2017年01月02日

1 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2016/07/01(金) 19:13:30 ID:1bfcR2jI0

うにゅほと過ごす毎日を日記形式で綴っていきます 


ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
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184 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:18:27 ID:LzRs45CE0

2016年12月16日(金)

「でかいなあ」
「おっきいねえ……」
オフィス向けのプリンタ複合機を自宅に誘致することに成功した。
当然、会社の経費である。
「××の胸くらいまであるな」
「うん」
高さ1.2mほどはあるだろうか。
「でも、どやってつかうの?」
うにゅほが周囲を見渡す。
複合機を設置したのは、一階の和室。
自室は二階である。
「ああ、それは──」
「わいふぁい?」
「そうそう」
最近、Wi-Fiという言葉を覚えたうにゅほである。
「Wi-Fiでデータを飛ばして、ここで印刷する」
「わいふぁい、すごいねえ」
「便利だろ」
「べんり」
「んじゃ、試しに印刷してみるか」
「うん」
うにゅほを和室に残し、自室へ戻る。
仕事で使うExcelファイルを三部ほど指定してOKボタンを押し、急いで階段を駆け下りた。
「印刷、始まった?」
「いんさつ、おわった……」
「はや!」
さすがトナー式の大型複合機。
「これは仕事がはかどるなあ」
「──…………」
うにゅほの目元が憂いに翳る。
「どした?」
「……エイさん、もうつかわない?」
エイさん。
EPSONのA3対応のプリンタのことである。
「××、ほんとエイさん好きだなあ……」
「うん……」
「大丈夫、まだまだ使うよ」
「ほんと?」
「だって、この複合機、モノクロしか印刷できないもん」
「そなんだ」
「そうだよ」
「よかったー……」
「エイさんには、もっと頑張ってもらわないとな」
「うん」
壊れたらうにゅほが悲しむので、大切に使っていこう。






   

185 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:19:38 ID:LzRs45CE0

2016年12月17日(土)

「さッ──……」
数秒ためて、
「……──むゥ!」
「きょう、さむいねえ……」
自室の空気がキンと冷え切っている。
リビングで二時間ほどテレビを見ていただけなのに、あっという間にこのありさまだ。
「ストーブ、ストーブ……」
ぴ。
うにゅほがファンヒーターの電源を入れる。
「そういえば、今朝、ストーブの利き悪かったよな」
「うん……」
それだけ冷え込んでいるのだろう。
「よし、半纏で二人羽織するか」
「するー」
熱すぎず、温すぎず、常に一定の温度を保つ。
相手によっては、ふにふにと柔らかく、ほんのりいい匂いがしたりする。
人肌は、最も優れた暖房器具のひとつと言えるだろう。
「あ、ちょっとまって」
半纏を羽織ろうとした俺を、うにゅほが止めた。
「わたし、うしろやりたい」
「いいけど……」
手渡した半纏を、うにゅほがもそもそと着込む。
「はい!」
「……えーと」
どうしたらいいだろうか。
とりあえず、うにゅほに背中を向けてしゃがんでみる。
「えい」
うにゅほが背中に抱きついてきたので、そのまま半纏の袖に腕を通し、立ち上がった。
「ぐ」
「どした」
「くるしい……」
身長差が仇となったらしい。
「椅子に座ってみるか?」
「うん……」
中腰でよたよたと移動し、ふたりでチェアに腰を下ろす。
「ぎゅぷ」
「あ、ごめん!」
うにゅほを押し潰してしまった。
「やっぱ、まえやる……」
「それがいい」
ファンヒーターの暖気が室内の隅々に行き渡るまで、二人羽織でやり過ごしたのだった。







186 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:20:46 ID:LzRs45CE0

2016年12月18日(日)

「××」
「?」
「問題です」
「はい」
「腹黒い人が、お正月に買うものってなーんだ!」
「はらぐろいひと……」
「腹黒い人」
「……わな?」
「罠……」
「わなを、しかける」
「腹黒いから?」
「はらぐろいから」
「お正月は?」
「おしょうがつだけど、しかける」
「腹黒いから?」
「はらぐろいから……」
「ぶー、罠ではありません」
「うん……」
わかってた、という表情で、うにゅほがうなだれる。
「ひんと」
「ヒントですね。〈腹〉を、別の言い方に直してみましょう」
「おなか!」
「おなかではなく」
「おへそ?」
「おへそでもなく」
「──…………」
小首をかしげたまま、固まってしまった。
「頭は、頭部。おしりは、臀部。おなかは?」
「ふくぶ……」
「腹部が、黒い」
「ふくぶ、くろい……」
「さあ、答えは!」
「……い、いぶくろ……?」
「答えは、福袋(腹部黒)です」
「あー!」
目を輝かせ、うにゅほが大いに頷いた。
「ふくぶくろだ!」
「よくできたなぞなぞだろ」
「うん!」
「福袋なんて買ったことないけどな」
「◯◯、はらぐろくないもんね」
「そうだな」
すこしずれているような気もするが、まあいいか。
うにゅほになぞなぞを出すと、真剣に考え込んでくれるので、面白い。
 






187 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:21:49 ID:LzRs45CE0

2016年12月19日(月)

「んー……」
カレンダーを睨みつけながら、唸る。
「どしたの?」
「クリスマス近いなーって」
「そだね!」
うにゅほが笑顔で頷いた。
「たのしみー」
「楽しみだな」
「うん」
「それはいいんだけどさ」
「うん?」
「欲しいもの、ある?」
「あー」
「あるなら、クリスマスプレゼントにするけど」
「……うーと」
しばし考え込み、
「◯◯は、ほしいのある?」
「ケーキ食べたい」
「それ、クリスマスケーキ……」
「……最近マジで甘いものの夢ばっか見るんだよ……」
ただいま糖質制限ダイエットの真っ最中である。
「ほかにある?」
「特にないかなあ」
「そかー……」
「××は?」
「とくにないかなあ」
「そっか」
物欲のないふたりである。
「ことしも、ぎんがてつどうのよる、みる?」
「もちろん」
クリスマスイヴの夜、映画版銀河鉄道の夜をふたりで観る。
これは、ふたりの儀式のようなものだ。
「楽しみだな」
「たのしみだねえ」
顔を見合わせ、微笑み合う。
「ゆき、ふるかな」
「どうかな」
ホワイトクリスマス。
雪かきは面倒だけど、すこしくらいなら降ってくれてもいいな。







188 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:22:49 ID:LzRs45CE0

2016年12月20日(火)

「──…………」
キーボードに指を乗せたまま、悩むこと五分。
「××」
「はい」
「今日の日記、何書いたらいいと思う?」
「うーと……」
うにゅほが小首をかしげる。
「かくことないの?」
「書くことはある」
「うん」
「でも、どれもいまいち小粒というか、一日分の日記を埋めるには足りないというか」
「たいへんだねえ……」
夜食代わりに茹で大豆をつまみながら言われてもなあ。
「××さん、今日の出来事をどうぞ」
「うと、びょういんいった!」
「行ったな」
「パンたべた」
「食べたな」
糖質制限ダイエットのことなど忘れてピーナツバターサンドを貪り食った。
「かえりに、ほんやいった」
「行ったな」
生徒会役員共14巻を購入した。
「◯◯、ズボンのすそやぶれてたから、はさみできった」
「切ったな」
「あれ、あのままでいいの?」
「フレイドヘムって言って、そういう加工の仕方があるんだよ」
「ふうん……」
本当は、裾上げし直すのが面倒だからだけど。
「いろいろあったねえ」
「あったなあ」
「にっきかけた?」
「書けた」
会話を書き起こしただけだけど。
「じゃあ、ひざすわっていい?」
ああ、遠慮してたのか。
「いいよ」
「うへー……」
茹で大豆の容器を手にしたうにゅほが、俺の膝に腰を下ろす。
暖かい。
「大豆食っていい?」
「うん」
ほんのり塩味の大豆を食べながら、ブラウジングを再開するのだった。







189 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:24:13 ID:LzRs45CE0

2016年12月21日(水)

「あ」
ファンヒーターの給油の際、灯油で思いきり手を濡らしてしまった。
慌ててティッシュで拭い取り、匂いを嗅ぐ。
「……うへえ」
臭い。
普段の五割増しで臭い。
滴るほどに濡らしてしまったのだから、当然と言える。
灯油タンクを片手に自室へ戻ると、
「♪」
うにゅほが、しっぽを振って待っていた。
「嗅ぎますか」
「かぎます」
タンクをファンヒーターに収め、右手を差し出す。
「──…………」
ふんすふんす。
「……?」
うにゅほが小首をかしげる。
「とうゆくさい……」
「そりゃなあ」
「ちがくて」
「灯油ばしゃーってやっちゃったから、匂いきつすぎるかもな」
「うーと、ちょっとちがくて」
「違うのか」
「うん」
必死に言葉を選びながら、うにゅほが説明する。
「とうゆのにおいだけど、いいにおいじゃないの」
「?」
「とうゆいれたあと、◯◯のて、いつもはいいにおいする」
「今日は違うと」
「とうゆのにおいと、◯◯のてのにおい、ぜんぜんちがうにおい」
「そうなんだ……」
まあ、単純に灯油の匂いが好きなだけならば、直接嗅ぐわな。
体に悪そうだけど。
「……皮脂か何かと結合して、匂いが変わるのかなあ」
「そうかも」
醤油味は好きでも醤油を直接飲むやつはいないってことなのだろう、たぶん。
しばらくのち、余分な灯油が揮発すると、うにゅほ好みの匂いになったらしく、また数分ほど嗅がれていた。
鼻息がくすぐったいのだけ、なんとかしてほしいものだが。







190 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:25:52 ID:LzRs45CE0

2016年12月22日(木)

USBサウンドカードを、すこし良いものに買い替えた。
「──…………」
ヘッドホンを外し、独り言つ。
「うん、だいぶ違うな」
「おと、いい?」
「かなりいいぞ」
「ききたい」
「ああ、ちょっと待ってな」
サウンドカードからイヤホンプラグを抜き、PC本体に直接繋げる。
「まず、普通に聞いてみよう」
「はい」
「曲、リクエストある?」
「うーと……」
「特になければスガシカオになります」
「いいよ」
ヘッドホンのサイズを調整し、うにゅほの両耳に装着する。
再生。
「──…………」
「──……」
「これ、ふつう?」
「これが普通」
「ふつうだねえ」
「普通だからな」
イヤホンプラグをサウンドカードに繋ぎ直す。
「行くぞー」
「はい」
再生。
「──わ!」
うにゅほの背筋が伸びる。
「ちかい!」
「さっきはのっぺりしてたけど、今度は音に奥行きがあるだろ」
「わかんないけど、いろんなおときこえる……」
「それが、音質がいいってことだよ」
「そうなんだ……」
音にさほどのこだわりはないが、良いものは良い。
しばらく音楽鑑賞を楽しもう。







191 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:26:47 ID:LzRs45CE0

2016年12月23日(金)

「ふー……」
「──…………」
上がり框に腰を掛け、無言で爪先を見つめる。
「ゆきかき、おわり!」
「はい……」
「つかれたねえ……」
「はい……」
「──…………」
「──……」
「……◯◯、だいじょぶ?」
「大丈夫じゃない……」
記録的な豪雪である。
「……むしろ、××は大丈夫なのか?」
「つかれた……」
うにゅほが苦笑を浮かべる。
だが、その表情には、幾許かの余裕が感じられた。
雪かきが好きだという言葉は、伊達ではない。
「──…………」
読者諸兄は、疲れ切った俺のことを、情けないと思うかもしれない。
だが、すこし待ってほしい。
本日の日記は、三度目の雪かきを終えた直後から描写しているのだ。
「……雪、止まないな」
「うん……」
「あとは、もう、父さんに任せよう」
「うん」
「俺は、もう無理だ。死ぬ」
「しなないで……」
「……言っとくけど、××も道連れだぞ」
「?」
小首をかしげたうにゅほに、残酷な事実を告げる。
「筋肉痛」
「あ」
うにゅほの顔が一瞬で青ざめる。
「……痛み止め、飲もうな」
「うん……」
日記を書いているいまも、雪は、一向に止む気配がない。
いっそ、このまますべて雪に沈んでしまえばいい。
そんなことすら考えてしまうのだった。







192 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:28:21 ID:LzRs45CE0

2016年12月24日(土)

「──…………」
「──……」
つん。
「いひ」
つんつん。
「うぎぎ……」
チェアの上でまるくなっていたうにゅほが、痛いんだかくすぐったいんだかわからん声を上げる。
未曾有の大雪に果敢に立ち向かった結果、未曾有の筋肉痛に見舞われているふたりだった。
「夜のぶんの痛み止め、飲むか?」
「のむー……」
ロキソニンは胃によくないが、それどころではないこともある。
「──さ、気を取り直してだ」
「ぎんがてつどうのよる」
「ああ、見ようか」
「うん!」
クリスマスイヴの夜、劇場版・銀河鉄道の夜をふたりで観賞する。
毎年の恒例行事だ。
チェアに腰を掛け、うにゅほを膝の上に乗せる。
「ぐ」
同時に、太腿が軋みを上げた。
「……◯◯、だいじょぶ?」
「大丈夫」
「おりる……?」
「下りなくていいから、動かないで」
「はい」
「DVD、トレイに入れて……」
「うん」
うにゅほがPCに手を伸ばす。
「み゙!」
うにゅほの爪先が、ピンと伸びた。
どこかの筋肉が悲鳴を上げたらしい。
「と、とにかく、見よう。見てるうちに、薬が効いてくるはず」
「うん……」
うにゅほを軽く抱き締めて、ディスプレイに向き直る。
「電灯、消そうか」
「うん」
周囲が闇に没する。
「今年は途中で寝るなよ」
「ねないよー」
自信満々に答えたうにゅほだったが、案の定、途中で寝落ちしてしまった。
何度も観た映画だものな。
だが、それでいいのだ。
一緒に観たという事実があれば、それでいい。
これは、ふたりの儀式なのだから。







193 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:29:56 ID:LzRs45CE0

2016年12月25日(日)

「あ」
いつものように漫画を読んでいたうにゅほが、不意に声を上げた。
「◯◯、メリークリスマス!」
「唐突だな」
「わすれてた……」
うへーと苦笑する。
「××、メリークリスマス」
「うん」
「それで思い出したけど、布団のなかにプレゼントが忍ばせてあるぞ」
「!」
うにゅほが目を丸くする。
「大したものじゃ──」
言い切る前に、うにゅほが自分のベッドへと駆け寄った。
ごそごそ。
「あった!」
取り出したるは、チョコレート色の紙袋。
「あけていい?」
「いいよ」
包装を慎重に解き、ゆっくりと中身を取り出す。
「くつしただ!」
「家用の、毛糸の靴下」
「もこもこだ!」
「あったかいぞ」
うにゅほは靴下が嫌いなので、プレゼントしたら履いてくれるのではないか、という算段である。
「うへえー……」
靴下を抱き締めながら、うにゅほがほにゃりと笑みを浮かべる。
「ね、はいていい?」
「俺も、履いてるところ見たいな」
「うん!」
小さなぼんぼりのついたクリスマス仕様の靴下だ。
「……にあう?」
「思った通りだ。よく似合う」
「◯◯、ありがと」
「どういたしまして」
「……でも、わたし、おかえしない」
「ほっぺにちゅーでいいぞ」
「いいの?」
「むしろ、それがいい」
「じゃあ──」
描写は割愛する。
読者諸兄も、メリークリスマス。







194 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:31:21 ID:LzRs45CE0

2016年12月26日(月)

「……うへー」
座椅子に腰掛けたうにゅほが、自分の足先を見つめてニコニコしている。
クリスマスプレゼントの靴下が余程嬉しかったらしい。
「──…………」
対して、俺は、いささか複雑な気分だった。
うにゅほの誕生日にコートをプレゼントしたときより、明らかにごきげんな様子だからである。
理由はわかっている。
俺の財政を管理しているのは、うにゅほだ。
自分へのプレゼントも支出の一部であると考えると、素直に喜べないのだろう。
「あ、そだ」
「んー」
「プレゼントのおかね、どうしたの?」
「あー、それか」
「かりたの?」
「借りてない」
「くれじっとかーど?」
「使ってないよ」
「……?」
うにゅほが首をかしげる。
種を明かせば、なんてことはない。
つい先日、普段使いのものとは別の銀行口座の存在を思い出しただけである。
「そうだなあ……」
しばし思案し、答える。
「……秘密」
「えー」
うにゅほが不満げに口を尖らせる。
「すこしくらい、いいだろ。無駄遣いしないからさ」
「うー……」
どうせ、うにゅほへのプレゼントを買うときくらいしか使わないし。
「……わかった」
うにゅほがしぶしぶ頷く。
プレゼントは、値段が見えないほうがいい。
経験上、そう思うのだ。







195 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:32:46 ID:LzRs45CE0

2016年12月27日(火)

「……?」
メモ帳を前にして、うにゅほが小首をかしげていた。
「なんかちがう……」
肩越しに覗き込むと、ドラえもんと思しきキャラクターが小さく描かれていた。
「うん、いろいろ違うな」
「◯◯、ドラえもんかける?」
「描けるぞ」
ボールペンを受け取り、うにゅほのイラストの下にさらさらとドラえもんを描く。
「あ、うまい」
「××は、ありがちな間違いをみっつ犯している」
「みっつも……」
「まず、青と白との境界線だな」
ペン先で問題点を指し示す。
「境界線は、目の上ではなく、目の真ん中を通っている」
「ほんとだ」
「ここを間違うと、一発で偽ドラになるから注意が必要だ」
「はい」
うにゅほが頷く。
素直である。
「次に、ヒゲの数。左右四本ずつではなく、三本ずつだな」
「そうなんだ」
「そうなのだ」
「さいごは?」
「最後は、黒目の位置」
「くろめ……」
「ドラえもんは、基本寄り目がちだ。白目の中央に黒目を描くと、死んだ目になる」
先の二点を修正し、黒目を白目の中央に置いたドラえもんを描いてみせる。
「……め、しんでるね」
「だろ」
「ドラえもん、もっかいかいてみていい?」
「ああ、描いてみたまえ」
うにゅほにボールペンを返す。
「くろめは、よりめ」
「ああ」
「きょうかいせんは、めのまんなか……」
「そうそう」
「ひげ、さんぼん」
「そう」
「──できた!」
うにゅほが描き上げたのは、少々いびつなことを除けば、立派なドラえもんの顔だった。
「よくできました」
「うへー」
「ちなみに、ドラえもんの応用でコロ助も描ける」
「かいて!」
そして、チキチキお絵かき大会が始まるのだった。







196 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:34:27 ID:LzRs45CE0

2016年12月28日(水)

タクシーが到着したので、ストールを首に巻き、コートを着込んだ。
「それじゃ、行ってくるから」
「うん」
「たぶん、帰るのはすこし遅くなると思う」
「うん……」
うにゅほが不安げに口を開く。
「おんなのひと、いない?」
「──…………」
嗚呼。
嗚呼。
うにゅほにこんな心配をされる日が来るとは、本当に感慨深い。
「いません。男三人、むっさむさ忘年会です」
「……そか」
うにゅほの表情が安堵に晴れる。
「先に寝てていい──って言ってもどうせ起きてるだろうから、ちゃんとあったかくして待ってるんだぞ」
「はーい」
「ココアとコーンスープ、どっちがいい?」
「ココアがいいな」
「じゃあ、帰りに買ってくから」
「うん」
「行ってきます」
「いってらっしゃい!」
うにゅほの声を背に受けて、俺は自宅を後にした。

「……ただいま……」
帰宅したのは、午前二時だった。
「あ、おはえりなさい……」
半分寝ながら出迎えてくれたうにゅほを、思いきり抱き締める。
「わ」
「さぶい……」
「◯◯、からだつめたい!」
「タクシー捕まえるのに三十分以上かかった……」
外は-10℃、極寒の世界。
死ぬかと思った。
「××、あっためてくれー……」
「おふろはいったほういいよ」
「あ、うん」
「わかしなおすね」
「頼むー」
風呂で芯から温まり、いまに至る。
今日はうにゅほが夜更かしに付き合ってくれるそうなので、もうしばらく遊んでから寝ようと思う。
 







197 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:35:32 ID:LzRs45CE0

2016年12月29日(木)

「──…………」
うと、うと。
「!」
はっ。
「ねてない、ねてないです」
「何も言ってないぞ」
しばしして、
「──…………」
うと、うと。
「!」
はっ。
「ねてない」
「眠いなら、ちゃんと寝たほうがいいぞ」
昨夜は夜更かししたのだし。
「ねむくない」
「本当は?」
「ねむい……」
だろうなあ。
目蓋、ぴくぴくしてるし。
「××さん、お昼寝しましょうね」
「でも……」
「でも?」
「いまねたら、よるねれなくなる……」
「いいじゃん」
「いいの?」
「大晦日の夜、初詣行くだろ」
「いく」
「なら、いまのうちに、夜更かしに慣れておかないと」
「あ、そか」
うにゅほが、うんうんと頷く。
何年経っても素直である。
「では、おひるねします」
「おやすみなさい」
「おやすみなさい」
ついに、うにゅほ悪い子計画※1を実行に移すときが来た。
夜更かし朝寝坊の快感を知るがいい。

※1 そんな計画はありません
 







198 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:36:38 ID:LzRs45CE0

2016年12月30日(金)

「××隊員、現在の湿度を報告せよ」
「はい!」
うにゅほがデジタル温湿度計を覗き込む。
「さんじゅうろくパーセントです!」
「低いなあ」
「ひくいねえ」
「……加湿器が機能してない気がするんだよな」
「うん……」
「壊れたのかなあ」
「がんばれー……」
加湿空気清浄機を撫でながら、うにゅほがそう呟いた。
購入して、まだ二年である。
故障されても困る。
「分解掃除してみるか」
「だいじょぶ?」
「取扱説明書見ながらなら、大丈夫だろ」
電源を落とし、前面パネルを外す。
「わ」
「……うわー」
ホコリが舞う。
プレフィルターがホコリまみれだった。
「これ最後に外したのっていつだっけ……」
「うと、ゆきふるまえ」
「てことは、二ヶ月くらいか」
「そうじき、そうじき」
プレフィルターの清掃をうにゅほにまかせ、集塵フィルターに手を掛ける。
取扱説明書によると、集塵フィルターの奥にある黒い板が脱臭フィルターである。
「ん?」
よく見ると、脱臭フィルターが上手くはまっていなかった。
まさか、こんな些細なことが原因ではあるまいな。

──三十分後、
「原因だった……」
あっという間に湿度が上がり、現在45%である。
「なおってよかったね」
「……まあ、うん。そうだな」
すこしだけ複雑だが、直ったことは素直に喜ばしい。
俺の乾燥肌も、すこしはよくなることだろう。
 







199 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:38:01 ID:LzRs45CE0

2016年12月31日(土)

現在、年明けの午前一時。
午前二時ごろには、うにゅほを連れて、友人と初詣に行く予定である。
ガキの使いを見終えてから出掛けるまでの間隙を縫ってキーボードに向かってはみたのだが、どうにも書くことがない。
「××、なんかある?」
「なんかって、なに?」
「こう、2016年を締めくくるようなやつ」
「もう2017ねんだよ?」
「そうなんだけど、日記ではそうじゃないんだよ。31日の日記だから」
「うーと……」
小首をかしげ、思案する。
「ことしいちねん、ありがとうございました、とか……」
「ふむ」
キーボードを叩く。
「書いた」
「◯◯も、じゅんびしよ」
「まだ早いって」
うにゅほは既にコートを着込み、準備万端整っている。
目は爛々とし、眠気など微塵も感じていない様子だ。
ここ数日、夜更かしに慣らしただけはある。
「なんかこう、もう一言ない?」
「もうひとこと……」
「ちょっと尺が足りない」
「……らいねんも、よろしくおねがいします?」
「セクシーに」
「ら、らいねんもお、よろしくう、おねがいしますー……」
「──…………」
ちょっと語尾が伸びた。
これが、うにゅほなりのセクシーらしい。
「××、もうすこし頑張ってみようか」
「うー」
「こう、コートを軽く着崩して──」
などということをやっていると、あっという間に出発する時刻になってしまった。
あけましておめでとうございます。
行ってきます。






200 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/01/01(日) 23:39:33 ID:LzRs45CE0

以上、五年一ヶ月め 後半でした

引き続き、うにゅほとの生活をお楽しみください
 


       


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コメント一覧

  • 1  Name  名無しさん  2017年01月02日 15:34  ID:CEcdWZrl0
    これいる?
    悪いけどなんの権威も無い一介の二次創作物でしょ?


  • 2  Name  名無しさん  2017年01月02日 15:42  ID:mvHvTJgZ0
    お前それ毎回言って飽きないん?


  • 3  Name  名無しさん  2017年01月02日 15:53  ID:pGH9vB6M0
    これ日記じゃないな


  • 4  Name  名無しさん  2017年01月02日 16:30  ID:ygVzIWws0
    毎回思うがなんなんだこれwwwwww


  • 5  Name  名無しさん  2017年01月02日 16:44  ID:a5rXvfXj0
    本 田未汚しね


  • 6  Name  名無しさん  2017年01月02日 16:45  ID:IdUKj6V60
    なんか知らんけどこれを定期的にまとめてくれないと不安になってくる


  • 7  Name  名無しさん  2017年01月02日 16:46  ID:6phjHVtq0
    自分の黒歴史見てるみたいでむず痒い


  • 8  Name  名無しさん  2017年01月02日 17:11  ID:LoG2JETE0
    こんだけ継続できるってほんとスゴい
    終わったら悲しいわ


  • 9  Name  名無しさん  2017年01月02日 17:29  ID:.hSuwHma0
    待ってました!!


  • 10  Name  名無しさん  2017年01月02日 18:12  ID:PzvI9Ozs0
    これを楽しみにしている自分がいる…


  • 11  Name  名無しさん  2017年01月02日 19:07  ID:.69BPbDM0
    毎回文句言う暇人


  • 12  Name  名無しさん  2017年01月02日 19:07  ID:4fLj73V40
    賛否両論だが、無ければ寂しいだろうよ


  • 13  Name  名無しさん  2017年01月02日 19:11  ID:WkeKm7t20
    タイトルからすでにアレな文章で読む勇気が湧かないんだが
    一番の狂気はこれを継続しているという事実


  • 14  Name  名無しさん  2017年01月02日 20:41  ID:VYjT6pZ90
    毎回コメント欄に湧く人は自分の言ってることがブーメランだと気付こう?


  • 15  Name  名無しさん  2017年01月02日 20:59  ID:Hh4Ffv2A0
    ここまでくるとなんだか応援したくなってくる不思議


  • 16  Name  名無しさん  2017年01月02日 21:12  ID:2tTsgN9c0
    もう、狂気を越えて尊敬してる。


  • 17  Name  名無しさん  2017年01月02日 21:33  ID:oiYF6oXV0
    ブーメランでもなんでもなくて草
    真っ当な文句じゃん
    実際これが最初の二週間とかだったらキモいだけの変人だしな
    下らない年功思考くっさいわ
    俺も内容で判断した上で一介の二次創作物だと思う


  • 18  Name  名無しさん  2017年01月02日 22:04  ID:OXZv2nSX0
    ……?
    なにが言いたいんだ?
    一介の二次創作物だと、なにかダメなの?


  • 19  Name  名無しさん  2017年01月02日 22:12  ID:9YIaO59Y0
    キモイキモイ言ってるのは中高生なんやで
    ここガキ多いし精神的にも劣ってるんやで😅
    継続してるのは凄いし情熱も感じられるし嫌なら見なくてええんやで 一々文句言ってどう?恥ずかしくない?二次創作も受け入れられないとかやだハズカシイデスー


  • 20  Name  名無しさん  2017年01月03日 04:02  ID:MLi5bz.40
    これは尊敬すべき才能だな


  • 21  Name  名無しさん  2017年01月03日 09:03  ID:NqiD3oPD0
    自分でも書いてみたくなったじゃないかどうしてくれる(怒り)


  • 22  Name  名無しさん  2017年01月03日 18:15  ID:GJUjEaCI0
    最初は見ることを躊躇うスレだったけど、無いと無いでなんかモヤモヤする…そんなところになってしまった気がする…


  • 23  Name  名無しさん  2017年01月03日 18:25  ID:QCJgqUVg0
    狂人として尊敬するし普通に話題提供してくれるだけ普通のSSよりも全然すき(読んでないけど)


  • 24  Name  名無しさん  2017年01月04日 14:42  ID:xxQmIqSj0
    更新が続いているようで安心した


  • 25  Name  名無しさん  2017年01月05日 03:13  ID:CXXaR11E0
    何でここの作者は、精神病院に行かないの?


  • 26  Name  名無しさん  2017年01月07日 02:40  ID:yIwVno3Q0
    狂人に見えて易者理論を本家より先に考え付いて実行に移した切れ者だなこれは


  • 27  Name  名無しさん  2017年01月08日 04:52  ID:0vnqQ2JH0
    見出しだけでここまで恐怖を与えられるのは凄い


  • 28  Name  名無しさん  2017年01月08日 17:57  ID:8cFqYwMi0
    これ月に2回読まないと不安になる


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