2018年10月02日

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1 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2016/07/01(金) 19:13:30 ID:1bfcR2jI0

うにゅほと過ごす毎日を日記形式で綴っていきます 


ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
http://neargarden.web.fc2.com/



861 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:17:46 ID:wiwXqQEg0

2018年9月16日(日)

「××さん、××さん」
「はい」
「観たい映画があります」
「いこう!」
話が早い。
「でも、幾つか問題があってな」
「なにー?」
「ひとつは、ゾンビ映画──らしいってこと」
「ぞんび……」
「ホラーじゃないって話だから、××でも大丈夫だとは思うけど」
「なんてやつ?」
「"カメラを止めるな!"ってやつ」
「あ、なんかきいたことある」
「話題だからな」
「いついく?」
「問題は、まだあります」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「いつものシネコンで上映してないんだよな」
「えー……」
「まあ、28日に公開予定だから、ちょっと待てばいいだけなんだけどさ」
「よかった」
「ただ、"シックス・センス"ばりにネタバレされると面白くない映画らしいから、情報を遮断しておかねば」
「わたし、あんましかんけいないね」
「友達いないもんな」
「いない」
「ネットも見ないもんな」
「みない」
「問題は、まだあります」
「やまづみだ……」
「友達に、なるべく混んだ映画館で観たほうがいいって言われたんだよ」
「なんで?」
「さっぱりわからん」
「うーん……」
「普段、平日昼間のすっからかんのスクリーンで観るから、どうしようかなって」
「こんでるとこ、いきたくないな……」
「だよなあ」
公開まで、まだ十日以上ある。
予定と合わせて考えよう。








862 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:18:21 ID:wiwXqQEg0

2018年9月17日(月)

窓の外、遥か遠くから、バイクの爆音が轟いている。
「ぼうそうぞくだ」
「暴走族だな」
「うるさいねえ……」
「ほんとな」
「のってるひと、うるさくないのかな」
「うるさいと思うぞ」
「なんでうるさくするんだろ」
「承認欲求だな」
「しょうにんよっきゅう……」
「要するに、誰かに認めてもらいたいんだよ」
「えー」
うにゅほが眉をひそめる。
「うるさいだけだよ」
「積み上げることができないから、ただただ人に迷惑をかけることで、自分の影響力を誇示しようとする。悪感情を与えることは、コストが安いんだ」
読んでいた本を閉じ、目薬の容器を指先で弾く。
容器が倒れ、物音を立てた。
「いま、俺は、指先ひとつで目薬を倒してみせた」
「うん」
「もし、指で弾いたものが、トランプで作った巨大なオブジェのいちばん下の段だったら、どうなる?」
「すごいことになる……」
「誰かが何週間もかけて作ったオブジェが、指先ひとつで壊れるわけだ。目薬を倒すのと、まったく同じ労力で」
「うん」
「本来、認められるべきは、オブジェを作ったひとだ。だけど、壊したひとは、自分がすごいのだと勘違いする。大きな影響を与えたことは確かだから」
「だから、たくさん、めいわくかけるの?」
「そう。暴走族なんて連中は、全員、怠け者の勘違い野郎ってことだよ」
「はー……」
うにゅほが、俺の額に手を当てた。
「どした」
「ねつない」
「ないけど……」
「◯◯、ひとのわるくちずばずばいうの、あんましないから……」
「びっくりした?」
「した」
「暴走族とか、不良とか、もともと嫌いなんだよな」
「そなんだ」
被害を被った記憶は特にないのだが、どうにも嫌悪感がある。
「なんにせよ、関わらないのがいちばんだ」
「そだね」
触らぬ神に祟りなし。
神は神でも疫病神だけれど。







863 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:19:20 ID:wiwXqQEg0

2018年9月18日(火)

ペプシの備蓄を補充するためにホームセンターへ赴いたのだが、
「ない」
「ないねえ……」
物流が回復しきっていないのか、一箱も入荷していなかった。
「困ったなあ」
「べつのおみせ、あるかも」
「行くだけ行ってみるか……」
ドラッグストア、×。
スーパーマーケット、×。
リカーショップ、×。
「ない!」
「ないねえ……」
「これ、サントリーの商品自体が入ってきてないってことかもなあ」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「ペプシ、ペプシじゃないの?」
訳:ペプシコーラは、ペプシという会社の商品ではないのですか?
「ペプシコーラは、アメリカのペプシコって会社が作ってる。ただし、日本での販売はサントリー」
「ペプシコ?」
「ペプシコ」
「コって、なに?」
「知らない」
「しらないの」
「なんでも知っているわけでないので……」
「でも、いろいろしってるきーする」
「無駄知識は多いほうだと思う」
「なんでしってるの?」
「……気になったことは、すぐ調べるから?」
「あー」
「あと、本読むし」
「わたしも、ほんよむよ」
「漫画な」
「まんが、だめ?」
「ダメじゃないけど、情報を絵に頼ってるから、知識は増えにくいと思う」
「そかー……」
「文字の本も、いいものだぞ」
「……こんど」
あ、これ読まないやつだな。
いいけど。
ペプシは、数日したら、また買いに来よう。
 






864 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:20:09 ID:wiwXqQEg0

2018年9月19日(水)

夢を見ていた。
背中を引っ張られる夢だ。
相手はわからない。
うにゅほかもしれない。
「──…………」
ふと目を覚まし、背中の感触に血の気が引く。
「……やっちまった」
そこにあったのは、見るも無残な姿になった俺の眼鏡だった。
「どしたの?」
不穏な空気を察したのか、飾り棚の陰からうにゅほが顔を覗かせる。
「眼鏡、潰しちゃった……」
「!」
「どうしよう」
「まえのめがね、ある?」
「あると思うけど、どこ仕舞ったか覚えてない……」
「わたし、さがすね!」
「ありがとう……」
うにゅほがいなければ、視力0.02の世界で、手探りで眼鏡を探すことになっていたかもしれない。
コンタクトレンズという手段もあるので詰みはしないが、とんでもなく助かったことは確かである。
「あった!」
「どこにあった?」
「ひきだしにあった」
「そっか、ありがとな」
「うへー」
ひとつ前の眼鏡を掛け、潰れた眼鏡を改めて確認すると、思った以上の惨状だった。
「……縁なしフレームなのに、よく折れなかったな」
「ななめなってる……」
「これは、眼鏡屋行かないと」
「うん」
いまの眼鏡を購入した眼鏡屋へ赴くと、店内がひどくこざっぱりしていた。
訝しんでいると、
「すみません、お客さま。現在、移転作業中でして……」
「げ」
よりによって、このタイミングで。
眼鏡の修理は承っているものの、移転作業と並行しての作業となるため、一時間以上はかかるとのことだった。
「……しゃーない、時間潰してこようか」
「うん」
「どっか行きたいところ、ある?」
「うーん……」
うにゅほが首をかしげる。
これ、待っても出てこないやつだ。
「……カラオケでも行く?」
「いく!」
カラオケで二時間ほど時間を潰し、眼鏡屋へ戻ると、修理が完了していた。
店員に礼を告げ、帰途につく。
飲酒をしても、寝惚けても、眼鏡の安全だけはしっかりと確保せねば。







865 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:21:14 ID:wiwXqQEg0

2018年9月20日(木)

左肘の裏にあせもができてしまった。
「痒い……」
「かいたらだめだよ」
「はい」
「おろないんをぬりましょう」
「お願いします」
うにゅほがオロナインを指に取り、俺の肘の裏に塗り込む。
「はい、おしまい」
「ありがとう」
「どういたしまして」
今更だけど、オロナインってあせもに効くのかな。
まあいいか。
「真夏のあいだは平気だったのに、涼しくなってからあせもできるんだもんな」
「へんだねえ」
「汗かくこと、大してしてないのに」
「うん」
「……これ、あせもか?」
「わかんない……」
「まあ、治らないようなら皮膚科行けばいいか」
「ひじのうらって、よびかたないの?」
「唐突だな」
「きになった」
「知らないけど、呼び方はあるんじゃないか」
「しらないかー……」
「まあ、アカシックレコード的なもので調べてみようじゃないか」
Google先生を呼び出し、「肘の裏」で検索を掛ける。
「肘窩、だってさ」
「ちゅーか?」
「窩は、穴とか、くぼみって意味だな」
「ひじのくぼみで、ちゅーか」
「そうそう」
「ちゅーばっかって、なんだっけ」
「スター・ウォーズにいた気がする」
「あ、いたきーする」
「スター・ウォーズ、どこまで見たっけ……」
「わすれた……」
「旧三部作は見たと思うけど」
何故スター・ウォーズの話になったのか、それは誰にもわからない。
ともあれ、あせもは掻かないように気をつけねば。







866 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:22:05 ID:wiwXqQEg0

2018年9月21日(金)

「──……あふ」
朝起きてまず最初にすることは、PCのロック状態の解除である。
誰に見られるわけでもないが、なんとなく習慣となっている。
マウスを軽く動かすと、自動的に切れていたディスプレイの電源がつく──はずだった。
「あれ?」
電源が一瞬だけつき、すぐに切れる。
電源が一瞬だけつき、すぐに切れる。
そのサイクルを繰り返すばかりで、一向に安定しない。
「……やばい、壊れたかも」
「え!」
座椅子で漫画を読んでいたうにゅほが、驚きの声を上げる。
「ぱそこん、こわれたの……?」
キーボードでサインイン用のパスワードを入力し、エンターキーを押す。
すると、サブディスプレイに、ブラウザとtwitterクライアントが表示された。
「いや、パソコンというか、メインディスプレイが怪しい」
「ひだりのがめん?」
「そう」
「ほんとだ、ついたりきえたりしてる……」
「接続の問題かもしれない」
PC本体の後ろへ回り込み、HDMI端子を抜き差しする。
「──あ、なおった!」
「直った?」
「ほら!」
PCデスクの前へ戻ると、ちゃんと画面が表示されていた。
「……本当に、接続が悪かっただけなのかなあ」
妙な挙動をしていたのが気に掛かる。
「とりあえず、しばらく様子を見るしかないか」
「そだね」
「ダメそうなら、新しいの買う」
「チェアかったばっかしなのに、おかねかかるね……」
「PC回りは不自由がないようにしておかないと、QOLが下がるからなあ」
「きゅーおーえる?」
「クオリティ・オブ・ライフ。生活の質、みたいな」
「せいかつのしつ……」
「よくわからんか」
「よくわからん」
うにゅほのおかげで爆上がりしているものである。
とは言え、一日のほとんどをPCの前で過ごす俺にとって、デュアルディスプレイをシングルに戻されることは相当なストレスとなる。
早め早めに買っておくのがいいかもしれない。







867 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:23:19 ID:wiwXqQEg0

2018年9月22日(土)

「……寒い」
室内にいるにも関わらず、妙に冷える。
「そろそろ甚平もお役御免かな」
「──…………」
うにゅほが本棚の下段を覗き込む。
「やっぱし……」
「何が、やっぱしなんだ?」
「◯◯ね、ねてるとき、せきしてたの」
「そうなの?」
まったく記憶にない。
「でね、いま、にじゅうろくどある」
「……寒くないな」
「かぜ、ひきはじめかも」
「風邪の匂いは?」
「ねてるときかいだけど、まだしない」
「そっか」
うにゅほは、俺の体調を、匂いで判別することができる。
「あったかくして、あんせいにしましょう」
「寝たほうがいい?」
「ひきはじめだから、いまねたら、よるねれなくなるとおもう」
「たしかに」
「まってね、くつしただす」
「ありがとう」
うにゅほが持ってきてくれた冬用の靴下を履いて、チェアに腰を落ち着ける。
「ふー……」
「で、わたしだっこして」
「はいはい」
膝の上に座ったうにゅほを、背中から抱き締める。
「あったかい?」
「あったかいです」
「よし」
自身の体を湯たんぽとして取り扱う。
なんというか、この上もなくうにゅほらしい。
「かぜのにおいしてきたら、よこになろうね」
「しないように頑張る」
「そか」
考えてみれば、季節の変わり目だものな。
悪化しないように気をつけよう。







868 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:24:26 ID:wiwXqQEg0

2018年9月23日(日)

良いことがあったので、久し振りにチューハイを買い込んだ。
「ぐへへ……」
カシュッ!
巷で話題の99.99のクリアレモンを開封し、ひとくち。
「──…………」
もうひとくち。
「……マジか」
「?」
膝の上のうにゅほが小首をかしげる。
「おいしいの?」
「美味しいとか、美味しくないとか、それとはちょっと違う次元の話でして」
「……?」
うにゅほが、先程とは反対側に、大きく首をかしげる。
「これ、度数が9%のチューハイなんだけどさ」
「きゅーぱーせんと」
「チューハイとしては、かなり高いほうなんだ」
「そなんだ」
「参考までに、ビールが5%くらい」
「たかい!」
「倍近い」
「ばいちかい……」
「甘さで誤魔化してる同じ度数のチューハイを何度か飲んだことあるんだけど、アルコール臭さが逆に際立って、俺は苦手だったんだ」
「これは?」
「これは、甘くない」
「あまくないんだ」
「そして、異常に飲みやすい」
「あまくないのに?」
「水とは言わない。間違いなくお酒だ。でも、下手なチューハイよりカパカパ行けてしまう」
「へえー……」
うにゅほが興味を示したので、先回りして答える。
「ダメだぞ」
「……なめるのもだめ?」
「ダメ」
「だめか……」
「さあ、ペプシをお飲み」
「はーい」
うにゅほを酔わせると、ろくなことにならない。
今日のところはペプシで我慢してもらおう。







869 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:25:26 ID:wiwXqQEg0

2018年9月24日(月)

「♪」
さり、さり。
さり、さり。
うにゅほが楽しげに俺の頭を撫でる。
それもそのはず、1000円カットで丸坊主にしてきたばかりなのだ。
「××さん、楽しそうですね」
「たのしい」
「そんなに撫で心地いいですか」
「いい……」
もう夢中である。
「◯◯、ずっと、まるぼうずにするの?」
「うーん……」
思案し、答える。
「一度坊主にすると、伸ばしにくいんだよ」
「そなの?」
「坊主は、頭髪のすべてが、ほぼ同じ長さだろ」
「うん」
「同じ長さの頭髪が、同じ速度で伸びたら、どうなると思う?」
「──…………」
しばしの沈黙ののち、
「なでごこち、わるくなる……」
「そういうことではなく」
「……?」
うにゅほが小首をかしげる。
「上にも、下にも、前後にも、左右にも、同じ長さのまま髪が伸びると、シルエットがきのこみたいになるんだよ」
「あー」
うんうんと頷く。
「ちょっと、かっこわるいねえ……」
「だいぶカッコ悪い」
「だいぶかー」
「だから、そうなる前に、また丸坊主にしてしまう。無限ループだ」
「なるほど……」
「横だけ刈り上げるって手もあるんだけど、1000円カットに期待すると痛い目を見るからな……」
経験談である。
「雪が降る前には、このループから抜け出したい」
「さむいもんね」
「ほんとな」
頭寒足熱とは言うが、限度がある。
ちょうどいいところで髪が伸びなくなる機能が欲しい今日このごろだった。







870 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:26:17 ID:wiwXqQEg0

2018年9月25日(火)

泥酔しながら日記を書く愚をお許し頂きたい。
「はい」
ビニール袋から数本の缶を取り出し、デスクの上に置く。
「こないだの99.99を、三本買ってきました」
「さんぼんも」
「度数3%のチューハイ三本分のアルコールが、この缶の中に詰まっているわけです」
「じゃあ、きゅうほんぶん?」
「そうなる」
「のみすぎとおもう……」
「あれだけ飲みやすいと、マジで9%なのかちょっと気になってさ」
「◯◯、じぶんのからだつかったじっけん、すきだねえ」
「自分の体を使うぶんには、誰も文句言わないからな」
「わたし、もんくいう」
「──…………」
「──……」
「ごめんなさい」
「いちにち、いっぽんにしよ」
「三本!」
「……にほん」
「三本!」
「ゆずるきない……!」
「今日は酔いたい気分でして」
「もー」
うにゅほが、小さく肩を落とす。
「はいてもしらないからね」
「はい」
「せなかなでるしか、しないからね」
優しい。
「では、さっそく」
カシュッ!
99.99のクリアドライをひとくち飲む。
「……相変わらず、ちょっとアルコールの入った炭酸水って感じしかしないなあ」
「おいしい?」
「ちょっとアルコールの入った炭酸水の味」
「おいしくない?」
「普通」
「──…………」
「……舐めてみる?」
「なめる!」
うにゅほに缶を渡す。
ぺろ。
「……んー」
「どう?」
「しゅわしゅわする」
「うん」
「あまくない」
「うん」
「おさけ?」
「飲めばわかるけど、お酒なんだよこれ」
「のんじゃだめ?」
「ダメ」
「うー」
うにゅほが飲んだら、収集つかなくなるからな。

日記執筆現在、二本目を飲み終えたところである。
「……◯◯、だいじょぶ?」
「大丈夫、大丈夫。ほら、日記も書けてるし」
「そだけど」
「まあ、三本目は、すこし酔いが覚めてから飲むよ」
「うん」
99.99、なかなか手強いチューハイである。
読者諸兄も、飲むときは御注意を。







871 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:27:12 ID:wiwXqQEg0

2018年9月26日(水)

「◯◯、◯◯」
「んー?」
「ぐあい、わるくない?」
「悪くないけど」
「そか」
「風邪の匂いでもする?」
「しない」
「ならどうして──って、ああ、二日酔いのことか」
「うん」
昨夜、99.99を三本ほど飲み干して、泥酔しながら日記を書いたのだった。
「そう言えば、二日酔いの症状ないなあ」
「そなの?」
「混ぜものの少ないチューハイだからかも」
「でも、のみすぎたらだめだよ」
「すみません」
「よろしい」
酔いたい気分のときもあるが、うにゅほに心配を掛けてまですることではない。
「次からは二本にしよう」
「にほんでも、だいぶ、よってたきーする……」
「9%だからなあ」
アルコール度数だけの問題ではない。
普通のチューハイと同じ感覚で飲むと、ペースがあまりに早くなり過ぎるのだ。
三倍の量のアルコールを同じ速度で飲み干すのだから、酔わないはずがないではないか。
「ほんと、危険なチューハイだ」
「きけん」
「××は飲んじゃダメだぞ」
「わたし、あまいのがいい」
「梅酒とか?」
「うん」
「梅酒は度数高いぞー」
「そなの?」
「チューハイみたいにぱかぱか行くものじゃないから、そう気にはならないけど」
「ひくいの、なに?」
「低めのチューハイは、だいたい3%くらい」
「ちゅーはいかー……」
「ほとんどジュースみたいなもんだよ」
「そなんだ」
まあ、飲ませないけど。
思う存分酔ったし、しばらくお酒は控えよう。







872 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:27:55 ID:wiwXqQEg0

2018年9月27日(木)

壊れかけていたメインディスプレイの挙動が、いよいよもって怪しくなってきた。
「ケーブル差し直しても、直らなくなってきたなあ……」
「うん……」
以前は一度の抜き差しでついていたものが、いまや、二度、三度と、回数を重ねなければならない。
明らかに悪化している。
「さすがに限界かな」
「ディスプレイ、かうの?」
「買おう。金を惜しむ部分じゃない」
「せんげつチェアで、こんげつディスプレイかー……」
「出費がかさむなあ」
「こんげつ、すーごいせつやくしてたのにね」
「来月も節約しましょう」
「そうしましょう」
「ヨドバシ行くか」
「いく!」
ドライブ気分でヨドバシカメラへ向かい、付近のツクモで三万円のディスプレイを購入した。
さっそく帰宅し、設置する。
「──お、発色いいじゃん」
「きれい」
横並びのサブディスプレイと比べ、明らかに色が鮮やかだ。
安物だもんなあ。
「さて、と」
レタッチソフトで真っ白な画像を作成し、壁紙にする。
「どしたの?」
「ドット抜けの確認」
「どっとぬけ……」
「ディスプレイは小さな光の集まりだ。初期不良で、その光の点灯しない場所ができることがあるんだよ」
「へえー」
「ドット抜け保証に入ったから、もしあれば──って、あった」
「どこ?」
「ほら、ここ」
ドット抜けの場所を指差す。
「……どこ?」
「よーく見てみ」
「──…………」
うにゅほが、ディスプレイに息を吹き掛ける。
「……ごみじゃない!」
「これが、ドット抜けだ」
「こうかんしてもらうの?」
「うーん……」
設置したディスプレイを梱包し直して、店舗へ向かい、帰ってきて、再び設置する。
正直、めんどい。
「……1ドットなら、べつにいいかな。ホコリのほうが気になるレベルだ」
「そだね」
サブディスプレイが壊れたとき、新しく買ったほうをメインに据えればいいだけの話である。
神経質な性格ではなくて、よかった。







873 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:28:41 ID:wiwXqQEg0

2018年9月28日(金)

「……あれ?」
ふと、あることに気づき、幾度もまばたきをする。
おかしいな。
目薬をさしたのち、再びディスプレイを間近で睨みつける。
「んー……」
「◯◯、めーわるくするよ」
既に悪いが、それはそれ。
「ない」
「ない?」
「ドット抜けが、なくなってる──ように見える」
「そなの?」
「××も確認してみて」
「うん」
目を限界まで細めながら、うにゅほがディスプレイを覗き込む。
「……どっとぬけ、どのへんだっけ」
「左上だったと思う」
「うーん……」
「どう?」
「ない、きーする……」
「だよな」
「どっとぬけって、なおるの?」
「動きの激しい動画とかを再生すると、直ることもあるみたい」
「へえー」
「急いで交換しに行かなくて、よかったな」
「ほんとほんと」
気にするほどのことでもなかったが、直るに越したこともあるまい。
「……うー」
うにゅほが、目をしぱしぱさせる。
「どした」
「ディスプレイみてたら、めーいたくなってきた……」
「目薬さす?」
「さして」
「はいはい」
いまだにひとりで目薬をさせないうにゅほである。
 







874 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:29:32 ID:wiwXqQEg0

2018年9月29日(土)

窓を閉じながら、呟く。
「寒い寒いと思ったら、もう九月も終わりだもんなあ……」
「そだよ」
「いろいろあったわりに──と言うか、いろいろあり過ぎたせいで、やたら短かった気がする」
「じしん、すごかったね……」
「震度5なんて初めてだよ」
「わたしも」
「地震もそうだけど、停電のほうがきつかったな。電気がないと何もできない」
「あ、でも、ほしきれいだった」
「北海道全土の明かりが消えると、あんなに星が見えるんだな……」
「うーと、ほくとしちせいと、カシオペアの、まんなかが、ほっきょくせい」
「そうそう」
「おぼえた」
「あれだけ印象深ければ、忘れないか」
「うん」
震災のなかで、唯一の良い思い出だ。
「……あんまり関係ないけど、眼鏡潰したのも今月だっけな」
「あー」
「なんでベッドに置いたまま寝ちゃったんだろ」
「きーつけないと、だめだよ」
「はい」
「よろしい」
「縁なしフレームは脆いから、二度目があれば確実に折れると思うし」
「……きーつけないとだめだよ?」
「はい」
「よろしい」
「あと、ディスプレイも壊れた」
「こわれたねえ……」
「形あるものが壊れるのは必定としても、今月はいろいろと重なりすぎだ」
「じしんでものこわれなかったの、よかったね」
「地味に壊れたぞ」
「なに?」
「停電のせいでLANケーブルがイカれて、一時的にネットに繋がらなくなった」
「そだっけ」
「××にはあんま関係ないから、覚えてないか」
「おぼえてない……」
「まあ、予備のケーブルがあったから、すぐ直ったんだけどな」
「おぼえてないんじゃなくて、しらないかも」
「かもしれない」
本当に、いろいろあった。
来月は平和な月になりますように。
 







875 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:30:47 ID:wiwXqQEg0

2018年9月30日(日)

カレンダーを見て、ふと気づく。
「そう言えば、そろそろ××の誕生日だなあ」
「うん」
うにゅほの誕生日は、10月15日である。
「欲しいもの、ある?」
「うーん」
首を大きくかしげながら、うにゅほが唸る。
「う──……ん」
あ、これ、待っても出てこないやつだ。
「今年は、俺も、特にこれってのが思いつかないんだよなあ……」
「そなんだ……」
「去年は腕時計だろ」※1
「あれ、すーごいうれしかった!」
「そっか」
なら、プレゼントした甲斐があるというものだ。
「一昨年は、たしか、コートを買いに行ったはず」※2
「ふゆになったらきるんだー」
「その前は、赤いバッグだったかな」※3
「でかけるとき、ぜったいもってくよ」
「そうだな」
それより以前の誕生日プレゼントとなると、日記を参照しなければ思い出せない。
つげの櫛などは、今でも大切に使っているのを見るのだが。
「……マジでどうしよう。案がない」
「きにしなくていいよ?」
「気にする。だって、××の誕生日なんだぞ」
「……うへー」
うにゅほが、両手で自分のほっぺたを包む。
照れているのだ。
「でも、ほんとにいいよ……?」
「……思いつかなかったら、また、デートがてら服でも見に行こうか」
「うん、うれしい」
だが、どうせなら、思い出に残る一品をプレゼントしてあげたい。
うにゅほの誕生日まで、あと二週間。
ギリギリまで悩んでみよう。

※1 2017年10月15日(日)参照
※2 2016年10月15日(土)参照
※3 2015年10月15日(木)参照
 






876 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2018/10/01(月) 17:31:48 ID:wiwXqQEg0

以上、六年十ヶ月め 後半でした

引き続き、うにゅほとの生活をお楽しみください
 



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コメント一覧

  • 1  Name  名無しさん  2018年10月02日 19:59  ID:aiEs9i7t0
    この人は本当に現実に生きているんだろうか?


  • 2  Name  名無しさん  2018年10月02日 21:13  ID:Wa9E1Xef0
    タルパってやつか?
    というかこいつは管理人にとってのなんなんだよ


  • 3  Name  名無しさん  2018年10月02日 21:48  ID:FAbJydPP0
    また君か壊れるなぁ


  • 4  Name  名無しさん  2018年10月02日 22:07  ID:FOAImcm60
    何が悲しくて連載してるの?


  • 5  Name  名無しさん  2018年10月02日 23:13  ID:oNjReEDz0
    もう東方全く関係ないよな


  • 6  Name  名無しさん  2018年10月02日 23:32  ID:tW1v5INa0
    最近このシリーズのコメ見に来るのが楽しみw


  • 7  Name  名無しさん  2018年10月03日 00:09  ID:Q6LpU7l20
    管理人これ好きやねぇ


  • 8  Name  名無しさん  2018年10月03日 01:30  ID:aYz.Sb4M0
    精神状態おかしいよ…


  • 9  Name  名無しさん  2018年10月03日 04:40  ID:yLOrRAsK0
    ここまでくると二代目三代目が出てきて数十年ぐらい続いてほしい
    ゆくゆくは「非現実の王国で」みたいにアウトサイダー文学まで昇華してほしい


  • 10  Name  名無しさん  2018年10月03日 08:07  ID:5.Tw4ov50
    この作者って無職だとおもう


  • 11  Name  名無しさん  2018年10月03日 11:12  ID:FTStgyFh0
    ※10
    日記つけてるみたいなもんだしあんま関係ないだろ


  • 12  Name  名無しさん  2018年10月03日 11:35  ID:l5YcfTsY0
    毎度毎度、何が面白くてこんなのまとめてんだか



  • 13  Name  名無しさん  2018年10月03日 17:34  ID:XQJkN9bV0
    >「クオリティ・オブ・ライフ。生活の質、みたいな」
    >うにゅほのおかげで爆上がりしているものである。

    そっか、よかったな……


  • 14  Name  名無しさん  2018年10月04日 02:20  ID:0gYz35gi0
    AIの実験だろうな


  • 15  Name  名無しさん  2018年10月04日 12:21  ID:brwnvtGq0
    この作者はリアルの現実社会で全く相手にされないからこの作品を書く事によって自己顕示欲を誇示してるんだろうな
    なんかかわいそう


  • 16  Name  名無しさん  2018年10月05日 01:51  ID:6GgQzQqC0
    ここまでやったら徹底的に続けてもらいたい


  • 17  Name  名無しさん  2018年10月07日 20:39  ID:c6e5eunP0
    自分が楽しいって思っているのならいいんじゃないかね
    それを他人がとやかく言うもんじゃないよ

    それを言っている時点でこの作者より人間の器が小さいって気付こうな?お前らw


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