさん、こちらにもありがとうございます。
わたしもあの疾走感は大好きです〜。
『28日後』良いですね!

そんなエネルギッシュな作風にわたしもやられてしまいました…。
子供たちはしたたかで、生命力に溢れていて。
青年時代も一途な思いがちっとも失われていないのが凄いです。
本当に良い気分にさせてもらった作品でした。
3. Posted by みみこ   2009年05月16日 10:07
こんにちは♪
すっかり訪問が遅くなってしまいごめんなさいね。
爽快さがある素敵な映画でしたよね。
なにより、常に前向きな姿勢が良かったわ。
そうそう、この間ニュースで、この映画の子役の子は、お家が壊され、路上生活を強いられているというのを聞いたわ。映画に出て有名になっても
家もお金も与えられなかったんだって。
現実ってつらいわ・・・・。寂しいよね・
4. Posted by リュカ   2009年05月19日 02:26
みみこさん、忙しい中、コメントをありがとうございます。
そしてこちらのレスこそ遅れてすみません(汗)。

良いですよね〜、このポジティブさ!
ラストのダンスで爽快さアップでした。

子役の悲惨な現状のニュースはわたしも見ました。
現実って厳しいですね…。
アカデミー賞作品の出演者ならある程度厚遇されていると思いきや…。
映画の中のスラムの描写を思い出してせつなくなりました。
5. Posted by みき   2010年11月20日 23:01
時系列無視の書き込み失礼します…
今日、この映画DVDで観ましたよ。
おもしろかった〜
同時に子供が犠牲になっているインドの裏の世界を垣間見たようで、心が痛みました。
特に歌の上手な、無垢そのままの少年のシーンが忘れられない…
徐々に同情してくる取調官にも少しばかりホッとしたり。
全ての大人がが救いようがないわけでもなく、見終わった後は爽快な気分になりました。

話は変わりますが…
お腹の子の胎動は始まったばかりですが、子供のころに見た『エイリアン2』のリプリーのお腹の中からエイリアンが出てくるシーン(分かります?)がちょっとしたトラウマで、体の中で何かが動くっていうのが正直怖かったりもしました。
でも、エコー画像とかで子どもの様子を見ていると、ようやくワクワクして動いているのも楽しめるようになりました。子供のころに見た怖いシーンって…大人になってまでひきずるものですね。自分でもびっくり。
ちょっと不謹慎な内容だったかな?すみません。
6. Posted by リュカ   2010年11月21日 22:49
みきさん、こんにちは。
パワー溢れる傑作ですよね。
本当に面白かった!
でも子供たちがあんな目に遭っている現実は辛いですね。一番歌の上手な子がひどいことをされて……。あそこは目を覆いたくなりました。

『エイリアン』は1と2は見ているのですが、リプリーのそのシーンは全く覚えていないです(汗)。
1で隊員の体を破ってエイリアンが出てくるシーンは思い出せるのですが……
つーか、リプリー、そんなことされていても生きているって逞しすぎです(あ、死んでましたっけ?)。

と、こちらも妊婦さん相手に嬉々と語ってしまいました(汗汗)。
出産間近には何か楽しいものを見てくださいね♪
7. Posted by みき   2010年11月22日 22:57
ちょこっと追記。
リプリーのお腹をつき破ってエイリアンが出てくるシーンは、確かリプリーの夢なのでした。
1にもそんなシーンありましたねぇ…フムフム。
8. Posted by リュカ   2010年11月22日 23:24
あー、リプリーの夢でしたか。
そういわれるとそんなシーンがあったような……。
もうすべてがうろ覚えです。
劇場で観ていたらまた違ったのかなあ。

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