2013年04月12日

モンスターズクラブ

B00AJG08JIモンスターズクラブ [DVD]
2011年 日本
監督:豊田利晃
出演:瑛太
   窪塚洋介
   KenKen
   草刈麻有
   ピュ〜ぴる
by G-Tools


終わらない世界の理。

ネタバレ有りです。

ヴェルディのオテロがレコードで流れる中、淡々と主人公良一が爆弾を組み立てている。
その後、彼の産業社会への批判や、ピラミッド型構造の世界から自由になるためのモノローグが延々と続く。

良一はテレビ局等に爆弾を送り続けているようだ。
その生活ぶりはほぼ自給自足で、外で薪を割り、猟銃で獲物を仕留め、収穫した白菜やらハチミツやらで腹を満たし、文明社会から遠く離れた所で暮らしている。

けれど彼の前に怪物が姿を現す。
その次には死んだ兄弟たちが。
彼らは良一と日々議論を交わす。

その中で唯一“まとも”できちんと“生きて”いるのは良一の妹だけであり、良一が兄ユキの亡霊に死後の世界に来るよう唆されても、現世に残っているのは彼女の存在が大きいように思われる。

結局良一は生きていたいのだ。

プロパガンダを批判しながらも。テクノロジーを忌避しながらも。
そこから身を遠くに置いても。
現世というひとくくりにした世界に生きていたい。
だからそのジレンマが色々な妄想を呼び起こすのだろう。


なのでラスト、あの怪物そっくりに顔を塗りたくり、爆弾を抱えて街を歩く彼はバケモノに身をやつす必然性があった。

彼の咆哮は、ミュートによってかき消される。
文豪の美しい言葉が彼を包みながらも、反社会性の怪物の叫びは誰にも届かないのだ。

さて、特殊メイクアップにピュ〜ぴるの名があったけれど、あの怪物のメイクのことだとしたら、あれは『ダークナイト』のジョーカーそのもののように思えるのだけど。

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔