2010年09月23日

ミックマック

B004GHNSCKミックマック スペシャル・エディション [DVD]
2009年 フランス
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:ダニー・ブーン
   ドミニク・ピノン
   アンドレ・デュソリエ
   ニコラ・マリエ
   ジャン=ピエール・マリエル
   ヨランド・モロー

by G-Tools


カタキをとる。

ネタバレ有りです。

ビデオショップで働くバジルは、ある日流れ弾に当たり、それが脳に残ったままとなってしまう。
そのために仕事を失い、ホームレスとなった彼は、風変わりな7人が擬似家族を形成するガラクタだらけの家に招かれ、仲間入りした。
そんな時、偶然自分の頭の中の弾を製造した会社と、昔父親の命を奪った地雷を造った会社の両方を発見する。
バジルは仲間たちと共に、復讐のためのいたずら(ミックマック)を仕掛けた。

ジャン=ピエール・ジュネらしさが満載の世界観が素敵。
美形なんて一人も出てこないけれど、個性豊なメンバーの顔ぶれと、彼らが繰り出す小道具の数々だけでも楽しめてしまう。

人間大砲でギネス記録を持つ男。
会話にいちいち四字熟語を取り入れる言語オタク。
冷蔵庫などの狭い空間にもすっぽりと体がおさまる軟体女。
ガラクタから何でも造ることができる発明家。
彼らが作る仕掛けがいちいち面白い。
睡眠薬入りの角砂糖を吊ってコーヒーの中に入れたり。
スーツケースをすっぽり覆う鞄型のカバーでまんまとそのケースを盗みおおせたり。
人間大砲で向こう岸までバジルを飛ばしたり。
風俗店の男女を使って破廉恥な情景を演じさせ、見張りの目を逸らさせたり。

でもやっぱり一番傑作だったのは、武器会社の社長二人を誘拐し、イラクに連れて行き、脅して彼らの悪行の洗いざらいをぶっちゃけさせたクライマックス。
実は飛行機の音は手作りの効果音で、イラクの荒野もセット。
現地人に扮していたのもバジルと仲間たち。
録音していた社長たちの告白をネットに流し、それがyoutubeであっという間に世界に広がるさまは痛快。

反戦のテーマは押し付けがましくなく、現代のお伽話に盛り込ませる手腕が見事。

シックでスタイリッシュな会社と相反したガラクタの家は、暖かみにあふれている。
発明家が作った、くるくる回るシャツとスカートを吊るしたハンガーのように軽やかな幸福感がそこに満ちている。

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2. ミックマック Micmacs A Tire Larigo ジャン=ピエール・ジュネ流、アタマの体操  [ 日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜 ]   2010年09月28日 21:38
ジャン=ピエール・ジュネ(仏)といえば、「アメリ」「デリカテッセン」の人。 今回も、彼の独特な「ネチっこさ」が、全編を通して満載されている。 (オープニングからして、たちまち) そして展開では「変なメンバー総動員」、という趣き。 私の場合、連発されるギャグ...
3. 「ミックマック」感想  [ 狂人ブログ ??旅立ち?? ]   2010年09月30日 21:24
 「アメリ」のジャン=ピエール・ジュネ監督最新作は、頭に銃弾を撃ち込まれた男の、その銃弾を作った武器製造・販売会社と、父親の命を奪った地雷を作った軍事会社に、仲間ともに...
4. アメリ監督最新作・映画<ミックマック>  [ 美味−BIMI− ]   2011年01月09日 00:34
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「ミックマック」 「オカンの嫁入り」 

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