2019年01月03日

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1 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2016/07/01(金) 19:13:30 ID:1bfcR2jI0

うにゅほと過ごす毎日を日記形式で綴っていきます 


ヤシロヤ──「うにゅほとの生活」保管庫
http://neargarden.web.fc2.com/



966 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:03:38 ID:uVHJVMfo0

2018年12月16日(日)

ふと気づく。
「年末じゃん」
「ねんまつだよ」
「今年、あと二週間しかないじゃん」
「そだよ」
「マジかー……」
「まじ」
頭では理解していたのだが、感覚が追いついていなかった。
「へいせい、もうおわりだねえ」
「いや、まだ続くぞ」
「そなの?」
「平成の終わりは、2019年4月30日だ」
たしか。
「なんか、はんぱだね」
「わざと半端にしたんだってさ」
「そなの?」
「正月も年度末もバタバタするから、あえて外して4月30日」
「なるほど……」
「元号、どうなるかなあ」
「めいじ」
「大正」
「しょうわ」
「平成」
「なんだろねえ……」
うにゅほが首をかしげる。
「まあ、こんなもの、どんなに考えたって当たりやしないけどさ」
「そだね」
「でも、事前に発表しないのはどうかと思う」
忙しい時期を外す気遣いができるのなら、早めに発表して混乱を減らす努力もしてほしかった。
「いつはっぴょうするのかな」
「さあー……」
楽しみのような、そうでもないような。
「考えてみれば、平成生まれの三十歳とか普通にいるんだよなあ」
「うん」
「なんか、変な感じ」
「そう?」
「意識がまだ、十年くらい前で止まってるんだろうなあ……」
2019年とか、いまだに近未来な感じがするし。
いかんいかん。
時代に置いていかれないようにしなければ。








967 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:04:47 ID:uVHJVMfo0

2018年12月17日(月)

「……最近、体がバッキバキに硬い」
「?」
うにゅほが俺の二の腕を揉む。
「かたい、けど、ばきばきかなあ」
「そこじゃなくて」
「どこ?」
「肩とか、腰とか、股関節とか。最近ストレッチしてなかったから……」
「あー」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「ふゆ、うごかなくなるもんね」
「そうそう」
寒いから、という単純な理由ばかりではない。
我が家のメイン暖房器具であるところの灯油ストーブは、細かな温度調節がほとんど不可能に近い。
寒いと暑いを交互に繰り返し、部屋を適温に保つことができないのだ。
寒いときは寒いからと縮こまり、暑いときは汗ばむからと動かない。
これでは運動不足になるのも当然と言える。
「──よし、体動かすか!」
チェアから腰を上げ、ひとまず伸びをする。
「なにするの?」
「まあ、ストレッチかな。前屈とか」
「ぜんくつ……」
うにゅほは前屈が苦手である。
「ほれほれ」
これ見よがしに、両手のひらを床にぺたりとつけてみせる。
「すごい……」
「ここから更に、肘もすこし曲がるぞ」
「◯◯、からだ、ほんとにかたくなったの?」
「──…………」
両手を床につけたまま、両足を徐々に開いていく。
「うッ」
九十度をすこし超えたあたりで、内腿がビキリと悲鳴を上げた。
「ここまで……」
「……かたくなったねえ」
「人のこと言えんのか、ああん?」
「うへー……」
笑顔で誤魔化しても無駄である。
「おら、前屈しろ前屈ー!」
「あー!」
しばしのあいだ、ストレッチに興じるのだった。
毎日続けよう。







968 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:05:37 ID:uVHJVMfo0

2018年12月18日(火)

「ふー、満腹満腹」
「くったー、くったー」
確かな満足と共に、ステーキハウスを後にする。
「──…………」
すん。
ジャケットの匂いを嗅ぐ。
「どしたの?」
「……まっすぐ帰ると、ステーキ食ったことバレるかな」
「ばれたらだめなの?」
「駄目じゃないけど、なんか言われそう」
「そかなあ」
「どこか寄って行こうか」
「いく!」
「では、ひとまずぐるりとドライブデートと洒落込みましょう」
「はーい」
コンテカスタムに乗り込み、エンジンを掛ける。
目的地はない。
強いて言えば、時間潰しが目的だ。
冬でも営業しているジェラート屋で舌を冷やし、ゲームセンターを二軒ほど物色したのち、ヤマダ電機に立ち寄った。
「なんか、ひさしぶりなきーする」
「実際、久し振りだからな。ヨドバシばっか行ってたし」
「そだねえ」
「まあ、特に欲しいものもないんだけど……」
「あ、あれみたいな」
「どれ?」
「ふっきんきたえる、はるやつ」
「……腹筋鍛えたいの?」
「すこし」
「じゃあ、帰ったら腹筋しないとな」
「えー……」
うにゅほが口を尖らせる。
「楽して鍛えても、すぐに筋肉落ちるぞ」
「そなんだ」
「それに、シックスパッドは高い。腹筋用だけでも三万近くする上に、専用のジェルシートを定期的に買わされるからな」
「◯◯、くわしいね」
「調べたもので」
「らくしてきたえても……」
「ははは」
笑って誤魔化す。
「マウスパッド欲しいな。見てもいい?」
「うん、いいよ」
その後も、しばらく寄り道をして帰宅した。
久し振りにデートらしいデートをした気がする。
 






969 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:06:14 ID:uVHJVMfo0

2018年12月19日(水)

あくびを噛み殺し、息を吐く。
「……眠い」
「ねむいの」
「かなり」
「ひるねする?」
「絶賛仕事中なんですが……」
「しごと、できる?」
「──…………」
しばし思案し、
「……休憩するか」
「うん」
仕事部屋を出て、リビングのソファに腰を沈める。
「昨日、夜更かししたからなあ」
「なんじにねたの?」
「……秘密」
「なんじ?」
「五時」
「ごじ……」
「なんか、眠れる気がしなくて」
「ねむくなくても、よこにならないと、せいかつサイクルへんなるよ」
「そうなんだけどな」
頭でわかっていることを余さずすべて実行できるなら、苦労などないのだ。
「とりあえず、深呼吸してみよう」
「しんこきゅう?」
「あくびが出るのは、脳が酸欠状態だかららしい」
「あ、きいたことある」
「では、ご一緒に」
「はい」
ゆっくりと、ゆっくりと、意識的に腹部を膨らませながら、肺に空気を送っていく。
ゆっくりと、ゆっくりと、意識的に腹部を凹ませながら、肺から空気を押し出していく。
それを数回繰り返すと、
「──あれ、目が冴えてきた」
「わたしも」
「××も眠かったのか」
「うへー……」
うにゅほが誤魔化すように笑う。
「冬場は窓を閉め切るから、酸欠になりやすいのかもしれないな」
「そうかも」
定期的に深呼吸をしたほうが良いのかもしれない。
 







970 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:06:46 ID:uVHJVMfo0

2018年12月20日(木)

ふと呟く。
「年の瀬だなあ……」
「としのせだねえ」
「今年も、あと、十日ちょいか」
「クリスマスおわったら、おおそうじしないとね」
「……大掃除はいいんじゃないか?」
「いい?」
「しなくて」
「しないと……」
うにゅほが毎日掃除してくれているので、自室は常に清潔なのだが、それでは納得行かないらしい。
「俺たちの部屋に必要なのは、大掃除じゃないと思う」
「なに?」
「大整頓だ!」
「おおせいとん」
「いい加減、本棚を整理整頓せねば、どの漫画を何巻まで持ってるかがわからん──と、こないだ弟に言われた」
「おなじかんかったり、いっかんとばしてかったりするもんね」
「困ったもんだ」
「じゃあ、おおせいとん、する?」
「──…………」
「──……」
「今日はいい」
「そか……」
「めんどくさいんじゃないぞ。大掃除は、大晦日にするものだからだぞ」
「ほんとかなあ」
「──…………」
「──……」
「本当はめんどくさい」
「やっぱし」
「困ったもんだ」
「それ、わたしのせりふ」
「約束しよう。大晦日には、ちゃんと、本棚の整理整頓をすると」
「うん」
「そして、大晦日までは絶対にしないと」
「えー……」
「指切りする?」
「する」
うにゅほと小指を絡めながら、壁一面の本棚を見やる。
考えただけで気が滅入るが、約束したのだから仕方がない。
大晦日は頑張ろう。







971 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:07:55 ID:uVHJVMfo0

2018年12月21日(金)

Amazonから荷物が届いた。
ダンボール箱を開き、長さ五十センチほどの長細い箱を取り出す。
「××、これなんだと思う?」
「なんだろ」
「ヒント、俺が欲しがっていたものです」
「◯◯、なにほしかったの?」
「それ答えだろ」
「うへー……」
「では、開けてみましょう」
箱を開き、中身を取り出す。
丸められたそれを広げると、九十センチ×四十センチの分厚いシートのようなものだった。
「……?」
うにゅほが小首をかしげる。
「これ、なんだと思う?」
「なんか、あしのしたにしくやつ?」
「ブー」
「わかんない……」
「マウスパッドです」
「まうすぱっど」
「マウスパッド」
「……え、まうすぱっど?」
「マウスパッドです」
「まうすのしたにしくやつ?」
「そう」
「でか!」
うにゅほが目をまるくする。
「なるべく大きいのが欲しいなって探したら、すげえ大きいの見つけてさ」
「おおきすぎる……」
「敷くの手伝ってくれるか」
「うん」
うにゅほと手分けしてデスクの上を片付け、ちょっとした玄関マットほどの大きさのマウスパッドを設置する。
「──よし、計算通りギリギリ敷けたな」
「はかってたんだ」
「まあね」
マウスパッドの上で、ワイヤレスマウスを滑らせる。
「うん、感度良好」
「よかった」
「四千円出した甲斐がある」
「たか──い、の、かなあ……」
「マウスパッドとしては高いけど、サイズ換算だと……」
「よくわかんないね」
巨大マウスパッド、思った以上に快適である。
良い買い物をした。







972 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:08:56 ID:uVHJVMfo0

2018年12月22日(土)

「××」
「?」
「すげえどうでもいいこと言っていい?」
「うん、いいよ」
「俺、紅白歌合戦って見たことないかも」
「おおみそかのやつ?」
「そう」
「わたしもみたことない……」
「うちでは、大晦日と言えばガキの使いだもんな」
「うん」
うにゅほが家に来てからは、毎年そうだ。
「歌合戦と言うからには、勝負だと思うんだよ」
「しんさいんとか、いるらしい」
「あー、たまに聞くな」
「あと、あかがおんなのひとで、しろがおとこのひとだって」
「××、よく知ってるな……」
「うへー」
「で、なにを審査するんだろう」
「うーと、うたのうまさ、とか?」
「上手さを比べるなら、同じ曲を歌わないとフェアじゃなくない?」
「あ、そか」
「でも、"どっちがいい曲か"なんて、単なる個人の好みだし……」
「いわれたら、よくわかんないかも」
「だよな」
「ことし、こうはくみるの?」
「見ないけど……」
「みないんだ」
「だって、ガキの使い見たいし」
「わたしも」
「な、すげえどうでもいいことだったろ」
「でも、ちょっときになるねえ」
「見るの?」
「みないけど……」
「ちょっと気になるけど、ちょっとしか気にならないよな」
「そんなかんじ」
「まあ、CMのときとかチャンネル変えてみるか」
「そだね」
大晦日には忘れている気がしないでもない。
 







973 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:09:28 ID:uVHJVMfo0

2018年12月23日(日)

近所の1000円カットで散髪をして帰宅した。
「ただいまー」
階段を駆け下りる音と共に、
「おか──」
うにゅほが俺の頭部を指差した。
「ぼうずだ!」
海坊主の陸版かな。
「ぼうず、しないんじゃなかったの?」
「いやー……」
丸めた頭を撫でながら、口を開く。
「……すげえ下手な人に当たっちゃって」
「あー……」
すべてを察した表情で、うにゅほが頷く。
「ぼうずにするしかなかったんだ……」
「そう」
「さむくない?」
「寒い」
真冬に丸坊主は、ちとつらい。
「返金するって言われたけど、断ったよ」
「そか」
外套のポケットから缶ココアを取り出し、うにゅほに手渡す。
「ほら、これ。冷たいけど」
「?」
「帰り際に押し付けられた。よほど悪いと思ったらしい」
「そなんだ……」
「べつに怒ってないんだけどな。最悪坊主にすればいいって腹積もりだから、たまたまその最悪を引いただけだし」
「でも、おこるひともいるから……」
「接客業は大変だよなあ」
「そだねえ」
うんうんと頷き合いながら、自室へ戻る。
「──…………」
すると、階段の途中でうにゅほが立ち止まった。
「……なでていい?」
「部屋に戻ってからな」
「♪」
さんざん頭を撫でられまくる俺なのだった。
うにゅほが気に入ってくれるなら、なんだっていいけれど。







974 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:10:12 ID:uVHJVMfo0

2018年12月24日(月)

クリスマスイヴである。
「はー、食った食った」
「くったー」
夕食のあとにケーキをたいらげ、満腹の胃袋を抱えたまま自室へ戻る。
「ぎんがてつどうのよる、みるの?」
「見るぞ」
クリスマスイヴの夜、ふたりで劇場版・銀河鉄道の夜のDVDを観る。
儀式のようなものだ。
「でも、その前に──」
「?」
デスクの引き出しを開き、包みを取り出す。
「メリークリスマス!」
「わ」
「クリスマスプレゼント。明日の朝にしようかとも思ったんだけど、忘れたら困るから」
「あけたい!」
「どうぞ」
うにゅほが、破れないよう慎重に紙袋を開いていく。
中身は、
「……さかなずかん?」
「図鑑みたいだけど、図鑑じゃないぞ」
「ずかんじゃないの?」
「サカナクションのベストアルバム」
「!」
うにゅほが目をまるくする。
「最近、お気に入りみたいだからさ」
「うん!」
うにゅほが音楽に興味を示すなんて珍しいから、覚えておいたのだ。
「ほら、××のスマホ貸しな。全曲入れるから」
「すまほ……」
うにゅほが、専用の座椅子の脇からiPhoneを拾い上げる。
「あ、でんちない」
「こら」
「うへー……」
「音楽プレイヤーとしてでいいから、充電は欠かさないように」
「はい」
「あ、使ってないイヤホン貸そうか」
「うん!」
二枚組のCDをPCにインポートし、iPhoneに転送したのち、うにゅほを膝に乗せて銀河鉄道の夜を観賞した。
来年のイヴも、ふたりで迎えられますように。







975 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:10:41 ID:uVHJVMfo0

2018年12月25日(火)

静かな室内に、耳掛けイヤホンから漏れた音楽がかすかに流れている。
「♪」
うにゅほが、目を閉じながら、サカナクションのベストアルバムに聞き入っているのだ。
「××ー」
「──…………」
「××?」
「──…………」
あ、聞こえてない。
「××」
ぷに。
「!」
ほっぺたをつついてやると、うにゅほが驚きに目を見開いた。
左耳のイヤホンを外し、尋ねる。
「どしたの?」
「なんでもない」
「なんでもないの」
「いや、なんでもある」
「?」
うにゅほが小首をかしげる。
「××、どの曲が好きなのかなって」
「どのきょくかなあ……」
反対側に首をかしげながら、うにゅほが思案する。
「うーと、なんぷんかごにゆき、のやつとか」
「……どれ?」
「タイトルわかんない……」
「歌ってみて」
「えー」
「鼻歌でいいから」
「うん……」
うにゅほが、恥ずかしそうに鼻歌を披露する。
「あ、あったあった。そんな曲あった」
「タイトルわかる?」
「わからん」
「なんてきょくだっけ……」
「ちょい待ち」
キーボードを叩き、歌詞で検索する。
「Disk1の二曲目、"夜の踊り子"って曲だ」
「おー」
「覚えた?」
「おぼえた!」
「今度カラオケ行ったとき、期待してるから」
「えー!」
「××の歌声、聞きたいな」
「うー……」
俄然、ふたりカラオケが楽しみになる俺なのだった。







976 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:11:23 ID:uVHJVMfo0

2018年12月26日(水)

Steamで積んでいたクロノトリガーを始めた。
「──…………」
じ。
膝の上のうにゅほが、画面に見入っている。
「これ、みらい?」
「未来」
「はー……」
「この未来を変えるために、クロノたちが頑張るんだよ」
「──…………」
「面白い?」
「おもしろい……」
以前、うにゅほに、DSのクロノトリガーをプレゼントしたことがあった。※1
そのときは、最初の中世で早々とプレイしなくなってしまったのだ。
自分がプレイするより、人のプレイを横から見るほうが性に合っているらしい。
「クロノトリガーは、SFCで一、ニを争うくらい面白いRPGだからな。いまでも色褪せない」
「おもしろいソフト、ほかにもあるの?」
「あるぞ」
「そっちもみたいな」
「……ちょっと難しいかな」
「そなの?」
「Steamで配信されてるクロノトリガーが、むしろ特別なんだ。他のは、SFCの実機がないと」
「あー」
「天地創造、またやりたいなあ……」
「どんなソフト?」
「地球空洞説って知ってる?」
うにゅほがふるふると首を横に振る。
「地球の内部が、実は空洞になっていて、そこには別の世界が広がっているって考え方」
「!」
「もちろん、地球が円盤みたいに平面で、四頭の象の上に乗っているなんてのと同じ、いまは否定された説だよ」
「あ、そか……」
「主人公は、その空洞──通称"地裏"に住む少年で、とある事情から、滅びた地表の大陸を復活させていくんだ」
「うん」
「下手すると、クロノトリガーより好きなゲームかもしれない……」
「きになる」
「今度、プレイ動画でも探してみようか」
「うん」
ともあれ、いまはクロノトリガーだ。
感動させてやろうじゃないか。

※1 2014年12月25日(木)参照
 







977 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:12:10 ID:uVHJVMfo0

2018年12月27日(木)

「……なんか、すこし息苦しいな」
「──…………」
うにゅほが小さく深呼吸をする。
「そうかも……」
「換気するか」
「うん」
手分けして南東と南西の窓を開く。
晴れていたおかげか、凍りついていた窓枠も、難なく剥がすことができた。
冷え切った風が汚れた空気を押し出していく。
「ふひー……」
寒い。
寒いが、新鮮な空気が肺に心地よい。
「たまに換気しないとなあ……」
「ほんとだね」
「××、寒いから二人羽織するぞ」
「はーい」
うにゅほを半纏に招き入れ、よたよたと座椅子に腰を下ろす。
「換気って、どのくらいすればいいんだろう」
「しらべる?」
「××、スマホで調べてくれ」
「わかった」
うにゅほが自分のiPhoneを拾い上げ、Safariを開く。
「なんてしらべたらいい?」
「うーん、"換気"、"時間"あたりで」
「わかった」
フリック入力で多少もたつくものの、うにゅほとてこれくらいの調べ物はできる。
「わ、ごふんだって」
「五分でいいの?」
「うん」
意外だ。
三十分くらいは必要だと思っていたのだが。
「でも、いちにちにかいだって」
「二回も……」
極寒の地である北海道において、一日に二度も窓を開けるのは少々つらいものがある。
汚れた空気と共に、暖かい空気も押し流されてしまうからだ。
「……二回は、まあ、目標として、まずは一日一回換気することにしよう」
「さむいもんね……」
「あと、吹雪の日とかは我慢」
「うん」
シックハウス症候群なんてものもあるから、気をつけねば。







978 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:12:46 ID:uVHJVMfo0

2018年12月28日(金)

「──…………」
ぼー。
漫画を開いたまま、心ここにあらずといった様子で、うにゅほが虚空を見つめていた。
「××、××」
「!」
うにゅほが我を取り戻す。
「いま、なに考えてた?」
「クロノトリガーのことかんがえてた」
「やっぱり」
つい先程、Steam版のクロノトリガーをクリアしたばかりなのだった。
「面白かっただろ」
「おもしろかった……」
うにゅほが、うんうんと頷く。
「◯◯がくれたでぃーえすの、やればよかった」
「人のプレイを見るのも面白いけど、ゲームは自分でプレイしてなんぼだからな」
しばし思案し、うにゅほが口を開く。
「……でも、やっぱし、わたしにはむずかしかったきーする」
「小学生の俺でもできたんだから、レベルさえ上げればなんとでもなると思うけど」
「わたし、とろいから……」
「そんなこと──」
うにゅほとの様々な思い出が脳裏を錯綜し、
「……ないぞ?」
思わず語尾を上げてしまった。
「◯◯、わかりやすい」
「すみません」
「えっちぴーいちにされるのとか、あわあわしてしんじゃうとおもう」
「あー」
ジールのハレーションを初めて食らったときは、俺もそんな感じだった気がする。
「まあ、死んで覚えるのがゲームの基本だったりするから」
「そなの?」
「マリオだってそうだろ」
「そうかも……」
「××、初代マリオ、クリアできたんだっけ」
「わーぷしたら、ごめんまでいけた」
「おー」
4-2にもワープ土管があることは秘密にしておこう。
「××にもできそうな面白いゲーム見つけたら、また教えるよ」
「うん、たのしみ」
星のカービィとかだろうか。
ウルトラスーパーデラックス、まだ売ってるかなあ。
 







979 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:13:23 ID:uVHJVMfo0

2018年12月29日(土)

部屋の大掃除の前に、HDDの大掃除をすることにした。
「"ダウンロード"フォルダがえらいことになってる……」
フォルダとファイル合わせてアイコンが542個ともなれば、どれだけ整理していなかったか察せようというものである。
「?」
俺の独り言が気になったのか、うにゅほのディスプレイを覗き込もうとする。
「××、ストップ」
「はい」
ここで素直に止まるのが、うにゅほの良いところだ。
「いま、見られたくない作業してるから」
「えっちなの?」
「──…………」
「──……」
「含む!」
「そかー」
すべてを受け入れる笑みを浮かべ、うにゅほが座椅子へ戻っていく。
「さて、と」
png、jpg、pdf、doc、txt、xls──さまざまな形式のファイルを選り分け、分類する。
"ダウンロード"フォルダを整理したあとは、不要なメモの削除だ。
俺は、タスクトレイ常駐型のメモソフトを愛用している。
気軽に書き込むことができるためか、まったく記憶にないものも少なくない。
「ほんと、わけわからんメモ多いなあ」
「えっちなの、おわった?」
「終わった」
「みていい?」
「いいよ」
うにゅほが画面を覗き込む。
「きゅうひゃくろくじゅうに、ひゃくさんじゅういち、にひゃくさんじゅうきゅう、ろくじゅういち……」
「なんだろうな、この数字」
「わからん」
逆に、わかったら驚く。
「はんなりみんちょう、らてご」
「それは、フリーの日本語フォントだな。なんでメモしてあるのか知らんけど」
「へえー」
「シャクターの情動二要因理論……」
「なにそれ」
「なんだっけ」
しばらくのあいだ、意味のわからないメモ書きを、うにゅほと削除して回るのだった。
 







980 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:13:48 ID:uVHJVMfo0

2018年12月30日(日)

カレンダーに視線を向ける。
「今年も、残り二日とないのか……」
「あと、さんじゅうじかんくらい」
「長かったような、短かったような、……短かったような」
「そかな」
「長かった?」
うにゅほが無言で頷く。
「ジャネーの法則ってやつだな」
「じゃねー……」
「主観的な時間の長さは、子供ほどより長く、年を取るほど短く感じられるって法則のこと」
「そなの?」
「五歳の幼児にとっての一年は、その生涯の五分の一だろ」
「うん」
「五十歳の人にとっての一年は、当然、五十分の一となる」
「なる」
「短く感じるのも無理からぬ話だろ」
「りかいしました」
「理解しましたか」
「はい」
急に敬語。
「りかいしたので、おおそうじしませんか」
「しません」
「しませんか……」
「俺、××と約束したから。大晦日までは、絶対に、大掃除しないんだって……」※1
「したけど」
「××との約束は、絶対に守る!」
「ほんとは?」
「めんどくさい」
「やっぱし」
「でも、約束を守るのは本当だぞ。本当だから、明日はちゃんとやる」
「ならいいけど……」
「部屋を清めて、さっぱりした気持ちで新年を迎えたいしな」
「うん、そだね」
「明るいうちに大掃除済ませて、ガキの使いで年越しだ!」
「たのしみ」
平成最後の大晦日だ。
爽やかな気分で新年を迎えよう。

※1 2018年12月20日(木)参照
 







981 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:14:16 ID:uVHJVMfo0

2018年12月31日(月)

雑巾をバケツに投入し、高らかに宣言する。
「──大掃除、終わり!」
「おわりー!」
「いえー」
「いえー」
ハイタッチ。
手が濡れていても、お互いさまだ。
「本棚の整頓だけでお茶を濁そうと思ってたけど、結局、本格的にやっちゃったな」
「ふだん、ぞうきんかけないから、いがいとよごれてた」
「そうだな。雑巾真っ黒──ってほどじゃないけど」
いざ掃除する気で探してみれば、汚れもそれなりにあるものだ。
「これで、きもちくとしこせるね」
「まったくだ」
掃除で汚れた体を今年最後の風呂で洗い清め、新しい下着を穿いて新年に備える。
「これでばっちりだな」
「うん、ばっちり」
大晦日に見る番組と言えば、我が家ではガキの使いと決まっている。
弟と三人で笑い転げていると、時計の針が頂点で重なった。
「あ」
「?」
俺の隣で寝転がっていたうにゅほが、小首をかしげる。
「あけましておめでとう」
「!」
俺の言葉で気づいたのか、うにゅほが居住まいを正し、
「あけまして、おめでとうございます」
そう言って深々と頭を下げた。
新年の挨拶を交わしたあと、弟が半纏のポケットを漁り、小ぶりの封筒を取り出した。
「××、お年玉」
「わ」
うにゅほがポチ袋を恭しく受け取る。
「年越して即渡せるように、わざわざ準備してたのか」
「まあね」
まめだなあ。
「(弟)、ありがとう!」
「どういたしまして」
「俺のは──まあ、寝て起きたらでいいか」
「うん」
「今年も初詣行くの?」
「いや、お酒飲んじゃったし」
「チューハイがぶがぶ飲んでるから、そんな気してたよ」
徒歩圏内に神社があれば、考えないこともなかったのだけど。
「はつひので、みる?」
「──…………」
検索したところ、2019年の初日の出は、午前七時過ぎになるらしい。
「××は、素直に寝て起きたほうがいいんじゃないか」
強靭な体内時計で、何があっても午前六時には目を覚ますのだし。
「おしょうがつだから、よふかししたいの」
「したいのか」
「うん」
なら仕方ない。
仕方はないが、
「──……すう」
この日記を書いている午前三時現在、うにゅほはすよすよ寝息を立てている。
予想通りだ。
そろそろ眠いし、俺も床に就いてしまおうかな。
読者諸兄の皆様、あけましておめでとうございます。
2019年も「うにゅほとの生活」をよろしくお願いいたします。






982 :名前が無い程度の能力を持つVIP幻想郷住民:2019/01/02(水) 21:15:30 ID:uVHJVMfo0

以上、七年一ヶ月め 後半でした

引き続き、うにゅほとの生活をお楽しみください
 



19:30|この記事のURLコメント(25)したらば | このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント一覧

  • 1  Name  名無しさん  2019年01月03日 19:56  ID:NoDawISw0
    第一回2019年作者叩き大会始まるよーーーー


  • 2  Name  名無しさん  2019年01月03日 20:05  ID:cOLhREQj0
    ※1
    何と不毛な


  • 3  Name  名無しさん  2019年01月03日 20:05  ID:HF.SkGkD0
    本当につまらん
    早く永眠しろ


  • 4  Name  名無しさん  2019年01月03日 20:14  ID:CwrEwsHv0
    素晴らしい・・・(白目)


  • 5  Name  名無しさん  2019年01月03日 20:37  ID:4nPr51630
    あけましておめでとうございます!
    続き待ってます


  • 6  Name  名無しさん  2019年01月03日 20:39  ID:7Hc2d.aU0
    何で、これを定期的にまとめてるの?



  • 7  Name  名無しさん  2019年01月03日 20:39  ID:wQmjydoJ0
    平成生まれの30才はまだいなくね


  • 8  Name  名無しさん  2019年01月03日 20:49  ID:GUl3S1oh0
    もうまとめんでいいっていってんだろうがよ!


  • 9  Name  名無しさん  2019年01月03日 20:58  ID:4wbk6uRa0
    7年って冷静に考えなくても激ヤバ


  • 10  Name  名無しさん  2019年01月03日 21:03  ID:Otek2.DP0
    普通に待ってた


  • 11  Name  つまらんしキモいからまとめるのやめろ  2019年01月03日 21:05  ID:1DKqN9jw0
    こちら旧地獄 東方地霊殿 ~ Subterranean Animism.
    こんなに長い名前だし
    たいていみんな知ってない
    東方ファンなら誰でもわかる
    でも
    こ地霊でいいじゃん(いいじゃん)
    短くていいじゃん(いいじゃん)
    こ地霊でいいじゃん(いいじゃん)
    短くていいじゃん(いいじゃん)
    局地的に愛されてます
    こちら旧地獄 東方地霊殿 ~ Subterranean Animism.


  • 12  Name  名無しさん  2019年01月03日 21:54  ID:yy.I35bJ0
    コメント読むのが楽しみ(定期)


  • 13  Name  名無しさん  2019年01月04日 00:39  ID:uvbmUjGg0
    >>9
    やってみればわかるけど、案外続くよ


  • 14  Name  名無しさん  2019年01月04日 03:43  ID:QUA8i.Sw0
    普段の生活や仕事してる間にもお空の幻覚が見えてそう


  • 15  Name  名無しさん  2019年01月04日 07:31  ID:XbU5Kjp50
    >>8
    嫌なら見るな定期


  • 16  Name  名無しさん  2019年01月04日 07:40  ID:LOZ.zthO0
    >>15
    嫌でも目に付く位置にあるんだよなあ


  • 17  Name  名無しさん  2019年01月04日 08:59  ID:xUQcuI.N0
    コメントだけ見てます


  • 18  Name  名無しさん  2019年01月04日 09:20  ID:Rsw47zhh0
    >>16
    わざわざ何度も見に来てるじゃねーか


  • 19  Name  名無しさん  2019年01月04日 15:24  ID:3ejt9TRz0
    ヒェッ…


  • 20  Name  名無しさん  2019年01月04日 19:01  ID:WLMyebmG0
    こんな継続性のある変態が筋トレまで始めようとしてるのか
    近所うろついてたら怖いなぁ


  • 21  Name  名無しさん  2019年01月05日 19:45  ID:iCcQ7kmo0
    やったぜ 目指せ10周年!!


  • 22  Name  名無しさん  2019年01月05日 21:21  ID:ScXmXGup0
    この日記書いたやつ言語障害でもあるのかな


  • 23  Name  名無しさん  2019年01月05日 22:47  ID:1rKffKzf0
    なんだこれは…
    たまげたなぁ


  • 24  Name  名無しさん  2019年01月07日 08:35  ID:KXjJgUW90
    作者のtwitter見たけど普通のツイートしたり作曲してたぞ それにオタクなんて大なり小なり変態だろうに、少なくとも一般の人から見たら それよりも七年も利益なしで創作を続けれる熱意に感心するね


  • 25  Name  名無しさん  2019年01月07日 12:05  ID:xZkqsDKc0
    ギャグもオチもない、作者の思いついたことをダラダラ並べてるだけで「読者を楽しませよう」という思いが一切感じられない
    これじゃ本当にただ日記を書いてるだけで創作でも何でも無いし熱意じゃなく惰性で書いてるように見える
    せっかくファンタジー性の強いゲームキャラを題材にした作品なのに「ステーキ食った」だの「マウス買った」だのやけに現実的な内容しかないのも残念


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