2017年09月17日

1 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2016/07/01(金) 19:13:30 ID:1bfcR2jI0

うにゅほと過ごす毎日を日記形式で綴っていきます 


ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
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459 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:01:23 ID:F8p6elNc0

2017年9月1日(金)

「あ」
仕事の合間にだらだらしていたとき、ふと思い出したことがあった。
「どしたの?」
「今日、資格試験の結果発表だ」
「!」
思わずか、うにゅほがピンと背筋を正す。
「××が緊張しなくても」
「だって……」
「大丈夫大丈夫。たぶん、なんとかなってるって」
「でも、◯◯、はんはんって……」
「あれから何度か試験のときのことを思い返したんだけど、どう考えてもミスはない」
「……そか」
うにゅほの頬が緩む。
「では、ネットで合否を確認してみましょう」
「うん!」
Google検索から、当該ページを開く。
「合格者受験番号検索……」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「とりあえず、受験番号を入力すればいいのかな」
受験票とにらめっこしながら、9桁の受験番号を打ち込む。
「わたし、なまえがたくさんかいてるのかとおもった」
「俺は、番号がずらっと並んでるのかと思った」
個人情報保護とか、そういう問題があるのだろうか。
「よし、と」
エンターキーを、気持ち強めに叩く。
切り替わった先のシンプルなページには、赤文字で一行、こう書かれていた。
「入力した受験番号は、合格者一覧にあります──だって」
「……うかった?」
「たぶん」
「やった!」
「いえー」
「いえー!」
ハイタッチを交わす。
「よかったね!」
「ああ、よかった」
「◯◯、がんばってたもんね!」
「それなりにな」
「それなりじゃなくて、すーごいがんばってたよ」
「……それなりにな」
ぽんぽんとうにゅほの頭を撫でる。
照れ隠しだった。
ともあれ、懸念事項がひとつ解決したのは喜ばしい。
来年にはひとつ上の資格を取得しなければならないが、それはそれ。
今くらいは解放感に浸っていてもいいだろう。







   

460 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:02:14 ID:F8p6elNc0

2017年9月2日(土)

「──うッ」
ぐるるるる。
内臓が悲鳴を上げている。
「……トイレ……」
「うん……」
腹部を押さえたままのそりと立ち上がり、部屋を出た。
「……ふー」
所用を済ませ、自室に戻る。
「◯◯、おなか、だいじょぶ……?」
「あんまりだいじょばない」
「そか……」
腹痛こそひどくはないものの、下痢が止まらない。
「へんなの、たべた?」
「××と同じものしか食べてないよ……」
第一、ダイエット中である。
食事は普段より少なめだ。
「おなかだしてねたとか……」
「うーん」
睡眠中のことだから、自分ではよくわからない。
「……俺、腹出してた?」
「だしてたら、たんぜんかける」
「だよな……」
「わたしおきるまえ、おなかだしてたかも……」
可能性は否定できない。
しばしして、
「──うッ!」
ぐるるるる。
本日幾度目かわからない便意が下腹部を襲う。
「と、トイレ……」
「いってらっしゃい……」
所用を済ませ、自室に戻る。
拭きすぎて痛くなってきたが、さすがに口には出さない。
「……◯◯、ねて」
「ベッド?」
「うん」
うにゅほに言われるがまま、ベッドに横たわった。
なで、なで。
小さな手のひらが、俺の腹部を這い回る。
「なでなでしたら、なおるかも」
「……××」
「?」
「できれば、へそを中心に、反時計回りに撫でてくれ」
「はい」
大腸の流れに沿って撫でると、便通をよくすると聞いたことがある。
これ以上よくなると、困る。
しばしして、
「うッ……」
「といれ?」
「トイレ……」
そう上手くは行かないものだ。
腹痛は、二時間ほどで嘘のように治まった。
なんだったんだろう。







461 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:03:12 ID:F8p6elNc0

2017年9月3日(日)

午前十時、準備万端整えて、俺はバイクにまたがった。
友人とツーリングへ行くのである。
「……きーつけてね」
「はい」
「すーごい、きーつけてね」
「すごく気を付けます」
「うん……」
当初は二人乗りでツーリングに挑む予定だったのだが、うにゅほの都合が悪くなってしまったのだ。
理由については各自で推し量るように。
「ちゃんと帰ってくるから」
革手袋をつけた手で、うにゅほの頭をぽんと撫でる。
「……なんじ?」
「それは、ちょっとわからないかな……」
「──…………」
「帰るとき、ちゃんと連絡入れるから」
「うん……」
エンジンをかけ、アクセルを軽く吹かす。
「──それじゃ、行ってくる!」
「うん」
心配そうなうにゅほの顔が、すぐに判別できなくなる。
おみやげくらい、買ってこようかな。

午後九時、帰宅。
「ただいまー……」
どたどたどた!
「おかえり!」
「やー、ずっと快晴だったのに、最後の最後で雨降ってきてさ」
「うん、しんぱいしてた……」
「濡れたの、ちょっとだけだけどな」
「おふろ、いま、あいてるよ」
「んじゃ入ろうかな」
「うん」
「その前に──」
カバンから、紙袋を取り出す。
「おみやげ。カフェが併設されてるパン屋が美味しかったから、クロワッサンを買ってきました」
「おー」
「外はパリパリ、中はしっとり。明日の朝にでも──」
紙袋を開けると、当のクロワッサンが潰れていた。
なまじ外側がパリパリなものだから、無残極まる潰れ方である。
「……ごめん」
うにゅほが、紙袋からクロワッサンの一部を取り出し、食べた。
「──わ、ほんとにぱりぱりだ」
「美味しかったんだけど……」
「おいしいよ?」
「──…………」
いい子だなあ。
「……そのパン屋、今度はふたりで行こうな」
「うん!」
イートインスペースがあったから、焼き立てを食べさせてあげよう。
 






462 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:04:16 ID:F8p6elNc0

2017年9月4日(月)

「──んが」
口の端のよだれをすする。
マウスを握り締めながら寝落ちしかけていた。
「疲れが、まだ、抜け切ってないみたい……」
「だいじょぶ?」
「大丈夫、大丈夫」
「きのう、なんキロはしったの?」
「170kmくらいかなあ……」
「──…………」
うにゅほが小首をかしげる。
基準がわからないのだから、当然だろう。
「こないだ、墓参り行ったろ」
「うん」
「あれよりは、まだマシかな」
「そなんだ……」
墓参りは、日帰りで往復六時間の強行軍だ。
それ以上の距離をバイクで踏破するとなると、もはや楽しいも何もなく、ただただつらい。
「でも、一緒に行った連中は、一日に400、500は当たり前バイクキチガイだからなあ」
「うへー……」
「正直、付き合いきれん」
俺はライトユーザーなのだ。
「あんまし、むりしたらだめだよ」
「しないしない。少なくとも俺はしない」
「そか」
「こないだ行った小樽とかで十分だよ」
「おたる、たのしかったねえ」
「また行こうな」
「うん!」
ちなみに、小樽までは往復で100km程度である。
これくらいなら、とても楽しいのだが。
「……あー、背中痛い」
「まっさーじ、しますか?」
「お願いします」
「はーい」
やはり、家がいちばんである。







463 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:05:03 ID:F8p6elNc0

2017年9月5日(火)

風呂上がり、足の爪を切っていたときのことだ。
「ね、◯◯」
「んー?」
「つめね、わたし、きっていい?」
「爪って、俺の?」
「うん」
「いいけど、足はもう切り終わるぞ」
「じゃー、て」
「手の爪、まだ伸びてないんだけど……」
「みして」
「はい」
うにゅほの眼前に右手を差し出す。
「あー、しろいとこありますねー」
「ちょっとだけな」
「これは、きったほうがいいですねえ」
「──…………」
そんなに切りたいのか。
「……じゃ、お願いします」
「はーい」
小さな手が、俺の指先を這い回る。
くすぐったい。
「深爪には気を付けてください」
「うん、わかった」
うにゅほのことだから、言わなくても大丈夫だろうけど。
「──…………」
ぱちん。
「──…………」
ぱちん。
丁寧に、丁寧に、うにゅほが俺の爪を切っていく。
しばしして、
「あ」
「どした」
「◯◯のひとさしゆび、なんかせんある」
「あー」
これか。
「傷跡だよ。子供のころ、剃刀で切ったらしい」
「……いたかった?」
「覚えてないくらい小さいころの話だからなあ……」
「そなんだ」
ぱちん、ぱちん。
「はい、おしまい」
「ありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそ」
指先を電灯にかざす。
自分で切るより、ずっと綺麗な仕上がりだった。
まあ、爪に気を使うような柄ではないけれど。







464 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:05:48 ID:F8p6elNc0

2017年9月6日(水)

「……腹減った」
ダイエット中ゆえ、食事は控えめである。
「おなかへったなら、たべたほういいとおもう……」
「さてここで問題です」
「?」
「空腹にまかせて食べた結果、どうなったでしょー……か!」
「ふとった?」
「正解」
「そだけど……」
「エアロバイクで運動してるのに太ったってことは、純粋に食べる量が多かったんだよ」
「うーん」
「胃袋が大きくなってるんだな」
「いぶくろが……」
「だから、本当は十分に食べてても、腹が減ったつもりになる。要は気のせいだ」
「でも、おなかへったら、ひもじいよ……」
「××は優しいなあ」
うにゅほの頭を撫でる。
「でも、いまは胃袋を小さくしてる最中だから」
「いぶくろ、ちいさくなるの?」
「なる」
「そなんだ……」
「たくさん食べれば大きくなるし、食べなければ小さくなる。小さくなれば、ちょっとの量でもお腹いっぱいになる」
「へえー」
「××みたいにな」
「わたし、たくさんたべるよ」
たしかに、うにゅほは見た目の印象より健啖である。
「でも、俺よりは食べないだろ」
「そだねえ」
「胃袋を、××と同じくらいにしたいのさ」
「そか……」
「だから、小さくなるまでの我慢だ」
「わかった」
納得してくれたようだ。
俺のダイエットは、まだ始まったばかりである。







465 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:06:47 ID:F8p6elNc0

2017年9月7日(木)

「……よし」
意を決し、自室の体重計に乗る。
ありのままの現実を見つめるのは耐えがたいものだ。
だが、目を逸らすわけにはいかない。
「──…………」
数日前より、減ってはいる。
減ってはいるが──
「なんキロ?」
「わああ!」
体重計から慌てて下りる。
「みえなかった……」
「秘密です!」
「えー」
うにゅほが不満げに唸る。
「きになる」
「俺にだって、秘密にしたいことくらいあるの!」
「そか……」
ここであっさりと納得してくれるのが、うにゅほの美点である。
「じゃー、やせた?」
「……体重は落ちてるけど、体脂肪率は大して変わってない」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「まあ、いちおう順調ではあるよ」
「そなんだ」
「やっぱ、食べ過ぎてたんだなあ……」
「セイコーマートのクロワッサン、たべてないもんね」
「コンビニ断ちしてるからな」
「しゅっぴもへるし、いいことです」
うんうんと頷く。
「──…………」
ふと、あることが気になった。
「××って、いま何キロなんだ?」
「のる?」
「ああ」
「わかった」
靴下を脱ぎ去ったうにゅほが、体重計に乗る。
「──軽っ!」
「そかな」
「まあ、比較対象が俺だから……」
身長も、性別も、体格も、あまりに違い過ぎる。
「××は、ダイエットの必要なさそうだな」
「うん」
羨ましい限りである。
さっさと痩せよう、うん。







466 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:07:50 ID:F8p6elNc0

2017年9月8日(金)

「……あれ?」
カナル型イヤホンの左側を外す。
「やっぱり……」
「どしたの?」
「××、これ着けてみ」
「?」
イヤーピースを軽く拭ったあと、うにゅほの両耳にイヤホンを優しく突っ込んだ。
「どう聞こえる?」
「なんか、みぎ、とおい……?」
「だよな」
「いやほん、こわれた?」
「聞こえはするから、断線したわけじゃないと思う」
「こわれてない?」
「壊れかけ、かなあ……」
徳永英明の「壊れかけのRadio」が脳裏をよぎるが、あまりにベタである。
「まだ、半年くらいしか使ってないのに」
「──…………」
しばし目を伏せたあと、うにゅほが口を開いた。
「ごめんなさい……」
「なんで謝る」
「まえのいやほん、こわしたの、わたしだから……」
そういえば、そんなこともあったような。※1
「どうして、いま、前のイヤホンを壊したことを謝る……?」
「まえの、こわしてなかったら、いまの、こわれてなかったかも……」
「──…………」
責任感が強いのか、なんなのか。
「××」
「はい……」
「俺が落ち込んでたら、どう思う?」
「……げんきになってほしい」
「××が落ち込んでたら、俺も、元気になってほしいって思うんだよ」
「──…………」
「イヤホンなんかどうでもいいんだ。十個壊してもいい。だから、そんな顔するなって」
うにゅほの頭を、そっと撫でる。
「……うへー」
「お、笑ったな」
「うん……」
「まあ、まだ壊れてはいないんだし、だましだまし使うよ」
「そか」
完全に聞こえなくなったら、買い替えかな。

※1 2017年3月26日(日)参照







467 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:08:38 ID:F8p6elNc0

2017年9月9日(土)

「◯◯、つくえのうえ、きたないよ」
「──…………」
L字デスクの上を見やる。
「たしかに」
「たしかに、じゃなくて……」
呆れたように、うにゅほが苦笑する。
「かたづけましょう」
「はい」
促されるまま、整理整頓を始めた。
「これなにー?」
「えーと、資格試験の受験票だな」
「いる?」
「わからないけど、捨てないほうがいい気がする……」
「ひきだし、いれとくね」
「ああ」
「まんが」
「……すみません、いま片付けます」
「けものフレンズの、ガイドブックの、ろっかん」
「片付けます」
「あまざらしのしーでぃー」
「片付けます……」
出したものは出しっぱなし、届いたものは置きっぱなし。
自分が少々恥ずかしくなってくる。
うにゅほがいなければ、いまごろどんなゴミ部屋になっていたことか。
「──うん、きれいになった!」
必要最低限のものしか載っていないデスクは、ひどくこざっぱりしている。
これはこれで、微妙に落ち着かない。
「なんか飾りたいなあ……」
「かざるの?」
「そしたら、その周囲は綺麗に保つ気がする」
「なるほど……」
「あれ、どこやったっけ。黄鉄鉱の結晶!」
黄鉄鉱。
立方体の結晶を形作る鉱物である。
「うーと、ひっこすとき、このはこにいれたから──」
なんとか黄鉄鉱の結晶を引っ張り出し、デスクの上に飾る。
「うん、悪くない」
「うん、いいかんじ」
これで、片付け癖がつけばいいのだが。







468 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:09:34 ID:F8p6elNc0

2017年9月10日(日)

ぐー。
胃袋が唸りを上げる。
「──…………」
チョコボールを食べていたうにゅほの手が、止まった。
「……たべる?」
ぐー。
「食べない」
「ほんとに?」
「食べません」
ぐー。
「……いっこだけ、たべる?」
「──…………」
うにゅほの親指と人差し指とに挟まれた、ピンク色の芳しい球体。
さっくりパフ入りいちご味。
「……いただ、き、ま」
ふらふらと、意識がチョコボールに吸い込まれていく。
だが、いいのか?
蟻の穴から堤も崩れる。
たったひとつぶとは言え、その油断が惨事を招く可能性だってあるのだ。
「いや、でも──」
「はい」
「うぶ」
うにゅほが、俺の口にチョコボールをねじ込んだ。
「──…………」
ころころ。
口のなかで、甘いものが踊る。
「おいしい?」
「美味しい……」
チョコボールを噛み潰し、飲み下す。
「もいっこ、たべる?」
「……やめとく」
「そか」
ぐー。
「やっぱし、たべる?」
「我慢します」
「そか」
ダイエット、継続中であります。







469 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:10:23 ID:F8p6elNc0

2017年9月11日(月)

ミント味のボトルガムを口の中へと放り込み、噛み潰す。
途端、
「──ひッ、きし!」
くしゃみが暴発した。
「ミント味のガムを食べるとくしゃみが出るの、なんでなんだろうなあ……」
うにゅほが、目をぱちくりさせる。
「そなの?」
「××、出ないのか?」
「うーとね、みんとあじすきくないから、わかんない」
そうだった。
初めて食べたときなど、反射的に吐き出してしまったくらいだ。
「なんか知らんが、出る」
「すーすーするからかな」
「そうかもしれない」
もっち、もっち、もっち、もっち。
「でも、いざ噛み始めたら、もう出ないんだよなあ」
「ふしぎ」
「ミントに慣れるのかも」
「なるほど」
もっち、もっち、もっち、もっち。
「××も試してみる?」
「?」
「くしゃみが出るか、出ないのか」
ボトルからガムをひとつぶ取り出し、うにゅほの眼前に差し出した。
「……からくない?」
「辛い」
「すーすーしない?」
「まあ、ひとつぶなら大したことはないかな」
「……じゃー、ひとつだけ」
「あーん」
「あー」
うにゅほの舌に、ガムを置く。
恐る恐るひと噛みしたあと、
「──……ッ!」
思い切り顔をしかめた。
「はらい……」
「出しちゃえ出しちゃえ」
うにゅほの口の前に手を差し出す。
「んべ」
吐き出されたのは、ほとんど元の形を残したミントガムだった。
「──…………」
しばし逡巡したのち、ティッシュにくるんで捨てる。
「くしゃみ、でなかったね」
「出る前に吐き出しちゃったのかも」
「あー……」
ミント味のガムでくしゃみが出るのは、よくある現象なのだろうか。
アレルギーとかではありませんように。







470 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:11:23 ID:F8p6elNc0

2017年9月12日(火)

「──…………」
うにゅほが、部屋の隅に向かって体育座りをしている。
「××さん」
「──…………」
「ごめんて」
「──…………」
ああ、完全にぶーたれてしまった。
「17日に東京へ行く件について、黙っていたことは、本当に申し訳ありませんでした」
深々と頭を下げる。
見えないだろうが、けじめはけじめだ。
「……なんで、いってくれなかったの」
「その、言いにくくて……」
「いってほしかった」
「すみません……」
「──…………」
「──……」
しばしの沈黙ののち、
「……わたしもいきたい」
そう来るよなあ。
「ごめん、それは無理なんだ」
「──…………」
「飛行機のチケットが取れないのは、まあ、言わなかった俺のせいだとしてもさ」
「──…………」
「今回の目的であるFRENZってイベントは、そもそも、18歳未満は入場できないんだよ」
「……えっちなの?」
「違います。深夜のイベントだからです」
正確に言うと、夜の部までは18歳未満でも入れるが、深夜の部はNGだ。
東京都条例に基づくものらしい。
「けものフレンズ……」
「そっちも関係ない」
うにゅほが、小さく振り返る。
「……じゃー、どんなの?」
「新進気鋭の映像クリエイターたちの新作お披露目会、みたいな」
「ふうん……」
「俺たちの曲のMVが流れるから、どうしても行きたいんだよ」
「……いつかえってくる?」
「18日の昼。実質、一晩いないだけ」
「わかった……」
うにゅほが立ち上がり、俺の手を取る。
「きーつけてね」
「ああ」
うにゅほの頭を撫でてやる。
説明すればわかってくれるのだから、東京行きが決まったときに素直に伝えておけばよかった。
猛省である。







471 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:12:42 ID:F8p6elNc0

2017年9月13日(水)

「──…………」
むくり。
「あ、おきた」
ぐー。
「おなかなった」
「……ケンタッキーフライドチキンを山ほど食べる夢を見た」
「おいしかった?」
「美味しかった」
「そか」
「最近、何かを食べる夢ばっか見る」
「おなかへってるからでは……」
鋭い指摘である。
「……たとえば、大金を拾った夢を見たとする」
「うん」
「起きたとき虚しいのは、何故だろう」
「うーと、ほんとはひろってないから……」
「そう。目が覚めたとき手元にお金がないから、虚しいんだ」
「ふんふん」
「俺はいま、ケンタッキーを食べた夢を見たけれど、実はさほど虚しくない」
「そなの?」
「××は、人間がものを食べるのは何故だと思う?」
「……たべないとしぬから?」
「空腹を満たす。それは確かにそうなんだが、味わうのも理由のひとつだろ」
「あ、そか」
「夢は、"満腹"という結果は残してくれないが、"味わう"という経験はさせてくれる」
「……うーん?」
うにゅほが小首をかしげる。
いまいち納得が行かないらしい。
「いや、すげーリアルな夢だったんだよ。匂いも思い出せるくらい」
「そなんだ」
「そのせいか、なんか微妙に満腹感が──」
ぐー。
「まんぷくかんが」
「……さすがに気のせいでした」
「あさごはん、たべる?」
「少なめに」
「はい」
胃袋は小さくなったが、基礎代謝は変わらない。
すぐに腹が減るのはなんとかならないものか。
 







472 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:13:33 ID:F8p6elNc0

2017年9月14日(木)

「最近、読書をしてない気がする」
「……?」
うにゅほが俺の手元を指差す。
「ギャグマンガ日和は読書に入るのだろうか……」
「はいんない?」
「入らないと思われる」
「そなんだ……」
「文字だけの本を読んでないな、って」
「あー」
うにゅほがうんうんと頷く。
「◯◯、さいきん、まんがしかよんでないね」
「うッ」
「?」
改めて人から指摘されると、応える。
「……こう、サイクルがあってな」
「さいくる」
「漫画を読む時期は漫画しか読まないし、小説を読む時期は小説しか読まない。専門書も然り」
「へえー」
「××は、そういうのない?」
「うーと……」
しばし思案し、
「ふく、かなあ……」
「服か」
「うん」
「そのコーディネート、たしかに最近よく見るな」
「うん、これ」
数年前に購入した、セーラー風のカットソーと黒いミニスカートだ。
「にあう?」
「似合う」
「うへー……」
うにゅほが両手でほっぺたを包む。
照れているのだ。
「でも、もう秋だからな。そろそろ見納めか」
「そだねえ」
「また来年も着てくれる?」
「うん!」
このミニスカートだと、けっこう──おっと。
来年も楽しみだなあ。
 







473 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:14:16 ID:F8p6elNc0

2017年9月15日(金)

「たいふう、だいじょぶかなあ……」
リビングのテレビで気象情報を見ながら、うにゅほがそう呟いた。
「大丈夫だと思うぞ」
グラスに牛乳を注ぎながら答える。
「北海道に来るころには、とっくに温帯低気圧だよ」
「ちがくて」
「?」
「ひこうき……」
「あ」
完全に考慮の外だった。
iPhoneを取り出し、台風の進路を調べる。
「17日、東京──直撃じゃないか……」
「ね?」
「……これは、飛ばないかもしれないなあ」
「むりしないほういいよ……」
それは航空会社に言ってくれ。
「当日、新千歳で様子を見るしかないか」
「いくの……?」
「飛ぶかもしれないし」
「あぶない……」
「飛ぶときは、大丈夫なときだよ。ダメなときは飛ばない」
「でも」
「それに、行くって約束だし」
「──…………」
「俺は、約束は破りたくない」
「──…………」
「どうしてものときは仕方ないけど、行ける前提で動かなきゃ」
「……わかった」
「心配してくれて、ありがとう。ごめんな」
「うん……」
「牛乳飲む?」
「のむ……」
グラスをうにゅほに手渡し、自分のぶんを再度注ぐ。
いまからでも逸れてくれないかなあ。
……無理か。
 







474 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2017/09/16(土) 20:15:09 ID:F8p6elNc0

以上、五年十ヶ月め 前半でした

引き続き、後半をお楽しみください
 


       


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コメント一覧

  • 1  Name  名無しさん  2017年09月17日 16:10  ID:Blh9UpTU0
    すさまじいな、相変わらず


  • 2  Name  名無しさん  2017年09月17日 16:16  ID:EIbrK6Sl0
    この人完全に日記書くのがルーティンになってるな…


  • 3  Name  名無しさん  2017年09月17日 16:26  ID:7xrPUfHU0
    タルパなのかな
    日常に溶け込みすぎ


  • 4  Name  名無しさん  2017年09月17日 16:45  ID:psr.ivSj0
    うにゅほ愛が伝わってくるな( ´∀`)


  • 5  Name  名無しさん  2017年09月17日 19:53  ID:muCSFoT.0
    ただごとじゃないよな
    尊敬と畏怖が半々だわ


  • 6  Name  名無しさん  2017年09月17日 20:32  ID:aLWvxoDY0
    やっぱり壊れてるじゃないか(賞賛)


  • 7  Name  名無しさん  2017年09月17日 20:54  ID:IhwD022O0
    なんというか…
    凄いな


  • 8  Name  名無しさん  2017年09月17日 21:11  ID:2Dl2JBVw0
    定期的出没基地外


  • 9  Name  名無しさん  2017年09月17日 21:11  ID:MtFoa2rU0
    9,609,000文字を超えてギネス記録を目指せ


  • 10  Name  名無しさん  2017年09月18日 10:05  ID:AiyKR4lT0
    資格試験合格おめでとう


  • 11  Name  名無しさん  2017年09月18日 18:54  ID:TtKuR.DD0
    うわキッツ


  • 12  Name  名無しさん  2017年09月24日 13:18  ID:z90z6UUo0
    ちょっと前まで1年突破しててまじかよとか思ってたのに・・・
    時の流れを感じさせてくれるわ


  • 13  Name  名無しさん  2017年09月28日 01:39  ID:rmkNW5z70
    まいにちうにゅほ


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