2010年02月19日

タマンナ

タマンナ
1997年 インド
監督:マヘシュ・バット
音楽:アヌ・マリク
出演:プージャ・バット
   パリシュ・ラブル
   シャリット・カプール








血のつながらない親子の愛の軌跡

ネタバレ有りです。

ティクは母親を亡くしたばかりで傷心中のオカマ。
その夜彼は道端に捨てられた赤ん坊を見つけた。
彼女をタマンナと名づけ、自分がオカマであること、実の父親ではないことを隠して育てることを決心する。
口は悪いが、いつもティクとタマンナを気遣い支えるサリム。
彼らの愛情を一身に受けて成長していくタマンナ。
けれど小さな頃からやんちゃな彼女は、小学校でも寄宿学校でも問題を起こす。

一方、とある名家ではそこの奥方が三度目の死産を夫に責められていた。
けれど実は赤ん坊は死んでおらず、男子を望む夫が生まれた赤ん坊をこっそり女中に捨てさせていたのだ。
その赤ん坊こそがタマンナだった。

このティクがむやみにかわいい!
タイトルロールのタマンナも美人で魅力的だけれど、繊細で情感豊かな父親ぶりを見ているとそれも霞む。
目をひんむいて娘に自分の愛を説く姿が大仰なのにわざとらしくなく心を打つ。
それはヒジュラ特有のものだろうか。
甲高い声も、指先まで優雅な仕草にもいつの間にか取り込まれてしまった。

物語もタマンナが実の両親と自分の出自を知ることとなり、その家族に会いに行くも拒否され、一度は自殺を試みてティクに止められ、再び彼らの前に現れ、対決する等飽きのこない展開に。
タマンナは実の父親にDNA鑑定の結果を突きつける強靭さを発揮。
母親と長男はその父親に対する不信感を募らせる。
遂に父親はティクとサリムに対して暴行を仕向ける。
と、これが実話であることが凄い。

インド映画にしては歌って踊るシーンも控えめで、家族の絆に的を絞った感じ。

それから子供が誕生するシーンで、窓の下でどうしていつもヒジュラがはしゃいでいるのか疑問だったけれど、一般人の家庭での新生児の誕生の祝福のために招かれたりするならわしがあるらしい。
そうして彼女らが汚れた存在として認識されていないかというとそうでもなく、タマンナは最初オカマのティクの存在を(ショックのためでもあるんだろうけど)罵ったりする。
そこらへんのインド事情が気になるところ。

ラストは、実の父親に殺されそうになったタマンナを助けに、ティクを先頭としたヒジュラたちが逆襲する。
突き飛ばしてガラス戸が粉々になったり、壁が一枚板のように後ろに倒れたりとそこはまるでドリフなんだけれど、その勢いが娘を殴った(というか殺す気まんまん)ことに因るのがいじらしい。

そして悪漢は逮捕され、母親と長男はタマンナとティクに謝罪とお礼を述べ、その家庭に戻ることを誘われるも、タマンナは育ての親ティクを選ぶという大団円も良い。
後味よく見られる作品。


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